ガールズバンドとシチュ別で関わっていく話   作:れのあ♪♪

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 前回に引き続き、今回もリクエストのつくしちゃん。

 ラストです。


73.二葉つくしと夜を過ごすシチュ(下)

 

 夕飯を済ませ、ソファでつくしの太ももを枕代わりにしてくつろいでいると、しぶとかった夏の夕日も沈み、時刻もすっかり夜になった。

 

「そろそろ風呂の準備しないと、だな」

「あ、そのことなんだけど、ちょっといい?」

「なんだよ。心配しなくても一番風呂ならつくしに譲るぞ」

「いや、順番も関係することなんだけどさ……」

 

 明後日の方を見ながら、つくしは続ける。

 

「実は今日、キャンプの時の水着、持ってきてるんだよね」

「……ほう」

「ついさっきも、見たかったって言ってたじゃん?」

「言ったな」

「お互い忙しい身だし、これから見せる機会があるかも分からないじゃん?」

「まぁ、確かにな」

「うん。だからさ……」

 

 ・・・

 

「2人で水着に着替えて、一緒に入るというのはどうでしょうか?」

「入ろう。そうしよう。すぐに準備しよう。40秒で支度しよう」

「判断が早いって。嘘でもいいからもうちょっと悩むフリぐらいしてよ」

「えっ、好きな子の水着が間近で見られるのに、悩む要素とかあるのか?」

「正直な人だなぁ……。美徳だとは思うけどさ」

 

 お風呂タイム、同行決定。

 

 

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 水着に着替えたり、自分のシャンプーを準備しているつくしを待ちつつ、俺は先に体を洗い、水着のまま湯船に浸かった。

 

「今からつくしが来るのか……」

 

 しかも、水着姿で。

 写真で見た時も、凄く可愛かったのを覚えている。

 

「お兄ちゃん……」

「お、つくし。準備はいいのか?」

 

 扉の向こうから遠慮がちな声が聞こえる。

 

「準備は、大丈夫なんだけど……」

「?」

「いざここまで来ると、ちょっと恥ずかしいかも……」

「一応言っとくけど、無理しなくていいからな?嫌だったら今からでもやめて──」

「違うよ!それは絶対にない!」

 

 嫌かもしれないという疑念は、つくし本人から強く否定された。

 ただでさえ女の子が露出の多い恰好をする訳だし、男に見られることへの抵抗はあってもおかしくはないと思っていたが、どうやら本当に恥ずかしかっただけらしい。

 

「よし、もう大丈夫。お兄ちゃん、今からそっち行くからね」

 

 そして、つくしはしばらく渋っていた割に、扉を開ける勢いは思い切りがよかった。

 

「……じゃ、じゃーん。ど、どうかな?」

 

 照れ隠しにおどけた様子で浴室に入ってきたつくしは、まさに天使そのものだった。

 水着は既に写真で見ていたが、今回のつくしは入浴のために髪を下ろしている。

 普段はお目に掛かれないその姿が、あまりにも魅力的で……。

 

「綺麗だよ……。今すぐにでも抱きしめたい」

「そうかな。えへへ……」

 

 可愛い。

 

「……」

「あの、お兄ちゃん」

「なに?」

「……見すぎ」

「わ、悪い……」

「むぅ、言っとくけど女の子が男の人の前でこんなに肌を出すのって、本当に恥ずかしいんだからね」

 

 そう言いながらつくしは腕をクロスして俺から胸元を隠すような素振りを見せる。

 よく見たら、顔も少し赤らんでいる。

 

「……まぁ、取り敢えず、体洗えよ」

 

 

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 その後、つくしは時間をかけて入念に髪を洗い、首から下にも泡を広げていく。

 俺は目を閉じて、ひたすら見ないように努める。

 

「お兄ちゃん、今からは特に気を付けてくれる?その、今から水着の内側も洗いたいから……」

「いや、わざわざ言わなくていいから……」

 

 そして、そんなことを言われて、つい変な想像をしてしまう。

 小柄ながらにスラッと伸びた細い手足、透き通るように綺麗な柔肌、濡れた髪の隙間からちらりと見えるうなじ、さらけ出された肩と鎖骨、体格に見合った控えめな乳房、くびれた腹部に女性的なおへそ、そしてこれらの全てにシャワーの水滴が滴っている。

 その水滴の1つ1つが、彼女の透明感を更に引き立てていて……。

 

「お兄ちゃん、ちょっと詰めてくれる?もう洗い終わったから」

「ん?……あ、あぁ。悪いな」

「(……『悪いな』?)」

 

