ネプ短編まとめ   作:烊々

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復活のX! ( アフィモウジャス ステマックス )

 『秘密結社アフィ魔X』。かつて、猛争事変を引き起こし、世界を猛争の渦に陥れた文字通り悪の秘密結社。猛争事変が終わった現在は、改心したアフィモウジャスとステマックスの計二名で、同人サークルをやりながら『@将軍のまとめサイト』を運営している。しかし、秘密結社時代の情報網は健在で、ギリギリ法に反しない範囲での情報収集による金儲けを続けていた。

 

 そんな秘密結社の事務所で、今日も情報収集という名の金儲けに勤しむアフィモウジャスとステマックス。

 

「うーむ……」

「将軍、どうしたでござるか?」

「ステマックスよ。この間、ネプテューヌシリーズ10周年記念のねぷぐるみの予約が開始されたじゃろう? ワシは金髪巨乳道を征く者としてリーンボックスの女神のものを注文しようと思っているのだが、何個注文するか悩んでおっての。お主はラステイションの女神候補生のぬいぐるみを何個予約した? 参考程度に教えてくれんか?」

「えっ、えーと、二つほど……」

「ほぅ。二つか……ならばワシはお主の二倍の四つといこうかの」

「四つも……流石は将軍!」

 

 そんな趣味の話をしていると、急にアフィモウジャスの表情が真剣なものに変わる。

 

「さて、話を変えるぞステマックス。このデータを見るがいい」

「これは……?」

 

 アフィモウジャスのパソコンのモニターに映し出されたのは、ロボット兵器や武器などの流通データ。情報収集の素人が見るとバラバラな流通ルートに見えるが、アフィモウジャスはそれらが一箇所に集められていることを見抜いていた。

 

「将軍、やはり……」

「あぁ。何者かが兵器や武器を一箇所に集めてあるのじゃろうな」 

「教会に報告すべきでは……?」

「いや、やめておけ」

「何故でござるか?」

「ワシらの情報網でようやく疑惑へと変わったほどのデータだ。それだけこの連中は相当念入りに計画をしていると思われる。それに、これを見ろ」

「これは……暗号、でござるか?」

「ラステイションで使われた毒ガス搭載型の兵器をお主も知っておるじゃろう? その隠語じゃろうな」

「ユニ殿を苦しめた……忌々しきあの毒ガスでござるか……!」

「流石に女神とはいえ、アレを浴びたら無事では済まん。ワシらは鋼タイプだから毒は効かんけどな」

「ならば、拙者たちだけで処理する、と?」

「あぁ。敵の組織が大きくなる前にワシらで仕留める。それに、女神や教会の転落を目論む組織が活性化したのは、以前ワシのせいで起きた世界改変のせいだ。これはワシなりの贖罪……じゃな」

 

 アフィモウジャスは猛争事変で女神たちに敗れ、改心している。しかし、改心したからこそ、自分が引き起こした世界改変による混乱の罪の意識に苛まれていた。

 

「しかし将軍! それは暗黒星くろめに操られていたからでは……!」

「だとしても、当時のワシが己の欲に囚われ、混沌の世界を望んでいたことも事実なのだ」

「将軍……」

「ステマックスよ。貴様にももう少し情報収集を手伝ってもらいたい」

「勿論でござるよ!」

「情報を更に集め、兵器を集めている組織の場所を特定する。そして、特定次第、ワシが単独で其奴らを討ち取りに行く」

「……一人で行くつもりでござるか?」

「あぁ。先ほども言ったようにこれはワシの贖罪、お主が付き合う必要は……」

「何を今更そんなことを言っているのでござるか! 将軍と拙者は運命共同体! 将軍を独りで行かせるわけには行きませぬ!」

「ステマックス…………すまぬ」

「そこは、謝るところではないでござるよ」

「そうだな。ありがとう、我が友よ」

 

 

 

 

 

 

 

 それから二人は更に情報収集に勤しみ、遂に兵器が集められている場所を特定した。彼らが向かったのは、プラネテューヌとラステイションの国境沿いにある廃工場だった。

 

「如何にも……な場所でござるな」

「そうじゃな。国境沿いとなると、国同士の管轄が曖昧になりやすい。その手の組織が兵器を隠すのにうってつけの場所だ。さて、ワシは正面から突入する。お主は裏から回りこめ」

「了解でござる」

 

 そう言ってステマックスは自慢のステルス機能で闇夜に消える。

 

「さて……頼もう!」

 

