ガールズバンドとシチュ別で関わっていく話   作:れのあ♪♪

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終章12.前夜

 

 ~~~♪

 

「~~♪」

 

 最近になって、俺は通しの練習が好きになった。

 まりなさんのベース、チュチュのDJ、つくしのドラム、その全てが俺のギターを支えてくれてるような気がする。

 そして・・・

 

「~~~♪」

 

 声を出して、生演奏をバックに声を張り上げて歌うのは、更に気持ちいい。

 気持ちよすぎて、ちょっと演奏が雑になったり走ったりしそうにはなるが、俺はこの感覚が嫌いじゃない。

 

 ~~~~♪

 

 全体的にも余裕が生まれて、メンタルの調子も良くなり、集中のコントロールも上手くいくようになった。

 

 ~~~~♪

 

 ~~~~♪

 

 演奏は、明確に形となった。

 

 

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「いやー、いい汗かいたぜ・・・」

「そうだね。最近は調子もいいし」

「このままライブも上手くいきそうですね!」

「だからって油断しちゃダメよ」

 

 ライブも、もうすぐ。

 より一層、本番への意識を強めていく必要がある。

 

「そう言えば、ワタシたちのライブ演出の話も、そろそろ進めないとね」

「あぁ。一応、全ての出演者に内緒で俺たちが前座に出る。ってことは、CiRCLEの関係者だけに話は通したけど」

「具体的な演出は決めてないもんね」

「基本的にスタンダードなライトの当て方でやっていく感じで。ってことで一旦話はまとまりましたけど」

「ワタシも別に今のままで問題はないと思うけど、やっぱりライブに臨む以上、気になることは無い方が良い」

「気になることって?」

「例えば、リーダーにやってみたい演出の希望は無いか、とかね」

「俺?」

 

 まぁ、確かに俺のために組んだバンドである以上、俺の希望は重要視されるのかもしれない。

 俺も今のままで問題無いと思ってるが、せっかくなら、言うだけ言ってみるのもアリか?

 

「じゃあ、1個だけ、言ってみていい?」

「お、あるの?やってみたいこと」

「まぁ、言うだけ言ってみるだけですけど・・・」

 

 3人の視線が集まる。

 なんか緊張する。

 

「あの・・・サビに入るタイミングとかでさ、ステージの手前辺りから炎が噴き出てくる、あの演出あるじゃん?あのカッコいいやつ、アレとか、やってみたいな・・・なんて」

「「「・・・」」」

「えっ、変なこと言った?」

「いや、変ってことは無いんですけど」

「なんて言えばいいのかしら・・・」

「いかにも『中高生男子!』って感じの要望だね」

「いや、いいじゃないですか!!カッコいいでしょ!炎が吹き上がるの!」

「まぁ、気持ちは分かりますけど・・・」

「マリナ、当日のCiRCLEでその演出は出来るの?」

「・・・うーん」

「まりなさん?」

 

 会議が盛り合った矢先、まりなさんの表情が険しくなった。

 

「いや、設備はあるし、話を通せばその演出自体は可能だけど・・・」

「可能ならいいじゃないですか。なんでそんな渋るんです?」

「合同ライブの当日、Roseliaもその演出使うらしいんだよね」

「「「・・・!」」」

 

 つまり

 

「ただでさえ高レベルなRoseliaと同じことをすると、うちが見劣りしちゃう可能性が出てくる」

「・・・」

「みんなは、それでもやりたいって思う?」

 

 普通に考えたら、おこがましい話だ。

 

「結成したばかりのバンドで、Roseliaと同じ土俵・・・」

「気軽には出来なくなってきたわね」

 

 バンドは結成したばかり、それがプロレベルのバンドと同じ演出をやろうだなんて、喧嘩売る行為だ。

 

「あの、まりなさん。それと、みんな・・・」

 

 でも生憎、俺はもう逃げないと決めている。

 気づけば俺は、立ち上がってメンバーを見据えていた。

 

「この程度で逃げ腰になってちゃ、あの2人をあっと言わすなんて出来ないだろ!」

「「「・・・!」」」

「喧嘩上等、見劣り上等。寧ろやるなら、前座の初っ端からRoseliaを喰らってやるぐらいじゃなきゃいけないんじゃねぇのか!?そうだろ!?」

 

 プロ級、歌姫、何するものぞ・・・!

 

「リーダーとして今一度聞くぞ」

「「「・・・」」」

「この中に、Roseliaが相手でビビってるやついる?」

「「「・・・!」」」

「Roseliaと演出被って日和ってるやついるか!?」

「「「!!」」」

「いねぇよなぁ!!」

 

 レイヤから、1つだけ聞いた話がある。

 チュチュがRoseliaに対して『あの言葉』を使う時は、本来の意味ではなく『全力でぶつかる』という意味で使うらしい。

 ならば、俺もそれに倣うとしよう。

 

「Roselia潰すぞぉ!!!」

「「「ウオオオアアアァァ!!!」」」

「合同ライブが決戦だ!気合入れてくぞ!!」

 

 ライブ演出の炎は、ド派手にぶち上げることが決定した。もう派手派手だ。

 当然、この後の練習時間が身の入ったものになったのは言うまでもない。

 気持ちの乗り方が、いつもより強くなった。

 

 なんつーか、自信持てるようになったな。俺も。

 

 

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 練習が終わる時間はいつも夜遅く。

 いつもなら、終わればさっさと解散するという流れなのだが、今回は違った。

 

「あの、よかったらさ、このままベランダに出て、しばらく夜景でも見ないか?みんなが良ければ」

 

 誰も反対はしなかった。意外なことに、チュチュも今回の案には快諾してくれた。

 

「相変わらずいい眺めだな」

「でも、この高さからの夜景も見慣れてきたね。それなりに通い詰めてる訳だし」

 

 そうだ。見慣れるぐらいにこの場所へ通い詰めたから、今の俺はこうしてやっていけているのだ。

 でも、このバンドはいつまでも続く訳じゃない。チュチュやつくしも、本来は別のバンドのメンバーだし、まりなさんや俺も、他にやるべきことがある。

 ・・・合同ライブが終われば、このバンドは解散だ。

 

「こうして集まって夜景を見るのも、あとちょっとで終わっちゃうんですよね」

「そうだな。今日みたいに、スタジオ内で4人揃って座り込むことも、もう多くない」

「アナタたち。まだ戦いは終わってないのよ?」

「そうだよ。感傷に浸るのは流石に早いんじゃない?」

 

 違いない。寂しさが無いわけじゃないが、それを感じるのは今じゃない。

 

「絶対に成功させよう。合同ライブ・・・」

 

 

 合同ライブまで、あと少し。

 

 来るべき時に向けて、俺たち4人は静かに決意を固めたのだった。

 





 今日は短め。
 その分、次はかなり長めの話になる。
 
 『前夜』ってサブタイトルからご察しの通り、この作品そろそろ終わるけど、日和ってるやついる?
 おらんよな。

 次の更新は、明日。

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