感染少女 ReBORN   作:キラトマト

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「やっと完成しました! では早速、アドさんたちにお渡ししなければ……」
「すごいわね梨花!」
「アヤメのおかげだよ!」
「……照れること、いわないでよね」



劇場版 感染×少女 最強のゾンビと不死身の男 前編

「はぁ……」

 

 あまりにも渚輪区脱出の糸口を掴めないことで僕は思わずため息をこぼしてしまう。

 

「なにため息なんてこぼしてんのよケツパ」

 

 ……はっきりいってこの呼び方は嫌いだ。でも、来栖崎に言われると不快感は生まれない。

 

「サン様ぁ」

 

 そう言いながら僕の腕に絡みついてきたのは甘噛綴。なぜだか分からないが僕をかなり好いてくれているみたいだ。……まぁ、こんな終末世界で生きてればこうもなるか。

 

「みんなぁぁぁああああ!! ちゅうもぉぉぉおおく!!」

 

 そう言って僕達の所属している生存組合『ポートラル』のみんなに号令をかけたのはリーダーである樽神名アド。いつも騒がしく、迷惑もかけるが、作戦立案や場を取り持ってくれたりする頼れるリーダーだ。

 

「なんだアド? 暑さのせいでイカれちまったか?」

 

 姫片はそう言ってアドを弄る。

 

「ちっがーう! ……。私は、みんなに提案があるのだ。そう!! ……私は疑問に思ったのだ。何故、この渚輪区という箱庭から出ないのだろうと」

 

 そりゃまだ案がでてないからだろ。

 

「……ってぇ! なにか思いついたのか?!」

 

 僕は声を上げる。

 

「ふっふっふー、サンちゃん、その通り!!」

 

「ふむ。では早速教えて貰えないか?」

 

 そう言ってアドに質問したのは礼音さん。

 

「今から、作戦の概要を言う」

 

 アドは○ゲン○ウのように肘をついて言う。

 

「心して聞くんだぞ?」

 

「前振りはいいから早く言えよ」

 

 姫片は催促する。

 

「では、発表するッ、北方へと、行ってみようと思うッ!!」

 

「……なんですってッ?!」

 

 今まで静かに話を聞いていた百喰さんが声を荒らげる。

 

「北方は、人のゾンビこそ少ないものの、動物が感染したゾンビが多くいて、隙をつかれて犠牲になった子達が、沢山いたのですよ?!」

 

 ……説明ご苦労さん。

 

「その心配はいらねぇぜモグッチ、もちろん対策はたっぷり取ってあるぜぃ」

 

「なんだ? 言ってみろ」

 

「あっちの方面にいる生存組合『ビルドサンダーズ』に協力を要請したのだ!!」

 

(ビルドサンダーズ??)

 

 今そんなことを疑問に思っていても仕方ない。

 

「……? まぁいい。で、そのビルドサンダーズってのに協力を協力を仰いで、何が変わるっていうんだ?」

 

「ふっふふー、実は……この特殊スーツを用意してもらったのだ!」

 

 そう言ってアドは自分用のスーツとやらをその場で着始めた。

 

「ちょちょちょ、今ここで着替えんじゃねぇよ」

 

 本当、コイツに羞恥心というものは無いのだろうか。

 

「ふむ。だが、これがあれば一般のゾンビとも戦えるのでは?」

 

 みんなが思っていた疑問を礼音さんが口に出す。

 

「……それがねアヤネル、動物程度の噛む力なら防げるけど、人のゾンビとなると、豆腐みたいにすぐ食い破られちゃうんだって。でも、動物とはいっても油断してちゃすぐ食い破られちゃうそうだから、気をつけてって」

 

 またまた説明ご苦労さん。

 

「じゃあ、『北方遠征作戦 ~北の国まで三千里~』作戦を……始めるよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 私は来栖崎ひさぎ、さっきここに来たばっかなんだけど、みんなとはぐれちゃったみたい。

 

「……なんて運が悪いのかしら、私」

 

 思えば生まれた頃からそうだった。親からはなんで男が生まれなかったの? と問われ、同級生からは無愛想だ、って虐められ、そして世界が滅んだあとはアイツを庇って感染して……なんて、今更悔やんでも仕方ないか。

 

 ……と、過去のことをふりかえっていると、背後から大きな質量を持った物体の気配を感じる。

 

「なに?!」

 

 全力でその場を離れる。そして、自分がいた方を見てみると、クレーターとも思える大きな凹みと、そして包帯を纏ったような化け物がその場に立っていた。

 

(早くみんなと合流しないといけないっていうのに……)

 

 私は仕方ない、と覚悟を決めてその巨大な化け物を倒す決意を固める。

 

「はぁッ!!」

 

 剣を、奴へと振るう。

 

「ウヴォォ!」

 

 だが、傷一つつきやしない。

 

「チィッ!!」

 

 なら、とその包帯の隙間へと剣を突き刺してみる。

 

(これでダメなら……!)

 

 死ぬしかない……、と思いながらの剣。

 

「ウヴォォ?!」

 

 その化け物は、奇妙な唸り声を上げて、その場へと崩れ落ちた。

 

 ────ふと、私を呼ぶ声が聞こえる。私は、その声の方向へと走る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

「来栖崎ー! 来栖崎ー!」

 

 絶賛来栖崎探索中の僕。

 

「どこに行ったんだよ一体……」

 

 僕が着いてやる、なんて言っておいてなんてザマだ。

 

「来栖崎ー!」

 

 いくら呼びかけても、返事はかえってこない。

 

「来栖崎さーん!」

 

「来栖崎くーん!」

 

 みんなも来栖崎へと呼びかける

 

 すると、遠くから足音が聞こえてくる。

 

「まさか……!」

 

 と、思った瞬間、来栖崎がとても早いスピードでこちらへと走ってくるのが見えた。

 

「来栖崎!!」

 

 僕は声を上げる。

 

「どこに居たんだ? 傷はないか?」

 

「ちょっと強いバケモンと戦ってただけよ。心配することじゃないわ」

 

 それを聞いて少し安心する。

 

「……良かった」

 

「ん? なんか言った?」

 

「い、いや、何でもない」

 

「ヒューヒューサンちゃん~」

 

「アドはうるさいから黙ってろ」

 

 アドが冷やかして来るので黙らせる。

 

「ってかアド、ここに来た目的は?」

 

「ふっふっふー、よくぞお聞きになったなサンちゃん! 実はこの地には沢山のお宝が眠っていると……」

 

「はいはい。そういうのはいいから」

 

「……実はねサンちゃん、ここに沢山の武器が保管されてるらしいの」

 

 ……? ……!??! 武器だって!? そんな情報、知らなかった……。

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