渚ニテ、綾ナス波。   作:hekusokazura

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最終話 渚にて、綾なす波。

 

 

 

 

 線路が果てる場所にある、小さな駅。駅舎すらなく、線路とホームと改札口だけがあるだけの、とても簡素な駅に、2人は降り立った。

 電車を降りた瞬間、ふわりと汐の香りが漂い、海が近いことを2人に知らせる。

 太陽は西の方に傾いている。2人はその太陽に吸い寄せられるように、駅に面する道路を西へと向かって歩き始めた。

 あの青年が言った通り、その海浜公園は駅から5分も歩かないうちに2人の前に現れた。

 駐車場を抜け、海岸へと向かう。

 

 

 まだ夕陽の赤に染まる前の、黄白色の陽光に照らされて、一面がキラキラと光る海。

 薄い白波を立てて、静かに寄せては返す波。

 海面すれすれを飛ぶ海鳥たち。

 人影の疎らな砂浜。

 波の音に混じって、さく、さく、と4つの足が砂地に沈む音。

 

 少女は足を止めると、その場でサンダルを脱ぎ、裸足で砂地に降り立つ。サンダルを片手で持ち、そのまま波打ち際へと進む。

 少女の足もとへと迫る波。

 少女は波から逃げるように後ずさりして。

 波が海へと引っ込めば、また波打ち際へと近づき。

 波が寄せてきたら、再び小走りで後ずさりする。

 その様子は、初めて海を目にした幼子のよう。

 いや、もしかして。

 

「もしかしてツバメちゃん、海は初めて?」

 少年に声を掛けられ、波打ち際で行き来を繰り返していた少女は振り返る。頬を上気したように赤くさせ、目を輝かせた、無邪気な子供のような表情で。

「こんなに近くで見るのは…、初めて…」

 いつになく弾んだ声で答える少女。

「そっか」

 毎日のように高台のあの農園から海を眺めていたが、海岸まで降りたことはなかった。こんなにはしゃいでいる少女の姿を見るのはこれが初めてであり、もっと早く海に連れていってやるんだったと反省する少年である。

「波って、本当に、行ったり来たりして…きゃっ」

 少し大きな波が押し寄せ飛沫を上げ、少女の足もとを濡らした。少女は小さな悲鳴を上げながらも、その顔は笑顔で溢れている。

 

 スカートの裾を少したくし上げながら、波打ち際を歩く少女。わざと飛沫が立つような、大袈裟な歩き方。足もとに寄せる波と、海水に濡れた砂地の感触を楽しむように、一歩一歩、ゆっくりと進む。

 そんな少女の3歩後ろを歩く少年。

 陽光に照らされてキラキラ光る波打ち際。

 時折大きく舞い散る波の飛沫。

 その中を歩く少女の空色の髪もまた、陽光と飛沫に重なって、キラキラと光っている。

 その姿は、まるで光の道の中を舞う妖精のよう。

 

 

 少女の後ろ姿を見つめていたら、その少女の足もとに何かが転がってきた。

 少女は足を止め、足もとに転がってきた白いものを拾い上げる。

 手のひらに収まる小さな不思議な形をした白いもの。

 初めて見る白いものを、不思議そうに見つめる少女。

 そんな少女に、遠くから掛けられる高い声。

 

「すみませーん」

 

 後ろ髪を1つに結ったセーラー服姿の女の子が走ってきた。手に、バドミントンのラケットを持って。

 女の子は息を弾ませながら、少女の前に立つ。

「すみません」

 女の子は同じ言葉を繰り返しながら、少女に広げた手を差し出す。

 その手を、ぽかんと見つめる少女。

「え、えっと…」

 困ったように少女を見つめ返す女の子。

 少年はイマイチ噛み合ってない2人に苦笑いしつつ、助け舟を出してやる。

「ツバメちゃん」

 声を掛けると、少女も、そして女の子も同時に少年の方に振り向いた。女の子の方は、何故かちょっとだけ驚いたような表情で。

「それ、彼女のものみたいだよ」

 少年に言われ、少女は手のひらのバドミントンの羽根を見つめる。

「拾ったものは返す…」

 そう呟き、女の子に向けて羽根を差し出す。

 女の子は少女の手から羽根を受け取り、満面の笑みで、

「ありがとう」

 女の子は立ち去ろうと踵を返して、数歩歩いたところで、ふと足を止めた。

 少女を見つめる。

「あの…」

 少女は「なに?」と女の子を見つめ返す。

「どこかで会ったこと、あります?」

 女の子のその言葉に、少女は目をぱちくりと瞬かせる。

 改めて女の子を見つめる。肩まで伸びた栗色の髪を後ろで一本に纏めた、くりくりとした丸い目が愛らしい女の子。

 少女は、ゆっくりと頭を横に振った。

「そう…ですよね。ごめんなさい。じゃあ」

 女の子は、挨拶代わりにラケットをぶんぶんと振りながら笑顔を残して走り去っていった。

 女の子が走っていく先では、やはりラケットを持った男性が待っている。

 

