少年とウマ娘たち - ススメミライヘ -   作:ヒビル未来派No.24

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 前回のあらすじ:谷崎はなぜだか、マッサージ・整体師科を選択していた。……Why??

・UA158,000・159,000、13話のUAが10,000を突破しました。本当にありがとうございます!!

・文化祭回は次に……。





あなたに告げる初めまして!

 あの衝撃的な始業式から大体三日が経とうとしている。

 

 まぁ、一昨日は課題テストだったため完璧に頭から抜け落ちていたが……次の日、普通の授業になった際に、選択授業があり、そこで整体師科の授業を受けて、俺がやってしまったことを改めて思い知った。

 

 でもまぁ……意外と整体師の授業っていうのは、意外と興味深いものだった。

 

「ウマ娘と普通の人って骨格が似ているように見えますが、細かいところで違ったりするんです」

 

 ウマ娘と普通の人の骨格の違いや、その動き方など今まで知らなかったことが多く知られた。

 

 ……ちょっと楽しい。

 

   ・ ・ ・

 

「んで、どうなんだ? 間違えて取った整体師科授業は?」

 

 お昼、尊野と道と一緒に食堂でお昼ご飯を取っていると、尊野から選択授業のことを聞いてきた。

 

 ちなみに尊野は相変わらず激辛担々麺を食べていて、道はキスの天ぷら定食、俺は海老と

トマトとモッツァレラチーズのパスタだ。

 

「うーん、まぁちょっと困惑していたけど、今はなんだかんだ楽しくやっているよ」

 

「へぇ、そうなんだ……私の方は結構難しいよ。先生がガチの外国人でオールイングリッシュでね……谷崎くんがやってたら、白目向いてたかもね」

 

「おーう、それは入らなくてよかった気がする……」

 

 自分は英語がそこまで得意ではない。でもまぁ、少しの英文ならできると思って選択(したつもり)だったが、そんな浅はかな考えだと後々後悔していたかもしれない。

 

 それだったら……意外と選択肢を受け入れてよかったかもしれない。

 

「俺は書道や清書書きだけど……まぁ、字を書くだけだよなぁ」

 

「「そりゃそれはねぇ~」」

 

「だけどさ、”キング”のレース登録とかで字が下手だと恥ずかしいじゃないか!」

 

「ん~、まぁそんなものか? 自分は別にいいと思ってるけど……」

 

「私も読み書きは子どもの頃からやっているから、今更感が強いかなぁ……」

 

「いいなぁ元々字が綺麗なやつは……」

 

「いや、俺はそこまで綺麗じゃないぞ?」

 

「それを普通みたいに言うのはおかしい思うぞ」

「それを普通みたいにいうのはどうかと思うよ」

 

「えぇ~?」

 

「……」

 

   ・ ・ ・

 

 その後、適当に5・6時間目をこなして、チーム練習も無事に終えた。

 

 チーム練習ではスぺは菊花賞に向けてロングランによる息の入れ方や、スタミナを切らさない脚の力の入れ方など、先生が密接に教えている。

 

 ただまぁ最近始めたばっかりなので、練習が終わるたびにスぺはすごい涙目になるのが通例だった。

 

「うぅ……痛いです」

 

「だ、大丈夫?」

 

「す、スぺちゃん……今日もする?」

 

「お、お願いしますぅ~……」

 

「じゃあレオくん、今日もいいかな」

 

「いいとも~」

 

 俺がそう言うと、スズカは肩に掛けていた学生鞄を俺に預ける。ついでにスぺのやつも俺はもらう。

 

 そして両手が開いたスズカは、スぺの方に背中を向ける。そしてスぺはその背中に自分の体重を預ける。

 

 まぁいわゆる、おんぶってやつだ。ここ数日はこれが当たり前になってきている。

 

「……3000m走行って、そんなに難しいんですかね?」

 

「まぁ、マックイーンは昔から走っているからね。それにマックイーンだって昔は痛がってたじゃん?」

 

「……そうですね」

 

「えっ、マックイーンお前もう3000m走るのか?」

 

「はい……? 一応小学6年生から走っていますけど……」

 

「ええぇ!? マックイーンお前すげえなぁ!!」

 

「ひゃあ!? ちょ、抱き着かないでください! 暑苦しいですわ!!」

 

 マックイーンが言った一言に驚くトレーナーとゴルシ、驚くのも無理はないだろう。

 

 普通のウマ娘はこの時期……正確には夏に入ったあたりからロングランの練習を行うが、マックイーンは初めて会った頃から2400や2500を走っていた。

 

 でも正直深く関わったウマ娘はスズカと記憶にないライスさんを除けば、マックイーンやドーベル、あと数人のメジロ家のウマ娘しかいなかったので、それが普通だと思っていたが……トレセン学園に入ってそれは違うことだと分かった。

 

「よぅし! このまま目指せトレセン学園主催フルマラソン大会優勝~!!」

 

「そんなものありませんわよ!? ……ありませんよね?」

 

「少なくとも私が入ってからはない……かな?」

 

   ・ ・ ・

 

 栗東寮まで荷物を持って、そして2人に鞄を渡して俺は自分の寮である後生寮に戻る。

 

「あぁあぁ谷崎くん、待っていたよ」

 

「未浪さん? どうしたんです?」

 

「さっき男性の人が君宛てに……これを」

 

 そう言いながら未浪さんは一枚の小さな紙を渡してくる。

 

 俺は受け取ってその文を見てみる。

 

 差出人は……三島喜多朗。誰?

