5Sぷらす2 【本編完結】   作:しろすけ

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この辺り原作でも時系列が掴みにくいんすよね…
アニメだとその辺わかりやすいからみんな見よう(ダイマ)


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「よーしお前ら

 今日も授業を始めるぞ」

「ぜひやってください!

 そして確かめてください!

 試験突破に何が必要かを!」

 

中野たちの部屋に入って風太郎が告げるなり五月の食いつきがすごい

聞くまでもないけど先日の中野先生、こいつらとの父親との話が原因だろう

あんだけ風太郎の家庭教師に反発してたこの子がやる気になってくれてるのは正直少し感動すらしてる

あまりのやる気に風太郎も少し気圧されてるけど

 

「とにかく授業だ

 目指せ30点超…」

 

って風太郎それ鼻血か?

 

「わっ!」

「どうしたのよ?」

「エッチな本でも見たんじゃない?」

 

中野たちも当然心配する

一人茶化してきた一花はデコを弾いておいた

 

「こいつのせいだ

 なぜか最近ずっと市販のチョコを無理矢理食わせてきやがる」

「今日も持ってきた」

 

三玖が両手に大量のチョコを抱えている

俺的には見てるだけで胸焼けしそうな量

律儀に食べてあげてる風太郎は偉いけど取ったカロリーちゃんと消費しような

 

「あら、丁度甘いものが食べたかったの」

「二乃にはあげない」

「はぁ?

 独り占めしないでよ」

 

チョコに手を出そうとした二乃を三玖が制止する

当然二乃は不満気だが

 

「しないよ

 まだ」

 

三玖の方はそれでも譲れないらしい

今日も全部食べて感想が欲しいとのこと

風太郎は罰ゲームかとゲンナリしてるが相変わらず察しが悪い

あと五月は横から手を出そうとして三玖に怒られてる…

それにしてもまだ一月なのに気が早いな

 

ふと、視線を感じたのでそちらを向いてみる

さっき弾いた額を抑えてる一花

てっきりいつものようにジト目で睨んでくるかと思ったが目を逸らされてる

力加減間違えた?怒らせた?

 

「もー

 みんな勉強するよ

 試験まであと二か月なんだから」

「そうだ!

 お前ら四葉を見習え!」

 

四葉の方はやる気十分で何よりだ

しかし、こいつらの学力考えりゃ準備の期間はいくらでもあったほうがいいとは思うが、こんな長い期間気を張ってられるかね…

一抹の不安を覚えはしたが、ひとまず勉強会に集中することにした

 

 

「三学期が始まって一週間

 せっかくの日曜日

 これからって時に…

 なぜ五月がいない!」

 

少し前まで、正式に雇われていた時は土曜日が家庭教師の日だったが

中野たちもやる気になってくれてるので休日は基本的に勉強会を行うことになってる

が、風太郎の言う通り五月の姿がない

 

「ぜひやってください!

 そして確かめてください!

 って言ってたじゃん!」

 

五月のヘアピンイメージしてんのか目に星を浮かべて声色まで使う風太郎

楽しそうで何よりだ

 

「で

 五月いったいどうしたの?」

 

流石に理由は気になるので聞いてみるが

 

「ほら五月はあれよ」

 

二乃は理由をちゃんと知ってるらしい

 

「今日は『あの日』なのよ」

 

…………そうか、それなら仕方ない

他の姉妹たちもその発言に察し顔

 

「あ!?

 なんだよそれ

 ハッキリ言え!」

 

うっそだろお前

マジでデリカシーどっかに落としてきたのか?

一花たちも流石に呆れてる

 

「あの…なんというか…

 非常に言いづらいのですが」

「なんだよ

 それは試験より大切なことなんだろうな

 もしそうじゃないなら許さねぇぞ…」

 

四葉が苦笑いで告げようとしたら間髪入れず詰め寄る風太郎

さすがにかわいそうになってくるので

 

「ああ…風太郎

 女性には月に一度な…」

「いや普通に母親の命日」

 

二乃に遮られた

ついでに何と勘違いしたと言わんばかりに睨まれた

いや、お前の言い方完全にアレだったじゃん?

他の姉妹たちも同じこと連想してたじゃん?

 

「っておい騙されねーぞ!

 お前らだって同じ母親じゃ…」

 

そこで何故かハッとなって動きを止める風太郎

 

「すまん始めよう…」

「いらぬ深読みしてない?」

 

まさか全員違う母親でーとか想像してない?

