映画化された場面へ
なんか急にUA増えて内心ビビり散らしております
何故に!?
まあ他のもっと面白い小説に比べれば微々たるもんですが
40
新学期
まだまだ残暑はあるが少しずつ涼しくなり始める季節
だが、うちの高校はまた別の熱気に包まれている
「放課後なのに賑わってるねー」
「まだまだ先なのに気合入ってるわ」
「だけど去年は転入してすぐだったから
準備に参加できるのも嬉しい」
学内では各々看板などを作ったり、パフォーマンスの練習をしたり
旭高校学園祭、日の出祭りに向けての準備が始まっていた
今日は勉強会をする予定もなくなんとなく廊下からその様子を眺めている
「これで大学の入試判定さえなければ無ければ心から楽しめるのに」
「あそっか
一学期のやつもうすぐ返ってくるんだ」
こればっかは受験生である以上どうしようもないだろうに
「二乃は結局大学に行くことにしたんだ」
「そーねー
もしかしたらフー君と同じとこ行けるかもしれないし」
ほほう?
「その気になったなら次の勉強会からそっち方面にシフトしてみる?」
「え"?」
ふむ
風太郎が受ける大学といえば当然日本のトップレベル
今の二乃の実力からして、最低限合格ラインまで引き上げようとすると…
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!
あんた本気なわけ!?」
「ん?
そりゃあやる気になったんなら力貸すよ
なんなら今からでも始めてみる?」
何故か持たされてる風太郎謹製の問題集
中野たちにはまだレベル高いかと思ってたが意外なところで役立つ可能性が出てきたな
「じょ、冗談よ!冗談!
流石に自分の身の丈に合った大学受けるわよ!」
問題集を見て青ざめた二乃が後退りながら言う
なんだ冗談だったのか
「あはは…
下川さんもすっかり家庭教師に本気ですね」
そりゃあ成り行きで手伝ってた時と違ってお金もらってるし
何より風太郎と同じでお前ら全員が笑顔で卒業って目標もあるからな
そのためには鬼にもなるぞ
「善意100%なのがよりタチ悪いわ」
「少しは加減してほしい」
はいはい
気をつけますよっと
しかしそれよりも前にこいつらには学園祭くらいは楽しんでほしいわけなので
流石にその期間中は多少融通は効かせるさ
「あ!ここにいたか中野」
ん?声をかけられた方を向けば担任の先生
ただしここには中野は三人いるわけで
「の四女!職員室まで来てくれ」
慌てて訂正した先生に連れられ四葉は職員室へ
「なんだろう?」
「学級長のなんかじゃない?」
ただの雑用とかなら高確率で俺も呼ばれるし
「四葉のことお人好し扱いする割にあんただって大概じゃないのよ」
別に何でもかんでも引き受けてるつもりじゃないんだけどなぁ
「下川!」
っと、今度こそ俺か?
「時間はあるか?」
あちゃあ…
声をかけてきた先生、進路指導の先生であることを確認して内心頭を抱える
「少しでいい
職員室に寄ってくれ」
「……りょーかいです」
この人の熱心さは分かってるので無碍にするのも気が引ける
バイトまでまだ時間もあるし話だけでも聞いておくか
「あんたの方は何やらかしたのよ?」
「ユーキ、もしかして受験危ないの?」
声を潜めて二乃と三玖が聞いてくるが別にそういうわけじゃない
相談乗ってもらってるだけだと告げて先に帰るよう促す
さて、そろそろこっちの言い分もわかってくれるとありがたいんだけどな
職員室に向かう足取りはいつも以上に重かった
「ということで
これが去年人気だった屋台メニューです
もちろんこれ以外にもやりたいことがある人は随時教えてください」
翌日のHR
黒板に去年の屋台を人気順に並べて四葉は言う
うちの学園祭、三年生は屋台って習わしがあるそうだ
昨日は学級長2人で聞き込みをしてたようなので、四葉の隣の風太郎も今回のイベントを楽しむ気でいるようだ
「私はたこ焼きに一票」
早速声が上がる
「こういうのは奇をてらわない方がいいのよ
それにあんたがそのリストを調べてくれたんでしょ?」
二乃の方も協力的なようで何よりだ
正直もっと華やかなスイーツとかのイメージがあったが言ってることは至極正論
前田や武田を筆頭の男子陣もたこ焼きには乗り気な様子
その発言を皮切りに意見が活性化する
黒板にないたい焼きやらタピオカやら意外と出てくるもんだな
「三玖
何かやりたいか?」
「えっ」
風太郎から声をかけられた三玖は少し考えるそぶりの後
「パンケーキ…」
そう遠慮がちに答える
しかし、パンケーキか
最近は色々な飲食店で目玉商品になってたりするな
風太郎もナイスアイデアと太鼓判だし、クラスのみんなの反応もいい
と、そこでチャイムが鳴り今日のところはここでお開き
とりあえず候補は絞れたが果たして
「中野さん!