 

『谷崎レオン様

 

 お久しぶりです。先日のお礼したいので、明日の15時○○へお越しください』

 

   ・ ・ ・

 

 次の日、俺は手紙に書かれていた場所に訪れた。

 

 そしてそこは……めっちゃお高そうな天ぷら屋さんでした。

 

 ちょっと待って……こんなお店入ったことないんだけど。

 

 てかあれだよね? 2ヶ月前に二人の幼いウマ娘を助けたこと……だよね? なのになんでこんなところで待ち合わせなんだ??

 

 俺、間違えた? てか間違えてるに決まってるだろ。そうだ、一回ここを離れー-。

 

「あれ、玲音やっほー!」

 

「えっ、テイオー?」

 

 聞き覚えのある声が聞こえたと思って振り向いてみると、そこには私服姿のテイオーがいた。

 

 ピンクのタンクトップに黄色を基準として白と緑の斜め線が入ったアウター、デニムショートパンツ姿だ。

 

「玲音ももしかして呼ばれたの?」

 

 そう言いながらテイオーは提げていたポーチから一枚の小さな手紙を取り出す。

 

 そしてそれは俺のもとに届いた手紙とほとんど同じだった。

 

 ただ、テイオーの手紙はなんというか……こう……子どもが何度も書き直して頑張って出したような感じがする。

 

 実際、紙は結構しわしわだ。

 

「そうだよ……でも、ここでいいのかな?」

 

「へっ? ……ぴぇ!? こんなところで食べるの!?」

 

「どうやらそうみたいなんだよね……まぁ、入ってみる?」

 

「う……うん」

 

 ということでテイオーと一緒にそのお店に入ることに。

 

 扉を開けてみると、和風な内装と暖かい照明が俺たちを包む。

 

「いらっしゃいませ、お2人様でよろしいでしょうか?」

 

「あぁ、いや……待ち合わせ、なんですけど」

 

 というか今思ったが、こんな高級店っぽいところで待ち合わせなんてできるものかな?

 

 喫茶店とかではよくやっている人はよく見るけど……。

 

「かしこまりました。それではこちらへどうぞ」

 

 そう言うと店員さんは店の奥に入っていく。

 

 俺とテイオーはそのまま店員さんについていくと、個室みたいなところになっているところに通される。

 

「失礼いたします、待ち合わせのお客さまが到着されました」

 

 店員さんが襖を開けると、そこにはあの黒髪の子どものウマ娘と、その親が座っていた。

 

「おぉおぉ~来たかい」

 

「ど、どうも……お久しぶり、です」

 

「やっほーキタサンブラックちゃん!」

 

「っ! トウカイテイオーさん」

 

「うおととっ!! うーん元気だねー!」

 

 俺と親さんが挨拶を済ませている間に、キタサンブラックという名前だった子どものウマ娘がテイオーに勢いよく抱き着いた。

 

 その勢いが結構強くて少しよろついてしまうが、体幹がいいテイオーは倒れることはなかった。

 

 そのまま数分抱き着いているキタサンブラックちゃんを見守っていると、親が「そろそろ離れなさい」と言った。キタサンブラックちゃんは少し悲しそうな顔をし、ウマ耳をしゅんと垂れ下げて親御さんの方に戻っていた。

 

 俺とテイオーは二人の向かい側の席に座る。

 

「注文は勝手に頼んだけど、苦手なものとかあったりしたかな?」

 

「いえ、大丈夫です」

 

「ボクも大丈夫です」

 

 そうは言ったものの、やはりどういう料理があるのか気になるので、俺はメニュー表を見てみる。

 

「ぴぇ!? た、高すぎる!?」

 

 横からひょいっとメニューを見てきたテイオーが驚きの声を上げる。

 

 いやしかし、無理もないだろう。何せ値段が札一枚……もちろん諭吉さんの方だ。

 

 そして俺もぽかーんっと口をあんぐりと開けるしかなかった。

 

「はっはっは、今日は奢りだから安心してくれていいよ」

 

「いや、流石にこの値段はやりすぎですよ。一学生なんですから、こんなにご馳走しなくても……」

 