 いつの間にかシャワーの音も止み、つくしの声も近くなって聞き取りやすくなった。

 浴槽で膝を曲げて前の方へ詰めてやると浴槽の湯舟が溢れ出た。

 背中に、少し小柄な少女の体重が預けられる。

 背中合わせで温まっていると、つくしが話を振ってくる。

 

「実は結構前からこうしたかったんだよね」

「そうなのか?」

「うん。でも、流石に裸を見せるのは恥ずかしいどころの話じゃ済まないし……」

「そもそも、いつごろから入りたかったんだ?俺と一緒に」

「実は付き合うことになる前から入ってみたいとは思ってたんだよ。それこそお兄ちゃんのことを『お兄ちゃんとして』大好きだった頃からね。兄妹は一緒にお風呂に入ったりするでしょ?『裸の付き合い』とか言うじゃん」

「裸じゃないけどな」

「じゃあ『水着の付き合い』だね」

「その言い方だとプールで遊んでるみたいにならないか?」

「細かいことはいいじゃん」

「それもそうか」

 

 ちゃぷん……。

 という水の音が静かに響く。

 

「……まさか、つくしと一緒に風呂に入るような関係になるとはな」

「そうだねぇ。ただの先輩と後輩だったのに」

「兄妹になって」

「今は、その……」

「恋人、だもんな」

「こうして振り返ると、随分変わったよね。私たちの関係」

「この世の時間が順当に進み続ける限り、不変なんてものは無いさ」

「じゃあ今は仲良しでも、いずれすれ違ったり、争っちゃったりすることもあるのかな?」

 

 ・・・

 

「つくしが何をそんなに不安がってるのかは分からないけどさ。もしもそんな状態になったら、その時はいっぱいケンカしよう。兄妹らしく、恋人らしくさ」

「ケンカ、しちゃうの?」

「これから長いことやっていくんだから、ぶつからなきゃいけない時ぐらいあるだろ。俺はそんな大事な時につくしから逃げるようなことはしたくない」

「お兄ちゃん……」

「恋人なだけじゃなくて、『兄妹』としての絆まである。繋がっちまってんだから、今更1回や2回ぶつかったぐらいじゃ終わらねぇよ。そんなんで離れちまうようだったら、俺たちは今こうして一緒の湯船になんざ浸かっちゃいないさ」

 

 腕を器用に後ろに回し、つくしの頭を軽く撫でてやる。

 少し髪が濡れていて手が動かしづらくはあるが、つくしは満足げだ。

 

「じゃあ、そろそろ上がるよ。そろそろのぼせそうだし」

「そっか。ずっと浸かってもんね」

 

 立ち上がり、長風呂で火照った体を落ち着かせ、ゆっくりと息を整える。

 

「あ、そうだつくし、上がる前に1個だけ」

「どうしたの?大事な話?」

「それなりに、かな」

 

 湯船からから足を上げ、扉を開けながら用件を伝える。

 

「好きだぞ」

「……ばかっ」

 

 妹の悪態と、満足に見ることが出来ていなかった水着姿を最後に、俺は風呂場から離脱したのだった。

 

 

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 風呂からも上がり、自分の部屋でくつろいでいると、しばらくしてからつくしが入ってきた。

 風呂上がりで下ろした髪は湿り気を帯び、少し火照った頬でさっぱりした様子で、水色ベースで花柄の、ワンピースタイプのパジャマを着こなして部屋に入ってくるつくし。

 可愛い。

 

「お待たせ」

「うん。楽しみに待ってたよ。ところで寝る場所はどうする?一応姉さんのベッドは使っていいって言われてるけど」

「なんで?やだよ。一緒に寝ようよ」

「だよな。俺もそう答えると思ってた。じゃあ、後はこの後の予定だな。このまましばらくお喋りでもするか、それとも電気消してさっさと寝るか」

「うーん。じゃあ間を取って、電気消してから一緒におしゃべりしよっか」

「お、いいなそれ。なんか修学旅行の夜みたい」

 

 つくしの提案通りに部屋の明かりを消すと、すぐに暗闇が訪れた

 とは言っても、外の明かりだって入ってくるし、目が慣れるとつくしの表情までちゃんと認識できる。

 後は慣れた足取りでベッドに戻り、そのまま奥まで行って部屋の壁に背中を預ける。

 

「ほら、つくし。おいで。見えるか?」

「うん。ちゃんと分かるよ」

 