俺たちバンドやってるんだけど」
「親戚に招待状送りたいんだけど…」
休み時間になると学級長、というか四葉の元には人だかり
「四葉大人気」
「なぜ俺のところには誰も来ない」
比較して四葉の方がとっつきやすいだけと思いたい
「それにしても屋台ね
何を作るにしても腕が鳴るわ」
「うん腕が鳴る」
二乃もそうだが三玖の方も気合は入ってるな
しかし二乃の方は信じられないものを見る顔
「ま、待ちなさい!
あんた調理係する気?
外からお客さんも来るのよ
下手したら周辺住民同時食中毒だわ!」
「私だって上達してる」
そうだぞ
最近は失敗だって三回に一回くらいしかしてないし
「あんたこの子だけは甘やかしすぎでしょ!」
そんなつもりはないんだがなぁ
「それに二乃もいる」
「ッ!」
「なら安心」
三玖の態度に毒気を抜かれたのか二乃は顔を逸らしながらもちろんと鼻息荒く言う
「ふー
おまたせ」
四葉の方もひと段落したのか合流
ずいぶん捕まってたけどちゃんと捌けてる?
「えへへ
最後のイベントですもんね」
こっちの心配もどこ吹く風の様子の四葉
そのまま風太郎の顔を覗き込むようにして
「一ミリも悔いの残らない学園祭にしましょう!」
いつも通りの笑顔で告げる
風太郎の方は照れ臭そうに前髪をいじりながら目を逸らしてるが
「……別に照れてない」
「男のツンデレは気持ち悪いぞ?」
「は?ツンデレ?」
こいつにサブカル知識を求めるだけ酷だったか
「じゃあ帰りましょう」
「バイトまでまだ時間あるわね」
「それなら駅前のファミレス行こう」
自然な流れで連れ立って学校を後にする
そういえば五月の姿がいつの間にかないな
「五月ならホームルームが終わってすぐお仕事に行きましたよ」
そうか
今日は一学期の入試判定が返ってきてたから結果を確認したかったんだが
「フータローは今日どっちのバイト?」
「残念
今日は私とよ」
「むむむ…」
二乃が何故か勝ち誇ったように言えば三玖はむくれる
夏休みの序盤頃に風太郎のバイト先であるケーキ屋の店長がバイク事故に遭ったらしく、それ以来うちのパン屋でもバイトを始めていた
俺の方は一花の勉強を見る関係もあってシフトを減らすこともできたし何気に助かってたりする
「…最後か」
風太郎の方からそんな呟き
「珍しくセンチになってんの?」
「やるからには徹底的に楽しむと決めたからな」
それは結構
ガキの頃ほどでないかもしれないがこいつが色々と前向きに取り組んでくれるんならいい変化なんだろ
キッカケになった中野たちには頭上がらないな
「そういうお前は…いや、やっぱいい」
「は?