「固いことは気にしない、気にしない! 君たちはうちの娘を助けてくれたんだ。これくらいはお礼をさせてくれ。ドリンクも頼みたいなら注文していいからね」

 

「……分かりました」

 

 これ以上遠慮するのもそれはそれで失礼だと考え、俺は素直にコーラを注文する。テイオーもオレンジジュースを注文した。

 

 そうして持ってこられたドリンクを飲みながら世間話をしていると……ふとあることに気が付いて、俺は三島喜多朗さん(手紙の本人だった)にある事を聞く。 

 

「あの、すみません。この部屋4人が使うにしては広すぎると思うんですけど……」

 

「あぁ、今日はもう2人来ることになっているんだ」

 

「2人……もしかして、あの亜麻色の髪の子ですか?」

 

「ダイヤちゃんって言うんだよ!」

 

 キタサンブラックちゃんはとても嬉しそうにそう言った。あの時近くにいたから、きっと友だちなんだろうなぁ。

 

 ……んっ、ダイヤ?

 

 

 

 なんて思っていると、とんとんっと音が響き襖が開かれる。

 

「失礼いたします、待ち合わせのお客さまが到着されました」

 

 店員さんがそう言うと右の方からひょっこりと二つの人影が……あれ?

 

「郷巳さん!?」

 

「あれ、谷崎くん? なんでここに……」

 

 そこにいたのは郷巳さん……そしてその後ろには、あの亜麻色の髪のウマ娘。

 

 ……そういえば郷巳さん、メジロ家主催のパーティーの時に言っていたっけ。娘が小学生になったって……そして確か、その名前は……。

 

「ほらダイヤ、挨拶しなさい」

 

「はい……初めまして、サトノダイヤモンドです!」

 

   ・ ・ ・

 

「いやあまさか、ダイヤの友だちを助けたのが谷崎くんだったとはねぇ。妙な巡り合わせもあるものだね」

 

「はははっ、そうですね」

 

「おや、一くんはこの男の子と知り合いなのかい?」

 

「そうだね、ちょっとメジロ家との関わりでね」

 

 郷巳さんとサトノダイヤモンドちゃんが着くと、頼んでいた天ぷらが来たので食した。

 

 その味は……正直、言葉に表すのはとても難しい。噛んだ瞬間にサクッと爽快な音が耳に届き、衣の味と海老やイカ、野菜やキノコのうま味が合わさってとても美味しい。

 

 塩で戴いても、天つゆで戴いてもとても美味しかった。

 

 正直、こんな高級な天ぷら屋に行ける機会なんて、生きていて数回しかないと思うから、すごく大切に噛みしめた。

 

 そして食べ終わったのはいいが……。

 

「テイオーさん♪」

 

「おにーさん♪」

 

 なんかすごい懐かれた俺とテイオーだったのである。

 

 テイオーは上手く接しているけど、俺はおどおどするばかりである。

 

「それにしても、ダイヤも君にすごく懐いたようだね」

 

「ちょっと懐きすぎな気もしますけどね……まぁ、小1ならこんなものですかね」

 

「む~、子ども扱いしないでー!」

 

 そう言いながら頬を膨らませるサトノダイヤモンドちゃん。本当に子どもでしょって突っ込みたくなったが、まぁそこは言わない方がいいだろう。

 

 それにしても、本当に巡り合わせって不思議なものだな。

 

 あの時、テイオーが虫取りに誘ってくれていなかったら。あの時、俺が断っていたら。あの時、別のルートを通っていたら……この出会いはなかった。

 

 でも出会った……本当、すごい確率を引き当てているんだろうなぁ。

 

 だけどそれは、今まで会った全員に言えることなんだろうなぁ……。

 

「あっ、そういえばキタサンブラックちゃんー-」

 

「私はキタちゃんで大丈夫だよ!」

 

「……じゃあ、キタちゃん。足の方は大丈夫かな?」

 

「うん、大じょうぶだよ!」

 

 そう言いながら怪我をしていたところ見せてくれる。

 

 うん、痕はまだちょっとあるけど、それ以外はとくに問題なさそうだ。

 

「サトノ……いや、ダイヤちゃんも怖くなかった?」

 

「っ! ……うん、大じょうぶだったよ」

 

「そっか、それはよかったよ」

 

「うん!」

 

「……いいものだねぇ、こうやってトレーナーの卵が、私たちの娘と話しているのは」

 

「へぇ、彼はトレーナー志望なのか……なら、彼が担当になる可能性も十分ありえるだろうね、はっはっはっ!!」

 

 

 




・本当にリアルでも2ヶ月前くらいだ()

・今日から学校は自宅家庭学習習慣、まぁ実質の休みです! 頑張って作品を進めたいですねぇ……。

・次回は……多
分文化祭回に入ります。
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