5Sぷらす2 【本編完結】   作:しろすけ

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オリ主卑屈モード発動


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林間学校最終日が始まる

始まるのだが…

 

「……おいコラ

 いくら自由参加だからって部屋で寝てる気か?」

 

前田の呆れた声が頭上から降ってくる

うるせー俺はこのまま寝続けて未来に飛ぶんだ

 

「なんだそりゃ…

 先公に怒られたくらいでそんな凹むなよ」

 

そこは別にいい

と言うか事情を説明してそこに関しては納得してもらったので意外とお咎めはなかったりする

火を焚いた事については誤魔化したが…

問題は昨日の倉庫での顛末を五月と三玖に目撃されてしまったことだ

ただでさえ俺と一花の関係を疑われてたところであんな密会じみたシチュエーションを目撃されてしまったのは非常によろしくない

一花のやつが上手く説明をしてくれればいいんだが…

どうにも、五月は恋愛に対してあまり良くない印象を持ってるように見える

俺や風太郎が姉妹の誰かとそういう関係になる事を警戒してるんだろう

なんとか誤解を解きたかったが、やることなすことここまで裏目に出てしまうと流石に凹む

そんなわけだから不貞寝を決め込もうとしたんだが

 

「下川さん!」

 

勢いよくドアが開かれ四葉の声が飛び込んできた

 

「自由参加だからって逃しませんよ!

 スキー行きましょうスキー!」

 

そういうのは俺じゃなくて風太郎にだな

 

「そうだぜ!

 最終日までしっかり楽しまないとな!」

 

ブルータスお前もか

何故か風太郎までテンション高く部屋に踏み込んでくる

もしかして昨日の夜の好感度稼ぎ作戦ってまだ継続中?

 

 

「さあ!滑り倒しますよーっ!」

「おーっ!

 つっても俺滑れねーけどな!」

 

四葉の言葉に風太郎が続き二人してあっはははと笑い合ってる

いやマジで今は一人にさせてくれ…

とてもじゃないけど能天気に楽しめん

 

「つーか

 他の姉妹たちは?」

「一花は体調を崩して五月が看病してくれてます」

 

そうか…あんな目にあわせたから当然か

巻き込んでしまった手前流石に申し訳ない

 

「二乃はもう滑ってて私が教えるのは

 あ、来た」

「どーも」

 

四葉の声に振り返ればニット帽にゴーグルの

 

「誰だ!?」

 

うん

マジで誰かわからん

ゴーグルをずらして名乗ってくれたのでようやく三玖と分かったが

 

 

「み、三玖か…

 顔だけだと本当にわからないな」

 

風太郎が三玖の顔を覗き込むように近づく

突然のことに焦ったのか足を滑らした三玖は尻餅をついてしまった

 

「派手に転んだな

 平気か?」

 

風太郎が手を差し伸べるも三玖はその手を取らず立ち上がる

林間学校が始まってからの相変わらずのよそよそしい態度に風太郎も少し動揺してる

 

「よーし!

 普段教わってばかりの私ですが今日は教えまくりますよ!」

 

四葉の方はいつもの、いやいつにも増して元気な声を上げる

逃げるのはどうにも無理そうだ…

 

 

「わー

 ぎこちないなー」

 

四葉に教えてもらいながら少しずつ滑り方を確認しているところでかけられる声

そっちの方に振り返れば

 

「寒いね〜」

 

ニット帽+ゴーグル+マスク…って

 

「どちら様…?」

 

いくらなんでもその完全装備じゃ全くわからん

 

「一花だよ」

 

ゴーグルとマスクをずらして顔を見せる一花

 

「体調悪いって聞いたけど」

「まだ万全じゃないけど、心配しないで」

 

咳混じりにそう言う

たしかに思ったより顔色は良さそうだが

 

「あと、五月ちゃんは顔を合わせづらいから一人で滑ってるってさ」

 

……そうか

五月と顔を合わせづらいのは俺も同じではあるがいつまでも目背けてらんない

スキーに来てるのは分かったし探してみよう

 

「お前、一花だけじゃなくて五月ともなんかあったのか?」

「……どの程度まで聞いてるか知らないけど誤解されるような事態にはなった」

 

風太郎が近づいてきて声を潜めて話す

とりあえず昨夜の一花との一件で五月に誤解されてしまったことに関してだけは話す

流石に一花の悩みに関してまでわざわざ話す必要はないだろう

 

「そんなわけだから

 どうにか五月さん探しに行きたいわけだけど」

「一花ー!!

