《竜》の満ちる世界   作:UNKNOWNと戦いたい

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まさかのゴマちゃん参戦!&エスピ復活!?
リアルタイムで見てて『はぁ!?』ってなりましたね。もうね、ほんのり映る緑の甲殻と赤い棘だけで『え?』ってなりましたもん。ブレスから麻痺削除、突進速度低下とやむを得ない措置はあるっぽいですが、ちゃんとすやすやタイムと激おこモードの切り替えもあるし、ナルガと対峙、クシャと縄張り争い、BGMは珠海凄腕アレンジと興奮しっぱなし。しかもこれ、多分終わりなき迷路がエスピ専用BGMになるんじゃないですかね?DLCのシルエットも茶ナスっぽいし、テンション上がりまくりですよ。

しかも、エスピ参戦でF産モンスター、特にG~フォワード以前の奴参戦の可能性が高まった訳で。いずれオルガロン夫妻とかオディバとかベルドラとも戦えるかもと思うとテンション上がりまくりですよひゃっほい!


お陰で、操作に追従できず諦めた熱が再燃。慣れないならいっそ、とPCでマウスキーボードで体験版中でございます。やっぱモンハン楽しいね!


AFT.08―異世界からの遺物

 全く未知の文明の、産物―――

 

「本当に、心臓に悪いな………いや、心臓無いけどさ」

 

 それらを可能な限り回収したモモンガは一人、先んじて街に帰還していた。

 

 他のメイドたちは、はぐれた面々の捜索、救援。後続の指導の為、ローブルに残留している。

 

(魔法様様だな、本当に)

 

 高位魔法による状態維持を施した書物類から、一つ手に取る。

 

「『今日………陸古………団で………』」

 

 翻訳のマジックアイテムを使えば、誰かの日記だったのか、所々で個人名が出てくる。

 何かしらの団体に所属していたらしき人物の日記、ということが判り、読み進めていく内にどんどん聞いたこともない名が出てくる。それらを自前のノートに書き出し、断片的な情報から整理していき、全容の把握を目指す。最初に目指したのは、目立つ単語の把握と、それに関する情報の整理からだった。

 

 なにせ、方々への報告や、今後の段取りの調整で、数日は経ってしまっている。既に最古図書館の司書たちも動員した解読と、現地語に置き換えた報告書作りが進められているが、欠損が多い分、慎重に慎重を重ねている都合、どうしてもペースは数段落ちている。

 

「『ハンターズギルド』『新大陸古龍調査団』『ドンドルマ』………ふむ」

 

 断片の中、類似した語句を繋ぎ合わせ、前半部分を読み進めるうちに判明した情報から、ここと異なる大陸の者、或いは………『古龍調査団』という単語から、古龍と同じ世界からの遺物ではないか、と判断。そこまで思い至った彼は、書物以外の遺物に思いを馳せる。

 

 すっかり風化したナニカと、風化と損傷は激しい、前腕程度のサイズの残骸に、錆び朽ちた武具と思しき物。数が転がっていたそれらは、既に工房に預けてあり、現在ここに並べられているのは書物類のみだ。欠落と損壊が多い書物の解読は困難を極めるだろう、と密かに溜息を零した彼は、ぺらぺらと日記らしき物をめくり続ける。

 

「『古龍渡り』『五期団』『龍結晶の地』『導きの地』………無数の『龍』と………むぅ」

 

 欠落が多い。恐ろしく壮大な何かがあることは判っても、その先の解明が困難だった。

 だが、その一冊を改めて最初から読み直していく内に、一つの疑念が確信に近付く。

 

「………異世界からの漂流物、だろうな」

(魔法について、一切触れられてない………精々、龍について触れる時くらいだ)

 

 見た限り、かなり大規模な集団の筈だ。なのに、魔法職が存在する気配がないどころか、魔法に関する記述が皆無なのだ。古龍の能力を比喩する上で、魔法のよう、と書かれることはあるが、それだけ。多くの龍が既知と語られており、中には目撃例が稀有なものも在ることが読み取れるのだが………