 具体的な言葉で示し合わせるまでもなく、俺が両腕を広げると、つくしはそのまま俺のそばに寄って、俺の胸に背中を預け、俺の足の間に小さな自分の体をすっぽりと収める。

 壁とつくしの体重に挟まれてちょっと苦しいが、それもつくしを抱きしめているうちに慣れた。

 

「そういえばさ」

「んー?」

「なんで、部屋別で寝られるようにしてたの?一緒に寝たくなかった?」

「いや、そうじゃないけど……」

「けど?」

 

 暗くなった部屋でつくしがそんな風に聞き返してくる。

 ちょっと言いにくいことではあるけど、だからって隠し事も良くないか。

 

「理性が、危ないかもなって」

「理性?」

「だから、その……変な気起こして……襲うかも、しれないだろ?」

「へっ……!?」

 

 俺の腕の中で、つくしの方が少しだけ跳ねた。

 

「風呂場は案外どうにかなったけど、家には誰もいなくて、急いでやらなきゃいけないこともなくて、時間は夜で、部屋のベッドに2人きりで……っていうのに耐えられるかというと……」

「私は少なくとも、お兄ちゃんが無理やりそんなことをする人じゃないって信用してるよ。信用してるから、一緒にお風呂に入って、一緒のベッドにいるわけだし」

「うん。それは分かってる。俺だってつくしの合意も無しで無理やりそんなことはしない。そんな風に女の子を傷つけるようなことは絶対にしたくない」

 

 それは、当然のことだ。

 

「でも、やっぱり俺は10代の男子だし、そういう欲求だって無い訳じゃない」

「大げさだな。確かにそうだとは思うけど、その、相手は私だよ?身長も低いし、お尻も小さいし、寄せても谷間ができないぐらいに、おっぱいだって大きくないし……こんな子供っぽい体にそんな気持ちなんて──」

「なってるよ」

「へっ……!?」

 

 さっきより、少し強めにつくしの体を抱き寄せる。

 

「体目当てみたいに思われそうだから言ってなかったけど、実は最近になって、つくしのおっぱいに目がいったりとかしてた」

「嘘……」

「嘘でこんなこと言わないよ。大きい人とかだったら、欲求とか関係無く無意識に見たりとかするかもだけどさ。つくしの小ささで目が奪われてるのは、自分でも確信犯だと思うんだ。つくしはお嬢様に囲まれてたせいで、その手の視線には鈍感で気づかなかったんだと思うけど」

「いや、待ってよ。そもそも男の人って、その……例えばましろちゃんみたいに、もっと膨らんでて、ふわふわした感じのおっぱいが好きなんじゃないの?」

「まぁ、そういうのが人気なのは事実だけど、正直好きな人のだったら、あんまり関係ないよ」

「そ、そうなんだ……」

 

 どうしよう。流石に引かれたかもしれない。

 

「ねぇ、ちょっと腕、離してくれる?」

「……分かった」

 

 つくしの背中が離れて、体が圧迫から解放される。

 やっぱり引かれたかな。

 と思った瞬間、つくしはそのままこちらに向き直った。

 

「ねぇ、『レンさん』」

「……!」

 

 急に呼び方を戻されて、心臓が跳ねる。

 俺の顔を真っ直ぐに見つめるつくしの微笑みは、本当に綺麗だった。

 やっぱり髪を下ろしたつくしは、本当に美人だ。

 

 

 

「……えっち、しよっか」

「!?つくし、何言って……」

「あぁ、流石に何でもさせてあげることは出来ないよ?私、まだそういうの怖いし」

「だったら──」

「うん。でもね、実はちょっと嬉しかったんだ。だってそういう目で見ちゃうってことは。私のことを『女』として見てくれてるってことでしょ?」

 

 違いない。確かに最近の俺はつくしに『女』を見ている。

 

「しかもそれで、私が怖がらないようにいつも通りに接してくれてたんでしょ?誰もいない家の部屋で2人きりだったし、こんな無防備な女の子1人なんて、いつでも襲えたのにさ」

「それは当たり前だろ。泣かせたくなかったんだよ」

「うん。そうだよね。私はレンさんのそういうところが大好きだよ」

 

 目を見て、はっきりと言われる。

 

「だから『彼女』としてご褒美ぐらいは、ね」

「いや、それでつくしが無理するのは違うだろ」

「うん。それは間違いないよ。でも、レンさんは1つ勘違いしてる」

 

 ・・・

 

