少年とウマ娘たち - ススメミライヘ - 作:ヒビル未来派No.24
・UA11000を突破しました。ありがとうございます。
俺は部室に着くと、先生が言っていたゴールドシップのロッカーの上を見てみる。
するとそこにあったのは……いや待て待て。
本当にこれで良いんだよな……でもこれって確か。
「ツイスターゲーム……だよなぁ」
そうロッカーの上にあったのはパーティーゲームの定番、ツイスターゲームだ。
何でこんなところにこんな物が……そして何で先生はこれを持ってくるように言ったんだ?
あれかな、何か勘違いしているとか?
でもロッカーの上を見てみても練習に使えそうな物は置いていない。
俺はどうも腑に落ちない気持ちで先生とチームのみんながいるトラックに駆け足で向かった。
・ ・ ・
「次、右手青」
……ドユコト。
何で俺たちは普通にツイスターゲームをしているんだろう。
いや、やっているのは俺ではなくてウオッカとスペシャルウィークだけど……。
スペシャルウィークは明らかに困惑顔、そしてウオッカも似たような顔をしている。
「お〜面白そうだな! トレーナーアタシもやりてえ!!」
なお、ゴールドシップだけは異様にテンションが高い模様。
「ねぇ、これ意味ないでしょ」
そしてスカーレットは俺が言って欲しいことを代弁してくれた。
「意味はある!」
だが先生はスカーレットの言葉に対し、異様に自信があるようにそう言った。
このゲーム(練習)に何の意味が……正直そんな練習をしているチームなんてうちだけなんじゃないか?
「スペ、今度のデビュー戦、この前の入団テストとは訳が違う」
「レースは格闘技だと思え、相手が体をぶつけてくる時もある。だからレースでも負けない体幹を鍛える必要がある」
確かに言っていることは最もっぽいけど……でも……。
「ツイスターゲームじゃなくてもいいのでは……」
「ツイスターゲームにする意味はあるのかしら……」
「「あっ」」
考えが被っていたのか、スカーレットとセリフが被った。
でも、これがコンディションを整えるという事に当てはめるなら、練習を楽しくしてデビューへの不安を感じさせない工夫なのだろうか。
なんて考えていると、スペシャルウィークがバランスを崩してウオッカが下敷きになってた。
「おいスペ〜、流石にだらしないぞ〜? そんなんでレースに出るつもりか〜?」
「うぅ〜、だって……こんな事おかあちゃんとやった事ありませんも〜ん……」
少し涙目になっているスペシャルウィークとウオッカに俺は水を渡す。
「あ、ありがとうございます玲音さん」
「ありがとうございます玲音先輩……」
その後、スカーレットとゴールドシップもやったが……あんまり続かなかった。
「お前らそんなもんか?」
「だって……これ、見た目以上にキッツイ……」
「だな……このゴルシちゃんも……流石に少し疲れた……」
俺とスズカ、そして先生以外のみんなはターフの上で疲れ倒れている。
この状況を一言で表すのなら死屍累々……ヤ無茶しやがってだろう。
「は〜……これはお手本を見せないとな。スズカ、玲音」
「はい」
「えっ?」
「お前ら2人でこの練習やってみろ」
「はい」
「……はい?」
スズカはあっさりと承諾したが、俺は困惑せざる得なかった。
いやだって、俺はトレーナー(仮)で……ウマ娘の練習に参加するなんていいのか?
いやいやそれよりもスズ……というよりウマ娘だって女の子だ。
女の子とツイスターゲーム? それは人間として、男としてやってはいけないのでは?
「……レオくん?」
声のした方を見ると、スズカは腕を伸ばしながらツイスターゲームで使うシートの近くに立ってこっちを見ていた。
え〜、なんか俺の幼なじみやる気満々なんだけど……。
「え〜っと……スズはいいの?」
「別に気にしないよ?」
えぇ〜それは年頃の女の子としてどうなの?
ていうかその提案した先生も先生だ!
睨みつけるように先生を見たが……あまり効果はなかった。
「どうした、早くシートの前に立てよ」
「……ええいままよ!!」
もう俺は知らない!
このゲーム……本気で勝ちに行ってやる!