それだと中野先生がものすごい最低野郎になってしまうので恩人の名誉のためにそれは正しておきたいのだが

 

「あはは

 正確には今日じゃないんですが

 お母さんが亡くなったのは8月の14日です」

 

月命日って事か

いつぞや聞いた話だとあの子は姉妹の中でも一際母親への思い入れが強いとは感じてたが

近くだから今度俺たちもお線香あげてとのことだったので、今度母さんたちへのお参りの時にでも探してみようか

 

 

それから数週間ほど

気づけばもう二月

家庭教師としての勉強会が日常に組み込まれてくるのも慣れてきた

で、本来なら今日は学校で勉強会の予定なんだが

 

「なんで好きになっちゃったんだろ」

 

アパート、中野たちの部屋の前に来てみたら何故か部屋の前には一花の姿

 

「何やってんの?」

「ユーキ君!?な、なんで!」

 

何やら呟いてた一花に声をかけたら思ったよりリアクションが大きかった

手が窓に当たって結構な音したけど大丈夫なのか?

 

「四葉が参考書忘れたっていうから取りに来たんだけど」

「あ、あーそれこの前捨てちゃったかも…」

 

えぇ…

風太郎が聞いたら激怒しそうな案件

やっぱ俺が来て正解だった

 

「今から買いに行くからついてきて」

 

今から?

強引に背を押されてアパートを後にする

まあ、目的のものがない以上しょうがないけど

何をそんな慌ててんのさ

 

 

そうして近くの書店まで

目的の参考書はすぐに見つかった

 

「見つかった?」

「ん

 会計してくるから少し待ってて」

「え?

 ちょっ、ちょっと待って」

 

レジに向かおうとして一花に引き止められた

 

「どした?

 他に買いたい本あるならいっしょに」

「そうじゃなくて

 私たちの参考書だし、私たちで買うよ?」

 

ああ、そういうことね

確かにこれまでの俺の生活見てれば懐事情心配になるのはわかるかもだが

 

「大丈夫

 バイト減らしたけど、出費の方も減ったから割と余裕ある」

 

正直嬉しい話ではないが事実なのでそのまま伝える

予想はできたけど気まずそうな顔で黙ってしまったが

 

「……それに

 こんなことじゃ足りないかもだけどお礼」

「え?」

 

小っ恥ずかしいくて顔直視できんから目を逸らす

口に出して言うのはなんか抵抗あるから言えんが、こいつらには感謝しても仕切れないくらい恩は感じてるわけで

こいつらが赤点回避できればそれで少しは恩返しになるだろうからこれくらいは気にしないでほしい

一花がこれ以上何か言う前に今度こそレジに向かう

どうせいつものニヤニヤ顔でからかってくるだろうから今はそれを回避したい

さっさと買ってしまおう

 

 

「この店にお医者さんはいませんかー!」

 

……なにごと?

参考書の会計ともう一つ追加で買うものあったので、近くで買って一花のとこに戻ってみれば

何故か同じクラスの男子、水澤と谷田部が大騒ぎしていた

一花はその様子に苦笑いしてる

 

「何やってんの?」

「し、下川!?」

 

さすがに店の人に迷惑になるから大声出すのはやめような

 

「ま、まさか…お前…

 中野さんと?」

「……買い物に来ただけだから」

「それってデートじゃねえかー!!」

 

だから騒ぐなって

噂はやっぱり本当だったんだー!なんて叫んでるがマジでそろそろ落ち着け

 

「中野さんの事泣かせたら許さないからな!」

「お幸せにな!チクショウ!」

 

そんな捨て台詞とともに二人は走り去っていった

いやマジで噂に関しては否定させろ

 

「あはは…大変だったね」

「全くな…」

 

今現在噂がどんな変態を遂げてるのか想像したくもない

そろそろ一周回って愛想尽かされたって噂でも流れてくれないかな、なんて現実逃避

 

「買うもの買ったなら行こっか」

「……そうだな

 そういえば、はい」

 

一花に促され歩き出す前に追加で買ってきたもの、缶ジュースを手渡す

 

「え?ありがとう…

 って、この寒いのに冷たいの?」

 

受け取った一花は苦笑いしてるが

 

「右手

 さっきアパートでぶつけてから少し腫れてきてない?