「……その、女の子だって、『そういうの』あるんだよ?分かってる?」

「それは……」

「今は何でもする訳じゃないけど、いずれは、その、『最後』まですることになるかもでしょ?だから、その時のための練習……それなら、いいかなって思ったんだけど」

 

 つくしとの付き合いは特別長い訳じゃないが、今の言葉がちゃんと覚悟を決めて、本気で言ってくれたものであることぐらいは分かる。

 ……女の子にここまで言わせた以上、何もしない方が不作法だろう。

 

「やめて欲しいって思ったらちゃんと断ること。そしたら俺も止めるから。約束できる?」

 

 目の前のつくしが頷く。頷いて、俺を見つめ続ける。

 

「ねぇ、しよ?」

「わかった。じゃあ、しよっか」

 

 手を握り合う。目の前の少女の体温が、じんわりと伝わってくる。

 

「するのはいいけど、俺、経験無いからこういうの分かんないんだよな」

「それは私だって一緒だよ。でも、ここまで来てただイチャイチャするだけじゃ満足できないよ?今からするのは、その、オトナなイチャイチャ……なんだし」

「その練習、だろ。さっきから積極的すぎるぞ。お前」

「分かってる。なんか自分でもおかしくなってる自覚はあるよ。夜だから仕方ないの。レンさんこそ、何かしたいこととか無いの?」

「したいことか……」

 

 したいこと……欲求に従うなら……。

 

「おっぱい、触ってみたいかも」

「……踏み込んだね」

「男ならみんな思ってることだよ。無理強いはしないけど」

「そうだね。難しいけど……」

 

 部屋は暗いが、つくしの顔が赤らんでいることは分かる。

 握られた右手の持ち方が変わった。つくしの両手が俺の右手の上に被さる。

 

「いいよ」

 

 俺の右手の手のひらに、柔らかい感触が押し付けられた。

 つくしが自分の手で俺の右手を乳房まで導いたことに、俺はしばらく気付けなかった。

 

「!?!?」

「どう、かな……?あんまり自信、無いんだけど……」

「えっと、すごく……柔らかい、です」

「ふふっ、よかった。レンさん、触るの初めてだったもんね。ほら、これが女の子のおっぱいだよ」

 

 つくしが恥ずかしそうに笑う。

 俺は、まだ初めて味わう感触に慣れない。

 

「つくし、もう片方も、いいかな……?」

「がっつくね」

「ダメ?」

「いいよ。次はレンさんから、お願い」

 

 左手を、つくしの乳房まで伸ばし、撫でるように、優しく触れる。

 

「んっ……」

「痛くない?」

「うん。それは、大丈夫だけど……あんまり動かさないでくれると、助かるかな」

「繊細なんだな。女の子のおっぱいって」

「いや、まぁ、女の子にとって弱い場所なのはそうなんだけど、それだけの問題でもないというか……」

「どういうこと」

「えっと、私、小っちゃいし、今日はもう寝るだけだったからさ……つけてないんだよね。ブラジャー」

「……!?!?」

「多分、もっと押し付けたら分かるんじゃないかな」

 

 つくしの両手が、俺の両手を掴んで、さらに乳房へと誘い、押し付ける。

 

「えっと、これ……」

「恥ずかしいなぁ。恥ずかしいのに、何してるんだろ……」

 

 自分の手の中心、柔らかさの中に存在する、豆粒大の違和感。

 夏仕様で薄手になったパジャマは、俺の手で馴染まされたせいでつくしの乳房にぺったりと張り付き、その全体像と中心部の突起をしっかりと主張させる。

 

「つくし、もっと触りたい……」

「ヘンタイ」

「ダメか?」

「……優しく、してね」

 

 ゆっくり、つくしの乳房に指を沈める。

 つくしの小ぶりな乳房が、俺の手のひらの中でふにふにと形を変える。

 つくしの乳房を、欲望のままに揉む。

 優しくしたいのに、揉みしだきそうになって、手つきは殆ど落ち着かない。

 

「レンさん……」

「何?」

「いや、その、私の体で、本当にいいのかなって……」

「どういうこと?」

「だって……私、そんなにおっきくないよ?もっと大きい子だっているし、それなのに、こんな……小学生みたいな、小っちゃいおっぱいで、いいの……?」

「つくし……」

 

 好きな子のものであれば関係無いと言ったのに。

 子供っぽいことを気にする性格だし、もしかしたら体型のこともコンプレックスを抱いていたのかもしれない。

 