 アフィモウジャスが正面から入ると、さっそく構成員の男に見つかった。

 

「誰だ!」

「ワシの名はアフィモウジャス。お主らのような組織なら、ワシの名は知っているだろう?」

 

 その名前を聞いた構成員の男の表情は喜びと期待がこもったものに変わっていった。

 

「おぉ! あなたがあの有名な秘密結社アフィ魔Xの……! なら、我々の国家転覆計画に手を貸してくださるのですね!」

「何……?」

 

 どうやら構成員の男は、アフィモウジャスが自分たちの味方としてこの廃工場に来たと勘違いしたらしい。話を聞くと、組織の構成員は犯罪組織、反女神派の市民団体、革命家や傭兵集団など、あらゆる女神や教会の敵対組織の残党の集まりとのこと。

 

「おいみんな! 心強い味方が来てくれたぞ!」

 

 組織の構成員たちは、アフィモウジャスを廃工場の奥に快く迎え入れる。

 

(勘違いしてくれたお陰で楽に奥まで進むことができたな。忌々しい過去の悪名は、こんなところで役に立つのか……)

 

 アフィモウジャスが廃工場の奥に来ると、ずらりと並ぶロボット兵器型のモンスターたちが目に入った。

 

(此奴ら、これほどの兵器を……思っていたよりも戦力が高いようじゃな……だが)

 

「……この程度で女神を倒せると思っておるのか?」

「ふふふ、ご安心を」

 

 組織の構成員の男が、得意げな顔をして指を刺す。

 

「これは、かつてラステイションで使用された対女神兵器『〆タルギア』! この兵器に内蔵された毒ガスは、女神すらも死に至らしめるほどのものなのです!」

 

(……やはり毒ガス兵器か)

 

「これがあれば、女神など……っ!」

「そうか、ならば……」

 

 アフィモウジャスは〆タルギアに近づき……

 

「……こんなものを残しておくわけにはいかんな」

 

 ……そう言って、〆タルギアを叩き壊した。

 

「なっ! 何のつもりですか! アフィモウジャスさん! ……まさか、お前、最初からそのつもりで!」

「その通りじゃ。お主らよ、こんなことはやめるのだ」

「正義の味方ヅラして、説教のつもりか! お前だって同じ穴の狢だろ! 一度はゲイムギョウ界を転覆させた悪の秘密結社のくせに!」

「そうじゃな。ワシにはお主らを説教するような資格などない。だがそれでも、お主らの蛮行を許すわけにはいかんのだ!」

「くそっ! 偉そうに……っ! 野郎共、やっちまえ!」

 

 構成員の男一人が声を上げると、廃工場の奥からぞろぞろと構成員が出てきた。武器を手に取る者、ロボット兵器に乗り込む者など様々、アフィモウジャスに襲いかかる。

 

「ふん、舐めるなよ小童共。負けはしたものの、ワシは正面から女神たちと戦ったあのアフィモウジャスじゃぞ! かかってくるが良い!」

 

 敵兵たちはアフィモウジャスを取り囲むように、散開する。しかし、背後から攻撃しようとした敵兵に、上空から手裏剣が突き刺さった。

 

「……思ったより早く敵の中枢まで侵攻していたでござるな、将軍」

「此奴らが変な勘違いをしてくれたおかげでの」

「勘違い……でござるか?」

「あぁ、どうやらワシを味方だと思ったようじゃ」

「成程」

「さて。背中は任せるぞ、ステマックスよ」

「了解でござる! 昔を思い出しますね」

「あぁ、ワシとお主で小遣い稼ぎと鍛錬を兼ねてクエストに行っていた若い頃の日々をの!」

「若い頃って、拙者たちまだそんなに年寄りじゃじゃないでござるよ!」

「それもそうじゃな!」

 

 そんな軽口を叩き合い、背中合わせになり、アフィモウジャスがその巨体を生かしたパワフルな大剣の大振りでロボット兵器を叩き斬り、ステマックスは小回りの効いた攻撃で的確に歩兵たちを倒していく。アフィモウジャスもステマックスも、かつて女神たちを相手取ったほどのゲイムギョウ界の猛者である。故に、雑兵程度に遅れは取らず、あっという間に敵兵の数を減らしていく。

 

「……やはり、雑兵どもではこれが限界か。ならば、ガダンム発進‼︎」

 

 すると、敵組織のトップらしい男が起動兵器『ガダンム』に乗り、その姿を見せた。

 

「ふん、ガダンムか。強力なロボ型モンスターではあるが、ワシらの敵ではないぞ!」

 

