少年とウマ娘たち - ススメミライヘ - 作:ヒビル未来派No.24
・UA26,000・27,000・28,000を突破しました。ありがとうございます!
・僕の相性がいいウマ娘はスーパークリークらしいです。なんか納得。(トレンドになってましたね)
こんなことを言うのもアレだが、俺は体重は軽い方だ。
身長は大体162cm(地味にウオッカとスカーレットに負けてる……あの子ら本当に中学生か?)で、体重は42キロとだいぶ軽い。
じゃあ俺が少食だったり、ダイエットをしているのかと言われれば答えはNoだ。
むしろ自分自身不思議なのだ……なぜあんなに食べていてここまでしか体重が付かないのか。
俺ははっきり言ってかなり食べている方だと思う。
牛丼やラーメンを頼む時は基本大盛りだし、回転寿司に行けば20貫くらいは食べるし、さらにそこら辺の女子高校生以上にスイーツとか食べている。
なのに、全然体重が増えない。
それに対し、マックイーンは真逆だ。
これこそデリカシーがないことだが……マックイーンは少しの食事でかなり体に影響を受けるのだ。
それこそちょっとのスイーツで1・2キロ増えると本人は言っている。
だからマックイーンは普段の食事にかなり気を遣っている。
でも、そんなマックイーンだが……俺以上にスイーツが大好きだ。
ダメだと分かっていても、手を出してしまうくらい。メジロ家の令嬢が〜という自分自身を鼓舞させるための言葉もスイーツの前では無力になるレベルでスイーツが好きだ。
・ ・ ・
「さぁ、もうすぐですわよ!」
「分かったからそんな引っ張らないでくれ……いつつっ」
卓球場に併設されているシャワー室で卓球で流した汗をさっぱり洗い流して、身も心もスッキリした後、俺たちはまた別のところに訪れていた。
場所としては卓球場の最寄り駅から数駅移動した駅前……俺はマックイーンに手を引っ張られていた。
確かにこの時のために卓球で体を動かしたが……正直かなり久々だったので普通に足首が痛い。
それに対してマックイーンはもうテンションがマックス。しっぽもいつも以上にブンブン暴れております。
……まぁ、俺も楽しみではあるんだけどね。
俺とマックイーンが今向かっている場所……そこはーー。
「玲音さん、着きましたよ!」
そこは駅から歩いて十数分……最近出来たばかりのドーナツショップ『Mr. Coffee and Mrs. doughnut』だ。
そう、マックイーンが卓球をしたのはこの時のため。
新しく出来たここのドーナツ屋でドーナツを食べる……今回のお出かけの1番の目的だ。
まぁ簡単に言えば、摂取するカロリー以上に運動してカロリーをプラマイゼロにすればいいじゃない……という事だ。
「あぁもう! 店の前なのにバターの香ばしい匂いとコーヒーのアロマがここまで漂って……」
「久々のスイーツだから仕方ないかもしれないけど……流石によだれは拭こうな?」
「はっ……わたくしとしたことが……」
じゅるりと垂らしていたよだれを拭き取って、いつもの淑女なマックイーンになる。
でもしっぽだけは本当に正直でぶんぶん横にも縦にも振っている……横にいて少ししっぽがさわさわと当たって少しくすぐったい。
「では……参りましょう!」
そう意気込みながらマックイーンは俺の手を取って、お店に入る。
どうやらこのお店はドーナツは自分自身で取るか、店員に注文して揚げたて・焼きたてかを選べるらしい。
置いてあるドーナツはチョコやストロベリーなど表面にコーティングされているドーナツやクリームなどを入れるジェリードーナツなど置いてあり、揚げたては普通のドーナツやオールドファッション、パイ系の商品が選べる。
なるほど……揚げたてっていうのはちょっと珍しいかも。
さらにこのドーナツ屋はコーヒーにもこだわりを持っている。
豆はスペシャルティコーヒーというコーヒー豆のグレード最上位の豆を使っていて、ストレートから店特有のブレンドと様々。
カフェラテやカフェオレなどのコーヒー、さらには紅茶(茶葉も最上位グレード)なども用意しているらしい。
特にカフェラテは店主がイチオシしており、長年ずっと研究して最高の味になった(現在も日々研究中!)と書かれている。
俺は少し悩んだが……チョコレートリングドーナツと揚げたてオールドファッション、そしてカフェラテを注文。
マックイーンは揚げたてドーナツにモンブラン風ドーナツ、ストロベリーツイストドーナツとアッサムストレートティーを注文した。
内装は黒と白と木を基調として、温かい照明を使っているので、少しレトロチックな感じだ。
空いている席に向かい合うように座り、先に持ってこれたドーナツを食べることにする。
「「いただきます」」
俺はチョコリングドーナツ、マックイーンはモンブラン風ドーナツを手に取って、ほぼ同じタイミングで食べる。
うん……美味しい。