 この三人全然言ったこと覚えてくれない!」

 

四葉の声に会話は中断されてしまった

 

「それは俺がいつもお前に思ってることだよ」

 

風太郎の呆れ混じりの声

まあ、要点はちゃんと話せたから風太郎の方は事情を察してくれたと信じたい

家庭教師の方に影響出そうなことへの謝罪はまだできてないが…

 

「じゃあ楽しく覚えようよ」

 

一花がゴーグルをかけながら言う

 

「おいかけっこ

 上手な四葉が鬼ね!」

 

何て滑り出してしまった

いやまだ滑り始めて数十分程度でそれは無茶すぎるのでは

 

「三玖、一緒に…って、ああっ!」

 

風太郎の方は三玖と一緒に行動することで話をする機会を作りたかったみたいだが、三玖の方はあっという間に遠ざかっていく

覚えてくれないとか言われてた割に十分上達してるのでは?

風太郎と一緒に慌ててその背を追う

 

「確認しときたいんだけど…」

 

いつの間にか前を滑っていたはずの一花が俺の隣にいて声をかけてくる

 

「昨日のこと誰にも言ってない?」

 

言われてた思いつくのは倉庫の中で聞いたあいつの悩み

学校を辞める件だろうか

 

「流石にあんな内容簡単には話せないでしょ…」

 

いくらなんでも人生かけた選択である以上、他の誰かに漏らしていいはずがない

決して軽い決断ではないだろうし

 

「それって…」

「一花」

 

一花が口を開きかけたところで隣を滑っていた風太郎が声を掛けてくる

 

「これ、どうやって止まんの?」

「えええっ!上杉君!?」

 

そういえば止まり方なんて教えてもらってなかったな…

風太郎はそのまま雪の塊に頭から突っ込んだようだが大事ないようだ

さて…

 

「中野」

「はい?」

「俺も止まり方なんて知らないんだが…」

「ええっ!?」

 

こうして俺も風太郎から少し離れた場所の雪山へどかーん

ものの見事に上半身が埋まった

 

「し…ユーキ君

 大丈夫?」

 

大丈夫だけど

いっそこのまま雪と一緒に溶けちまいたい…

 

「もう!

 めんどくさい落ち込み方しないで出てきて!」

 

一花に足を掴まれ雪山から引きずり出される

 

「それにしてもちょっと意外

 ユーキ君ってスポーツ万能なイメージだったから」

「苦手なんだよ

 道具使うやつは」

 

体力が有るイコールスポーツできるとは限らないんだよなぁ

そういえば同じく雪に突っ込んだ風太郎の方は…二乃から逃げてる?

フードを被ってるからまた例のキンタローとやらと間違えられたとかか?

そのままコテージの影に逃げ込んでしまった

二乃に上手く説明を出来てればいいんだが

 

「とりあえず止まり方とかだけでも教えてくれ」

「う、うん

 私が教えるなんて変な感じだけど」

 

俺だってこんな状況にならない限り一花の力借りるとかしたくないわ…

非常に不本意ではあるが止まり方とか体重移動のコツとか教えてもらい何とか滑れる程度まではなったが

しかし、こんなんだと四葉からとてもじゃないけど逃げきれんな

加えて、どうにか五月を見つけ出して話をしたいわけなので

 

「なあ、五月さんってどの辺滑るって言ってた?」

 

ここは大人しく聞くしかないか

昨日色々あった件について誤解されたままなのはこいつだって不本意なはずだし

 

「……ユーキ君は五月ちゃんと会って何を話すの?」

 

は?

