5Sぷらす2 【本編完結】   作:しろすけ

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オリ主は五月に対して根気強く行くと言ったな?
すまんありゃ嘘だった
でも、まあ蟠り無くなるのはいいことよね?
こらえてくれ


林間学校編
12


「林間学校♪林間学校♪」

 

鈴を転がすような声が外から近づいてくる

恒例となってる放課後の勉強会

既に机には三玖と風太郎の姿があり、この声は四葉か?

 

「上杉さん!もうすぐ林間学校ですよ!」

 

案の定飛び込んできた四葉がカウンターの前を通り過ぎ、風太郎達へ声をかける

 

「四葉」

「うわああああああああああ!!」

 

そりゃ金髪ピエロマスクに突然遭遇したらこんな反応になるよね

 

「俺だ」

「上杉さん!」

 

そう

このB級ホラー怪人の正体は我らが原作主人公、上杉風太郎である

原作?

金髪カツラとマスクを外したので四葉も一安心

なんでもっかい付けてんの?

 

「誰ーッ!?」

 

「俺だ」

「よかった〜」

 

「助けて!!」

 

うん

リアクションが面白いのはわかったけど一応立場的にそろそろ止めとくか

この辺りの辞書が手頃かな?

 

「おごっ!?」

「図書館ではお静かに」

「優希…お前

 覚えた勉強全部飛んだらどうすんだ!?」

 

スペースに余裕できていいじゃん

頭空っぽの方が夢詰め込めるんだぞ

 

「ってかなんで俺だけなんだよ

 騒いでたのは四葉だろ?」

「流石に女の子の頭引っ叩くのはなー」

「俺ならいいのかよ!?

 しかも何で引っ叩くしか選択肢が無い!?」

 

暴力ほど効率のいい指導はこの世に存在しないからな

 

「こんなに仮装道具持ってきてどうしたんですか?」

「肝試しの実行委員になったんだって」

 

風太郎の前に置かれたダンボールを覗きこんだ四葉が言えば向かいに座った三玖が答える

なんでも自習してる隙に面倒な役を押し付けられたそうだ

人のこと言えないがそれは自業自得だろ

 

「とびっきり怖がらせてこの恨み晴らしてやる

 忘れられない夜にしてやるぜ」

「ノリノリだね」

 

こいつ基本旅行だとテンション上がるやつだからな

 

「同じクラスなのに五月は手伝ってくれなかったんだ」

「そうです!一人にやらせるのはひどいです

 ちょっと1組に抗議してきます!」

 

四葉の申し出を風太郎はやんわり拒否

林間学校自体どうでもいいとか

 

「では林間学校が楽しみになる話をしましょう」

 

四葉がクラスの友達から聞いたという伝説を語る

なんでも最終日に行われるキャンプファイヤーのダンスで、フィナーレの瞬間に踊っていたペアは生涯を添い遂げる縁で結ばれるという

 

「非現実的だ

 くだらないな」

「うん」

「冷めてる!現代っ子!」

 

よりによってこの場にいるのが風太郎と三玖だからな

俺が知ってる中でそういうの一番興味なさそう

 

「学生カップルなんてほどんどが別れるんだ

 時間の無駄遣いだな」

 

相変わらずひねくれた理論だな

それといつまでそのカツラとマスクつけてんの?

 

「それでも好きな人とはお付き合いしたいじゃないですか」

 

四葉の方はけっこう食いついてくるな

良くも悪くも無邪気というかミーハーというか

 

「……なんで好きな人と付き合うんだろ」

「「え」」

 

三玖の呟きに惚けた声を出す風太郎と四葉

恋愛に理屈を求めすぎるのもどうかと思うけどなぁ…

 

「その人のことが好きで好きで堪らないからだよ」

 

三玖へ声をかけながら一花が現れた

その表情は微笑ましいものを見るようにもからかいがいのあるネタを見つけてほくそ笑んでるように見える

 

「ユーキ君が私のことどう見てるかよく分かったよ」

 

ジト目で睨まれた

だってお前割と弱みにつけ込んでくるじゃん?

 

「一花遅い!