・ ・ ・
「次、右足青」
「っ……!」
俺とスズカがこのゲームを始めて……何分くらい経ったんだろう。
分かる事はさっきより太陽が傾いている事と、さっきまで死屍累々してたスピカのみんなが立ち上がって俺とスズカのツイスターゲームを見ている事。
それだけでだいぶ時間が経っている事が分かる。
「やっぱりすごいですね、スズカさん!」
「でも玲音先輩もすごい……まだ粘ってる……」
「あぁ、正直もうギブアップしてもおかしくないはず……」
「やるじゃねえか新人!」
周りがガヤガヤ言っているが……まぁ、今は目の前に事に集中だ。
スズカも冷静な顔をしているが、筋肉の震え的に疲れてきているはず……。
「次、左手緑」
「っ……」
でも流石にそろそろ俺も限界だ……。
そう思っていると先生がパンパンと二回手を叩いた。
「よ〜しそこまで、2人ともよく頑張った」
「「はぁ〜……」」
俺とスズカはほぼ同じタイミングでシートに身を委ねる。
あかん……これ、明日腹筋と背筋が筋肉痛になりそうだ。
……ていうかトレーナー、なんで俺にやらせたんだ?
「やっぱすごいなスズカ、そして玲音も」
「ありがとうございます」
「なんで俺まで……やる羽目に……」
「そりゃあ運動できるやつが運動しない訳にはいかないだろ?」
そういうトレーナーは異様にニヤニヤ笑っている……まるでこっちの事が全部つつ抜けているぞと言わんばかりに……。
ゾゾゾっと背筋が凍るような感覚が俺に突き抜けた。
「っ!? 先生! あんたどこまで知ってるんですか!?」
「んっ、どうゆう事だ?」
ゴールドシップが先生に対して質問する。俺はすぐに先生の口を塞ぐ……いや、もうラリアットでも決めたかったのだが、今の俺はツイスターのシートで倒れ伏すこと以外できなかった。
「玲音は卓球で市内一になった男なんだ」
「「「えぇ〜!?」」」
「ほう、只者じゃないとは分かっていたが……そういう事だったか」
「……卓球?」
先生が言ったセリフに対して、スペシャルウィーク・ウオッカ・スカーレットは驚愕の声をあげて、ゴールドシップは何故か納得したように首を縦に振り、そしてスズカの頭の上にはクエスチョンマークが浮かんでいた。
「はぁ……先生、ほんとよく見てますね。新手のHENTAIですか?」
「新聞は見るからな、名前は覚えていたんだ」
「……」
ほんとこのトレーナー、抜け目ないというか目が良すぎるというか。
そんな一時期ポンっと小さく載った新聞のことをよく覚えていられるなぁ。
「あのレオくん、サッカーはどうしたの?」
「……サッカー? どうゆう事だ玲音?」
……あ〜、もうこの際全部ぶちまけようそうしよう。
「あ〜自分、北海道にいた時はサッカーやってたんです。まぁまぁ強いところのサブでしたけど……でも北海道を離れて小中一貫校に転校したんですけど、そこにはなかったんですよサッカー部が……だから代わりに卓球をやり始めたって事です」
「いや卓球は知ってたがサッカーもやってたとは……それは盲点だった」
「玲音先輩すげぇ……」
「玲音先輩すごい……」
「お前、結構芸達者なんだな……アタシには及ばないけど」
そんな自分の以外な一面が暴露された日だった。
まぁ卓球に関しては本当、実力者が棄権とかして運が良かっただけだし、サッカーに関してもサブばっかで公式試合で得点は取ったことがない。
そんな羨ましがられる様な事はほぼ無い。
ということを正直に話した。
すると先生とゴールドシップは落胆、後輩3人とスズカはそれでもすごいと言ってくれた。
確かに中途半端な俺だけど……この仕事だけは中途半端にしない。
俺はそう心の中に誓った。
・玲音の一コマ…玲音はキャプ翼の松山に憧れイーグルショットを再現しようとしてた。
・僕は小・サッカー、中・吹奏楽、現(高)茶道です。みなさんはなんの部活に所属してましたか?