なんだよ言いかけて止めるなよ」
歯切れ悪く会話終わらせられたらかえって気になるでしょうが
「俺が言うよりも五月か一花が言った方が効果ありそうな気がしてな」
ますますわけわからん
一体何のこと?と聞き返そうとして
「上杉さん!下川さん!
早くしないと置いてっちゃいますよ!」
前を歩く四葉の声に遮られた
風太郎の方はそれに応えてさっさと先にいくし…
ま、必要あることならそのうち言ってくるだろ
少し足を早めて前を歩く風太郎たちを追う
そういえば前にも同じようなことがあったななんて、俺の方も少しセンチになってるみたいだな
「とまあ、学園祭の方はみんな頑張ってるよ」
「なんでそんな他人事みたいに」
その日の夜
一花のロケ先のホテルでの一室
勉強の合間に今日の出来事を話してみれば苦笑いで返される
こう見えても少しは楽しみにしてるんだけどなぁ
「まあ、ユーキくんの方も楽しめてるならいいんだけど」
ふむ
何やら複雑そうな顔
やっぱり自分だけ不参加ってのは不満なんだろうか
「今のまま順調に撮影進めば一日くらい顔出せるんじゃない?」
「え?」
この勉強会と撮影の雑用をやるようになってからつけるようになった手帳を確認
今のロケの進捗具合とこれからの予定を照らしていけばちょうど学園祭くらいには少しくらい時間作れる余裕はできるはず
「すっかりマネージャーみたいになってない?」
「元は勉強の進行具合のためのメモだったんだけどな」
そう返してやれば一花の方は乾いた笑み
すこし前のめりすぎて引かれたのかもしれが、やるからにはとことんやるつもりなので諦めてほしい
そもそも、それほど大きくないプロダクションだからって今まで社長直々にってのは大丈夫だったのか?
「それ社長の前で言っちゃうと就職先決まっちゃうから注意してね」
リアルに想像出来てしまった
贅沢言える立場ではないが流石にそれで就職先決まっちまうのはちょっとな…
「っていうかユーキ君
私が心配するのも変だけど…
大学入試は大丈夫?」
あー…
「そうだな
風太郎は聞くまでもないけど
お前の妹たちはどうだったろうな」
「いやいやそうじゃなくて
君の方はって話なんだけど?」
さすがに誤魔化せるわけないか
俺自身の進路の話をするのは少しな…
正直反応が読めている
この後の会話の展開も予想つくから気が重い
答えを告げてやれば予想通り
さて、どうこの話を終わらせるべきか
「パンケーキでいいじゃん!
このままじゃ屋台のメニュー決まらないよ」
「いい加減諦めなさい男子!」
「たこ焼きだって!
決まんねーのはお前ら女子が頑固なせいだ!」
あれから数日のホームルーム
何度繰り返したかわからないやりとりが続いている
クラスの屋台のメニュー
たこ焼きとパンケーキまで候補が絞れたところまではよかった
だが、ここで男子と女子で意見が真っ二つ
たこ焼きを推す男子とパンケーキを推す女子とで連日話し合いという名の言い争いが続いていた
「三玖ちゃんも言ってあげて!」
「ね!二乃さん!」
さらにややこしいことにそれぞれの神輿にされてるのは言い出しっぺということでたこ焼きが二乃、パンケーキが三玖となっている
女子の二乃が何故かたこ焼き派である男子に混じっているわけだが
「あーもう!仕方ないでしょ!
私が最初に提案したんだもの
最後まで責任もつわ」
とのことらしい
結局、その場は二乃のこれ以上の話し合いは無駄、二つともやるしかない宣言で強制的にお開きになってしまったわけだが
やれやれ…マジでこのままクラス分断したままでいいもんかね?
「あ、あの」
ん?五月?
おずおずとした様子で五月が声をかけてくる
いつもの勉強の質問とかなら遠慮なんてしなくてもいいのに
「いえ
その、ここでは少し」
ふむ?
