ネプギアのキャラがいつも以上に崩壊してますが、こんな姿を見せるのは親友のユニの前でのみということでどうかお許しください。
こたつに入りながら、興味もないテレビ番組を見続けるユニと、携帯端末をいじるネプギア。
お互い予定がなかったため、いつもの通り片方の教会(今回はプラネテューヌ教会)で一緒に遊んでいたのだが、こたつの魔力に取り憑かれた二人はひたすらだらけていた。
「よくあるやつあるよね?」
急にネプギアが口を開いた。
「よくあるやつってだけ言われても何もわからないわね」
「え〜、ユニちゃんなら私の言いたいことをわかってくれると思ってたのになぁ〜」
理不尽な抗議をしながらこたつの上のみかんを頬張るネプギア。
「何であたしが悪いみたいになってるわけ?」
「ふぁふぁふぁふぇ、ふぃっふぉふぉふぁふぃふふふぉ……」
「みかんを食べながら喋らないの」
いつもはしっかりもののネプギアだが、こたつの魔力に魂を縛られ珍しくだらけ切っていた。もしくは、これは親友のユニの前でのみ見せる姿なのかもしれない。
「ビットをライフルと連結させて、ライフルの射撃能力を底上げしたり、ビームソードの出力をあげたりするやつ、あるじゃん?」
「よくあるってほど、よくあるやつじゃない気もするけど、あるわね」
「あれやりたいな、って」
つまるところ、いつもの新武器開発である。
「パーツとか足りてるわけ?」
「全然足りてないよ。買いに行きたいな」
「じゃあ行きましょ」
「でも外寒いしこたつあったかいから出たくないし…………わかった! 行くから! こたつから引っ張らないでぇっ! 服が伸びちゃうっ‼︎」
(ネプギア……なんか最近ネプテューヌさん化が少し進んでる気がするんだけど……)
そんなこんなで、二人はネプギア行きつけのジャンクショップにやってきた。
「わぁ! ジャンク品がたくさん増えてる!」
「年末の大掃除で出たゴミが大量に持ち込まれたわけね」
「なんて言い方するのユニちゃん」
手を輝かせながらジャンクショップ内を歩き回るネプギアと、ネプギアに呆れた表情を向けながらも自分の欲しいものを探すユニ。
「とはいえ、流石に品数が多いわね。ライフルの拡張パーツがこんなに売ってるとは思わなかったわ。実弾も売ってるわね。徹甲榴弾、対空ミサイル、ハイドボンブ、ナパーム弾……流石にジャンク屋ね。珍しいもの揃えてるじゃない」
「あれ? ユニちゃんって弾も自分で買って揃えてるの?」
「実弾は教会から予算が降りる分はあるけど、それを超えると自腹ね」
「へぇ、私のはビームオンリーだからそういうの考えたことなかったなぁ」
可憐な見た目からは想像できない物騒な話題である武器談義で盛り上がる女神候補生二人。
「……じゃなくて、今日はビット用の武器を買いに来たんでしょ? なんかいいのあった?」
「武器と連結できるタイプはないかなぁ。それっぽいパーツを買って自分たちで組み立てるしかないかも」
「長い作業になりそうね……」
「私は楽しいよ。ユニちゃんと一緒だともっと」
「…………ぁたしもょ」
「……? 何か言ったユニちゃん?」
「何でもないわよ!」
「ええっ! 何で怒ってるのー⁉︎」
二人は買い物を済ませ、教会に戻る。
「お小遣いが厳しいって言ってたのに、よくそんなにパーツ買えたわね」
「ユニちゃんも出してくれたじゃん」
「そりゃあんただけに出させるわけにはいかないでしょ」
「えへへ。ありがとう。それに、お姉ちゃんがお年玉くれたから」
「ウソ、ネプテューヌさんが?」
「うん。毎年くれるんだよ」
「へ、へぇ〜」
ネプテューヌの意外な一面に驚くユニ。
ちなみに、ノワールのデスクの引き出しの中には、毎年ユニにあげようと思って結局あげられなかったお年玉がずっと保管されており、相当な金額になっているのだが、ユニがそれを知るよしはない。
「よし。早速作業開始といこうじゃな……」