 もう始めるぞ!」

「えーっと、何が始まるのかなー?」

 

風太郎はいい加減カツラとマスク取ろうか…

 

「でも、今日も撮影が入ってるんだ

 もう行かなきゃ

 今は何よりお仕事優先!」

 

寂しい思いさせてごめんね、なんて俺の方に言われても別に寂しくねーわ

 

「……あー、やば…」

 

図書室から出ようとしたとこでスマホを見て呟く一花

そのまま三玖の方へ戻ってくる

 

「クラスの子たちに呼び出されちゃったんだけど、もう仕事行かないと

 林間学校でまだ決めてなかったことがあったみたい

 三玖、いつものお願い」

「わかった

 フータロー、ウィッグ借りるね」

 

おい、まさか

 

「ユーキ君」

 

一花が申し訳なさそうな、若干楽しそうな顔で

 

「三玖のフォローよろしくね」

 

なんて頼み込んでくるのだった

いや、俺図書館のカウンター任されてんだけど?

 

 

 

「いつものって言ってたけど、頻繁にやってんのこれ?」

「うん

 バイトで忙しそうにしてたから」

 

隣を歩く一花、の格好をした三玖と話す

どーでもいいけど話し方までいつものダウナーな雰囲気からハツラツとした話し方で既に一花になりきってるあたりすげえ

しかし、フォローね

一花は基本面倒な係とか役はのらりくらりとかわしてたはずだから、適当に相槌うっとけばいいよとは伝えたが

 

「ユーキ?」

「トイレ

 先行っといて」

 

一緒に教室入るのは避ける

何故か朝不自然なほど一花と一緒になる機会が多いんだが、一度一緒に教室に入ってざわつかれたことがある

一花の方は上手く誤魔化してたが、三玖に同じこと求めるのも流石に難しいだろう

顔でも洗ってから教室入ろ

 

 

で、顔だけ洗ってすぐ教室まで来たわけだが

 

「好き…だからです」

 

ん??

何やら雰囲気がおかしい

クラスの子たちと一花は言っていたがそんなに人が多くいる気配はないし加えてこの発言

 

「ありがとう

 返事はまた今度…」

「今答えが聞きたい!」

 

教室に入るのも憚られて立ち聞きする形になったがつまりこれはそういうことなのか?

一花、ではなく三玖の方が答えをはぐらかそうとしてるが相手もなかなかグイグイ来てる

 

「中野さん、雰囲気変わりました?」

 

しかもなかなか鋭いな

 

「中野さんって五つ子でしたよね

 もしかして…」

 

ここまでかな

 

「その辺にしといてやって」

「!ユーキ」

「げ!?下川…」

 

教室のドアを開けつつ言う

教室内にはやっぱり二人だけ

一花の格好をした三玖とクラスメートの男子、前田だけだ

 

「な、何勝手に人の話聞いてんだコラ」

 

言動と裏腹に腰が引けてる…

こっちとしては威圧するつもりなんかないんだがなぁ

 

「とりあえず返事は待ってやってくれない?

 そいつ困ってるみたいだし」

「お前関係ないだろ!」

 

うーむ

話して分かってくれないとなると…どーしたもんか

なんて考えてたら

 

「私、この人と踊る約束してるから」

 

三玖が俺の腕を掴んでそう言い放っていた

 

「は?」

「あ」

 

当の本人も咄嗟に言ったことの重大さを一瞬遅れて理解したらしい

 

「えっと…違くて…」

「嘘だ!噂が本当だったなんて!」

 

ほらな

目の前でこんなこと言われたら噂通りって勘違いされるよ

 

「おい…」

「ほら

 一花、仕事優先って言ってたから」

 

三玖と声を潜めて話す

それにしたってこの誤魔化しかたは後々面倒なことになるんじゃ…

 

「やっぱり二人は付き合ってるんですか…?」

「ら、ラブラブだよね!」

 

なんで中野姉妹はどこかしらブレーキ壊れてんの?