風太郎と四葉の方をチラッと見てそう言うってことは、家庭教師関係だけど学園祭の準備にかかりっきりの風太郎には悪いってとこか?
了解と告げて教室を出る
中庭あたりでいいか
「そういえば、入試判定の方って」
どうだった、と聞こうとして言葉が詰まった
「うううううう」
聞いた途端何故か唸り出す五月
オーケー…だいたい相談内容ってのも想像ついた
「全力で取り組んでいるはずなのに…
この結果です!お先真っ暗です!」
鞄から取り出された用紙の判定欄には「D」の文字
お、思ったより結構…
「所詮私はお母さんの真似事!
学校の先生なんて夢のまた夢です!」
「うん、まずはいったん落ち着こうか」
気持ちは分からんでもないけどまずは話を聞かせてほしいもんである
「はい」
「ありがとうございます
取り乱してしまいすみません…」
なんとか落ち着かせて中庭のベンチへ
自販機で買った飲み物を渡す
「風太郎の方には…言ってなさそうだな」
「はい…お忙しそうでしたし…
何より申し訳なくて…」
ま、そうだろうな
俺の方だけでも相談してくれてよかったが、具体的な対策とかは正直すぐには思いつかん
「先生は一度親と相談した方がいいと…
でもそんなこと」
中野先生忙しそうだもんね
なかなか家にも帰ってないっていうし
「あ、ごめんなさい
その…」
ん?あぁ…
「いいよ別に
今更そんな気使わなくたって」
そう言ってはみるも、五月の方は俯いてしまう
親のいない俺にこんな話題を振ってしまったことに対して申し訳なく思ってしまう、なんてなんとも五月らしい
「俺はお前たちほど中野先生と親しいわけじゃないけどさ」
「え?」
突然俺からそんな話が出たことに驚いた様子の五月
だが、構わず続ける
「あの人、態度とかには出にくいし、行動もわかりにくいかもだけどさ
お前たちのこと真剣に考えてるのは他人の俺でもなんとなくわかる」
言動とかで勘違いされがちかもだけど、今までの行動とかを見てるとそう思える
「はい…だからこそ」
「だからさ」
少し悪いと思ったけど五月の言葉を遮って続ける
なんとなく五月も中野先生のことは察していて、この子のことだ
心配をかけたくないから相談も躊躇してるってところだろう
「五月の相談だって迷惑に思うことなんてないよ
きっと」
それでも家族を頼ることはおかしなことでもなんでもないと伝えたかった
五月の方はそれを聞いてどう思ってくれたか
「ーーーそう、ですね
ありがとうございます
やっぱり下川君に相談してよかったです」
なんて言って笑ってくれる
見方によっては中野先生に丸投げしてしまってるだけな気がするが、やっぱ家族の言葉の方が響いてくれるだろと自己完結
自分で背中を押してやれないあたりで少し自己嫌悪もあるが…
「どうしても下川君には甘えてしまいますね」
…………その表情でその発言は少しまずいでしょ
顔に熱が集まるのを感じて目を逸らせば、五月の方も自分の発言に気付いたのかワタワタしだしてる
「そ、そそそそういえば
下川君の方は入試判定はどうだったんですか?」
…………しまったな
五月の相談受けた時点でこういう話題になるのなんて予想できてたろうに
去年から何度かこの手の話題になる度に上手く誤魔化してきたつもりだが、さすがに今度ばっかは話題逸らせそうにないな
「下川君?」
不思議そうな顔
この間一花ともこの話題になって同じ表情をしてたのを思い出す
この後の展開もその時と同じになるんだろうが
「行かないよ」
「え?」
「大学
行かない」
最初の期末テスト編から少しずつ張ってた伏線のつもりでしたが
果たして学園祭でオリ主の進路問題は解決するのか!?
オリ主苦手科目(比較的)は国語
耐えられなかった場合の話(短編、このアンケはすぐ消す)
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かまわん、書け
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は?キ◯い