 冷やしとけよ」

 

仮にも女優なんだし、そうじゃなくても怪我には気をつけような

痕が残らないうちに早めのケアは大事だろ

さて、時間的にギリギリだが学校に戻るか

一花と並んで歩く

いつもならこっちの生返事を気にする事なく話しかけてきてたが今日はやけに静か

というかよく考えたらここ最近割と目があったらすぐ目を逸らされてる気がする

かといってこいつといるのが気まずいわけではない

話してくれるまで気長に待つしかないか

 

「何か姉妹に言えない悩みあんなら、俺か風太郎が聞くからな」

「……その君が悩みの種なんだけどな」

「?何って?」

「何でもなーい」

 

何やら呟いてたが聞き取れなかった

何でもない言いながら脇腹小突くな

地味に痛いぞ

 

 

さらに数日

試験まで残り一か月を切った

今日もすっかり恒例となった勉強会

なのだが…

五人全員なんというかぐったりしてる

ここ最近、俺だけじゃなくて風太郎も行き詰まった感を感じている

風太郎曰く

 

「何がわからないのかわからない!

 どう教えたらいいのかわからない!

 IQの差とはなんと残酷…」

 

とのこと

 

「よくわからないけど失礼なこと言われてる気がするわ」

 

俺は言ってないし、言ってたのは風太郎なので睨むのはやめてください

 

「…というか問題を解く以前に…

 みんな集中力の限界だよねぇ…」

「連日勉強漬けですからね…」

 

そうだろうな

やる気になって頑張ってくれるので、ここまで結構な量をこなしてきた

元が勉強嫌いってのがなくてもそりゃいつかは限界が来るよ

約一か月前に感じた不安はこうして的中してしまったわけだ

四葉はまだできるよとやる気を見せるが、さっきまでの様子だと空元気にしか見えん

 

しゃあない

何となくみんなが口に出すの憚られてる気がするのでここは俺から切り出そう

 

「明日は一日オフにしよう」

 

無理して頑張っても逆効果になる時だってある

今日まででこいつらの学力は確実に向上してるし一日休んでリフレッシュするくらい何の問題もないはずだ

……って、何だよみんなしてその顔は

 

「いや…まさかお前からそんな人間らしい提案が出てくるなんて」

 

風太郎の言葉に中野たち全員もうんうんと頷く

お前ら俺のことなんだと思ってるんだ…

 

「下川さんって意外と熱血指導だったので…」

「そうだね

 気合いが足りん!とかでそういうの一蹴するタイプだと思ってたよ」

 

苦笑いでそう言う四葉と一花

いや確かに、やるからには手は抜かずにやってきたけどそんなガツガツしてた?

 

「ああ、こいつ昔は熱血正義馬鹿でな

 最近は少しその頃っぽくなってきてあ"あ"あ"!!

 割れる割れる!!」

 

余計なことを覚えてる頭はこれか?

この際人の黒歴史を消去(物理)させてもらおうか?

 

「ユーキ君ステイ!」

「あわわ

 上杉さんの頭が凹んでますよ!?」

 

流石に中野たち総出で止められたので解放してやる

これに懲りたら軽はずみに人の恥部に触れてくるのはやめていただきたい

 

「フータロー大丈夫?」

「下川くん

 流石にやりすぎですよ

 大丈夫ですか?」

 

三玖はいつも通りとして五月まで風太郎の心配してる

前ほどではないが今も時々言い合いになることが多いから珍しいな、なんて思ってたら

 

「後で下川君の昔の話を詳しく」

 

五月さん!?

人の過去とか別にどうでもいいでしょ?

というかマジで黒歴史待ったなしなので勘弁して!

こうなったら…風太郎がマジで余計なこと口走る前に口を封じるしか

……くっ

殺気を感知したのかよりによって五月の後ろに隠れやがった

さすがに女の子相手に強行手段は取れん…

どうする…?

 

「……っていうか

 明日の休みってのはどうすんの

 どっか出かけるわけ?」

 

二乃の呆れた声

そういえばそんな話をしてたな

話の流れを変えてくれたのは正直マジでありがたい

で、言い出しっぺということで俺が行き先を決めることに

そういうことなら

 

 

「休日デートにここを選ぶなんて

 ユーキ君もベタだねぇ」

「……せいぜいヤンチャな妹分の引率だろ」

 

久しぶりのオフにテンション上がってるのか楽しそうな一花

当然だが他の姉妹からもワクワク感は伝わってくる

風太郎もなんだかんだいって楽しそうにパンフレットを見てる

 

「今日だけは勉強のことを忘れることを許そう

 思う存分羽を伸ばせ」

 

というわけで、今日一日は遊園地で過ごすことに

 

 

アトラクション一通り制覇したんじゃないかね

風太郎に言われた通り、全員で思いっきり遊んだ

絶叫マシンからお化け屋敷にメリーゴーランドまでそりゃもう満遍なく

 

「次はあれに乗りましょう!」

「五月ちゃん

 ちょっと待って…」

 

意外にも一番楽しんでたのは五月

最初は同じように楽しんでた一花が少しくたびれてるのにまだまだ元気そう

 

「あれ、四葉はどこかしら」

 

気づけば四葉がいない

というか、さっきからいなくなってはトイレと連絡をわざわざスマホに入れてくる

連絡入れてくる以上トラブルではないだろうがこれは…

 

「……風太郎」

「……ああ

 悪りぃ、俺も便所」

 

ふと見上げたところにうさ耳が飛び出していたので、風太郎を促してやればそっちに向かっていく

四葉は任せといて大丈夫だろう

 

「何よ?」

「別に」

 

遠ざかる風太郎の背を見ていた二乃に三玖が視線をやればこんなリアクション

まだ自分の感情を整理できてないのかね?

