2118年 海だ! 水着だ! 真夏だよ! 生存組合全員集合スペシャル!
「ふぁ〜、なんかいいことないかな〜」
夢氷姉妹を救出し、そのままデパートへと帰ってきたサンたちは、その夏の暑さゆえに会議室にてダラダラと作戦会議という名の時間の浪費を続けていた。だが、そこに一石を投じる者が一人。
「はーっはっはー!! 夏だ! 水着だ! 皆の者! 海に行くぞ!」
「ん? どした? 暑さで頭でもバグったのか?」
サンの鋭いツッコミがアドの心を抉る……なんてことはなく、その上以前から計画していたということで海でのパーティーは既に決定事項となっていた。
「はぁ……」
(まぁいいか……、こんなとこでぐーたらしてるよりもよっぽどマシだし)
遊びとなったら本気で楽しむのがサンの流儀。渚輪ビーチサイド『麗々浜』に来ていたポートラル、否、渚輪区の生存組合。
「ぃやっほ〜〜い!!」
そう言ってアドは叫びながら海に飛び込んでいった。
(猿かあいつは)
そんなアドをビーチパラソルの中から眺めていたサンは、来栖崎に言った。
「日焼け止めでも塗ろうか?」
「え? なに? 日焼け止めでも塗ろうか? って、は? キモなに?」
「い、いや、そういうつもりじゃないんだけど……」
「サーンさまっ!!」
そんなサンの元に、甘噛がやって来た。それも、かなり際どい水着を着て。
(いや紐じゃねぇか!?)
「な、なななんだ? あ、甘噛……」
目のやりどころに困るし、なんなら口調も少しおかしくなってしまった。
「なに鼻の下伸ばしてんのよ、気持ち悪いわね」
「いやさっきからそれしか言ってなくない!?」
「ほーらサンさま! いきましょ!」
甘噛はサンの手を引き真夏の炎天下へと連れ出した。
「……てか僕、泳げないんだけど……」
「別にいいですよ! なんなら、レクチャーしてあげましょうか? 手取り足取り♪」
そう言って甘噛は妖艶な笑みを浮かべた。
(あ〜、何も考えるな……)
サンは顔を仏のように「無」にして耐え切ろうとした。
「サーンちゃんっ!」
「はひっ!?」
だがそういうわけにはいかず、その上突然後ろから誰かに話しかけられたものだから、声が上ずってしまう。
「ってアドか」
「なにその反応!? あたしもヒロインなんだよ!? しかも最初に登場した!」
「は? 何言ってるんだ? とうとう頭おかしくなっちまったか」
「こんなテクニカルチンパンジーは置いといて、いきましょっ、サンさま♪」
「あ、あぁ……」
サンは海が大の苦手ということで、素潜りの達人である甘噛に手取り足取り教えて貰っていた。
「むぐもぐふぶば(訳:滅茶苦茶分かりやすいよ! ありがとう!)」
「ばびおぶぐべぶぶ(訳:何を言っているのですかサンさま?)」
どちらの声も聞こえないので、二人は海面に上がる。
「ぷはーっ! ────いや、滅茶苦茶分かりやすいなって!」
「ありがとうございますサンさま♪」