少年とウマ娘たち - ススメミライヘ - 作:ヒビル未来派No.24
・UA160,000・161,000を突破、11話、13話のUAが10,000を突破しました! 本当にあるがとうございます!!
・この男、またやりました……ウマ娘出てきません(本当に申し訳ない)
※お知らせします。この作品の時系列を考え、リギルに所属しているナリタブライアンの存在を変更。つまり現在はこの学園にいない、まだお姉ちゃん好きなロリという設定にしました。しかしそれでも時系列の矛盾はまだまだ改正はできてませんが、ご理解よろしくお願いします。(わたしの記憶ではリギル回でしか出してないと思いますが、それ以外にもあったら報告してくださると有難いです。リギル回も多少の変更を加えました。)
「ねぇ、秋の感謝祭って何をやるのかな?」
「前回はこの国の夏に国際的な祭典があったから、それをリスペクトした催し開いたよね」
9月の中旬に入り、セミの大合唱が少しずつ小さくなってきた頃、トレセン学園ではとこころどころから「秋の感謝祭」という単語が聞こえてくるようになってきた。
感謝祭……それはこのトレセン学園である『秋のトゥインクルシリーズ・ファン感謝祭』のことである。
まぁ文字だけ見れば、なんかとても固いものに見えるが、簡単に言ってしまえば文化祭みたいなものだ。違うことは多くの一般人が入ること。
一般の学校の文化祭というと家族やOB、もしくは招待を受けた人しか入れないというのが増えてきているが、トレセン学園は基本完全公開となっている。
というのもこのファン感謝祭自体がトゥインクルシリーズを応援しているファンと
普段は関わることはないウマ娘とが触れ合うことができる、ファンにとっては一大イベントなのだ。
まぁ、それは一部のレースによく出ているウマ娘にしか言えないことである。俺たち学生トレーナーにとっては全然普通の文化祭みたいなものだ。
「周りは感謝祭で話題が持ち越しだな」
「まあ、次の時間に何をやるかを決めるしな、話題に出ても不思議ではないだろう?」
そう言いながら自分自身で今日のこの後の予定を思い出してみる。
6限目の総合の時間、ここで感謝祭でやることを決めて予算を振り分けて、来週に買い物と準備を進めていくって感じだ
なんて考えていると6限目の開始を知らせる予鈴が聞こえ、教室で散開していたクラスメートたちはそさくさと自分の席に戻っていく。
そして黒板前には二人の生徒……クラスの委員長が出てきて、一人は紙を配布してもう一人は黒板にチョークで
何かを書いている。
前の席の子から紙をもらって、その紙に書いていたことをさっくりとまとめると今年の感謝祭のテーマ・スローガン。クラス展の概要と注意事項などまぁいろいろと書いてある。
「ということで今から、私たちが今回やる出し物に関して考えたいと思います」
「前回は多くのスポーツを再現して大盛況だったが、今回は前くらいに……いや、前よりも面白くしよう!!」
『おー!!』
クラスの委員長がみんなを上手く乗せる。
こういう人間は本当にリーダーに向いている。そして多分、トレーナーにも向いているんだろうなぁ。
「じゃあ今から何人かに分かれてそこで意見を出していってくれ!」
そう言うとクラスのほとんどが、自分と仲がいい生徒がいるところに移動する。
そしてそのまま動かないでいると、尊野と道が近づいてきて、近くの席に座った。
「さて、どうするかねぇ」
「確かこの前の案は尊野の案だったよな」
「まさか選ばれるとは思わなかったけどな。その時寮のテレビでやっていたのを思い出して、そのまま言葉にして、そのままみんなが乗っかったってだけだ」
「まぁでも、それで大好評になったならいいでしょ」
「今度もお願いしますよー尊野」
「丸投げかよ……」
そう言いながら、尊野は顎に手を添えてじっくりと考える素振りを取る。
俺と道は他愛のない話をする。
「そういえばニュースで憲法が改正されるって言われているよね」
「あー、カジノ法案だっけ?」
「正確にはIR実施法案だな。カジノだけではなく宿泊施設や展示施設などをひっくるめた統合型リゾート施設を作る案だな」
「へぇ、詳しいな尊野」
「常識だろ?」
当たり前だろという風に尊野は言うが、全然そこまで知っているわけではないので自分がおかしいのかと思い道の方を向いてみるが、道もどこか困った顔をしていた。
