5Sぷらす2 【本編完結】   作:しろすけ

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久しぶりの投稿が衝動的に殴り書いたこれとか…

時系列とか細かいとこはスルーで


季節ものだったり番外だったり
バレンタインの話


「やっぱり五月ちゃんもここだったね」

「ええ

 そう言う一花こそ」

「どうやら目的は…」

「同じようですね…」

 

「………なんかゾワっとしたんだが」

「お前が風邪?

 隕石でも降るのか?」

 

 

2月14日

勉強以外興味無さそうな幼馴染以外には説明不要なあの日、バレンタインである

こちらとしてはこの日が近づくとそこらじゅうから甘い匂いがして少し憂鬱になる時期でもある

こればっかは無駄にいい自分の鼻を呪いたい

 

「…………何ソワソワしてんの?」

「わひゃいっ!?」

 

いつもの通学路

いつものコーヒーチェーン店の前

何故かいつもと違い落ち着きのない様子の一花に声をかける

よっぽど関わりたくないような挙動をしてたが、流石に無視するわけにもいかなかったわけで

 

「お…おおおおはよーユーキ君

 いやー今日もいい天気だねー!」

「曇ってるけど…」

 

あんまりにもあんまりな様子に思わず顔をしかめる

なんだかんだ外面はよく保つこいつがそれほどまでに余裕がないってことは

 

「はぁ…

 遅刻するし早く行こう」

 

十中八九バレンタイン絡みと直感

とりあえず下手に詮索しないでおこうと結論づけてさっさと歩き出す

一花の方も何か言いたげなそぶりを一瞬見せたが同じように歩き出し、いつものように隣へ

 

「ところでユーキ君

 それって?」

 

一花の視線が俺の手に下げられた袋に向けられる

 

「バイト先の人達から」

 

簡素に答える

バレンタイン恒例のマダム様方からの頂き物である

いい加減長い付き合いの方が多いので俺の好みというか食べやすいものをチョイスしてくれてるのが非常にありがたい

 

「ふーん…へー…そっかー

 流石モテる男は辛いですなー」

 

なんで急に不機嫌に?

ある意味いつもの調子に戻ったのは安心するけど脇腹を小突くのはやめてくれ痛いぞ

 

 

結局、一花の攻撃は学校に着くまで続いた

学校に着いた途端また挙動不審になった辺り自分の問題を思い出したみたいだが、一花が誰にチョコ渡したがってるのかわからん以上協力もできん

せいぜい自分で頑張ってもらうことにしよう

 

ついでに、こっちはこっちで別の問題が発生してるみたいで

 

「なぁ、下川

 いい加減あの子どうにかしてやれよ」

 

前田の視線の先は教室の入り口

特徴的な触覚髪からの視線は近くにいる前田にもプレッシャーを与えてるらしいが

 

「どうにかできるならやってる」

 

ゲンナリと返す

休み時間のたびにわざわざ隣のクラスから来て様子を見てくる五月

いつも気軽に声をかけてくれる子が今日に限っては何か言いたげな様子で視線をやってくるのみ

耐えかねて声をかけに行けば、普段からは考えられない速さで距離を取られた

そんなわけで、五月の機嫌を損ねるようなことをしてしまったかと心配でこっちも憂鬱だったりする

 

「けっ!

 贅沢な悩みだなまったく

 あーあー!今年もチョコゼロかチクショー!」

 

どの辺が贅沢なのやら

それとそーいうガッツいたところに女子は引くんだぞ

とはいえ、こいつの嘆きは今年に関しては杞憂っぽいけどな

松井は朝からチラチラと前田の様子を伺ってるし、それとなく二人きりにしてやりたいが、こっちは五月からのプレッシャーと挙動不審一花の対応で手一杯だ

自分たちでなんとかしてくれることを祈ろう

 

 

放課後はいつも通り家庭教師

今日は俺の家での予定だったはずだが

 

「……他の奴らは?」

「あ、あれ〜?

 おかしいね〜」

「そ、そうですねー

 みんなどうしたんでしょう?」

 

いや君らの話し方がどうした、という言葉は飲み込む

何故かこの場には一花と五月のみ

他の姉妹はおろか風太郎すらいないって何事?

 

「バレンタインだからか知らんけど気緩み過ぎでしょ」

「「ッッ!!」」

 

独り言だったんだが二人とも飛び上がるんじゃないかってほどの反応

そういえば、あれだけプレッシャーを放ってたはずの五月も一花同様挙動不審

 

……しゃあない

もともとさりげなく気を使うなんて柄でもない

こっちから切り出してみるか

 

「バレンタインうまく渡せなかった?」

 

その言葉に二人して表情が固まる

これはやっぱ図星か

それなら

 

「今からでも遅くないんじゃない?」

 

言葉にはしないが今からでも想い人に渡してきたらと告げる

風太郎なら進学も危ういのに何を浮ついているかと激怒もんかもしれんが、俺としてはこいつらが自分の気持ちを押し殺すのは見たくない

少し胸の辺りがモヤっとしたがそれは無視

 

さて、背中を押してやれたならいいが果たして

 

「ええ、そうですね」

「うん、そういうことなら」

 

二人揃って立ち上がる

どうやら決意はできたようだ

ならまあここはこれ以上何も言わず見守って

 

「ユーキ君」

「下川君」

 

…………え?

 

目の前に突き出される包みが二つ

当然それは一花と五月から

二人とも顔は耳まで真っ赤

は??俺???二人とも???

 

「あ、甘いの苦手って言ってたよね!

 ちゃんとビターにしたから!」

「は、初めての手作りですけどちゃんと味見はしたので!

 きっとお口に合うと思います!」

 

それぞれ捲し立てるように言うと、硬直する俺をよそに転がるように飛び出していく二人

い、言いたいだけ言って行っちまった…

いやいや、まったく思考が追いつかん

一花と五月が?

よりによって俺のこと?

さすがにあの反応と手の中にある包にはハートのラッピングで冗談や勘違いではないだろうし

 

頭がショートしそうで、爆発するんじゃないかっていうくらい全身熱い

苦手なはずの甘い匂いが充満する部屋で一人悶絶することになった




赤面一花と五月からチョコもらいたくない?もらいたいですよね!
以上!
文句は受け付けない!
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