9/4 ネプテューヌワンドロ お題『ホワイトシスター(ラム)』にて投稿させてもらったものです。
忍ネプ次元のお話です。
微ネタバレ注意。
幻影夢忍界二大国の内の一国である波戸ノ国は女神四忍と呼ばれる波戸ノ国最強の忍者たちによって守護されている。
しかし、女神四忍の後継者と呼ばれている『忍者候補生』の存在は、大名や巫女などの忍者関係者を除く一般の民にはあまり知られていない。
「どうしてあたしたちは毎度毎度お姉ちゃんたちの任務に置いていかれるのよ!」
「しょうがないよ、私たちはまだ変身もできないんだし……」
女神四忍のうちの一人、ブラックハートことノワールの妹であり忍者候補生のユニ。
パープルハートことネプテューヌの妹であり同じく忍者候補生のネプギア。
ホワイトハートことブランの妹であり同じく忍者候補生のロム、ラム。
姉たちに劣らず仲の良い彼女たちは、今日も集まっていた。
「たとえ変身できなくても、あたしは一人前の忍者として戦えるわ!」
「でも……妖怪もスチームレギオンの機械忍者も怖い……(ぶるぶる)」
「お姉ちゃんの重大任務の足を引っ張るわけにも行かないし……」
「それは……」
「…………」
ネプギア、ユニ、ロムの会話に混ざらず、何か考え込むラム。
すると、何かを思い出した風に、急に立ち上がって言う。
「わたし……ちょっと前に忍術を極めていた気がする!」
「「「え⁉︎」」」
「わからないけど……ちょっと前に忍者として活躍していた気がするのよね。大体四年半ぐらい前かしら……」
「えらく具体的ね……けど、どうしてだろう。あたしもラムが忍術を極めていた気がするわ」
「うん。私もラムちゃんが忍術を極めていた……気がする!」
「わたしも……ラムちゃん……忍者だった……!」
「そうよ! 真の忍者だった気がするわたしが、ロムちゃんもユニちゃんもネプギアも鍛えてあげて、一人前の忍者にしてあげるわ!」
こうして、忍術を極めた(気がする)ラムによる候補生忍者修行の幕が上がるのだった。
ちなみに先に述べておくと、今から約四年半前に発売したPS4ゲームソフト『四女神オンライン CYBER DIMENSION NEPTUNE』にて、ラムのジョブは忍者であったため、忍術を極めた者という言い方は間違っていなくもない。
*
「まずは影分身の術よ! それっ!」
「……って言いながら、ラムの隣にロムが立ってるだけじゃない」
「ラムちゃんだよ……?」
「どう見てもロムでしょ」
「流石ユニちゃん! わたしの術を看破するなんて、センスあるじゃない!」
「誰でもわかるに決まってるでしょこんなの」
「でも、何も知らない人からするといきなりラムちゃんが二人になったように見えるから、割と有効な忍術かも」
「あんたは何冷静に分析してんのよ」
*
「立派な忍者になるためには、走り込みが大事よ! というわけで今からみんなで鬼ごっこするわね! はいネプギア、タッチ」
「え? え⁉︎」
「みんな! ネプギアが鬼よ! 逃げろ〜!」
「逃げろ〜〜……!」
「ま、待ってよみんな〜! ユニちゃん待って!」
「鬼ごっこで鬼に待てって言われて待つ馬鹿がどこにいるのよ」
「む〜〜! こうなったら本気で追いかけちゃうから!」
「わー! ネプギアはやーい!」
「待て待て〜!」
「あはははは!」
*
「次は滝行よ!」
「滝……怖い……」
「何怖がってるよロムちゃん! それじゃあ立派な忍者にはなれないわよ!」
「でも……」
「じゃあラムが最初にやって見せなさいよ。忍術を極めたんでしょ?」
「う……そ、それは……」
「まぁまぁ、滝行じゃなくてみんなで水遊びしようよ。ね!」
「それよ! ネプギア良いこと言うじゃない!」
「うん……!」
「全く、ネプギアったら甘いんだから」
*
そして、その日の夕方。
「結局一日中遊んでただけだったわね……」
「一人前の忍者を目指して頑張ることも大事だけど、みんなで遊ぶ時間も大切だよ。ユニちゃんも楽しかったでしょ?」
「それは……そうだけど……っていうか、ラムって忍術を極めているなら、変身の仕方も知ってるんじゃないの?」
「え⁉︎」
「そうなのラムちゃん……?」
(ど、どうしよう……『忍術を極めた気がする』ってでたらめなことを言ってみんなと遊ぼうとしてただけなのがバレちゃう。なんとかして誤魔化さないと。えっと……そういえば前にお姉ちゃんが……
『ロム、ラム、あなたたちが変身できないのは、ただ変身したいと思っているだけだからよ』
『……?』
『どういうこと……?』
『何のために変身したいか、変身して何がしたいか。自分の心と向き合って、その目標を明確にしなければ、変身はできないわ』
『んー? よくわかんない』
『わかんない……』
『今はわからなくても、そのうちわかるわ』
……みたいなこと言ってたわ! ……そうだ! これを言えば良いのよ! 流石お姉ちゃん! そしてわたし!)
