扉を開ける
屋内へ吹き込んでくる風は随分冷たい
本当に冬が近づいてきてるんだと実感する
目当ての人物は…
いた
扉が開いたことに気づいてないのか
背中越しだが物憂げな顔して校庭を見下ろしてるのが何となくわかる
わざとらしく足音は立てて歩いてるつもりだが近付いても振り返る様子はない
隣に立ち
「待たせたな」
そう告げてやって初めてそいつ、一花は俺の方を見た
「…ユーキ君」
「なんだよその顔は?」
呆けたような、信じられないものを見たようなそんな顔
あれ?
こいつのことだから
『いや〜そっかそっか
そんなにお姉さんがよかったか〜』
なんて調子に乗られるもんかと
「……そんな風に笑って誤魔化せるようなことじゃないよ」
「ナチュラルに思考読むなや」
「わかりやすいもん
ユーキ君ってさ」
そう言いながら微かに笑ったあと一花は
「私は本当に君に選ばれるのに相応しいのかな」
顔を伏せてそう言った
「ここに来てくれたことはすごく嬉しいよ」
「でも私って
結局自分のことばっかり」
「二乃みたいな強さも
三玖みたいなひたむきさも
四葉の明るさや
五月ちゃんの真面目なところも全部私にはない」
「せめてみんなが誇れるようなお姉ちゃんでいようと思ったけど
それも出来てるか不安で」
「ごめん…せっかく」
「同じだ」
「え?」
不安だったのは、怖かったのは俺だって同じだ
「お前らに会って
お前らに居場所をもらってからずっと考えてた」
「俺はお前たちと一緒にいるのに相応しいかどうか」
ずっと考えてたことだ
こいつらに…こいつが救うべきなのは俺じゃない
こんな弱い俺はここにいるのに相応しくない
「けど、弱さも全部受け入れてくれたのはお前だろ」
「あ」
お前がいなかったら俺は俺の弱さにも気付けなかった
自分も、そして他人の弱さを認めてやれることはきっとなかった
一花の方を向く
表情からはまだ不安が消えてはいない
「お前がどんなやつかなんて知ってる」
「自堕落で適当で
人のこと揶揄うくせにいざという時にヘタれるみっともねぇやつ」
「そこまで言わなくても…」
「それでも進み続けるお前が俺には眩しかった」
苦手なやつのはずだった
俺にはないものをたくさん持っているこいつとは本来交わることなんてないはずだった
なのにこいつを
いつの間にかこいつの進む先をもっと見ていたいと思っていた
「相応しくないって言うならお互い様だ」
「多分これから先みっともないところたくさん見せると思う
それでも、いつかお前の隣に自信持って立てるようになりたい」
「お前の弱さもひっくるめて全部受け止められるように」
肩に手を置く
震え出しそうな足を押しとどめる
一花の目を真っ直ぐに見て
「俺は」
「一花が好きだ」
万感の思いを込めてそう告げた
「私…
めんどくさい子だよ?」
「知ってる」
「幻滅させるよ…きっと」
「そしたらまた好きになる」
「なんで…なんで…
なん…で…」
「ーー好き
大好き」
オリ主は一花が好き