何を今更

 

「お互い誤解されたままなのは良くないだろ?」

「それはフータロー君の家庭教師のため?」

 

それもある

と言うか本来はそれ以外理由なんてないはずだったんだが…

 

「あなたにとって私たちって何?」

「……なんか花火大会の時も同じこと聞かれた気がするが」

 

そういえばあの時はちゃんと答えてなかった気もする

 

「迷惑かもしれないけど…

 俺は友達だと思ってる」

 

五月以外の姉妹に面と向かってこんなこと言うのは正直気恥ずかしいが口に出してみたら自分でも意外なほど腹に落ちた

 

「裏切りたくないんだよ」

 

信頼されてること自体が自惚れなのはわかってる

ただ俺が今回の林間学校の件で一方的に恩義を感じてるだけ

って

 

「お前、もしかしてまた体調悪化したんじゃ?」

「え?」

 

マスクのおかげで目元しか見えないがその顔が赤いように見える

 

「あ…これは違くて」

「一花と下川さん見ーっけ!」

「わあっ!?」

「おおっ!?」

 

四葉の声が聞こえたと思ったら突然の衝撃

地面は雪だから大したダメージはない

仰向けに倒れた俺の胸には一花と、その背に抱きついた四葉

勢いよく一花に抱きついてそのまま俺も巻き込んだと…

 

「よーしこれであと三人!」

「四葉

 いい加減どかないと下川はともかく一花潰れちゃうわよ?」

 

呆れた二乃の声とともにようやく四葉が退いてくれた

二乃の俺に対する扱いに関しては良くも悪くも変わってないらしい

というかキンタロー(風太郎)を追っかけてたはずの二乃が四葉に捕まってるってことはあいつにしては上手く逃げられたのか?

四葉の方は残り三人を捕まえるべく張り切っており、二乃は別の人を探したいとぶつぶつ言いつつも付き合ってあげてるようだ

もはやスキーの練習の一環なんて当初の目的完全に忘れてるが俺としては五月を探せるなら好都合だ

こちらも便乗させてもらおう

と、その前に

 

「中野

 お前本当に体調大丈夫なのか?

 さっさと宿に戻ったほうが…」

「だ、大丈夫だって

 ほら、三玖とフータロー君探しに行こう?」

 

本人が大丈夫と言ってる以上、これ以上しつこく言っても聞かないか

まあ、しんどそうなら無理矢理宿まで引っ張っていくとしよう

……って、四葉はその顔なんだよ?

 

「し、下川さんが一花に優しい!?

 これは雪が降るのでは!?

 はっ!初日の吹雪はもしかして」

「それはもういいから…」

 

俺普段そんなに一花のこと雑に扱ってた?

ってかどう考えてもこいつが体調崩した原因は昨日の倉庫の一件のせいだから流石に罪悪感はある

 

「というか、なんでユーキ君はケロッとしてるの?」

「?ああ

 なんとかは風邪ひかないっていうだろ?」

「い、嫌味にしか聞こえない…」

 

微妙な表情になった一花

とりあえずさっさと行こうと促して歩き出す

自由時間はまだまだあるとはいえさっさと見つけ出してしまおう

 

 

「三玖と上杉さん見ーっけ!」

 

あれから程なくしてコテージから出てきて何やら話し合っていた三玖と風太郎を見つけた

四葉はまたも発見した三玖に飛び付き勢い余って倒れ込んでる

なんというデジャヴ…

まあ、風太郎の方は巻き込まれてはいないんだが

 

「残るは五月を見つけるだけですね」

「お前も見つけてないのか」

 

風太郎たちも五月を探してたのか

 

「一花

 休んでてって言ったのに」

「ごめーん

 四葉に捕まっちゃって」

 

三玖が頬を膨らませて言うと一花は苦笑い

 

「四葉…

 五月には逃げ切られたのか?」

「いえ

 捜しましたが見かけもしませんでした」

 

風太郎はそれを聞いて思案顔

なんだ?

そんなに気になるようなことか?