自分だってニュースとかはちゃんと見る方だが、自分に関係ないことをわざわざ覚えるほどおつむはよくない。
「あっ……なぁ谷崎、今年のテーマってなんだっけ?」
「えーっと、未来。だな」
「……閃いたかも」
「おっ、なんだ? 聞かせてくれ」
俺と道は尊野の方に振り向く。それを確認すると尊野は咳払いをすると、手を机にバンッ! と勢いよく机をたたく。その音に俺は少しだけ体をビクッと跳ねらせ、道は少しだけ目を見開く。
周りにいたクラスメートの数人も尊野の方を向く。
「カジノっていうのはどうだ!」
「「カジノ?」」
尊野から出てきた言葉をオウム返ししてしまう。
「あぁ、未来ではカジノ合法になる時が来るかもしれない。だから先取りして俺らでカジノをやってしまおう!」
「別にいいかもしれないけど。でも高校生が賭博って、学園は許してくれるのかな……」
「まぁ、大人の遊びの真似事だよ。そんな競艇とか競輪みたいに本当の金は払わねぇよ」
「だったらポイント制にして、そのポイントに合わせてお菓子をもらえるようにすれば、外から来る子どもたちにも楽しめるんじゃないないかな」
「おっ、そのアイディアいただき!!」
尊野から案を聞いて、そうして道がその案をさらに現実に近いものにする。
前回の出し物もそうやって決まった。
そして俺は……。
「なら、トランプを使ってブラックジャックやポーカー。あとは手作りでルーレットやダーツを作れば結構本格的なカジノができるんじゃないかな」
「おっ、いいねいいね! カジノが現実的になってきた!」
すごいまともそうなことを言っているように見えるが、これは少し話しあえば誰でも思いつくようなとても簡単なことだ。
それを俺は自分の知識のように振舞っているだけだ。
……だからはっきり言って、この二人はとても優秀だと思う。
まぁそもそも志も立派であり、自分と違い未来のビジョンが見えている。うん、やっぱ醜いな、俺。
だけどそれを認めて進むことも大切だよな。それに逆に考えればいい人の例がここにいるんだから、ここから見て盗むこともできるんだよな。
「……よし」
「んっ、どうしたんだ谷崎?」
「なんでもない」
「あっ、そういえば今年ってどうなるんだろうね」
「っ? どういうこと道?」
「っ? どういうことだ橘?」
「だって、今年はチーム展もあるでしょう?」
チーム展と言われえても全然ピンとこない俺と尊野。そのことを察したのか、道はため息をつきながらダルそうに教えてくれる。
「私たちはチームに所属している学生トレーナー。ならそのチームで行う出し物に私たち学生トレーナーが関わるのは至極当然なことだと思うよ」
「……チームで出し物ってするの?」
「するに決まってるでしょ!?」
そう言いながら道はポケットの中に手を入れて、その中に入っていたスマホを取り出す。
そうして何やら操作してから、俺らに画面を見せる。
そこに映っていたのは…本格的なメイドの正装をしているシンボリルドルフやエアグルーヴ。その他のリギルメンバーの姿もあった。
「……なにこれ?」
「知らないの!? 去年のリギルはメイド喫茶をやったのよ!!」
「えっ、あのリギルが? よく許したな東条さん……」
「リギルは毎年ファン投票によって選ばれたものをやるっていうスタンスなのよ。だから私も頑張ったよ」
「んっ、投票で頑張る? それってどういう──」
「と、とにかく! 今年はチーム展があることは忘れちゃいけないからね!!」
「お、おう…」
その後雑談も交えながら話しあって意見を固め、尊野が全員にその案を教えるとクラスのほとんどはその意見に賛成した。
そうして残り5分前くらいになると先生が教室にやってきて、教卓の前に立つ。
散らばっていたクラスメートたちはみな、自分の席に戻って話を聞く体勢を取る。
「みなさん、有意義な会議はできましたか? 君たちはチームに属していると思いますが、そちらの方でも出し物に関するお話があると思います。しっかりメモをして、こちらを手伝うことができる時間も、そしてこの感謝祭を君たち自身が楽しむ時間も、絶対に作ってくださいね。よろしいですか?」
『はい』
クラスの全員が返事した瞬間、終業を知らせるチャイムが学園中に響き渡った。
・このお話は実際にわたしの学校の文化祭でカジノを提案した(採用された)時のお話を少し弄ったものです。
・二週間で3000文字、もっと早く書きたい。
・次回はスピカの出し物決め、買い出しのお話を予定しています。