少し先の未来の話。
プロローグ
何処かで廊下を走る音が聞こえる。
その音は段々と私の元に近づいてきたかと思うと、今度は逆に遠ざかるように上の方へと消えていった。
私はその音を辿るべく、鮮やかなオレンジ色に染められた無人の教室を走って横切り、
階段で上へと登る。その途中突然、放課後の校内には似つかない激しい物音が鳴り響く。
急いでその音の正体を知るべく、私は階段を登り切るとそこは校舎の屋上だった。
屋上の入り口の扉は外れ、何かに切り刻まれた様な跡があり、その先に見える緊迫した状況を少しだけでも開放的にしている気がする。
屋上には私以外にも4人、いいや3人いた。
その中には制服を着た生徒の姿もあり、
3人は全員男性で、何やら揉めている様だ。
私は屋上には出ず、入り口の物陰に隠れ、
男達の会話の聞く。
「てめーが黒だろうよ、昔っからあんなことばっかりしてんのかよ、詐欺師が」
白髪の男はナイフを持ち、自らの対に立つ2人の男にそういう。
「「...」」
男2人は何も喋らない。否定出来ないという事なのだろうか。
しかし次の瞬間苛立ったのか白髪の男は2人の男にナイフを翳しながら一直線で突っ走る。
すると制服を着た生徒はどうやら想像もつかないこの状況にパニックになってしまったのか、その先に何もない柵を飛び越え、高さ数10メートルから身を投げ出そうとする。
「止めるんだ!」
すると此処まで沈黙を貫いてきたもう1人の男、日比谷司は、勢いよく叫んだ。
しかしその制止は遅く、制服を着た彼はもう私と彼の視界には居なかった。
それと同時に叫んだ司は急に膝から崩れ落ち、白髪の男はそれを見て笑い、最初に視線の端で捉えたもう1人の男は背を向け、沈黙している。
その時私は沈んだこの景色と光景を見て、当たり前のように誇らしく感じた。
そして雪が降り始める。
その雪は、私を沈んだこの光景へと歓迎したかに思えた。
-----------------------------------------------------------------------------------------
-----------------------------------------------------------------------------------------
-----------------------------------------------------------------------------------------
-----------------------------------------------------------------------------------------
キャラクターの身なりや声、性格などイメージはできますか?
-
すごくできる
-
まぁまぁできる
-
どちらでもない
-
あまりできない
-
全くできない