 

 

 バドミントンの羽根を取りに行った女の子が戻ってきた。

「ごめんごめん」

「もー、変なところに飛ばさないでよ」

 バトミントンの羽根を遠くに飛ばしてしまった顎に無精髭を生やした青年に対して、女の子は頬を膨らませながら抗議しつつ、青年に向けて羽根を打った。

「よっと」

 青年は、今度は女の子の近くに羽根を落とすことに成功する。

 しかし打ち返しやすい場所に返してやったにも関わらず、羽根はラケットで打ち返されることなく砂の上にポトリと落ちた。

 女の子は手に持ったラケットをぶらんと降ろし、遠くを見つめていた。

「どうしたの?」

 青年は女の子の隣に立ち、女の子の視線を追う。

 視線の先には、波打ち際に佇む少年と少女。

「うわっ、絵に描いたような美男美女だね。外人さんかな?」

「うん…」

 青年の声に、どこか上の空で返事をする女の子。

「知り合いなの?」

「分かんない…。けど…」

 女の子は青年を見上げる。

「なんだか、とっても懐かしい気がしたの」

「ふーん」

「まあいいや。ほら、続きしよ」

 青年は女の子から少し離れ、ラケットを振る。

「いいよ~、ツバメちゃん」

「はーい」

 女の子の打った羽根が、放物線を描いて宙を舞った。

 

 

 

 走り去っていく女の子の後ろ姿を、しばらくぼんやりと見つめていた少女。

 その少女の足もとにやや大き目な波の飛沫が掛かり、少女は海の方へと振り返る。

 空色の髪が風でそよぎ、陽光に照らされた白い肌がクリーム色に染まる。

 どこまでも穏やかな少女の横顔を少年は見つめていて。

 少年も少女と同じように海へと視線を向ける。

 

 お互い交す言葉もなく、打ち寄せる波に足もとを濡らしながら、暫しの間水平線を眺めていた。

 

 時の経過と共に陽は傾いていき、潮は満ちていく。

 2人の影が砂地に長く伸び、波が裸足の少女の踝までを浸からせ始めた頃。

 

「ねえ、ツバメちゃん」

 

 名前を呼ばれた少女は少年に視線を向ける。

 

 少年はいつになく真剣な眼差しで、少女を見つめ返していた。

 

「君に、伝えておかなければならないことがあるんだ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 * * * * *

 

 

 それは君と出会う3年前の出来事。

 僕はある日、突然、あの小屋で目覚めた。

 見たこともない天井。

 見たこともない農園。

 見たこともない、青い海。

 

 曖昧な記憶。

 自分が誰なのか。何者なのか。名前すらも分からない。

 

 何の前触れもなく、知らない世界にぽーんと放り出されてしまった僕。

 それからは君と同じように、畑の畦道に座って、ぼんやりと海を眺める日々。

 頭上をお日様が昇って、お月様が昇って、お日様が昇って、お月様が昇って。

 何度目かの朝を迎えたところで、僕は高雄のおじさんと出会った。

 白い軽トラックに乗って、高台の下の村からやってきた高雄のおじさん。

 畦道でぼんやりと座っている僕の姿を見て、とても驚いてたな。まるで幽霊でも見るような眼差しで、「本当に居た…」って呟きながら。

 

 僕はおじさんに招かれ、おじさんの家に居候させてもらうことになった。

 知らない家で、知らない人たちと。

 この世界で目覚めて、初めての温かい食事。ふかふかの布団。

 高雄家の温かい歓迎を受けて。

 でも凍てついている僕の心。

 僕の居場所はここじゃない。

 僕がするべきことは、知らない家で知らない人たちと、食卓を囲むことじゃない。

 心のどこかで、誰かがそう囁き掛けてくる。

 

 自分は誰なのか。何者なのか。

 

 心を開かない僕を見かねたのだろう。

 高雄のおばさんは言った。

 

「あんたの名前は加地リョウジだよ」

 

 おばさんの口から告げられた、僕を定義する言葉。

 違和感しかなかった。

 その名前を自分のものとして受け入れられない僕が居たけれど、それでもせっかくおばさんがくれた名前だから、僕はその日から「加地リョウジ」を名乗ることにした。

 

 自分は誰なのか。何者なのか。

 成さなければならないことが、あったのではなかったか。

 

