坂柳さんと別れた後、私は自分の教室に入り、読書をしていた。
午前の授業が一通り終わって今は昼休み、授業内容は初日だからかオリエンテーションだけだった。
食堂に来て一通りメニューを見て生姜焼き定食が値段的にもよかったからそれを選んだ。だけど、惣菜だけのものがあって値段も最も安い。何人かの先輩方が食べているのが目に入った。やはりここでもポイントは増減するのだと再確認できた。
トレーを持ち空いている席に座り、食べることにした。少ししたら人がやってきた。
「お隣いいかしら?」
声をかけてきたのは同じクラスの堀北鈴音さんだった。
「えぇ、どうぞ。堀北さん」
「ありがとう、雪ノ下さん」
「あなたも座れば?」
「あぁ、ありがとう」
綾小路清隆君も来ていた。
「一緒に食事をするなんてあなた達は仲がいいのね」
私が堀北さんに言うと彼女は心底嫌そうな顔をして
「違うわ。彼が勝手についてきただけよ」
「ということは、あなたはストーカーさんかしら?それはよくないわね。ストーカー小路君」
「勝手に俺の名前を変えるな」
「ふふ、冗談よ。綾小路君」
「雪ノ下さんでも、冗談を言うのね」
そう言ったのは堀北さんだった。
「そうね。自分でも驚いているわ。私でもこんなことが言えるなんてね」
私が言うと、堀北さんは首を傾げていた。
その後は、会話もなく私たちは静かに食事をしていた。そんな中放送が始まった。
『本日、午後5時より、第1体育館の方にて、部活動の説明会を開催いたします。部活動に興味のある生徒は、第1体育館の方に集合してください。繰り返します、本日……』
そんな放送が鳴った。部活動ね。気になることがあるし、見てみようかしら。そんなことを思っていると。
「堀北達は行くのか?」
「私は行くつもりよ。雪ノ下さんは行くのかしら?」
「えぇ、一応行ってみようかしら」
「もしかして、綾小路君は私たちと行きたいのかしら?」
ちょっと面白いことになっているから私も少し参加してみようかしら。
「綾小路君の自己紹介少し失敗している感じだったから、行く人がいないのかしら?」
私は堀北さんに少し便乗して言ってみた。
「雪ノ下さん、少しではないわ。完璧に失敗しているのよ」
「少し濁していったのよ」
「そうなの。よかったわね、綾小路君。優しくしてもらえて」
「これをどうとらえて優しさになるのかがわからないのだが」
まぁ、確かに優しさではないわね。そう考えていると
「でも……少しだけ放課後に付き合ってくれないかしら」
「それはそういう意味なのか?」
「そうね。あなたがどうしても私たちと行きたいといっているのだから、少しは付き合ってあげる」
「そ、そうか。それはありがとう」
堀北さんって俗にいうツンデレというものなのかしら。私がそんなことを考えていると
「雪ノ下さんが考えているようなものではないわ。意外と雪ノ下さんは顔に出やすい人なのかしら?」
「わ、分かったわ。顔に出やすいのかは分からないわ」
そうして私達三人で部活動の説明会を聞きに行くことになった。
第1体育館に私たちはついた。何故かって?部活紹介を見に来たんだよ。そんなことを考えているとステージのうえに人が来た。
「1年生の皆さんお待たせしました。これより部活代表による入部説明会を始めます。私はこの説明会の司会を務めます、生徒会書記の橘と言います。よろしくお願いします。」
綺麗な人が現れて自己紹介をした。そしてそれが終わったあとに次々と部活の紹介があった。色々な部活動があるのだなと思っていた時に生徒会長が口を開いた。
「私は、生徒会長を務めている、堀北学といいます。生徒会もまた、上級生の卒業に伴い、1年生から立候補者を募ることになっています。特別立候補に資格は必要ありませんが、もしも生徒会への立候補を考えている者が居るのなら、部活への所属は避けて頂くようお願いします。生徒会と部活の掛け持ちは、原則受け付けていません。」
「それから…………私たち生徒会は、甘い考えによる立候補を望まない。そのような人間は当選することはおろか、学校に汚点を残すことになるだろう。我が校の生徒会には、規律を変えるだけの権利と使命が、学校に認められ、期待されている。そのことを理解できる者のみ、歓迎しよう。」
そう言って会長は立ち去った。
「皆さまお疲れ様でした。説明会は以上となります。これより入部の受付を開始いたします。また、入部の受付は4月いっぱいまで行っていますので、後日を希望される生徒は、申込用紙を直接希望する部にまで持参してください。」
こうして説明会が終わった。
「そういえば、生徒会長の苗字が堀北だったけどもしかしてお兄さん?」
私はふと思ったことを口にした。
「えぇ、そうよ。私の兄さんよ」
そう言った時の堀北さんの顔は少しひきつっていた。なにかあったのだろうと、私は思ったので、
「何があったのかは、分からないけど関係が良くなれるといいわね」
「そうね」
「私はここで失礼するわね」
そう言ってその場をあとにした。さっきの説明会を聞いて行ってみたいところができたから。