 

「事態は思ったよりも深刻かもしれない…」

「!」

「話、聞かせなさいよ」

 

風太郎曰く、いくら広いゲレンデとは言え俺たち六人で動き回っているのに会わないのが不自然だと

つまり、人目がつかないところに一人でいる、遭難の可能性があるということ…

 

「五月はスキーに行くって言ってたんだよね」

「え…うん…

 もしかしたら上級コースにいるんじゃない?」

「そこは私も行ったけどいなかったわ」

 

俺たちがまだ回っていない上級コースの可能性もなし

 

「ちょうど入れ違ったのかも

 私見に行ってくるよ」

「!ここまだ見てないかも」

 

四葉がそう言いゲレンデの地図を指さす

そこは先生から整備されていない危険なルートであるため、立ち入り禁止と言われていた区域

マジでそこに迷い込んだとしたら本格的なレスキューが必要になりかねん…

動揺が隠せない様子の三玖がコテージを見に行こうとし、四葉は先生へ言ってくると動き出そうとするが

 

「ちょっと待って

 もう少し捜してみようよ」

 

一花の声がそれを遮る

違和感

 

「なんでよ

 場合によってはレスキューも必要になるかもしれないのよ」

 

二乃の言うことが正しいはずだ

なのに

 

「えっと…

 五月ちゃんもあんまり大事にしたくないんじゃないかなーって」

 

一花がどこかよそよそしくそんなことを言う

違和感

さっきから感じるこれはなんだ?

 

「大事って、呆れた

 五月の命がかかってんの!

 気楽になんていられないわ!」

「…ごめんね」

 

二乃がこの場の誰よりも妹の身を案じてるのはヒシヒシと伝わってくる

一花もそれを感じたのか目を伏せて謝る

 

「……風太郎?」

 

さっきからずっと何か考え込んでいる

違和感を感じてるのはもしかして俺だけじゃない?

 

「もういい

 私が先生を呼んでくるわ」

「待ってくれ

 俺に心当たりがある」

 

コテージへ戻ろうとした二乃を制止して風太郎が言う

 

「心当たりって…」

「大丈夫だ恐らく見つかる」

「……信じていいのよね?」

 

二乃の言葉に頷いた風太郎はこちらを向いて

 

「優希、一花

 頼めるか?」

 

なんて言うのだった

何で俺たち?

 

「お前、本気で気付いてないのか?

 少し考えればすぐわかるはずだ」

 

風太郎が顔を寄せてきて話す

そうして、任せたからなと背中を押されて送り出された

さっきから感じるこの違和感がやっぱ関係していて風太郎はそれの正体に気づいた?

それにしてもなんで直接教えてくれないんだ…

 

 

「もしかして心当たりって…

 ここから捜すこと…?」

 

隣に座る一花の疑問はごもっともだ

風太郎の指示通り、俺と一花はリフトに乗りゲレンデを見渡している

少し視点を変えて見つかるような問題じゃないはずなんだか…

 

「フータロー君はなんて言ってたの?」

「いや、考えればわかるはずだって」

 

そもそも何で一花と一緒なんだ?

さっきの姉妹とのやりとりからこいつがいつもと違う様子なのは感じてたしこれで冷静な捜索なんてできないんじゃ

…………まさか、そういうことか?

たしかに考えれば最初から違和感だらけだったじゃねーか

それに気づかないくらい視野狭窄だったのか俺は…

 

「ユーキ君?」

 

突然黙りこくった俺を不思議に思った一花がこちらを伺ってくる

いや、こいつは

 

「ーーっ!」

「見つけた」

 

スキーウェアのフードをおろしてやれば他の姉妹よりも少し癖のかかった髪とバツの悪そうな五月の顔

 

「悪かった

 あんだけ一緒にいたのに気づけなかった」

 

こいつの指摘通りのめんどくさい落ち込み方のおかげでこんな大事にしてしまった

風太郎を咄嗟に名字で呼んだことや、いつもの憎まれ口が全然無かったこととか気付ける要素なんていくらでもあったはずなのにな

 

「すみま…せんでした…

 私…確かめたくって…」

 

目に涙をため五月は俯く

こんな事をさせてしまった一端は俺にもあるから罪悪感もひときわだ

 

「謝ろう

 いっしょに

 みんななら分かってくれる」

「はい…」

 