 することもなく、手持無沙汰な日々が過ぎていく。

 今度はおじさんが、そんな僕を見かねて毎日のように僕を外に連れ出すようになった。

 おじさんは長年世界中あちこちを飛び回る仕事をしていたらしいが、リタイアしてからは故郷の村に戻り、おばさんと農業を営んでいるらしい。僕が目覚めた高台の農園は古い友人から任されていた土地だそうで、おじさんに連れられた僕は、高台の農園で慣れない鍬を振るった。

 

 手足を土で汚し。

 額を汗まみれにし。

 あちこちを虫に噛まれ。

 体中から肥やしの臭いを立ち昇らせ。

 

 柄じゃないと思った。

 僕の体は、こんなことをするために造られたものではないと思った。

 それでもおじさんがしつこく誘うから、僕は仕方なく、朝には軽トラックの助手席に乗って高台の農園まで行き、一日中鍬を振り、見たこともない虫や小動物に接し、青い海を眺めながらおばさんが作ってくれたおにぎりを食べ、小雨に髪を濡らし、カラスの鳴き声を聴きながら陽が暮れる頃には高雄家の家に戻り、浴槽に満たされた熱い水の中に身を沈め、疲れ切った体をフカフカの布団に潜らせ。

 

 おじさんは不思議な人だった。

 その厳つい風貌に相応しい膂力で鍬を振るい、その厳つい風貌には相応しくない繊細な手つきで作物を扱い、雲の形と風の吹き方だけで天気を当ててしまう。おじさんが蒔く種は必ず芽吹き、必ず大きな実を実らせた。

 

 おじさんのもとで畑に通う毎日を過ごして1年が経った頃。

 少しずつ作物を、命を育むことに面白さを見出し始めた頃。

 

 おじさんは死んだ。

 若い頃の無理が祟ったらしい。もともとあちこちに病気を抱えており、僕があの小屋で目覚めた頃にはすでに余命3カ月を言い渡されていたらしい。

 

 その人柄に相応しく、おじさんのお葬式は賑やかだった。おじさんは昔船乗りをしていたらしく、その頃の仲間たちを中心に、大勢の人々が参列した。

 

 お葬式が終わってから数日後。

 僕とおばさんはおじさんの遺品を整理していた。

 そして僕は、おじさんの遺品の中から一枚の手紙を見つけてしまう。

 

 おじさんに宛てられた手紙。

 封筒はなく、差出人は誰だか分からない。

 

 

 

 

元気にしてるか?

こっちはいよいよきな臭くなってきた。

あるいはもう2度と会えないかもしれないから、手紙を書くことにしたよ。

新しい組織のことについては全て彼女に任せてある。

もし俺の身に何かあった場合は、

約束通り彼女のもとに駆け付けてやって、彼女を支えてやってくれよ。

頼んだぜ。

それとついでにもう一つ、お前さんに頼みたいことがある。

いつか、もしかしたら俺の大切な友人がふらっとやってくるかもしれない。

彼が「外の世界」に出てきた時、それはきっと彼の役目が終わった時だ。

彼はとても聡明な人だけど、「外の世界」のことは何にも知らないお子様だから、

お役御免のまま世界に放り出されてしまったら、

きっとまともに暮らせていけないだろう。

だから、もし彼を見かけたらその時は世話してやってくれ。

十分とは言えないが、彼のために少しばかりの纏まった金も用意してある。

そうだそうだ。

俺の畑を与えてみてはどうだろうか。

葛城は畑なんて継いでくれないだろうし、

老後の遊び場と思って、せっかく耕したんだから遊ばせとくのも勿体ないからな。

汗と泥でその身を汚したことなんてない彼のことだ。

土仕事を通じて、

きっと「新世界」に相応しい、

新しい自分に出会えると思うんだ

 

 

 

 

 便箋に添えられた一枚の古びた写真。

 その写真に写る人物。

 やたらと立派な儀礼服を着た少年。

 僕そっくりの、少年。

 

 

 次の日、僕はおばさんに別れを告げ、高台の農園の小屋で一人暮らしを始めた。

 おじさんが亡くなって、おばさんをあの家に一人で残すのはとても後ろめたかったけれど。

 でも、僕は早く家を出たかった。

 

 一人になりたかった。

 一人で、色々と考えたかった。

 

 いや、違うね。

 今更、「新しい自分」とやらになって、新しい人生を歩き出すことなんて、考えられなかったんだ。

 誰かが敷いたレールの上に乗せられ、コロコロと転がされるだけの自分が耐えられなかった。

 

 もう考えるのも面倒だ。

 もう一人でいい。

 一人で、この余生というものを過ごそう。

 そう思っていた。

 

 それでも。

 ただの人間になってしまった僕。

 個と個が結び付き、群体を成すことで自然社会を生き抜いてきた人類。

 その端くれになってしまった僕には、「孤独」という悪魔に打ち勝つ心など、すでに持ち合わせていなかった。

 

 僕は何者なのだろう。

 何のために生きているのだろう。

 