『ただのガダンムではないことを教えてやろう! くらえ!』

 

 男の声がガダンムの外部スピーカーから鳴り響き、腕のキャノン砲から大出力の照射ビームが発射される。

 

「将軍!」

「案ずるな! ワシの後ろに立て!」

 

 アフィモウジャスはマントを盾にしてビームを防ぐ。このマント盾こそ、新次元ゲイムネプテューヌVⅡでプレイヤーを苦しめた属性攻撃でしかダメージが通らないクソ盾。ネクストフォーム覚醒後の初戦闘にも関わらず、ネクストパープルがアフィモウジャスにダメージを殆ど与えられないという空気読め案件になってしまったものである。

 

 ビームを防ぎ切ったアフィモウジャスとステマックスは両サイドからガダンムに近接攻撃を仕掛ける。

 

『このガダンム……みくびってもらっては困る……!』

 

 ガダンムはビームサーベルを抜いて応戦し、アフィモウジャスの大剣と鍔迫り合いとなる。

 

(くぅ……っ! パワーはワシ以上! そして小回りも効くようじゃ! 無策で突っ込んでも逆に此方がやられるな!)

 

「将軍……援護を!」

 

 横からステマックスが手裏剣で茶々を入れ隙をつくり、アフィモウジャスが鍔迫り合いを弾き飛ばし、両者の距離が少し離れる。

 

『距離を取ったつもりか! 無駄だ!』

 

 距離が離れたところで、再度ガダンムが腕のキャノン砲にエネルギーを充填する。

 

「ビームはワシには通じんぞ!」

『それはどうかな? このガダンムには「AG3システム」が積んであるのだ!』

「何……! 『AG3システム』じゃと⁉︎」

 

 『AG3システム』とは、高ランクのロボ型モンスターを倒すとドロップするレアアイテム。「生物の進化の法則を数値化したデータ」に「自己成長」の発想を追加したシステムで、敵との戦闘データを常に収集・蓄積することで、新装備の設計図をシステム自体が作り上げる、というもの。そして、その設計図を元に機体に装備されている『AG3ビルダー』が素材となるインゴットから、即座に武装を整形し、ガダンムを進化させていくのである。

 

 つまり、先程のビーム砲ではアフィモウジャスの盾に防がれることをガダンムのシステムが学習し、即席で新たなビーム砲を形成したのである。そう、アフィモウジャスの盾に通じる、魔力を含んだ属性攻撃のビーム砲を。

 

『その厄介な盾も、既にこのガダンムには無意味だ!』

 

 アフィモウジャスにガダンムの属性ビーム砲が直撃し、盾が破損する。

 

「ぬぅぉぉぉっ!」

「将軍!」

『よそ見をしている場合か!』

 

 アフィモウジャスのダメージに気を取られたステマックスを、高速で回り込んできたガダンムがビームサーベルで斬り伏せる。

 

「ぐぁぁっ!」

 

 それだけでなく、止まることはないガダンムの猛攻によるダメージが重なり、アフィモウジャスとステマックスはついに膝をつく。

 

『ふははははっ! 素晴らしい! この強さ! そしてこのAG3システムによる成長性! 対女神用毒ガスを再生産し内蔵すれば、女神どもに勝つことだって夢ではない……! そうだ、この機体こそ、女神による統治の時代に終止符を打ち、新たに人類を導くガダンムだ!』

 

「……ワシの見通しが甘かったようじゃな。思っていた以上に此奴らの戦力が高い。ならば、お主だけでも逃げろステマックス!」

「将軍はどうするつもりでござるか⁉︎」

「そうじゃの……ベール殿に伝えておいてくれ。ワシは勇敢に戦い抜いた、と」

「……嫌でござる! 拙者たちは一心同体! 将軍が死ぬ時が拙者の死ぬ時でござる!」

「ぬぅ……ならば、ワシとお主で思い切り自爆でもすれば、奴ごと巻き込めるかもしれんな……」

「それ、良いでござるね……! ……さよならは言いませぬぞ、将軍!」

 

 

 

「ダメダメ! 死んで何かを成し遂げようなんて、そんなのダメだよ!」

 

 

 

「その声……! お主は……っ!」

「ネプテューヌ殿⁉︎」

「次元を股にかける昆虫ハンター、ネプテューヌ参上!」

「何故……お主がここに……?」 

「いやぁ、わたしとしてはただの夜のお散歩をしてただけだったんだけどね〜。クロちゃんが面白いことが起こってる予感がするって言うから、その方向に来てみたらあら大変、ってわけだよ! さてと、一時は同じ秘密結社に身を寄せた仲! 助太刀するよ!」