意気揚々と準備するユニの目に入ったのは、こたつに入ってふにゃふにゃになってるネプギアだった。
「……何帰宅早々こたつに引きこもってんのよ! あんたが新しいビットを作るって言い出したんでしょーが‼︎」
「ユニちゃん。守護女神がこたつに勝てるわけないんだよ。今日は諦めて明日からビットを作ろ…………わかった! 作るから! こたつから引っ張らないでぇっ! 服が伸びちゃうっ‼︎」
(やっぱり……ネプギアのネプテューヌさん化が進んでる気がするわ……)
……といった風に、製作に取り掛かるまでが長かったものの、取り掛かってからは早かった。ネプギアとユニは日に日に武器開発の手際が洗練されていっており、およそ半日で新型のビットを完成させた。
「これで完成だね! ユニちゃん!」
「いつも言ってるけど、この達成感が心地いいわね」
ネプギアのビームソードとM.P.B.L、ユニのライフルとエクスマルチブラスターに連結できる新型のビット。ネプギアの『ビットズコンビネーション』で使用するビットのような丸みを帯びたデザインではなく、連結を前提とした角ばった見た目となっている。勿論、自身の周りに浮遊させて援護射撃をさせる従来の使い方もできる。
「よーし! じゃあ、いくよ!」
二人は早速、新武装を試そうと教会地下の修練場に向かい、ネプギアが新型ビットを起動し、まずはビットを浮遊させ、適当に動かす。
「どう?」
「反応は悪くないけど、精密な動きは難しいかな。私のビットみたいな動きの自由度は無さそう」
「まぁ、機能を増やしたらそうなるわよね」
「次は合体連結だね。ビームソード! ドッキングセンサー!」
「声に出す意味あるのそれ?」
「こういうのはノリが大事なんだよユニちゃん」
ビットからセンサーが起動され、ビームソードの側面にドッキングされる。
そしてネプギアがビームソードを起動すると、ビットと連携され出力が上がったことにより、バリバリバリと大きな音を立て、普段よりも長く鋭いビーム刃が現出される。
「うわ、すっごい」
「ちょっとデコイ相手に試し切りしてみるね」
ネプギアがビットで強化されたビームソードを構え、技を出そうとした瞬間。
「はぁぁぁっ! 『スラッシュエッ……」
バシュン、と音が鳴り、ネプギアのビームソードがもくもくと煙を出しながら、機能停止してしまった。
「「……え?」」
ネプギアもユニも何が起こったか分からず、その場に立ち尽くす。
「……もしかしてなんだけど」
数秒間の沈黙の後、先に口を開いたのはユニ。
「ジャンクパーツとか使って強引に作ったから、エネルギーを食う量が馬鹿にならないってことなんじゃない?」
「ちょっと調べてみる」
ネプギアは自身のNギアを使い、新型ビットの解析をする。
すると、消費するシェアエネルギー量が、女神化以上の数値を示していた。普段使いする武器においては、最低レベルの燃費である。
「わぁ……」
「これは……酷い……」
「ぷっ……ふふ、あはははははは!」
「ちょっ……何で笑うのよ! ……くくっ、はははははっ!」
あまりにも酷い数値がツボに入ったのか、ネプギアが笑い始め、それに釣られてユニも笑う。
「だって、面白いんだもん! 何この数値! 燃費悪すぎだよ! あはははははっ!」
「ふふふふふっ……ふーっ。あー、笑った笑った」
「ごめんね……ふふっ、ユニちゃん。せっかくふふ……手伝っ……くふふ……れたのに……ふふっ」
「別に気にしなくていいわよ。それより笑うか謝るかどっちかにしてくれる?」
こうして、今回の新武器開発も結局失敗に終わった。
しかし、ネプギアもユニも心から楽しんでいたので、結果オーライというやつなのだろう。多分。
そろそろ月一で更新するのがしんどくなってきて二ヶ月に一回更新にしていいかなってTwitterの方でアンケートを取ったのですが、フォロワーどもにダメと言われました。
そういうわけで、これからも月一更新頑張ります。