 あの手紙の差出人は用意周到のように見えて、どこか抜けているらしい。ご丁寧に写真まで添えていたのに、肝心の写真の中の「少年」の名前は何処にも記されていなかった。

 

 僕は何者なのだろう。

 何のために生きているのだろう。

 

 何も分からず、高台の農園に留まり続けている僕。

 そんな僕を置いてきぼりにして、勝手に時を刻んでいく世界。

 もう2度と戻ることのない、円環することのない世界。

 僕だけを置いてきぼりにしてしまう世界。

 少しずつ高くなっていく視線。発達していく喉仏。勝手に成長していく体。

 僕の体でさえ、僕を置いてきぼりにしていく。

 

 僕は何者なのだろう。

 何のために生きているのだろう。

 

 誰も答えてくれない問いを、ひたすら繰り返す日々。

 おじさんが耕していた時はおじさんの意のままに変化しているように見えた農園。

 僕が耕す田畑は、種を蒔いても芽吹いてくれない。実ってくれない。

 何一つ、自分の体も心すらも思い通りにならない世界。

 

 僕は何者なのだろうか。

 何のために生きているのだろうか。

 

 こんなつまらない世界に、僕が留まる意味はあるのだろうか。

 

 

 

 そんな時に、ふらっと現れたのが君だった。

 どこか、僕と似たような匂いのする君。

 

 自分が何者なのか、知らない君。

 知らない世界に勝手に放り出され、放り出された世界に置いてきぼりにされている君。

 

 どこか、似た者同士の僕たち。

 この出会いは必然だったのかもしれないね。

 

 おはよう。

 いただきます。

 ごちそうさま。

 ありがとう。

 おやすみ。

 

 君と交わす、何気ない日常の挨拶。

 ただそれだけで、孤独に苛まれていた僕の乾いた心が、満たされていく。

 

 君は言わば真っ白なキャンバスで。

 僕の思う通りに染められていく君の姿が嬉しくて。

 唯一、僕の自由にできる君の膝枕が温かくて。

 

 自分がこの世界に留まっている理由。

 それが、君との生活で何となく見出せそうな気がした。

 もう、自分が何者なのか、そんなことはどうでもいい。

 君と、こうして、ずっと、一緒に、生きていけさえすれば。

 

 でも。

 それでもやっぱりこの世界は僕の思い通りにならない。

 君さえも、僕の思い通りに染まってくれない。

 

 君との生活の中で。

 もう自分が何者なのか。君が何者なのか。

 そんなことはどうでもいい。

 お互い、そう思い始めていたと思っていたのに。

 

 

 それでも君は、自分が何者かを知りたいという。

 過去に、向き合いたいという。

 

 もういいじゃないか。

 君が何者なのかだなんて。

 いいじゃないか。

 僕が何者なのかだなんて。

 

 僕は怖かったんだ。

 もし君が、過去の君を取り戻した時。

 君は、僕のもとから去ってしまうのではないか、と。

 僕は、前に進んでいく君に、取り残されてしまうのではないか、と。

 やっぱり君も、僕を置いてきぼりにしてしまうのではないか、と。

 

 

 だから、僕は黙っていようと思った。

 君と離れたくないから。

 心の中に留めてしまい、蓋をしてしまおうと思った。

 君に、置いてきぼりされたくないから。

 君を、僕だけのものにしたいから。 

 

 

 

 でも。

 

 

 うん。

 

 

 やっぱりそれはできないよ。

 

 君を裏切ることなんてできない。

 

 君を裏切ってしまった後に、これまで通り笑って君の隣に立っていることなど、とてもできないだろうから。

 

 そんなことをしてしまうくらいなら。

 

 翼を広げ、飛び立っていく君の姿を見送る方が全然いい。

 

 君の前では、正直でいたいから。

 

 君の隣では、誠実でいたいから。

 

 君の側では、笑っていたいから。

 

 

 

「君に、伝えておかなければならないことがあるんだ…」

 

 

 

 僕の心の蓋を、そっと開く。 

 

 僕の心の中に隠していたものを、大切に取り上げ、君へと差し出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「君の名前は、アヤナミレイ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 彼女の髪を整え、資料館の事務室にハサミを返しに行った後、ふと再び広げてみたアルバム。

 あのページで手が止まる。

 赤ん坊を背負った、君そっくりの少女が写る写真。

 その下にある添え書き。

 

 『ツバメちゃんをおんぶする「そっくりさん」』

 

 その「そっくりさん」という文字が、新しいマジックの線で消され、その下に書かれていた新しい文字。

 

 それが。

 

 

 

 

 

 

 

 

「アヤナミレイ。

 

 

 多分それが、

 

 

