マスクで耳が痛いです。
以上
廊下を走る2人の日比谷────。
それを追う茨────。
放課後の学校は誰も生徒がいない不気味な静けさとは裏腹に時折、歯軋りを思い出させるような鈍く鋭い音が響いている。
「待ちやがれー! テメー!」
行き止まりの廊下を右折し、階段を登る日比谷達に向かって怒涛する茨は、階段がある側の教室に侵入する。
(あいつの足音が遠くなっていく。
俺の方が足は速いみたいだな。)
「パリンッ」
日比谷が自分から距離ができていく追手に対して安心感を覚えていると、途端に窓が割れる音が校舎内へ響く。
「なんだ?!」
茨は教室の窓際へ駆け寄りドロップキックで窓を割りながら一時校舎の外へ、その勢いで階段の踊り場にある窓へ身軽な身のこなしで向かい、再び校舎内へ戻ると同時に勢いよく窓を割り、丁度踊り場に到達した「過去」の日比谷に対して、不意打ちをかける。
「────ッ」
日比谷の反射神経は中々に優れていた。
日比谷は茨の狙いが分かると、過去の自身を
手で押し出し、窓の外から侵入して来る茨を体勢を捻りながらかわし、バク転の要領で足を使い、空中で追撃する────。
しかし・・・・
「!?」
「結構戦い慣れてんなァー、テメーよー。」
渾身の日比谷の攻撃は茨にガードされ、蹴りの衝撃で壁にぶつかる前に受け身を取る。
「走れ────!」
無理な体勢からの攻撃でバランスを崩した日比谷は過去の自身に向かってそう叫び、
それに答えるように、というより逃げ出すかのように階段で上へと登っていく。
「逃がすか────ッ!」
「逃さないぞ────」
日比谷は上へ向かった過去の自身を追う茨に対して、そう宣言する。
「さっきから邪魔してんじゃねーぞ!」
先程から蜘蛛の巣のようにしつこくまとわりつく日比谷に対して、茨の苛立ちは等々限界を迎える────。
「やっぱ、お前が死ね────。」
茨はナイフを日比谷の脳天に勢いよく貫こうとしたが・・・
「!?」
自身の脳天に目掛けて向かって来るナイフを日比谷は足の踵を軸に体勢を回転、ひらりと避け、裏拳を勢いよく茨の腹部に打ち込む────。
「────ッ、グハッ!!」
茨は日比谷の強烈な裏拳に一瞬気絶仕掛けたのだが、少しよろけながら後ろの壁に寄りかかりながら、腰をストンと落とす────。
「もう追手くるなよ────!」
日比谷は茨に向かって忠告し、過去の自身を追って階段で上へ登ろうとする。
「駄目だ。駄目だ。俺は結局何もできないのか────。 クソが! クソが! クソが!」
座り込んだ茨は途端そう呟きながら立ち上がったと思うと自身の頭を壁に叩きつけ、頭からの血がダラダラと床に垂れ落ちる。
「────ッ!何してんだよお前。」
流石にその行為を見過ごせない日比谷は階段を登る途中で振り向く。
「え?」
日比谷が振り向いた瞬間、垂れ落ちる血だけを凄まじい速さで置き去りにして茨は日比谷の懐に移動、その後腹部に拳の強打を打ち込む────。
その途端日比谷の身体は宙に浮き、登っていた階段を通り過ぎ、その先にある先生達が未だ仕事をしているであろう職員室の壁を破る────。
「日比谷くん!?」
職員室内は突然の来訪者にザワザワとしだす。
(なんだ・・・あいつ速すぎて目で追えなかった────。絶対に人間じゃない、、、ぞ、)
「どうしたの?! 日比谷くん!」
「先生、、なんでもないから大丈夫。
そんなことよりもう「20時」すぎてるから帰った方がいいですよ。」
(信頼度100パーセント、、)
「それもそうね、皆さん今日はもう帰りましょう。」
「そーだな、帰ろー帰ろー。」
「そうだよ! 今日21時からユニコーンの謎に迫る番組やるんだよ! 早く帰らないと!」
「旗乃先生、、、そういうの好きですよね、、、、」
放課後の職員室は水の入ったペットボトルを逆さに開けた時のような勢いで先生達が帰って行き、日比谷1人となった。
「早く、行かねーと、、今の俺が死ぬことになる────。」