チョコは甘さ控えめ……だからこそ小麦の本来の甘みが際立っている。
「美味しいですね……」
「あぁ……そっちのやつも美味しそうだ」
「一口食べてみます? その代わりそっちのも一口もらいますが」
「うん、そうするか」
俺とマックイーンはドーナツを皿に置いて、お互いの皿を交換する。
そして俺はモンブラン風のドーナツを一口。
こっちも美味しいな……甘いというよりは栗の風味を強く出している感じ。
これは紅茶と相性が良さそうだ。
「このチョコも美味しいですね」
「こっちも美味しいなぁ……紅茶に合いそう」
また皿を交換して、俺はチョコリングドーナツを全部食べる。
大きさとしては大きくもなく小さくもない……本当にちょうどいい感じの大きさだ。
そんなことを思っていると、店員さんが揚げたてドーナツと飲み物を持ってきた。
「お熱いので火傷に注意してくださいね」
出された揚げたてドーナツは普通に湯気が出ていた。
指でオールドファッションを掻いてみると、カリッとした感触を感じた。
なるほど……これはカリッカリのオールドファッションだな。
ただあまりにも熱すぎて手で触れれないので、その前にカフェラテを飲むことにする。
カフェラテを口含む……次の瞬間、コーヒーの風味が一気に口いっぱいに広がった。
最初に酸味が来て、グッと味に吸い寄せられ、その後やんわり来る甘味と苦味が程よいバランスだ……。
これは長年研究されているのが納得できる。
マックイーンも紅茶を飲んで、どうやらご満悦しているらしい。
「かなりレベルが高いですわね……紅茶もしっかりとしています」
「まぁ、ちょっと高めだけど……だからこその味だな」
ドーナツのチェーン店やコンビニのドーナツに比べると明らかに高いけど……定期的に通ってもいいくらい美味しいから、上手くお小遣いを調整しようかな……。
そう考えながら揚げたてオールドファッションが手でも持てるくらいになったので、それを食す。
カリッ! という軽やかな音が耳に届く……やべぇ、めっちゃ美味い!
普通のオールドファッションってかなりしっとりしているものが多いけど……このオールドファッションは真逆だ。カリカリでサクサク……揚げたてだからバターの芳醇な香りが広がってすごく美味しい!
「美味い!」
「美味ですわ!」
「「……」」
「はは……」
「ふふ……」
マックイーンも同じことを思っていたらしく……お互い微笑みあった。
その後、世間話をして……店を後にした。
・ ・ ・
「本当に奢ってもらってもよかったのか?」
「あれくらいでしたら、別に構いませんわ」
そうは言っているが、値段としては野口さん2人……スイーツにしては高すぎる。
しかしマックイーンもマックイーンだ……支払いはなんとあのブラックカードで払ったんだから。
まぁメジロ家の令嬢だから、当たり前っちゃあ当たり前なんだが……いつも俺が奢っていたから、ちょっと衝撃的だった。(実際店員さんも驚いていた)
ちなみに昨日使った移動費は学園の方でその分を出してくれることになったが、少し時間がかかるので後2日はもやし生活だ。
まぁそれをマックイーンに言ったらシェフを用意するとか言いそうだから「今月少しピンチで〜」と言った。
「まぁ、また今度奢るよ」
「別にわたくしが奢ってもいいのですよ?」
「年下に奢られるってのもな……」
「ーーーーですわ……」
「んっ? なんか言ったか?」
「な、なんでもないです!」
少し顔を赤くして、顔を背けるマックイーン。
本当に何を言っていたのか分からなかったので、マックイーンがなぜ顔を赤くしているのか全然分からない。
「それではわたくしはこっちですので……」
「あぁ、じゃあまたな」
「えぇ」
そうして俺とマックイーンはそれぞれの寮の方へと足を向けた。
***
「……」
なんてことを……口走ってしまったのでしょうか。
玲音さんの目の前で……あんな……。
『大人になれば3年の差なんて誤差ですわ……』
「ーーッ〜〜っ!!」
恥ずかしい……恥ずかしいですわ……。
落ち着きなさいメジロマックイーン。玲音さんのあの反応は聞こえてなかったと捉えていいはず。
そしてわたくしはメジロ家の人間……どんな時も優雅で気品に振る舞い、常に冷静でいる……それがわたくし。
それに……まだですわ。
急がなくともあの人は……わたくしへ近寄ってくれるはずですわ。
ですから、わたくしが焦ることは……ありませんのよ。
そう自分の心に言い聞かせながら、わたくしは寮に戻りました。
・マックイーンが来ない……(´・ω・`)
・書くときはドーナツ、言う時はドーナッツ。僕はオールドファッションが好きです。みなさんはどんなドーナツが好きですか?
・ドーナツ屋の名前は自分の好きなバンドの曲を文字りました。(来年で35周年アニバーサリー不動のメンバーロックバンド)
・次回はメインウマ娘の最後の1人の回想シーンの"予定"。