 君の本当の名前だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 あやなみれい。

 彼の口から告げられたその音色に、彼女はその空色の長い睫毛を何度も揺らし、瞼を瞬かせている。

 

 

 

「あやなみ…、れい…」

 

 薄い唇を僅かに開閉させ、彼の口から告げられたその音色を口ずさむ彼女。

 

「あやなみ…、れい…。

 

 綾波…、レイ…」

 

 

 少年の目には少女の口から漏れるその6文字が、溶け入るように彼女の体の隅々まで染み渡っていくように見えた。

 

 

 

「ねえ、綾波…」

 

 少年は少女の名前を呼ぶ。

 

「僕のことを、少し話してもいいかな…」

 

 少年の口から突然告げられた真名を、確かめるように繰り返し呟いていた少女。波と陸との狭間をぼんやりと見つめていた少女は、ぼんやりとした眼差しをそのまま少年へと向ける。

 

 

「以前の僕は、ある人の幸せを叶えるためだけに生きてきた」

 

 そのある人が誰なのかは分からないけれど。

 

「その人の希望を叶えるために、全てを捧げてきた」

 

 その人の希望とは何だったのか。今はもう思い出せないけれど。

 

「でも、いつだったか誰かに言われたんだ。僕が願っていたのは人の幸せじゃない。人を幸せにしようとしたつもりで、僕自身が幸せになりたかったんだと」

 

 少年の視線が、陸を濡らす海水の泡へ落ちる。泡を見つめる少年の目が、悲痛そうに歪んだ。

 

「それを聴いた時、身を引き裂かれたかのように思ったよ。僕がこれまでやってきたことが、全て否定されてしまったと思った…」

 

 少年は溜息を一つ入れ、海水に這わせていた視線を今度は彼方の水平線へと向ける。

 

「でもきっと…。彼が言いたかったことは、多分こういうことなんだ。人の幸せを願うなら、まずは僕自身が幸せにならなくちゃ。幸せとは何なのか。それを知らない者に、誰かを幸せにすることなどできない、…とね」

 

 海の方から柔らかな風が吹く。

 少年のまとまりの悪い髪が、さらさらと揺れた。

 

「綾波…」

 

 少年は視線を自分の足もとへと落とす。つま先の側にあった小石を、こつりと蹴ってみた。小突かれた小石は放物線を描いて、波の中にぽちゃんと小さな水飛沫を立てて沈む。

 

「今の僕が、誰よりも、一番に幸せにしたい人。それは君だ…」

 

 顔を上げ、視線を少女へと向ける。

 少女は、少し驚いたような表情で目を丸くし、そして頬を赤く染めている。

 

「そして、今の僕が一番幸せでいられる場所。それは君の隣なんだ」

 

 そして少女と同じように両頬を赤く染める少年は、正面から少女を見つめた。

 緊張でもしているのか。両手を、ぎゅっと握りしめて。

 

「君の側に居たい…。これからもずっと…」

 

 

 

 

 太陽が西に大きく傾き、陽の光が黄白色から茜色へと移ろう。

 少女の顔が、頬だけでなく、全てが真っ赤に染まった。

 

 同じく顔を真っ赤に染めている少年の顔を、まん丸に広げた目で見つめ、何度も瞼を瞬かせていた少女。

 少年の顔からゆっくりと視線を外す。遥か彼方の、水平線を見つめた。

 

 寄せる波が少女の素足を5回ほど覆って。

 少女はぽつりと。

 細やかな波の音に掻き消されてしまいそうな細い声で呟いた。

 

「私も…、あなたと同じ…。昔…、大切な誰かに…、言われた…」

 

 その大切な人が誰なのかは分からないけれど。

 

「「ここ」じゃない…。別の生き方があるって…」

 

 その人が言う「ここ」とは、一体何処だったか。今はもう思い出せないけれど。

 

「「ここ」じゃない…。もっと別の場所…」

 

 海から吹く柔らかな風が、少女の蒼銀の髪を撫でる。

 

「私はその場所を…、見つけたわ…」

 

 視線を少年へと向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 浜辺でバドミントンに興じる女の子と青年に遠くから掛けられる声。