「すまぬ……助かる!」

「はいこれ、わたし特製のネプビタンVⅡだよ! これ飲んで回復して」

「すごい見た目の飲み物でござるな……」

「不味い……が、回復アイテムとしての性能は高いな! さて、体力も回復したところで、もうひと頑張りと行くかのう!」

「オーケー! 秘密結社アフィ魔X、三人だけだけど、今夜限定の復活だね!」

 

『数が増えようが無駄だ! いきなり現れた女諸共、このガダンムで消しとばしてやる!』

 

「回復したは良いものの……奴はワシらの戦いを学習し、何処までも強くなっていく。そんな相手にどう戦う……?」

「そんなの簡単だよ! わたしたちの最大火力の必殺技を叩き込んで、学習させる間もなく倒す!」

「成程、短期決戦でござるな! ならば、拙者が先陣を切る!」

 

 ステマックスは目にも止まらぬスピードでガダンムの周りを走り回り……

 

(拙者には将軍ほどのパワーはない……ならば!)

 

「『ステルス流必殺忍法』! はぁぁっ‼︎」

 

 ……その最中に見つけたガダンムの装甲の隙間、フレームの部分を正確に削っていく。

 

「やるねー、忍者! ならわたしも……『ネプニカルコンビネーション』!」

 

 ネプテューヌは、ガダンムの背後から剣舞と銃撃を混ぜた必殺乱舞を叩き込み、ガダンムの背部のバーニアを破壊する。

 

「トドメ、任せたよー! 将軍!」

「承知した!」

 

 フレームを砕かれ、バーニアを破壊され、無防備な姿を晒すガダンム。

 

『機体が動かん! AG3システムの進化が間に合わんというのか……っ!』

「終わりじゃのう……!」

『……馬鹿な! この私とガダンムが、女神でもない奴らを相手に敗れるだとぉおおおっ⁉︎』

「その通りじゃ! くらうが良い! 我が一撃『成・金・斬』‼︎」

 

 アフィモウジャスの必殺の一閃と、そこから拡散する衝撃波をまともにくらい、遂にガダンムは崩れ落ちた。

 

「……先程も言ったが、ワシにお主らに対して正義を説く資格などはない。だが、女神たちが創り上げた平和を守るために、ワシらもワシらの為すべきことを為す。それだけじゃ」

「やったね! 秘密結社アフィ魔X、大勝利!」

「助かったでござる、ネプテューヌ殿」

「お礼はクロちゃんに言ってよ。クロちゃんが気づいたからわたしはここに来たんだし」

『俺は面白えことが起こりそうっつー気配に釣られただけだよ。それなのにお前らが台無しにしちまってよ。あーあ、つまんねーの!』

「もう、クロちゃんったら! そんなこと言っちゃダメなんだからね! 平和が一番、だよ!」

「平和が一番……か。そうじゃな」

 

 こうして、かつては世界を混沌の渦に陥れた秘密結社の手により、今度は世界の平和が守られたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 その戦いから数日後、指導者を失った組織は瓦解し、残党も全て捕まったと報道された。しかし、指導者とガダンムを成敗したのが誰であるかを知る者は当事者である三人以外にいない。

 

「将軍、良かったんでござるか? この事件を解決したのが拙者たちだと名乗り出なくて……」

「良い。ワシらは正義の味方ではない。例えるなら義賊じゃ。お主も以前名乗っておったろう? 確か……『義賊のジロ吉』、じゃったか?」

「なっ……! それは、忘れて欲しいでござる!」

「ぐわっはっはっは! ……そうじゃ! ワシは決めたぞ!」

「何を、でござるか?」

「サークル活動や情報収集をしつつ、このゲイムギョウ界に渦巻く悪意を監視し続ける。それがワシらの……秘密結社アフィ魔Xの新たな使命! どうじゃ?」

「……どこかの人工知能搭載人型ロボの四人組みたいでござるね」

「ワシも自分で言っててそう思った」

「けど……良いと思うでござるよ! どこまでもお供します、将軍!」

「ふっ、任せたぞ。我が忠臣、そして我が友、ステマックスよ!」

 

 新たな志を胸に、秘密結社は今日も活動するのだった。

 

 

 

 

 




 
 書いてる途中で四回ぐらい「何で俺こいつらのss書いてるんだろう……」ってなってました。
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