「少なくとも、俺は好きだよ。つくしのおっぱい」

「こんな……お子様サイズなおっぱいなのに?」

「そうだよ。好きな子の体だからな」

「そっか……」

「つくしは、どう?こんな風に触られるの?嫌じゃない?気持ちいいとかだと嬉しいけど」

「嫌ではないよ。でも、気持ちいいとかでもないかな。ちょっとくすぐったいし」

「くすぐったいのか」

「もっとオトナなおっぱいなら、気持ちいいってなるのかな?」

「つくし……」

「ごめんっ、なんかさっきからずっと恥ずかしいこと言ってる……」

 

 恥ずかしそうに顔を赤らめたつくしの表情に、心臓が昂る。

 服越しとは言え、俺は今、大好きな女の子の乳房に触れて、暗がりの中で恥ずかしそうに触られるがままの少女の表情を見せられている。

 紳士ぶっていた自分を忘れて、どんどん欲求が強くなる。

 この子を好きにしたい。この子をめちゃくちゃにしたい。

 理性を滅殺しかねない程の、暴力的で鮮烈な欲求。

 

「つくし。じゃあ、もっとオトナなこと、しよう」

 

 もう、限界だった。

 俺はつくしの乳房から手を離し、そのまま胸元のリボンに手をかける。

 

「レン、さん……」

「今から、脱がすから」

 

 胸元のリボンを解く。

 後は肩にかかったワンピースの部分を広げて、そのまま下ろしてしまえば、つくしは下着姿だ。ブラジャーはつけていないから、その後のつくしは上半身裸……。

その後でつくしのパンツを取り上げてしまえば、彼女の肢体を隠すものは無くなり、一糸まとわぬ姿になる。

 つくしの、裸……。

 そうだ。俺は今から、つくしの裸を──

 

「まっ、待って!!」

「……!!」

 

 リボンを解いた直後の手を、つくしの両手が強く掴む。

 

「それ以上は、ダメ……」

「悪い。嫌だった?」

「正直、嫌だと思ってない自分はいる。でも、今だけでも恥ずかしくて死んじゃいそうだし、その先はまだ怖いからダメ。……これ以上は、歯止め効かなくなっちゃうよ。レンさんも、私も」

「正直、俺の方はもう手遅れなんだけど」

「そんなに?」

「今すぐ、つくしの裸が見たい」

「うっ……!」

「だから──」

「もう!ダメったらダメ!契約違反!」

 

 つくしの反対により、茹だっていた俺の頭は少し正気になった。

 つくしの顔も火照っているし、向こうは向こうで限界だったのだろう。

 

「つくし、深呼吸しよう」

「うん。そうだね。これ以上はマズい。本当にマズい」

「「すぅぅ……はぁぁ……すぅぅ……はぁぁ……」」

 

 茹だった頭が、ようやく冷静さを取り戻してくれた。

 

「なんとか耐えた……。ごめん。さっきはマジで暴走した」

「ホントだよ。いきなり『裸が見たい』なんて……」

「だよな。がっついて悪かった」

 

 つくしと距離を取り、頭を撫でる。

 この小さな体で、俺の欲求を受け止めてくれたつくしに、これ以上を求めてしまうのはダメだ。

 

「よし、もう寝よう」

「うん」

 

 さっきまでのやり取りを誤魔化すように、俺たちはそのまま仲良くベッドで横になった。

 

「……疲れたな」

「そうだね。私もらしくないことしちゃったし」

 

 ・・・

 

「ねぇねぇ、レンさん」

「どした?」

「後はもう寝るだけならせっかくだし、おやすみのちゅーとか、して欲しいな」

 

 俺の方に寝返りをうって、つくしが最後にキスを求めてきた。

 

「いいけど、動くなよ」

「はーい」

 

 楽しげに返事をして、つくしは目を閉じた。

 なんだろう。さっきまでハードなことをやっていたせいで、この程度だと気楽に感じる。

 

 chu-

 

「んっ……」

「はむ、ちゅ……」

 

 つくしの唇は小さくて、柔らくて、少し湿り気があって、なんだかとてもクセになる。

 いつまでもこのままでいたい気持ちはあるが、またさっきみたいに暴走してもいけない。

 

「ふぅ……はい。じゃあおやすみ」

「うん。おやすみなさい」

 

 最後に就寝の挨拶をした後、俺たちは示し合わせることもなく、互いを抱き寄せ合いながら眠った。

 ドキドキして眠れなくなるんじゃないかという懸念はあったが、つくしがそこに居るだけで落ち着いた気持ちになって、安心して──

 