「おーい、ツバメちゃーん、カジくーん」

 青年は声を掛けてきた人物にラケットを振った。

「アスカさん、こんちわー」

 女性は羽織った黒のブルゾンのポケットに両手を突っ込みながら、のんびりした足取りで2人のもとへと歩いていく。

「お待たせお待たせ。じゃあ、ご飯食べに行こっか」

「ゴチになりまーす」

「何言ってんのよ社会人が。あたしがおごるのはツバメちゃんだけよ。ツバメちゃん、何が食べたい?」

「んんん。お寿司!」

「よっしゃ。じゃあ「は〇寿司」行こ、「〇ま寿司」」

「えーー、回らない寿司屋にしましょうよ」

「何言ってんの。今なら某ロボットアニメのキャラクターがコラボキャンペーンやってんだから」

「アスカちゃん。あたし、お父さんからお金貰ってるよ」

「え? そうなの? じゃあ回らない寿司屋行こ、回らない寿司屋」

「アスカさん…、子供にたかるつもりですか…」

「そ、そんな訳ないじゃん」

「お父さんお母さんがアスカちゃんに一晩お世話になるんだから、夕御飯代くらい出すって」

「んんん、ヒカリもトウジも立派な親御さんになって…。あたし、旧友として鼻が高いわ…」

「ツバメちゃんのお父さんたち、今日どうしたの?」

「古い友達に久しぶりに会うんだって。ケンスケおじちゃんも一緒だよ」

「へー。だったらアスカさんにとっても友達じゃないんですか?」

「んんん、どうなんだろう。あたしもケンケンから誘われたんだけどさ、昔のことはあんまし覚えてないからね~。会っても思い出せなかったら相手に悪いじゃん」

「でも会えば思い出せるかもしれないじゃないですか。今からでも行ってみたらどうです? ツバメちゃんは僕がみますから」

「いたいけな女子中学生をあんたみたいなアラサーオヤジの家に一晩預けられるわけないでしょうが」

「ひどいな~。ツバメちゃんは僕にとっては、姪っこみたいなものですよ」

「うーーー…」

「あれ? どうしたの? ツバメちゃん」

「カジくん。あんたも乙女心がよく分かってないのね。まるで昔の誰かさんみたい」

「へ?」

「あーやだやだ。おや?」

「ん? どうしました?」

「いやいや。偶然は重なるもんだなーと思ってね。あの子たち、見かけるのは今日で3回目だよ」

「ああ、あの人たち。知り合いなんです?」

「うーん。何だかどっかで会ったことあるような気がするような気もしないような気もするような…」

「あの女の人。あたしと同じ名前なんだよ」

「へー。ツバメちゃんと」

「あー、それにしても見れば見るほど嫌になるくらいの美男美女だわね。まったく」

「何言ってるんですか。アスカさんだって負けてないですよ」

「おばさん、からかうんじゃないの。おや? おやおや~?」

「あれま」

「わあ…」

「……」

「……」

「……」

「いいね若いね青春だね~…」

「ですねー…」

「いいなぁ…」

「あーもうっ。あたしもさっさとイイ相手見つけて身ぃ固めてやろうかしら」

「そうそう、それがいいですよ。ケンスケおじさんもアスカさんが何時までも独り身で心配だって言ってましたよ。やっぱり今日の同窓会、顔出してみたらどうです? 思いがけない出会いがあるかも知れませんよ?」

「んんん。まあ、まずは腹ごしらえよ。行きましょ、回らない寿司屋に」

「「はーい」」

 

 

 

 

 

 

 水平線の上に浮かぶ太陽を見つめる。

 

 4つの赤い瞳の中に浮かぶ、真っ赤な太陽。

 

 風に揺れる、白銀の髪と、蒼銀の髪と。

 

 少年の左手は、少女の右手に握られ。

 

 少女の右手は、少年の左手に握られ。

 

 それぞれの白磁のような指は、互いに深く絡み合って。

 

 

 

「ねえ、綾波…」

 

「なに…?」

 

「僕の名前は…、多分、「加地」じゃない…」

 

「うん…」

 

「きっと、あの農園の前の持ち主の名前だろう…」

 

「うん…」

 

「君は今日から「綾波レイ」に戻る…」

 

「うん…」

 

「僕も今日から君の隣に立つために、僕の、僕だけの名前を名乗ろうと思うんだ…」

 

「うん…」

 

「君が決めてくれないか?」

 

「え…?」

 

 少女は、驚いた表情で隣に立つ少年の顔を見上げる。

 

「僕の名前を」

 

「私が…?」

 

「うん」

 

「でも…」

 

「「綾波レイ」って名前は、僕が君に教えてあげたんだよ? 今度は君が僕に新しい名前を教えてくれる番じゃないかな?」

 

 悪戯っぽく笑う少年の顔を、少女は少し不満げに唇をとんがらせて見上げる。

 

 唇をとんがらせたまま、視線を足もとに投げ。

 

 それでもこの世界で一番愛おしい存在のために必死に頭を巡らせて。

 

 何故か、その頭に浮かんだのは、駅のホームで出会ったあの青年の言葉。

 

 

 

     今日みたいな穏やかな日和の日は、

 

     綾を成すように波が寄せ合ってとてもキレイなんだ。

 

     汐風香る、とても素敵な渚だよ。

 

 

 

「しおかぜかおる…、なぎさ…」

 

「え?」

 

「汐風の香る、渚…」

 

 それは今、自分たちが立っている場所を、そのまま表した言葉。

 