「そ、そうね! 変身をするためには……ええと、変身をしたいと思うだけじゃなくて、何のために変身するかを考えないといけないのよ!」
なんとか記憶を探り、それっぽいことを言うラム。
「確かに……」
「そうだよね……」
「うーん……」
ネプギアとユニとロムはその言葉を間に受けて、考え込む。
(何のために変身したいか……何のために強くなりたいか……か。わたしも考えてみようかな……)
咄嗟の誤魔化しだったとはいえ、ラム自身もその言葉から再び考え込む。
(わたしが変身したい理由……お姉ちゃんみたいに強くなりたいから……? じゃあ、どうして強くなりたいの……? ……あ)
瞬間、ラムの脳内にある記憶が蘇る。
それは、少し前に波戸ノ国がスチームレギオンの襲撃を受けた際の記憶。
(あの時……町もお店もお家も壊されて……みんな悲しそうな顔をしてた。わたしがお姉ちゃんみたいに強かったら、みんなを守れたのかな? 悲しませないで済んだのかな?)
段々と、ラムの中の目的が明確になってくる。
(……うん、わかった。わたしが変身して強くなりたいのはみんなを悲しまなくて済むようにするためだ。お姉ちゃんはとっても強いけど、お姉ちゃんだけじゃ全部を守れない。だから、お姉ちゃんが守れないところはわたしが守るんだ……!)
すると、ラムの身体が光りだした。
「ラムちゃん……光ってる……」
「……え? わたし、光ってるの?」
「すごい光ってるわよ」
「でも、なんか優しい光……お姉ちゃんが変身する時の光みたい……」
「じゃあ、今ならできるかも、変身……」
ラムがそういうと、ラムから発する光が強さを増す。
そして光が晴れるとそこには、忍者装束『忍衣』を身に纏い、新たな姿、女神忍者『ホワイトシスター』がいた。
「すごい! わたし、変身できちゃった!」
「わー! おめでとう、ラムちゃん!」
「ありがと、ネプギア。でも……ごめんね、みんな。実はね、わたしが忍術を極めたっていうのは嘘なんだ。みんなと遊びたくて、でたらめなことを言ってたの」
ラムは変身して精神が若干成長したからか、自分が言っていたことが全て嘘だったことを白状した。
「うん、知ってたよ」
「え?」
「あんたの嘘に乗ってたまには羽目を外して遊ぶのも良いかなって思っちゃったのよね」
「もしかして……ロムちゃんも?」
「うん……」
「そうだったんだ……」
「でも、ラムちゃんがさっき言っていたことを考えてみたら、私たちも変身したい理由がわかったよ!」
「今ならあたしたちだって変身できる気がするわ!」
「えーい……変身……!」
そして、他の候補生たちも次々と変身していく。
「やったー! 私たちも変身できた!」
「ラムちゃんと……いっしょ……!」
「これでお姉ちゃんたちと一緒に戦えるわ!」
「ラムちゃん」
「どうしたの、ネプギア?」
「ラムちゃんの言ってたこと、嘘じゃなかったね。ラムちゃんがいたから、みんな変身できたんだよ」
「……そ、そうね! わたしってば天才! よーし、じゃあ、お姉ちゃんたちと一緒にスチームレギオンを倒しに行くわよ‼︎」
「「「おーっ!」」」
「……え⁉︎ お姉ちゃんたち、もうラスボス倒して来ちゃったの⁉︎」
忍ネプをやった人、やらなかった人に良い悪いはありませんが、ゲーム内でも言われていましたように、やらずに評価するのは良くないことだと思っています。