 

「………化物だろ、この手記の主」

 

 飛竜、獣竜の単身討伐は当たり前。読み解けば、古龍の単独討伐までやっているという。

 いや、この日記の主だけではない。それ以外の者も、流石に古龍相手は厳しいようだが、かなりの戦果を叩き出しており、モモンガに精神作用の沈静化が生じる程のメンタルダメージを与えている。成果自体はモモンガたちの方が上だろうが、ほぼ全員が単身、或いは四人以下で、彼らが苦労して倒すようなモンスターたちを撃破しているのだ。

 

「うん、間違いなくこの世界じゃない」

 

 こんな者たちがいれば、既にこの辺境に到達している筈だ。

 

「この世界の人間じゃないとして………」

 

 一度栞代わりに低ランクの指輪を一つ挟み、最後のページを見る。

 

(しっかり書き終えてる辺り、不慮の事故の類は無し、と)

 

 そうなると、理由が判らない。

 

 何があって、あの朽ちた船に日記が遺される事態になったのか。

 

「………もっとしっかり読み直し」

『モモンガ様!』

「うぉおぅ!?」

 

 突然の大声に驚きひっくり返る中、向こう側の声はお構いなし。

 

『至急、評議国に!―――駄目、駄目ですから!コキュートス、手を貸して!』

「な、ナーベラル?!何があった、ナーベラル!」

 

 悲鳴染みた声を最後に途絶えた魔法に呆然となるも、すぐに変化が。

 

「―――モモンガ様ぁ!」

「エントマ!?お前、評議国に」

巻物(スクロール)で《転移門(ゲート)》を繋ぎました!時間が無いんです、お願いします!」

 

 あまりに情報が無いが、大人しく頷く他ない。

 

「判った、判ったから!ちょっと待っててくれ!」

 

 素が漏れるのも構わず、読み途中の日記を畳み、開いたノートを置き、エントマの元へ。

 全力疾走する彼女に並び、転移門に飛び込んだ先では―――――

 

「冗談はよしてくれ!?私は絶対に嫌だぞ!」

「しかし、ヴァイシオン様」

「しかしも何もあるか!その剣は―――――」

 

 珍しいことに、感情を剥き出しに叫ぶツアーと、それを必死に抑え込むコキュートスたち。

 恐怖の滲む彼の鎧の視線の先にあるのは………見上げる程に巨大な、それこそガルガンチュアにしか使えないであろう巨大な剣。そして、アンデッドであるモモンガだからこそ、この中の誰よりも先に知覚出来た。ツアーが抱いたものと異なる、恐怖。シャルティアがいれば、同じ感情を抱いたことだろう。

 

「生きて、る………?」

「………はっ?」

 

 黒い剣だ。黒く、巨大で………不死者だからこそ判る、禍々しい生命力に満ちた剣。

 

「ユグドラシルニモ、ソノヨウナ武具ハアッタカト」

「だが、異質過ぎるんだ。生きている、というより、なんていうんだろうな………」

 

 適切な形容を探り、モモンガは素の声色で続ける。

 

「………斬り落とされた体の一部が、そのまま生き続けている、みたいな」

 

 黒き大剣は、脈動している訳ではない。寧ろ、一目でわかる程に損壊し、朽ちかけている。

 

 それなのに、生きている。本来その刀身を形成していたモノの大部分を喪失し、剣として扱えぬ程深い傷を刻まれながら、確かに生きて、朽ちたなりに再び全盛の姿に戻ろうとしているのだ。恐ろしいという他なく、また悍ましいと評する他ない。救いがあるとすれば、そこに意思は無く、刻まれた傷故、完全な復元は不可能ということ。

 

「悍ましい………ああ、その言葉で確信できたよ。信じ難い、信じたくないことだけど」

 