「なぎさ…、かおる…」

 

「渚…、カヲルか…」

 

「…どうかしら」

 

 少女は不安げな表情で少年を上目遣いに見つめる。

 

 少年はその顔に柔らかな笑みを浮かべて、少女を見下ろす。

 

「うん。ありがとう。僕にぴったりの名前だ」

 

 少年から降り注ぐ太陽のような笑顔を受け止め、少女も安心したようにその顔に穏やかな笑みを浮かべた。

 

 

 太陽はすでにその半身を水平線の向こうに沈め、空の半分は紺色に染まった。

「暗くなる前に行こうか」

「ええ…」

 夕陽に背を向け、歩き出す2人。

「今日一晩泊まって、明日はどうしよっか? 午前中の便と午後の便があるけど」

「早く帰りたい…」

「え?」

「早く…、帰りたい…。私たちのおうちに…」

 少年の手を握る少女の手に、ぎゅっと力がこもる。

 少年は嬉しそうに笑った。

「そうだね。帰ろう。僕たちのホームに」

「ええ…」

「それで帰ったらさっそく稲刈りの準備だ」

「稲刈り、楽しみ…。ずっと前から、やってみたかった」

「うん。ああ、そうだ。この前新しく耕した畑。ルッコラを植えようと思うんだけどどうかな?」

「るっこら…?」

「うん。ハーブの一種だけど、サラダなんかに混ぜて食べると美味しいんだそうだ。お洒落な感じで女の子受けするらしいよ」

「それは、お味噌汁にも…、入れることができるの…?」

「うーん、どうだろう。和風料理ってイメージはないかな」

「じゃあダメ…」

「君の作る野菜の判断基準はそこなんだね…」

「ゴボウがいい…」

「畑が根菜だらけになっちゃうな~」

 

 

 

 陸と海の狭間。

 

 寄せては返す波が、砂浜に美しい波紋を描き出す。

 

 渚という名の少年と、綾波という名の少女は、寄り添うように並ぶ4つの足跡を波打ち際に残しながら歩いていく。

 

 白紙のカレンダーを手に、明日のことを語り合いながら。

 有限の命を与えられた彼らは、無限に広がる未来に想いを馳せて。

 

 水平線に沈む茜色の夕陽が2人の背中を優しく押してゆく。

 工場が立ち並ぶ地平線から昇ってきたまん丸の月が、静かに2人を見守っている。

 

 2人は歩いていく。

 彼らを待つホームへと繋がる駅へと向かって。

 

 2人が去り、人影が消えた海岸に潮騒だけが響き渡る。

 それはこの地球が大地と海とに隔たれた瞬間から、一寸たりとも途切れることなく続いてきた営み。

 たとえ太陽の光が厚い雲に閉ざされたとしても。

 地上が灼熱の炎に覆われたとしても。

 渚と波は、今も昔も、そして遠い未来でも、片時も離れることなく、寄り添い続けている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニテ、ナス

 

 

終劇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 微睡みの中で体を動かす。

 寝返りを打ち、右に投げ出してみた腕と足が布団に残っている温もりを感じた。しかし温もりの主はもう布団の中には居ない。

 うっすらと瞼を開くと、釜土の前でしゃがんでいる彼の姿が見えた。今日も早起き勝負で負けてしまったと残念がりつつ、まあでも別に勝たなくてもいいやとも思いつつ、両腕を何かを求めて彷徨わせる。

 いつも手もとにあったはずの何かを求めて。

 ああそうか、と思い出し、求めるのを止めた。

 

 布団から這い出て、寝ぐせだらけの髪を手で梳きながら起きる。お日様が高くに昇ればうだるような暑さになるが、朝晩はだいぶ冷え込む季節になった。布団の側に投げてあった半纏を羽織り、サンダルを履いて土間へと下りる。大きく欠伸をしながら、彼の隣に立った。

「やあ、おはよう」

 釜土にくべた火に向かって火吹竹を吹いていた彼は、いつものように柔らかい笑みを浮かべながら挨拶する。

「おはよ…」

 起き抜けで呂律の回っていない口で、挨拶を返す。

 棚から包丁とまな板を取り出し、大根とネギを刻み始める。

 

 

 

「いただきます」

「いただきます」

 

「ごちそうさま」

「ごちそうさま」

 

 朝ごはんの片づけを終え、2人でちゃぶ台を囲み、湯飲みのお茶を啜る。

 労働前の一息。湯飲みをちゃぶ台の上に置き、手は自然と何かを求めて床の上を彷徨う。

 いつも手もとにあったはずの何かを求めて。

 ああそうだった、と思い出し、求めるのを止めた。

 

 

 

 

