感染少女 ReBORN   作:キラトマト

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第十九話 再会

「で、これからどうすんだ? サン」

姫片が僕に問いかける。

 

「どうするって、そりゃあアイツらを倒してここから脱出。それしかねーだろ」

 

「倒すって……正気で言っているのですか?! 智将さん」

僕の言葉に、少し怒りを混ぜた言葉で反論する百喰さん。

 

「ええ、本気です」

 

「ですが、あんなに巨大な組織を相手にして────」

 

「だから、まずは関連施設から潰していくんですよ」

 

「関連施設?」

 

「はい。農業テクノロジーセンター。通称ATC」

 

「今は政府軍によって占拠されてる施設です。そこには、沢山のクローンが眠っています。なので」

 

「まさか、それを助けようと?! そんな無茶な」

 

「無茶じゃありません。それに、またあの化物が現れたら? その方が危険です」

 

「……それもそうか、ではサンくん。私の罪滅ぼしとして、今回の作戦、私も入れてくれないか?」

 

「すみません、今回の作戦は潜入調査なので……」

 

「そうか、では、今回はやめておくことにするよ」

 

「では、作戦のメンバーを発表します。残ったメンバーはデパートの護衛をするように」

 

「僕と来栖崎で行こうと思います」

 

「甘噛さんはどうするのですか?! まさか、発症するまでに帰ってくる、とか言わないでしょうね!」

 

「はい、流石にそんな無茶は言わないですよ。さっきやいとさんに実験してもらって、僕の血は最低でも一日は効力が続くことがわかったんです」

 

「それで、携帯血液で帰ってくるまで甘噛には待ってもらおうと思いまして」

 

「……はい。その件は了承しました。ですが、そんな人数で成功するんですか?」

 

「はい、極力戦闘は避けたいので」

 

「じゃ、沙織ちゃんたちはここで待機しておくように」

 

「「はーい!」」

 

 聞き分けが良くて助かるよ。ホントに

 

「行ってきます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ビンゴだな」

 

 正門の前には数人の政府軍が立っており、入れそうにない。

 

「じゃ、どれから殺すの?」

 

「殺さねーよ。どこか別の入口をって、ないんだったな」

 

「どうしたものか……」

 

「そうだな……来栖崎、この外壁って飛び越えられるか?」

 

「6mくらい、かしら? 余裕でしょJK」

 

「いや来栖崎、お前ホントにそういう用語よく知ってるよな」

 

「……別に、小耳に挟んだだけだし」

 

「じゃ、僕はロープとか持ってきたし、それで引き上げてよ」

 

「ロープとか、って、備えあれば嬉しいな、かしら」

 

「それ、憂いなし、じゃないか?」

 

「……嬉しいのよ。いいでしょ、人が喜ぼうが勝手でしょ」

 

 そう不貞腐れげに頬を膨らませて、来栖崎はひょいっ、と6mを一飛び。外壁の上へと飛び乗った。

 

「ほら、ロープ垂らしたから掴まりなさい」

 

「了解」

 

 来栖崎との協力プレイで、僕は遂に────ATCの敷地内に侵入した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、改めて見るとかなりでけーな」

 

「当たり前でしょ。政府がかなりの資金援助をしていたんだから」

 

「ったく、いつどこでそんな勉強したんだっつーの」

 

「……関係ないじゃない」

 

「じゃ、裏口に行ってみるか」

 

「裏口?! って、なんでそんなこと知ってんのよ?」

 

「ああ、真綾の記憶だよ」

 

 大体はこれを言っておけば信じてくれるからな。便利なものだ。

 

「えっと、……確か……ここだ」

 

 記憶を頼りにたどり着いたのは、ボロボロになって、鍵もかけられないくらいの状態になったドアであった。

 

「本当に……あったわね」

 

 ボロボロになって、ドアノブすらないドアを手で押して開ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぉごっごご」

 

 建物内から出てきたゾンビと対面した。

 

「邪魔よ」

 

 そう言って来栖崎は目の前のゾンビを切り捨てる。

 

「はい、いっちょ上がり」

 

「ここにもゾンビが湧いてるのか……」

 

「ゾンビを中に匿うとか、もう物的証拠ゲットでしょ? ATCは黒?」

 

「あぁ、そうかもしれないな。でも、このゾンビってさ、研究員のゾンビじゃないか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ATCの内部は、想定通りかなりの荒廃ぶりだった。

 

「本当に……機能してるのここ?」

 

 一部崩壊した天井に、ひび割れた壁、血か薬品か判別もつかない汚れは至る所にあり、腐臭らしき異臭が蔓延り鼻を突く。来栖崎がそう疑問を抱くのも仕方ないことであった。

 

「ねぇただの廃墟じゃないの?」

 

「いや、それはない。入口に軍人がいたんだ」

 

「だから、できる限り見つからないように、クローンの保管場所に行くぞ」

 

「りょーかい」

 

 僕は記憶を頼りに、一番奥の部屋へと進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだよこれ……クローンなんて一人も────」

 

「ちょケツパ、アレ見なさいよ!」

 

 来栖崎が指さしたのは一つの巨大なビーカー、その大きさに見合わず、入っている物体は人と同じ大きさの女性、というか……礼音さんであった。

 

「────ここは、『見 た な ?』と、言うべきなのかね?」

 

「お前ええぇぇぇえ!」

 

 僕は怒りに身を任せて透露へと突撃する。

 

「ふん────殺れ」

 

 そこに拘束具で縛られた二人の少女が彼を守るように登場する。

 

「「乱暴は──ダメ、だと言います」」

 

「黙れ」

 

そう言って俺は切りかかる。

 

「ちょケツパ!」

 

「来栖崎は赤を頼む! 僕は青を──殺る」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソッ、早すぎて見えねぇ!」

 

 青は素早く、目で追うので精一杯といった感じであった。

 

 ──しかし、今やっと、攻略法を見つけた。それは────

 

「──これで終わりと──言っているのですッ」

 

「捕まえたぞッ、青いの!」

 

 僕はやつの足を持って地面に叩きつける。青のガキは気を失ったようで、ピクリとも動かなくなった。

 

「加勢に向かうッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃────

 

「コイツッ!」

 

 来栖崎は赤色の子供に苦戦していた。

 

「来栖崎ッ! 一旦退くぞ!」

 

「ちょケツパ!」

 

 僕は来栖崎を抱き抱えて血を飲ませる。

 

「退けぇぇぇえええ!」

 

 僕は周りの様子なんて気にせず、全速力で駆ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、二人の少年少女がいなくなったクローンの保管庫、

 

「フフ、フフハハハハッ! 素晴らしい、素晴らしすぎるぞ世界ッ!」

 

 そこには、歓喜に満ち溢れた雄叫びをあげる男が一人いた。

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