この日の夜は、寧ろいつもより熟睡できたのだった。

 

 

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 目を覚ますと、つくしの寝顔がすぐそこにあった。

 お互いに寝相が良かったこともあり、どうやらあの夜の抱き合った体勢のまま朝を迎えたようだ。

 

「腕が痺れて動かない……」

 

 でも、そんなこともどうでもよくなった。

 『朝起きて妹の寝顔を見ると、幸せな気持ちになれる』とつくし本人が言っていたが、なるほど。確かにこれは幸せな気持ちになれる。

 

「無防備な寝顔……」

 

 頬をつついても起きやしない。

 別にこのまま起こしてやってもいいが……

 

「まだ5時か」

 

 部活のせいでショートスリーパー体質になってしまっているし、このまま俺だけ起きて何か準備でも……

 

「んんっ、お兄ちゃん……?」

「起こしちゃった?」

「んーん」

「そっか」

「ねぇお兄ちゃん」

「どした?」

「幸せ」

「……俺もだよ」

 

 いや、起きるのはやめだ。寝ぼけたつくしも可愛いし。

 

 俺たちは更に抱き合う力を強めて、そのまま二度寝を決め込んだ。

 

 

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 午前6時ごろ、つくしから『お兄ちゃん起きて。起きないと、その、ちゅーしちゃうよ!』と言われて三度寝を決め込もうとして失敗し、そのまま起こされた後に2人で顔を洗って、どうせ早起きしてもやることが無いことに気付いた俺たちは、そのまま外へ散歩に出かけた。

 

「夏でも朝方は結構涼しいね」

「そうだな。昼もこのぐらいならいいのに」

 

 手を繋ぎ、大して特徴もない道を、目的も無くフラフラと歩く。

 

「お前とこうやって早朝の外を歩くのは、あの時以来か」

「あぁ、バンドの時の?そういえばそうか」

「うん。アレがあったから朝焼けは好きだ。朝焼けが色づいて見えたのは、あの時からだと思うぐらいにはな」

「そうなの?私の中ではいつも変わらず、朝焼けは綺麗なものなんだけどね。今だろうと、過去だろうと」

「そうかよ」

 

 夏に似合わない涼し気な風を浴びながら、昇りゆく朝日を、ただ2人でぼうっと眺める。

 

「つくし」

「何?」

「ありがとな」

「それは、何に対して?」

「んー、何もかも、かな」

「大雑把だなぁ……」

「まぁ、これからもよろしくってこと、で……!」

 

 ポスッ、とつくしのお尻に足を軽く当てる

 

「わっ、ビックリした」

「背中がお留守だぜ。お嬢さん」

「ふふっ。お互いに、ね!!」

 

 バシンッ!

 

「うおぉっ!!」

 

 つくしの強烈な蹴りから先の俺たちに大した会話など無かった。

 しばらく外をふらふら歩いて、飽きたら家に戻って、朝食にトーストを作ってもらって、時が来るまで気ままに過ごして、時間になったらつくしはあっさり帰っていった。

 

 普段はなかなか会えない俺たちにとって、このお泊り会は本当に大事で、貴重で、忘れられない時間になった。

 

「はい。もしもし、まりなさん?はい、明日のシフト?忘れてませんけど……。えぇっ!?明後日も人足りないんですか!?いや、2日連続で夏のライブイベントはちょっと……あぁ、はい。了解です。今度奢って下さいよ?」

 

 そして、そんな非日常から引き戻されるように、俺の生活は、また忙しない日常へと戻っていくのだった。

 




 
 対戦(リクエスト)ありがとうございました。
 
 ヤることヤった訳じゃないのでR18ではない。
 続編という名のただのおまけやし、ちょっとは攻めたいと思って好き勝手やりました。
 いや、もう、巨乳好きを駆逐して貧乳派に目覚める人間を生み出すぐらいの気概で好き勝手やりました。
 言いたいことはあると思いますが、文句は受け付けません。
 読者の気持ちや地雷を一切考えない執筆は凄く楽しかったです。
 今は就活終わって気が大きくなって調子に乗ってるんです。

 もう、一生分ぐらいつくしちゃん書いた。
 しばらくは書かなくても良さそうかな。

 それにしても、ここまで話がまとまらないとは思いませんでしたよ。
 (上)、(中)、(下)、全部で24000字ぐらい書いてますからね。
 昔は1話に3000字とかで収めてたのに……。

【ガルシチュこそこそ裏話】
 作者が書いてて一番楽しいのは美咲ちゃん。

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