バンビーズを育て上げた者   作:主義

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バンビーズを育てた男

あたしは好みの男を殺す事が趣味だ。なのに初めてこの男を一生私の隣に置いときたいと思った。それはこいつがあたしの育ての親だから情けで殺さないのかと最初は思っていたけどなんか最近、違う気がしてきた。これは情けとかそういう感情ではなくてもっと暖かい気持ちな気がしてきた。

 

 

 

でも、私にはこの感情の名前が分からない。初めてこんな気持ちになったんだから分かるはずがない。誰かに聞けば分かるかもしれないけど……そんな懇切丁寧にこの気持ちの正体を教えてくれるような奴は存在しない。どうせ意地悪して適当な回答をしたり、聞く耳すら持たないかもしれない。

 

 

 

 

 

 

いつか、この気持ちの正体が分かる日が来るのだろうか……

 

 

 

 

 

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あたしが特別な感情を抱いているのは「ルイ」という一人の男。実力は折り紙付きで聖文字を貰っていないにも関わらず、ユーハバッハの次には強いと言われている。普段は温厚な人で怒った顔を仲間にも見せたことがない男だが、怒る事がないわけではないらしい。あたしらは『ルイ』とはそれなりに長い付き合いにはなるけど『ルイ』が怒っているところを見たことはない。

 

 

 

 

『バンビーズ』のメンバーは全員が彼に返しても返せないような恩がある。私たちの親はある事件に巻き込まれて死んでしまった。そして親族がいなくて引き取り手のなかった私たちの事を育ててくれたのが彼だった。衣・食・住から私たちの我儘まで全てを叶えてくれた。

 

 

最初の頃は五人の誰もが心を開く事をしなかったし、口を聞く事すらなかった。だが、次第に彼の人柄に触れていき、心を開くようになっていった。そして気付いた時には彼を中心とした生活になっていった。今、思えば何故か『ルイ』の事を最初に出会った時から目が離せない存在となっていたのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『バンビーズ』は性格も様々だし、仲が悪い。だけど、一つだけ共通点がある。それが第一優先が『ルイ』である事。どんな事を犠牲にしたとしても彼以上のものなどない。もし、自分の命を捨てる事で彼を助けられる状況に陥ったとしたら迷わず五人は命を差し出す。そう一秒も迷う事などなく。

 

『ルイ』があたしらに命令をする事は決してないけどもし、命令を出したとしたらその命令はユーハバッハ様の命令よりも優先されるだろう。

それほどまでに『ルイ』という一人の男はあたしらの心に深く根を張っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もし、ユーハバッハ様の命令でも『ルイ』に悪影響が出るものに関しては『バンビーズ』は決してやる事はない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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