日比谷は残った力を振り絞って、職員室を後にし、茨と過去の自分が向かったこの階の上にある屋上へと向かう。
********************
(死ぬ、死ぬ、、死ぬ、怖い────。)
過去の日比谷が屋上にたどり着くと、
続けて茨も屋上に到達する。
「なんでこんな追い詰められるとこ来てんだ? もうテメーの後ろは何もないぜ? 」
「わ、わわ、、、、分からない。か、身体が勝手に此処に来たんだ・・・」
「あっそ。。で? どうすんの? 自分で死ぬか? それとも俺に殺されるか?」
「は、はは馬鹿みたいな2択だな。。。」
日比谷も少し遅れて屋上に到達する。
「それなら、もう一つ選択肢を俺が追加してやるよ、3つ目の選択肢は「生きるか」だ。」
「テメーにそんな権限はねーんだよ。
決断できないなら俺が決めてやるよ、、、」
茨を除いたこの場の誰しもが茨は自身の手で日比谷司を殺したいと思う人物だと思っているいたがしかしそれは検討違いだった。
「自分で死ね────。」
「!?」
「テメーはこの先、沢山の人を不幸にする。
人を不幸にする奴は悪なんだよ────。
世間では誰かをいじめてる奴は悪だの、誰かを騙したら悪だの。。。
程度が低すぎるぜ。 いじめられたら不幸なんて誰が決めるよ。。
不幸か幸福かは、死んだ時に決まるんだよ。
だから証明しろ、日比谷司。
お前の人生が不幸だったのか幸福だったのかよ────。」
茨は過去の日比谷に対して、自害を要求する。
「─そ──う」
過去の日比谷は少し怯えたような聞き取りづらい声で、呟く。
「え? なんて?」
茨は聞き返す。
「俺は今幸福だよ、、だから死ぬ必要はない。。俺が幸福である事を自覚しているからだ。だからあんたは悪じゃない。。」
「俺はYESしか待ってねーんだよ! 手遅れになる前にさっさと死んでくれよ!! あんたはそれで悪ではなくなるんだよ!」
「俺は自分が悪なのか善なのかなんて興味ないんだ。 だからあんたの妄言にはもう付き合ってられない。 」
「────ッ! そんじゃあ、テメーのは黒だな。 此処でもやべー事してたみたいだしよ、詐欺師が!! 」
茨は日比谷の方にも言葉を向けて怒涛する。
すると過去の日比谷は人が変わったように急に身体を反転させ、何もない柵の向こうへ向かって走り出す────。
「止めろ────!」
日比谷は過去の自身がなにかよからぬ事をすると察して、叫び、静止させようとする。
しかし過去の日比谷は止まらない────。
とうとう柵を飛び越え、日比谷、茨の視界から消える。
(ま、まずい、俺がこの場から居なくなっちまう────。 力が抜けていくみたいだ。
視界も暗くなっていく。。)
日比谷の人生は此処で幕を閉じるかに思われたが、1人のある選択によって、突然、先が視えなくなった日比谷の先は眩しい光によって照らされるのだった。
読んで頂きありがとうございました!
この作品の世界設定では学生時代に自衛訓練が必ず行われます。
なので20歳以上の奴らは大抵それなりに戦えます。
なぜ?そんな設定があるのかというと私がそうあるべきだと思っているからですね。
今回で第一章完結方思ったのですが、無理でした。。。
次回、本当に第一章完結!
キャラクターの身なりや声、性格などイメージはできますか?
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すごくできる
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まぁまぁできる
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どちらでもない
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あまりできない
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全くできない