5Sぷらす2 【本編完結】   作:しろすけ

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むしゃくしゃして書いた
今は公開している

活動報告の怪電波を衝動的に書いてみた


if
思いがけぬ


「焼肉定食焼肉抜きで」

「……はあ

 唐揚げ定食唐揚げ大盛りで」

 

いつもながらの侘しい昼食を頼む隣の幼馴染にため息が漏れる

何でもこの学食の最安値のメニューはライス単品200円でなく、400円の焼肉定食から焼肉を抜いたら同じ値段でお新香と味噌汁がつくからだそうだ

 

「ほれ」

「おう

 いつも悪いな」

 

大盛りで増量した唐揚げを幼馴染のライスに突き刺す

いつからか宿題を見てもらったという名目で報酬として提供するのが日常となっている

飯くらい奢ると言っているが過度な施しはいらんそうで

高校進学した時に再会したわけだがどうしてこうも色々拗らせたやつになってしまったのやら

 

「謂れのない非難を受けた気がするが

 お前にだけは言われたくねえぞ、優希」

 

幼馴染、上杉風太郎がジト目で睨んでくる

 

「俺はお前みたいに友達ができないわけじゃなくてあえて作ってないだけだから」

「友達できない奴ほどそんなこと言うだろうが」

「ああん!?」

「なんだよ!」

 

顔を突き合わせてぬぐぐと睨み合い

周りからはまたあいつらかと慣れたもの

一部女子陣からは何故か熱い視線が送られてる気がするが気づかなかったこととしたい

 

「「はあ…」」

「水とってくる」

「ああ、いつもの席行ってる」

 

我ながら不毛な言い争い

お互い特に現状に不満があるわけではないので最早挨拶がわりのやりとり

前述の通り、友人と呼べるようなやつは幼馴染の風太郎しかいないし、諸事情あって養父の元を離れて一人暮らしをしてるから人と話す機会なんて限られてる

気の置けない会話は楽だがお互い進歩がないな

 

「ここは毎日俺とツレが座ってる席だ

 あんたが移れ」

「関係ありません早い者勝ちです」

 

なんだ?

2人分の水を汲んでいつもの席に向かってみれば言い争う声

風太郎が女生徒に絡まれてる?いや絡んでるのか?

 

「だいたいあなた1人じゃないですか」

「すぐ来るんだよ

 あ!おい優希」

 

やれやれ席一つでムキになるなよ

偏屈な幼馴染のフォローに今から気が重くなる

 

「え?ゆうきって…」

 

しかしよく見たらあの制服、黒薔薇女子のじゃねーか

あいつらの知り合いとかだと面倒だな

 

「席くらいで喧嘩すんなや風太郎」

 

呆れてため息混じりに声をかける

風太郎の方はこれで二体一だ残念だったな!なんてなぜか得意気…

 

「嘘…」

 

女生徒の方の呆然とした声にようやく顔を直視した

 

「五月…か?」

「優希…なんですね…やっぱり」

 

触覚のように一房だけ飛び出してる少しウェーブがかかった髪

くりくりとした大きな瞳は今は驚愕に見開かれている

久しぶりに見る家族、義理の姉の1人がそこにいた

 

「な、なんだ?お前ら知り合」

「なんで出て行ったんですか!!!」

 

風太郎が口を挟む間もなく激昂する五月

まさかこいつがここまで取り乱すなんて思わなかったからこっちはフリーズしてしまう

 

「何も言わないで突然出て行って!

 みんなあなたのこと心配してるんですよ!!

 連絡のひとつもくれないなんて!」

 

言ってとうとう泣き出してしまう五月

流石にこんな人が多い食堂でいつまでもこのまま泣かしておくわけにもいかんし

 

「悪い

 ちゃんと説明するから」

「ぐすっ…本当ですね?」

「ああ

 風太郎も悪いけどいいな?」

「お、おう」

 

風太郎には悪いが場所変えるのは少し億劫だ

周りの奴らがざわついてるがいつも通り無視でいいだろ

 

 

「ごめんなさい

 取り乱してしまって」

「いや、俺は別にいいんだが…

 あんたがまさか優希が言ってた義理の姉ってこと?」

「はい

 中野五月といいます

 そういうあなたは優希が言っていた幼馴染の?」

「ああ、上杉風太郎だ」

 