 しかし、真相を口にすることは出来ない。それより先に、激しい揺れに襲われた。

 

「な、ん!?」

「っ、話は後です!一度撤退を!」

「コノ剣ハ」

「絶対却下だ!と言いたいが、そもそもどうやって運ぶ?」

「………お願い!」

 

 エントマの指示に従い、翔蟲たちが飛翔。その糸を大剣の柄に巻き付け、強引に引き倒す。

 

「転移先は?」

「ツアーが嫌なようだから、ウチに運び込もう―――《転移門(ゲート)》!」

 

 モモンガが繋いだのは、ナザリック表層。ふと視線を挙げれば、純白の大波が迫る。

 

「………雪崩か!」

「崩竜に何が………いえ、今は撤退です!エントマさんたちはお先に!」

 

 竜騎士の指示に従い、最初にエントマたちと剣が。続けて他の者たちが転移門に消え、最後に、モモンガとツアーたち、そしてコキュートスが転移門を潜り、魔法を解除。雪崩を逃れた緊張から、多くの者たちが大きく脱力する中、モモンガはその中に、街で見かけた顔が紛れていることに気付いた。

 

「ところで、皆は何故、あそこに?」

「叶うなら、評議国内で完結したかったのだけどね」

 

 幾らか冷静さを取り戻したツアーが、剣からあからさまに距離を取り、話始める。

 

「崩竜の活動に異常が見られたから、原因を探りに向かったんだ」

「ほうりゅう?」

「『崩竜』ウカムルバス。活動一つで大規模な雪崩を引き起こす、生ける災厄さ。幸い、古龍ではないし、あくまで移動の結果として雪崩が起こる、という訳だから、在るだけで寒波を引き起こす冰龍なんかと比べると、幾らかマシな部類だ。特に、奴は一応、中部域に留まっていたからね」

 

 さらりと告げられる情報に頭痛を覚えつつ、聞き捨てならない情報に切り込む。

 

「そんなモンスターに、異常?」

「ああ。これまでも、龍の不在と共に活動が活発化することはあったけど、今回は少々長過ぎる。そこに違和感があったのもそうだし、別の違和感もあったから、調べようと考えていたんだ。崩竜の活動で雪崩が生じるのはさっきも言った通りで、変に大移動されようものなら、辺境部が纏めて大規模な雪崩に飲まれかねない。だから、早急に調査する必要があったんだ」

「ふむ………では、評議国以外の者がいるのは」

「崩竜の異変に当てられてか、モンスターに異変が起きてね」

「運がないというか、何というか」

 

 古龍に次ぐ、或いは匹敵する存在を恐れるのは、当然のことなのだろう。ましてや、活動一つで大規模な雪崩を引き起こすとなれば、尚更。その異変について調べよう、となれば、優れた者が欲しくなるのは、ある意味当然と言えた。

 

「最大限、龍の縄張りとなってる領域を迂回してはいたんだけど………いや、飛行船って凄いね」

「あ、船で向かったんだな。って、いや、待て。それ大丈夫なのか?」

「僕たち調査隊が降りた時点で戻って貰っているから、そこは大丈夫な筈だ」

 

 そこで一旦頷き、モモンガは改めて巨大剣へと視線を移す。

 

「それで、これは」

「異変の元凶じゃないかな」

「即答か」

「即答するさ!ああ、忌々しい………!」

 

 口調に反し、滲み出すのは、怨嗟ではなく恐怖。ツアーにしては珍しい反応だ。

 

「………おい、まさか」

 

 そこまでのナニカを考え、一つ思い浮かぶ。

 

 異世界から現れ、多くを焼き払った龍。ツァインドルクスが知る、最強最悪のモンスター。

 

「………ああ。鎧で接触するまで感知できなかったけど、間違いない」

 

 ぞわり、と肌が粟立つ錯覚。肌もないのに、生身だった頃と大差ない感覚が襲い掛かる。

 

「『黒龍』………ミラボレアス」

「恐ろしく薄れているけど、それ以外ありえない」

 