 午前中の作業を終え、お昼ご飯のおにぎりも食べ、いつものように農園の一番高い場所にあるハンモックでお昼休み。

 彼女はハンモックに腰かけ、彼はハンモックに横になって、その頭は彼女の膝の上。

 膝の上で、気持ちよさそうにお昼寝する彼。

 これじゃ自分がお昼寝できない、と彼女は少しだけ不満を顔に表しつつ、ま、いっか、と彼の収まりの悪い髪を右手で撫でる。

 そして左手は何かを求めてハンモックの周辺を彷徨う。

 いつも手もとにあったはずの何かを求めて。

 ああそう言えば、と思い出し、求めるのを止めた。

 

 仕方なく、手持ち無沙汰な左手を彼の頭に乗せ、右手を彼の頬を受け止め、すやすやと寝息を立てている彼を起さないように、その頭をそっと抱き締める。

 全ての呪縛から解き放たれたかのような彼の穏やかな寝顔を見て。彼の形の良い鼻から漏れる息を右手に感じて。彼の温もりを左手に感じて。

 それでも何となく物足りなさを感じてしまい、彼女はその薄い唇を少しだけとんがらせ、そっと彼の顔に彼女の顔を近づけ、とんがらせた唇を彼のほっぺたにそっとくっ付けてみた。

 

 

 

 

 一日の作業を終え、小屋の前の広場でたっぷりのお湯に浸かる彼女。

 最近の彼はDIYに凝り始め、暇が出来ればおばさんに紹介してもらった親方のもとに行って、もの造りの勉強に励んでいる。なんでも、将来彼と彼女の家を建てるのが夢なのだそうだ。

 その手始めとして造ってみたのが、今、彼女がその細い体を沈めているドラム缶風呂であった。

 お湯に首まで浸かりながら、満天の星空を見上げる彼女。

 その下では、彼が火吹竹でくべた薪の炎に一所懸命息を吹きかけている。

「どう? いい湯加減?」

 ぜえぜえと肩で息をしながら彼女に声を掛ける。

 素直な彼女は素直な感想を口にする。

「ぬるい…」

 

 風邪を引く前に風呂から上がり、タオルで体を拭く。

「レイ。着替え、ここに置いておくよ」

「ありがとう…」

 彼が用意してくれた服を着て、そして視線は何かを求めてドラム缶風呂の周辺を彷徨う。 

 いつも手もとにあったはずの何かを求めて。

 ああそうか、と思い出す。

 

 風呂から上がったばかりでまだ少し火照っている両腕を見つめる。

 空っぽの両腕を。

 

 いつも抱き締めていたもの。

 この腕の中にあったもの。

 

 それが今は手もとになくて、ちょっとだけ寂しい。

 

 

 

 

 

 夕餉。

 ちゃぶ台には2人の前にそれぞれお茶碗とお椀が一つずつ。2人の間に、少し大きな皿が一枚。

 お茶碗には炊き立ての真っ白な白米が盛られ、お椀にはいつもの大根と菜っ葉のお味噌汁。

 大きな皿の上には、最近おばさんのもとで料理のお勉強を始めた彼女が作ったかぼちゃとナスの煮つけ。おばさんからは、おばさんが働いている道の駅で売り子のアルバイトをしてみないかと誘われており、現在迷い中の彼女である。

 

 

「いただきます」

「いただきます」

 

 いつものように、気持ちが良いほどに揃う2人の食事前の挨拶。

 彼はいつものように真っ先にお椀を手に取り、味噌汁を啜り始める。

 彼女も彼と同じように、真っ先にお椀に手を伸ばし…。

 

 彼女はお椀を手に取らなかった。

 それどころか、箸すら持とうとしない。

 

 空っぽの自分の両手を見つめて。

 どことなく寂しい両手を見つめて。

 何となく手持ち無沙汰な両手を見つめて。

 

 そして、ちゃぶ台の向こうの彼を見つめて。

 

 

 

「ねえ、カヲル…」

 

 

 

 

「なんだい? レイ」

 返事をしながら、お味噌汁を啜る彼。

 彼女は、薄い上唇と下唇をそっと開きながら言う。

 

 

 

 

 

 

「私、赤ちゃんが欲しい」

 

 

 

 

 

 

「ぶへあ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―おしまい―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 


映画としての良し悪しはともかく、綾波推しの私としてはシン・エヴァはちょっと受け入れ難いものでした。一方でシンレイと同じくらい好きなカップリングであるカヲレイがまさか公式から出てくるとは思っておらず(あの場面には色々解釈はあるでしょうが)、投げられた餌にまんまと食い付いたアホがよう分からん心理状況のままで書いたので、結局何とも締まりのないお話しになってしまいました。
それにしても、結局最後までカヲルくんの人物描写をモノにすることができなかった…。改めて読み返してみたが、誰ですかこいつ。



 
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