 

 

あの後、数個のアトラクションを回った後流石に休憩を取ることに

風太郎と四葉はまだ戻ってこないが、一緒にいるのはわかってるので心配ないだろう

さて

 

「今日は一日オフではなかったですか?」

 

休憩スペースでぐったりしてる一花たちから少し距離をとり、単語帳をめくっていたらいつの間にか五月が近くにいた

 

「気にしないで休んでて」

 

隙間時間はなるべく有効活用したい

それでも、目の前でこんな事してたら変なプレッシャーになるかもと思って距離を取ってたんだけど

 

「はーい、没収」

 

一花まで近くに来ていて単語帳は取り上げられた

抗議の意味を込めて睨んでみるも涼しそうな顔で

 

「休めるときに休んでおけばって言ったのはユーキ君だよ?」

 

なんて言ってくる

なんというブーメラン…

まさか自分に返ってくるとは思わなかった

結局そのまま二乃たちが休んでるテーブルまで連行された

風太郎たちには帰り際に合流できたが何やらご機嫌なあたり、いいリフレッシュになったんだろう

久々のオフは気付けばあっという間に過ぎていった

 

 

二月十四日

世間はバレンタインだなんだと浮かれてるが俺らは相変わらずの勉強漬け

一部このイベントに向けて頑張ってる子はいるので、あの子の思いに我が幼馴染が気づいてくれることを祈るのみである

だが、俺がいるのはそんな華やかな話とは無縁の場所

 

「本当に毎月いるんだ」

「下川君、なぜ…」

 

ちょうど一ヶ月前に聞かされた、この子たちの母親の月命日

平日の早朝だというのに聞いた通り五月はお参りに来ていた

 

 

線香をあげさせてもらい、手を合わせる

顔も知らない人のために祈るなんて初めてで何祈るのが正解かわからないが、この子たちは立派に生きてるので見守っていて欲しいと思う

 

「全員家庭教師案ですが、いい傾向にあります」

 

なんとなく、最近の勉強の話になる

あのオフの日の翌日

風太郎から切り出された全員家庭教師案

得意科目も見事にバラバラな五つ子がそれぞれの得意科目を教え合うというシンプルなものだが、結果は五月の言う通り

 

「教わる以上に、教える事で咀嚼できることもあると実感しました

 もっと早くすべきでしたね」

「ん

 そっか」

 

五月の言う通り、俺自身もこの子たちに教える事で勉強させてもらってる実感はある

ただまあ、このまま上手くいけば俺たちもお役御免になるのかね

 

「ふふ

 まだまだ、あなたたちから教わることはたくさんありますよ?」

 

だから逃げないでくださいね、なんて笑う五月

卑屈な態度を指摘されたのが少し恥ずかしい

 

「私はあの時の気持ちを大切にしたい」

 

五月の表情から決意を感じる

少し前、ここで出会った母親の教え子という人に、教師としての母親のことを聞いたらしい

それを聞いてやはり母のような教師をと思ったが、その教え子さんからはただ母親になりたいだけなんじゃないかと指摘されたと

 

そんなことがあってなお、自分のやりたいことと向き合ってこの子は決意をした

 

「お母さん

 私…先生を目指します」

 

この子の決意にどんだけ力になれるかわからないけど

やっぱ、やれることはやってやりたいな

 

期末試験まで、あと三週間




オリ主バレンタインデーダイジェスト

「そ、そういえばバレンタインですね!これ、いつものお礼ですのでどうぞ!」

「あ!ユーキ君バレンタインのチョコもらえた?もらえてない?そっかそっかしょうがないお姉さんがあげるから元気出して!あ、甘いの苦手って言ってたからちゃんとビターだよ」

顔を赤くして渡してきた二人に対して「ん、ありがと」の一言で済ませ他の姉妹を戦慄させました
なお、渡した本人たちは渡せたことに満足して姉妹を呆れさせてます

オリ主の日課は家計簿つけ
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