僕らポートラルのメンバーを乗せた車は、一路ニュータウンのデパートをめざした。
「ハァ……ハァ……人……殺し……ちゃった」
僕は人を殺したという罪悪感から、酷い動悸に襲われていた。
「サン……ちゃん」
「アンタは悪くないわ。もしあんたがやってなかったら私がやってたし」
「あ……ありがとう……来栖崎」
「サン様、落ち着いてくださいまし。あの人たちは私たちを殺そうとしたんです! だから────」
「仕方ないってのかよ?! それで済まされるってのかよ!」
「……」
「いや、すまない。すこし取り乱してしまった」
10分後、僕らはデパートへと帰還した。実に2日ぶりの帰宅である。
「やいとさん、帰ってきて早速ですが、頼みがあります」
「真っ先にここに来たの!? それほど重要なことなのね」
「はい。僕の血の効力が続く時間を調べて欲しいんです」
「い、いいけど……どうしてか聞いてもいいかな?」
「これから先、僕達は政府軍と戦うことになります。で、作戦によっては来栖崎や甘噛と別行動になるかもしれない」
「ちょっと待って、なんで甘噛さんまでなんで? まさか……」
「……はい。甘噛も感染してしまいました。なので、もし僕が離れたりしたとき用に血液が入った瓶などを持たせておきたいなと」
「分かったけど……、とりあえずシャワー浴びてきてくれないかしら」
やいとさんが鼻をつまむような動作をし、僕の悪臭をアピールする。
「あ、そうか、すみません。シャワーに行ってきますね、また戻ってくるんで、そのときに血、とってください」
「分かったわ」
僕はやいとさんにシャワーを促され、シャワーを浴びることにした。それも、来栖崎や甘噛と一緒にだ。
「失礼します」
「待っていたわよ。じゃ、腕出して?」
「早くないですか?」
「こっちにも用事があるのよ。早く終わらせたいの」
「はぁ……大変なんですね。じゃ、摂ってください」
僕はそう言って、袖をまくり、腕を出す。
「はい、とれたけど、どれだけ置いておくの?」
「え────、と、一日くらい放置してください」
「じゃ、作戦会議、始めようか」
僕たちは中央会議室に集まり、アドの号令によって、作戦会議を開始した。
「はい、まず僕から意見があります。もう一度、鳳凰軍事学校に行かないでしょうか?」
「なんだって?! まさか────」
「モグッチ、まずはサンちゃんの考えから聞こう」
「ありがとうアド。まず理由なんだけど、つある。一つは、奴らへの報復、まぁやり返すってことです。それともう一つ、これがメインなんだけど、あの学校には工場で出会ったデカい化物が沢山いる。その排除が目的です」
「なぜわかるんですか?!」
「僕の記憶に残っていました」
「その記憶とやらに、私たちの命をかけろと! そう仰っているのですか!?」
「まぁまぁ百喰くんも落ち着いて。サンくん、あの化物は、確かにいるのだな?」
「化物がそのままいるというより、化物にされる人間が沢山いると考えてもらった方がいいかと」
「あれって人間だったの!?」
アドが驚いた声を出す。
「ああ、そうだ。特殊な薬を投与されて、あの化物になる」
「だからこそ、僕はその人間たちの保護、ならびに化物にされてしまったものの掃討をしたいんです。だから……」
「お願いします……!」
みんなに向けて、頭を下げる。
「まったく、なんで頭を下げられにゃいかんのよ」
「……アド?」
「ふっふふ、────だって」
「将来の仲間を、助けに行くんでしょ」
「ふ、サンに頭下げられたんじゃ、断れねぇな」
「サンさんがみんなに頼み込むなんて、珍しい」
みんな口々に自分の意見を言っていく。
皆の意見が、一つに纏まった。
自ら死地に赴くような、残酷な戦い、だが、不思議と不安な感情はなかった、皆、生きて帰って来れるような、なんの確証もないけど、安心感があった。
「うっしッ! さぁさぁ第十二回『囚われの怪物くんたち救出大作戦』!!」
「決行開始スタートだぜッ!」