幼馴染と義理の姉のファーストコンタクトは意外とつつがなく進んだ

まさか接点ができるなんて想像もしてなかったから違和感しかねぇが…

 

「それで優希

 ちゃんと全部答えてくれるんですよね?」

 

まあ当然そうくるよな

しかし

 

「その前に質問」

 

質問を質問で返して悪いがこっちとしては死活問題なので早めに確認しておきたい

 

「五月1人だけか?」

「まさか

 みんないっしょに転校してきましたよ」

 

まさかであってほしかった…

これで俺の生存確率はガクッと下がったわけだ

 

「みんなって…まさか姉が五つ子ってのは」

「あ、それも聞いてるんですね

 そうなんです私たち五つ子の姉妹なんです」

 

全員揃って今日から転校してきました、なんて風太郎に愛想よく言うが俺には死刑宣告に等しいぞそれ

 

 

で、結局その場では昼飯食べる時間もないし、みんないるなら全員にまとめて放課後にでも説明するってことで言いくるめた

一年半くらいじゃ食事に目がないところは変わってないから助かったチョロいぜ

 

さて、説明するとは言ったもののはっきり言って気は乗らない

なんせ義姉が全員揃ってる

その中でも特に二番目と四番目の反応なんて考えただけでもゾッとする

比較的温厚だったはずの五番目であれだったのだ

姉妹大好きな二番と出て行く直前にきつめの喧嘩をした四番なんて烈火の如く怒り狂うに違いない

反応の読めない三番も別のベクトルで怖いが…

 

しかしクラスが騒がしい

もう午後の授業も始まるってのにみんな浮き足立ってるというか

 

「あー、急きょだが転校生が今日から加わることになった

 入りなさい」

「はい」

 

先生に促されて教室に入ってきたのは女生徒

さっき再会した五月と同じ制服、同じような背格好、同じ顔

唯一と言っていい違いは五月は背中まで伸びたロングだが、対照的なショートヘアー

 

「中野一花です

 よろしくお願いします」

 

五つ子の姉の長女さまその人だった

思わず頭を抱える

いや、考えようによってはラッキーか?

一花は長女で仕切りたがりだが基本マイペースでおおらか

俺を含めた下が何かやらかしても基本笑って許すような奴だ

これは下手に騒ぎにならなくて済むかもしれん

 

「え?優希…なの?」

 

顔をあげた瞬間に目があった

流石に、予期せぬ再会だったらしく呆然としてる

ここは気さくに話しかけてやれば案外前みたいに気軽に話せるようになるのでは?

 

「おー久しぶ、りっ!?」

 

星が!星が見えたスター!

左の顔面が吹っ飛んだんじゃないかって衝撃とともに椅子から転がり落ちた

なんだ!?何が起こったんだ!?

混乱する頭で下手人であろう人影を見上げれば

 

「連絡ひとつもくれないでどれだけ心配したと思ってるの!!」

 

まさかの大粒の涙を目にためた長女さまの姿がそこにあった

いや、え?あれ?

いつもマイペースでお姉さん風吹かせてる一花はどこに?

 

「君が!突然いなくなるからみんなすごく心配して!何か怒らせたのか悲しませるようなことしたんじゃないかって不安で!」

 

「もう会えないんじゃないかってすごく怖かったんだから!」

 

一花…

思えばこいつの本心なんて一緒に暮らした三年間で触れたことがあっただろうか

だらしないところを見せることはあっても、いつも妹たちを気遣って

かと思えば飄々とした態度で本心を隠して

 

軽はずみな気持ちでこいつらの元を離れたわけじゃない

けど、こんなにも傷付けることになるなんて考えもしなかった

 

「悪かったよ」

「本気で反省してる?」

「ああしてる

 ちゃんと説明はするけど授業終わってからにしよう」

 

その指摘にようやくここが教室であることを思い出したのだろう一花の顔がどんどん赤くなっていく

 

「絶対だからね!?」

 

捨て台詞を吐いて指定された席へ足速に向かっていく

しかしこんな雰囲気にしてしまってまともに授業なんか…

 

「ん?終わったか?

 じゃ授業始めんぞー」

 

うちの担任のメンタルエグすぎないか!?

 

後に旭高校に語り継がれる「中野姉弟大戦争」

これがその発端となるなんてその時の俺は想像もしていなかったのだった




需要があるかは知らん!
いいから本編書け?
ホンマやな
ごめんなさい

続きとか設定とか書くかは未定
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