 

「お、お前、林間学校行かないとか言ってたのに…

 やっぱり行くのかよ」

「え?」

 

おっと

クラスのやつでも知ってるやつは少ないはずだったが、こいつは知ってるやつだったか

三玖は明らかにそれを聞いて動揺してるし、それを見た前田も怪訝な顔

そりゃ付き合ってるのに知らないってのは普通ないよな

ここらが潮時か

 

「--!ユーキ!?」

「ええっ!?」

 

三玖の頭からウィッグを取る

三玖は当然だが、実際目の当たりにすると驚きが勝ったのか前田も素っ頓狂な声を上げる

 

「見ての通りこいつ中野の妹ね」

「そ、そんなやっぱり…」

 

一花が身代わりを使ったことに対してか、多少なりともショックを受けてるみたいだ

 

「言っておくけど、俺たちはクラスの話し合いって聞いて来たんだけど?」

「う!」

 

だがまあ、嘘ついたのはお互い様ってことで

 

「悪いけど今回は諦めてやって

 中野の奴も今付き合うとかそういうのいいみたいだし」

「ぐぐぐ…」

 

俺に何の権利あるんだよってつっこみはこの際なしでオナシャス

 

「くそーっ!

 林間学校までに彼女作りたかったのに結局このまま独り身かーっ!」

 

なんというか魂の叫び

普段見てるのが枯れてる風太郎だから、比べると前田の方がはるかにまともに見えるな…

 

「あの!」

 

突然三玖が声を上げる

うん、当事者なのに置いてけぼりにしてごめんね

 

「なんで好きな人に告白しようと思ったの…?」

 

今それ聞く!?

前田の方もなんというか、追い打ちごめんね

 

「……そうだな、とどのつまり」

 

前田は頭を掻きながら、口を開く

ってか答えてくれるのね

 

「相手を独り占めしたい

 これに尽きる」

 

うん、まあ割と一般的な価値観だよね

三玖の方はすっかりいつもの調子に戻ってるためその答えに対してどう思ったかは表情からは読み取れん

 

「な、なあおいコラ」

 

今度は前田が近くに寄ってきて三玖に聞こえないように話す

 

「中野さんたちと付き合ってるってのはマジなのか?」

 

お前もこのタイミングで聞く?

ってかさっき付き合うとかそういうのいいって言ったじゃん?

 

「ないよ

 諸事情あって勉強見てるだけ」

「そ、そうなのか

 じゃ、じゃあ大学生の彼女の知り合いの紹介とか」

「それも事実無根だから

 付き合ってるやつとかそういうのいない」

 

うーん…

聞かれる度に否定すんのもいい加減めんどくなってきたな

前田の方もやんちゃっぽい見た目とこのがっつきぶりがマイナスだけど、クラスでの立ち振る舞い見てたら悪い奴じゃないはずなんだけどな

 

「そ、そうなのか

 お互い頑張ろうぜ」

 

何故かシンパシー持たれたのかいい笑顔でサムズアップ

俺はそういうのいいから…

 

「ユーキ?」

 

おっと

さすがに待たせすぎた

前田にまたなと告げ教室を出る

 

「悪いな待たせた」

「ううん」

 

風太郎たちが待ってるであろう図書館へ向かう道中だが三玖が何か言いたげだ

まあ、聞きたいことはわかる

 

「林間学校のこと?」

「--!う、うん

 ユーキ…行かないって…」

「行かないよ

 行くためのお金積み立ててないんだ」

 

学校通うのもギリギリだから余計な出費は出せないのよね

それで後見人やってくれてる風太郎の親父さんともめたこともあったけど

 

「理由は聞かないでくれると助かるかな?」

「……ごめん」

 

別に謝られることでもないんだけどな

というか俺の昼食事情とか、バイト三昧の生活スタイル見てりゃ気づくかもだし

それにしても、二乃もそうだけどこいつら根が優しすぎるんだよなー

俺がここで気にするななって言っても効果薄そうだし

 

「キャンプファイヤー」

「え?」

 

突然の俺の言葉にきょとん顔の三玖

 

「せっかくだから風太郎誘ってみたら?」

「…………ええっ!?」

 

結構な間のあと顔を赤くする三玖

最近のこの子はわかりやすいな

 

「な、なんで?」

 

見ててわかりやすいからな

とはさすがに口に出すのはかわいそうだ

 

