今日で3月も終わりですね。
明日から新生活!の方は早めに寝て最後の自由時間を楽しんじゃいましょう!
嘘の道導もここから第一章です。
4月一杯は第一章かと思うので、ぜひお付き合い下さい。
よろしくお願いします!
第三話 お出迎え
(これはまずいことになった。)
そこら中で鳴り響くパトカーのサイレン音が日比谷の鼓動を並み打たせる。
「いたぞ!あそこだ!」
「まずい!」
河川敷の橋下で身を隠していた日比谷だったがその途端、警官に指さされ、腰を下ろし休めていた体を再び起き上げ、警官とは真逆の方向へと向かう。
「くそ!なんでこんな目に遭うんだ・・・!」
「あんたが悪いっぽいんだからさっさと自首してきなさいよ!」
「悪いが今は冤罪の潔白を証明する時間も惜しいんだなこれが!」
日比谷は息を切らしながら、泣き言を叫んでいるとその隣で並走する人物、一条茜音は警察への自首を推してきた。
「これじゃもう犯罪者じゃないか!
俺が何したってんだよ・・・!」
時は少し遡り、日比谷がチェスターに過去へ飛ばされた直後へ向かう。
「此処は・・・秋野か!」
日比谷が視覚の暗転から解き放たれるとそこは、自身の故郷でもある秋野市であった。
「覚えてる。この紅葉の木、間違いないな。ただ、俺がこの間行った時は木は伐採されてたからな。本当に過去の景色って訳だな。」
現在は既に存在しない秋野市のシンボルでもある大きな紅葉の木を目の前にした日比谷は
久しぶりでもあるこの景色にうっかりと浸ってしまう。
「ただ、なんで秋野なんだ。他の参加者も全員秋野の何処かに飛ばされたのか?理由は分からないがひとまず今が西暦何年なのか知る必要があるな。悪人探しはそれからだ。・・・?!お前は!」
日比谷が自身の故郷でもある秋野に飛ばされた訳、他の参加者の行方や現在の西暦を知るべく、歩み始めると早速目の前に日比谷が求める答えが現れた。
「?やっぱり、他の参加者も秋野に飛ばされてる感じね、ただ、なんで秋野なのよこんなクソ田舎もう来たくなかったんだけどな。」
「お前は!・・・誰だっけ?確かあの時居たような気がするんだけどな。」
「私は一条茜音。あんた最初遅れて来たでしょ、見た目も大人っぽいし、社会人なら遅刻なんてするんじゃないわよ。ダメ人間。」
「自己紹介と同時にジャブ打ってくるって、
お前絶対友達いないだろうな・・・。」
日比谷の前に現れたのは、同じゲームの参加者でもある一条茜音である。
彼女は、軽い自己紹介と悪口で日比谷を出迎える。
「俺は日比谷司、まぁダメ人間だよ。」
「なによ、冗談だったのに根に持ってるの?
案外ネガティブなのね。まぁそんなことより・・・」
一条は日比谷のへりくだった自己紹介を茶化し、話の本題に入ろうとする。
「ゲームのルールはさっき聞いたわよね。
それで私からあんたに質問があるの。
あんたって悪人?」
「・・・さぁね。そもそも悪人の定義ってなんだよ。人殺しとか泥棒とかの事言ってるなら俺は多分白かな」
一条が質問をしてくる。
日比谷は少し間を空けて、回答を濁しながら少しずつ一条の心意を探る。
「悪人はその人の行動の結果からでる言い回しじゃないわ、悪人ってのはあんたがさっき言った人殺しとか泥棒とかする前以前に、殺したいとか盗みたいとか思った時点でもう悪人だわ。」
「それ、どっちも同じ事じゃ?」
「私が言いたいのは!そう思った時点で悪人って事!まぁそれで罪に問われるかは分からない。けど、行動を起こした人と起こさなかった人もどちらも考えは同じなんだから同罪よ!」
「なるほどね・・・そういう定義なら俺は・・・」
少しやけになった一条の悪人の定義を聞き、本来の一条の質問を答えようとする日比谷だったがその途中、突然道端の警官に追われる事になる。
そして時は現在に戻る。
「このままじゃ追いつかれるのも近いな!
一旦別れよう!」
「はぁ?!今二手に分かれたら私も同罪みたいになるじゃない!せめて私は無関係って伝えてよ!」
「いや、2人して並走で逃げてるのを見て、無関係なんで誰も思わないだろ・・・!」
未だに警察に追われている日比谷は二手に別れることを一条へ提案されるが即却下される。
「まずい。行き止まりだ・・・」
見慣れた住宅街を奔走する日比谷と一条だったが、遂に道が途絶えてしまい、
そして少しずつ激しい足音が複数近づいてくるのを耳で捉える日比谷。
「こっち!!」
突然誰かの声が聞こえる。
声の聞こえる方向を振り向く2人が目にしたのは見覚えのある顔だった。
しかし、知ってる顔より少しだけ若々しく、
2人を急かすように出迎えた。
読んで頂きありがとうございます!
グッドとバット関係なく、感想や評価頂けると助かります。
次回の投稿は・・・
多分今週中!!
では、おやすみなさい。
キャラクターの身なりや声、性格などイメージはできますか?
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すごくできる
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まぁまぁできる
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どちらでもない
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あまりできない
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全くできない