「イェーイ!ハッピーニューイヤー!!」
「あけおめー!!」
「あけましておめでとうございます」
と、ギルメンが口々に新年の挨拶をし終えて。お節に雑煮にお屠蘇、と皆それぞれに口にし始める。
「いやー。お正月ってさぁ、気分上がるよねぇ。女の子たちは着物で華やかになるし?仕事は休みだし?」
「姉ちゃんはちっとも変わらねぇけどな。その身体で着物とか笑えるし」
と、ペロロンチーノがいつものように余計な一言をポロリと零したせいで、茶釜は無言でペロロンチーノの口内に餅を突っ込んだ。
「むーーーーーーー!?」
「余計な事言わずに料理でも食べな。新年早々お前はまったく……」
そう言う茶釜は粘体の身体なので既に全身に色々な料理を吸収しているのが半透明な身体から透けて見える。
「ちゃ、茶釜さん!そんな事したらペロロンさんが!」
モモンガが慌ててペロロンチーノの背中を叩くが、ペロロンチーノはモゴモゴ言いながら必死に餅を飲み込もうとしている。
「だーいじょうぶ!異形種なんだから人間みたいに窒息とかしないから」
「姉ちゃん俺の扱い雑過ぎない!?」
ようやく餅を飲み込んだペロロンチーノが茶釜にそう苦情を言うが、茶釜は全然気にせず酒を呑んでいる。
「ペロロンさん、ちょっと痛いかもしれませんけど、もし喉が詰まったとしてもウルベルトさんに喉の餅を焼いて貰えば大丈夫ですから!」
「モモンガさんも俺の扱い酷くない!?絶対痛いじゃん、それ!!」
モモンガのその言葉にペロロンチーノがそう返せば、更に茶釜が言葉を続ける。
「そもそも、餅喉に詰まらせなければいーじゃない?そーすりゃそんな目に遭わなくても済むんだから」
「俺に餅突っ込んだ姉ちゃんがソレ言う!?まぁ、餅めちゃ美味かったけどさぁ……」
もぐもぐと餅を咀嚼しながらペロロンチーノはそう言う。よっぽど餅の味が気に入ったのか、今度は自ら餅に手を伸ばしている。今度は磯辺巻きだ。
「……ペロロンさん。俺だったら怖くてあの後に餅とか食べられませんよ」
呆れたようにモモンガがそう言うが、ペロロンチーノは気にせず美味しそうに食べている。
「えー?だって、色んな味があってマジで美味いんですもん。俺、お節よりこっちの方が好きかも。雑煮とかも美味いですし」
結構な数を食べているペロロンチーノに、ウルベルトは呆れたように言い放つ。
「そんなに食べて、マジでさっき茶釜さんが言ったような事態になっても知りませんよ?まぁ、モモンガさんに言われりゃ俺、ペロロンさんの喉焼いて助けてあげますけどね」
「喉じゃないから!焼くのは餅っ……!!って、焼いたら取れなくなるんじゃ?」
ペロロンチーノの素朴な疑問に、ウルベルトは酷薄な笑みを浮かべながら答える。
「大丈夫ですよ。俺の炎なら消し炭になって消え去りますから」
「絶対ソレ、喉も痛いヤツじゃないですかっ!!全然大丈夫じゃないですっ!!」
そうは言いつつも餅を食べる手を止めないペロロンチーノを見て、ウルベルトはマジでコイツ喉を詰まらせるんじゃねーかな、と思っていたが、口には出さない。
「あ、武人さん!呑み比べしませんか?せっかくの正月ですし、今日は日本酒で」
と、ウルベルトの視界に酒豪の武人建御雷が現れる。こちらも酒好きのウルベルトはウキウキとしながらそう誘いを掛ける。
「いいですよ。ワインでは負けましたけど、日本酒なら負ける気がしませんし」
酒好きな二人して意気投合し、酒が用意してある方へ進む。すると、別のギルメンは餅の大食い競争を始める。
「PVPよりは平和ですけど……何で皆競争したがるんでしょうねぇ……」
のんびりとそう言うのはヘロヘロで。ゆっくりとお屠蘇を呑みつつ、お節をつまんでいる。お節の塩気が、日本酒を呑むのには最適なのだ。
「何ででしょうねぇ。俺としてはこうやってのんびりしつつ美味い物食べてる方がいいんですけど」
そう答えるのはぷにっと萌えだ。ヘロヘロと同様にコタツに入って暖をとりつつ雑煮を食べている。
「闘争本能が強い種族のヒトだから、なんですかねぇ?でもウルベルトさんは悪魔だからまだ分かるけど他のヒトってどうなんですかね?」
「うーん。元々の気性とかですかね?呑み比べとか大食いとかは遠慮したいですけど、平和的なスゴロクとかの競争なら俺も参戦するのは吝かではないんですけどね」
元ブラック企業勤めのヘロヘロと、植物系モンスターで光合成が最も好きなぷにっと萌えは二人してそんな事を話してリラックスしきっている。
タブラはタブラで別のコタツで雀卓を用意して他のギルメンを誘って麻雀に勤しんでいる。勿論賭けありだ。
「……正月ですねぇ。何というか、めちゃくちゃだらけてますけど、正月だからいいんですかね」
楽しそうなギルメンを見て、モモンガはしみじみとそう言う。
「いいんじゃないですか?年に一回くらい、こういう日があっても」
そう言うのは、風紀に厳しいたっち・みーで。そんな彼も今日のことは全てお目こぼしするようだった。どうやら本日の乱痴気騒ぎは正月だから、と、多少の事ならチャラになるようだ。
「そうですね。……こんなに平和なのがいつまで続くか分かりませんしね」
モモンガはそう言うと、皆を見ながらゆっくりとお屠蘇の香りを楽しんでいた。自分も呑めたらもっと楽しいんだろうな、と思いながら。
END
今年もモモンガさんの幸せを祈りつつ二次創作を続けて行きたいと思います!
ペロロンさんの茶釜さんの呼び方、姉ちゃんの時と姉貴が混在してたので今回は姉ちゃんの方を使ってみました。(何巻かプロローグかちょっとソース失念、すみません!)