「どうせあいつも踊る相手いないだろうし」

「で、でも…

 フータローそういうのくだらないって」

「大丈夫

 あいつ旅行では結構はしゃぐタイプだから」

「そ、そうなんだ」

 

まんざらでもない様子

風太郎をだしに使って悪いがこの子がさっきの話題を忘れてくれるなら安いもんだろと自己完結

この後の勉強会で三玖が完全に挙動不審になってしまったので変な顔されたのはご愛嬌として欲しい

 

 

「上杉さんと下川さんが林間学校に着ていく服をチョイスしまーす!」

 

四葉の元気な宣言

目の前では風太郎が着せ替え人形になってる

俺についてもなんか言ってた気がしたが聞こえなかったことにしよう

あの後勉強会も終わり帰るタイミングで五月と二乃が何故か合流

そのままデパートまで来ることになったんだが目的は宣言の通りらしい

しかし、

・四葉→派手な服をチョイスと言ったがデフォルメされた動物柄のトレーナー

・三玖→和のテイストを入れてみたらしいがまんま和服

・五月→男らしい服装とのことだがパンクロック風ノースリーブジャケット

非常に失礼だがふざけてるとしか思えんのだが…

 

「二乃本気で選んでる」

「ガチだね」

「あんたたち真面目にやりなさいよ!」

 

ごもっともです

結局、二乃チョイスの落ち着いたデザインの上着とパンツで決まりらしい

 

「さて、次はあんたね」

 

おっと…当然次の標的?は俺か

 

「俺は別にいい」

「ダサい服で近寄られたら迷惑なのよ」

 

と、ノリノリで選び出す中野姉妹…

 

「行かねえから近づきようないんだけどな…」

「お前、まだそんなこと言ってんのか?」

 

独り言のつもりが風太郎にばっちり聞かれてた

 

「積み立ての件なら親父が」

「その額は耳揃えてきっちり返しただろ?

 いいんだよ、俺はこれで」

 

このやりとりも何回目なんだか

納得いってない様子ではあるが毎回これで黙らせてる

こっちも厚意を無碍にするのは悪いと思ってるけども学校行かせてもらってるだけで十分すぎる

 

「下川!こっち来なさい」

 

さて、どう誤魔化そう…

 

 

結論から言うと断りきれなかった

何で林間学校行かないって話題出そうとするたびに風太郎と三玖邪魔してくんの?

絶妙なコンビネーションで服を選ばれた上、支払いは中野達の持ち

そういやこいつらお嬢様だった

しかも自分たちの服まできっちり揃えてる

 

「うーん

 男の人と服を選んだり一緒に買い物するってデートって感じですね!」

 

四葉さん?

仮にデートだとしたら風太郎は女四人を侍らせてることに

 

「いや、お前もいるだろうが」

「?俺はお前とデートなんてしたくないぞ」

「当たり前だろうが!気色悪いこと言うな!」

 

いい加減考えてただけのことにつっこまれるのはどうにかしていただきたい

 

「これはただの買い物です

 学生の間に交際だなんて不純です」

 

五月も大概石頭…

四葉なんて風太郎みたいなこと言ってるなんて何故か楽しそう

 

「一緒にしないでください

 あくまで上杉君たちとは教師と生徒!

 一線を引いてしかるべきです!」

「言われなくても引いてるわ!」

 

ん?たち?

 

「中野

 何度も言うけど俺は別に家庭教師じゃない」

「え?」

「え?」

「え?」

「え?」

「え?」

 

何でみんなしてこいつ何言ってんの?って顔するのさ…

風太郎は後でしばいておこう

 

「っと、悪い電話だ」

 

風太郎の携帯に着信

その間に中野達はまだ買うものがあるとかで別れる

 

「え?らいはが…?」

 

風太郎の顔色が変わった

 

 

 