 幸い、他の者は聞き耳を立てていない。それよりも、巨大な剣を、改めて眺めている。

 

「………実は、こちら、というより、ローブルでも発見があってな―――」

 

 

「クロスボウ、の類に似てますが………ふむ」

 

 大工房。

 分解した、朽ち果てたナニカの一つから、その機構を推察したパンドラは唸る。

 

「射出する物は矢の類より大きく………それにこれは」

 

 巻き取る機構の、名残と思しき物。それが、もう一つの射出機構と共に存在していた。

 前腕に取り付けられる程度のサイズ故、出力等に疑問が生じるが、かなりの部分が損壊している為、断言はできないし、未知の技術で高い出力を実現していた可能性も捨てきれない。そうなると、今度はその用途について幾つか疑問が浮かび上がるわけだが。

 

(小型で比較的軽量………まさか、投擲の代替?)

 

 パンドラが目を細める中、工房からは落胆に近い声。

 

「なんというか、俺らが作ってるモンとあんま大差ねぇような………」

「けど、こいつは儂らも知らねぇぞ。ほれ、音が鳴るの」

「こんなでけぇ楽器、何に使うってんだ?」

 

 一見風化し、朽ち果てたようなソレは、元の音を残していないながら、確かに音を奏でる機能を有していた。不幸にも、無作為に鳴らすだけのそれが意味のある旋律となることは無く、それ故に誰もその異常性、或いは本質に気付けない中、彼らはその謎の巨大楽器の、風化して尚複雑に噛み合うパーツの分解に取り掛かる。

 

 そんな中、高齢なドワーフの一人が、ポンと手を叩く。

 

「それ、もしかしてアングラウス殿に依頼されてるアレと同じなんじゃないかね?」

『―――――!』

 

 沈黙が降り、視線が一点に集まる。

 

「………確か、奇妙な船の残骸から発見されたんだよな?」

「らしいのぉ………うむ」

「調べ直すぞ!もしかしたら、何かヒントがあるかもしれん!」

「加工の痕跡を探すぞ!それがあるだけで、大分気が楽になる!」

 

 素手で触るのを躊躇うソレを慎重に調べる一方では、『大差ない』とも言われている物の調査が進められており、それを進める者の一人が、退屈な中で抱いた感想の違和感に気付く。その手を止めた彼は難しい顔で思索し、少々の視線を集める。

 

「………なんで、俺たちが苦労して作ったのと同等………いや、ほぼ同じのが、こんなに?」

 

 そう、ほぼ同じ………ほぼ大差ない、と感じる程に、酷似しているのだ。

 随分と朽ち、風化しているが、それでも判るほどに似ているとなれば、流石に違和感も覚えるというもの。そして、その損壊具合が彼らでも直せる程度に収まっているとなれば、時間と共に疑問は肥大し、拡散していく。彼らだけでは辿り着けなかったであろう技術を、惜しみなく注ぎ込んだものと同質の武器が、何故こうも数多く存在しているのか、と。

 

(成程。モモンガ様が仰っていた通り、異世界からのものと見るべきでしょう。ですが)

 

 ずば抜けて高い知性が、更に深い場所まで探りにかかる。

 

(我々の方が、恐らく後発………つまり、これらと同じものに収束した?何故?)

 

 これらの由来となった世界であれば、画一化された規格であると納得も出来る。

 では、何故彼らにまで、その規格が共有されたのか?その理由を考えようとすれば、八欲王由来とされる位階魔法の存在に思い至り、うすら寒い予感が脳裏を過る。世界規模の変化を起こす手段に心当たりがあり、且つ古龍という種がそれに対抗できる力を有している、と知るのだから、その結論は当然の帰結と言えよう。

 

(………私たちの想像より、遥かに上の存在がいる?)

 

 寒気を感じた彼は、その結論を一時振り払い、眼前の未知に意識を向けることを選んだ。

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