この子なりに家族を守ろうとしたんだ

心配をかけたことについてはともかくその事だけはみんなにわかってほしい

結局、リフトが往復するまでの間泣きながら謝る五月をひたすら慰めていた

風太郎があの後上手く他の姉妹に説明してくれてれば助かるんだけどな…

 

 

あの後、泣き腫らした目の五月を連れて戻った俺に当然ながら二乃が噛みつき大騒ぎ

戻る前に風太郎から事情を聞かされてはいたみたいだが、それでも泣いてる妹を目の当たりにしたら我慢が効かなかったんだろう

二、三発殴られる覚悟はしてたんだが他の姉妹たち(宿で合流した本物の一花も一緒に)と風太郎の説得でそこまではいかなかった

心配をかけた五月へのお説教もしっかりと行われてこの件に関してはこれで終了となった

そうして夜、色々な人にとって待ちに待ったキャンプファイヤーが始まる

 

「……お前

 もう体調は良いのかよ?」

「うん

 色々とごめんね」

 

炎のまわりで踊る生徒たちを遠巻きで眺める

座り込んだ俺の近くには同じように炎を眺めてる一花、四葉、五月

俺の声に答える一花は確かに言う通り何ともなさそうで何よりだ

 

「それにしても、一体どんな風にあの二人焚き付けたわけ?」

「ん〜

 そればっかりは言えないかなぁ」

 

俺の質問に対して一花はまともに答える気はないらしい

視線の先にはぎこちなく踊る風太郎と三玖の姿

風太郎の表情は引き攣った笑顔だが、三玖の方は吹っ切れたように柔らかい笑み

まさかこれはもしかしてもしかしてなのか?

 

「そうだ

 折角だから四葉も行ってきたら?」

「ええっ!?私!?」

 

と思ったら何故か楽しげに四葉へ声をかける

 

「フータロー君の思い出のために頑張ったんでしょ?

 四葉だってちゃんと思い出作らないと、ね?」

 

なんて口八丁で丸め込められた四葉はなんだかんだ参ったな〜なんて言いながらいい笑顔で風太郎たちの元へ駆けて行った

なるほど…

こんな感じで三玖も焚き付けてこんな愉快な状況を作り出したと

 

「……三玖は自分の意思で踏み出したんだよ」

 

む?

 

「昼間のスキーの間にフータロー君と何か話してちゃんと自分なりの答えを見つけたみたい

 だから私は背中を押しただけ」

 

なるほどね

しかし、そこに四葉を乱入させるのはどうなのよ

だがまあ、乱入した四葉に対しても三玖は不満そうな様子は無いように見えるからいいのか?

風太郎の方は混乱してるようだが

あ、何故か怒った様子の二乃まで乱入してきた

キンタローの件はうまく誤魔化せたのか?

しかしこれは、見ようによっては三人の美少女に囲まれるラブコメの主人公みたいだな

 

「下川君」

 

五月が声をかけてくる

 

「私たちはまだ、あなたたちがどんな人なのか、よくわかりません」

 

うん

 

「だから

 これから少しずつでいいんです

 教えてください

 あなたたちのことを」

 

随分と唐突だな

この二日間の中でようやく五月の顔をまともに見た気がするがこちらも吹っ切れたような表情

 

「……そのうちな」

 

あんまりまっすぐ気持ちをぶつけられることに慣れてないからぶっきらぼうに返すしかできないわけだが…

一花、こっち見てニヤニヤすんな

 

「よし!

 私たちも行こっか」

「そうですね」

「は?」

 

唐突に両手を引かれる

一花はいつもの悪ノリとして、なんで五月まで?

 

「最後までちゃんと楽しみましょう!」

「そういうこと!」

 

つっても、もう終わりがけじゃん

ほら、カウントダウン始まってるし

そんで何か忘れてるような気もするんだが

 

フィナーレの瞬間が訪れる

これから先、多分一生忘れられない思い出がまた一つ




ひとまずアニメ一期分までは走り切りました
2000日目?知ら管
フータローに元気に青春してもらえて満足してます

オリ主の体力測定はほぼ全部が失格(バ◯のアレ)
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