翌朝

早朝のバイトを終えて帰宅

あの電話はらいはが熱を出して寝込んだという連絡だったらしく風太郎は慌てて帰宅

俺が行ってどうこうできるもんでないし、風太郎にらいは用に飲み物とか薬とか買って押し付けてはおいたが

親父さんは仕事ですぐには帰れないらしいから風太郎のやつはらいはにつきっきりだろう

多分だけどあいつの林間学校参加も難しいだろうな…

コソコソしてたが付箋やら書き込みやらがびっしりのしおりを見ればあいつが楽しみにしてたのは分かるし

後でらいはの見舞いついでに慰めに行ってやるかね

なんて考えながら家の勝手口を開ければ

 

「よう、バイトお疲れさん」

 

何故か不敵な笑みを浮かべる幼馴染の姿

 

「今更不法侵入どうこう言うつもりないけど

 ってか、らいはは?」

「らいははもう大丈夫だ

 熱も下がったみたいだし、親父も帰ってきた」

 

そうかそれは何よりだ

 

「ほら着替えろ

 荷物は勝手にまとめといたからな

 急げ!」

 

いや、行くって?どこに?

なんて急かされるままに風太郎と同じく制服に着替え玄関から出てみれば

 

「あ!下川さーん!」

「おそよー」

「ユーキ、良かった」

「ふん」

 

いつぞや見たリムジンと、その前に立つ中野姉妹たち?

いや、お前ら林間学校は?

 

「さあ、下川君も行きましょう

 林間学校」

 

五月が笑顔で告げた

待て、まだ状況がよく飲み込めん…

 

「バスに遅れた俺に付き合ってくれてな

 で、もう一人の遅刻野郎を迎えに来たわけだ」

「風太郎……

 何度も言ったはずだけど俺は」

「ついでに事情は俺から全員に説明させてもらった」

「だったら」

「そんで、その件に関して

 ほら」

 

ん?通話中の携帯を渡される

 

『よう、優希』

「ーー!

 おじさん?」

 

電話口の相手は風太郎の親父さんだった

 

『五月ちゃんたちを待たせるのも悪いから単刀直入に言うぞ

 林間学校の積み立て金は俺の方から学校に払ってある』

「っ!」

『さらに言えばあの金、お前から返してもらったお金

 これにも手をつけずにちゃんと取っておいてある』

「何でそんな…」

『お前が林間学校行かないってんなら、このお金は文字通りドブに捨てることになる』

「は!?」

 

いやマジか?って、あの人ならマジでやる…

なんで

 

『何でそこまでしてってか?

 風太郎にも言ったんだが、一生に一度のイベントだ

 ちゃんと楽しんで欲しい

 それだけだよ』

 

それじゃ!ちゃんと行けよ!なんて最後に告げて電話は切られた

 

「そういうわけだ

 ついでにお前のバイト先へは俺と親父で既に連絡済みだ

 三日間びっしりシフト入れやがって」

 

いやそれなら余計行けないでしょうが

シフトに穴開けんのがどんだけ大事か

 

「けど、バイト先の人もみんな言ってたんだよ

 楽しんでこいって」

 

……自分のことを大人なんて自惚れたつもりはないつもりだったけど、自分はやっぱ子供なんだと痛感させられる

よりによってそれを風太郎に気づかされるのはなんか癪だが

 

「さあ、下川君!

 行きますよ!乗ってください」

 

五月に手を引かれる

 

「お前…

 俺の時は妥協してリュックだったのに優希とは自然に手繋ぐのな」

「何のことでしょうか?

 友達ならこれくらい普通です」

 

いや、ちっさい子供じゃないんだから友達でもそんな手は繋がない

はぁ、降参だ

お節介な奴が多いよ全く…

 

「ん〜??」

「何?」

 

一花が何故か顔を覗き込んでくる

 

「今、ユーキ君笑った?」

「…………気のせいだ」

 

いや、別に笑うくらいするわ

何でか素直に認めるのも嫌だから誤魔化すが

本当にここ最近ペースを乱されまくりなのに、嫌にならないのは何なんだろうな

 

「それでは今度こそ…

 しゅっぱーつ!」

 

四葉の元気な声とともに走り出す車

どんな三日間になるのかね




積み立て金云々は独自解釈
ぶっちゃけ話の流れ的に勢い

オリ主はくすぐられても笑いません
耐えます
耐えてる姿は地上最強の生物みたいになります
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