ディアゴスピーディーを走らせて黒の暴牛のアジトにつく。すると、なぜか正座して座っている人たちがおり、その人たちに挨拶をしているアスタの姿があった。
「な、なにしてるんだろう?」
もしかしなくてもハチャメチャなところに来ちゃったかな?
「どうしたんですか?」
「お、来たな剣士。お前ら、こいつは団員じゃねぇが、うちに居候するやつだ。名前はー・・・」
「トウマです」
「トウマだトウマ。こいつ、こう見えても団長だから失礼のないように。それとこいつも最果て出身だ」
「はぁ!?だ、団長!?」
「どういうことですかヤミ団長?」
「まぁ簡単に言えば、こいつの持つ力が特殊でな。初代魔法帝にも匹敵する力を持ってる。んでそいつのせいで全団から勧誘されたのだが、最後は取り合いみたいなことになってな、それでいっそこいつを特別な騎士団の団長にしてしまえって感じで団長にしたって訳だ。簡単に言えば新人の癖に入団初日に団長になった化け物って訳だ」
「へー、坊やすごい子なのね~」
「まさか自分も入って初日に団長になるとは思いませんでした」
この女の人お酒臭いな。
「うっ!おえええええええ!」
「わぁっ!?」
吐き出した。この人二日酔いなのか、どんだけ飲んだんだよ・・・。
「というわけでお前ら、死なねぇ程度にシゴいてやれ。まぁトウマに手出してボコられても知らねぇが」
「「えええええええ!?」」
シゴかれるの俺達!?
「聞いたか~!」
「「は、はい?」」
「ヤミのさんはシゴいれやれって言ったんだ~。俺がシゴいてやるぜぇ~。てめぇらみてぇな弱そうな、しかもハージ?最果てのド田舎出身が、たいしてマナも感じねぇ、それが黒の暴牛の新入団員?団長?魔力のないお前らがヤミさんやほかの団長にどんな媚の売り方したか知らんが~。この黒の暴牛のローブを身に纏いたいか!!魔法騎士団のローブを身に纏いたいか!!」
「ま、魔法騎士団のローブ、か、カッケェエエエ!」
あれが、魔法騎士団のローブ・・・。団のマークが印刷されているのか。俺のはどんなマークなのだろうか。というか、その前に、俺は明日五体満足でいられるのだろうか?
「そうだろう!!欲しいか?」
「欲しいっす!!くださーい!!!」
「お前は!!」
「俺も欲しいです」
「そうかそうかそんなに欲しいか。ほんじゃあ!ヤミさんの筆頭舎弟であるこの漢の中の漢!マグナ・スイング様を認めさせてみな!!黒の暴牛の団の洗練の義だ!」
か、顔怖。
俺達は外に出され、洗礼の義とやらを受けることになった。俺達の前にはマグナさんが二枚のローブを持って立っている。
「ハージの田舎者!!このローブが欲しがったら、俺がこれから出す課題をクリアしろ!」
「わっかりましたー!!」
「わ、わかりました!」
ど、どんな課題が出されるのだろうか・・・。
「まずは根性と体力見せてみなぁ!!腹筋5000回!!」
「はい!!」
と、アスタが横ですごいスピードで腹筋を始める。俺もあわてて始めるが、60回程度でギブアップしてしまう。
「なんだなんだ団長!!そんなもんか!!腕立て5000回!!」
「く、村では体鍛えてなかったからなぁ」
その後、本当にこれは根性と体力に関係あるのだろうかと思う内容のものをやらされた。
「どうすっか!」
「お前は根性はそれなりにありそうだな。だがお前!!団長の癖に情けない体たらくだな!!」
「く・・・」
「それで、俺は認められたんすか?」
「まだだ!!田舎もんが!!なにあまっちょろいこと言ってやがる!!もう一つ!洗礼の義、最後の試練だ!!魔法だろうがなんだろうが、どんな手を使ってでも良いから」
そう言ってマグナさんはグリモワールをひらき、手に炎の小さな玉を出して見せる。
「俺の攻撃魔法を防いで見せろ。それが出来たら!晴れてお前は黒の暴牛の一員!お前は!まだまだだが、鍛えがいあるから、俺達騎士団の仲間だ!このローブをくれてやる!!」
「わ、わかりましたー!!頑張りまーす!!」
「うるせぇ!!てめぇは!!」
「もう準備はできてます」
俺は火炎剣烈火を納めたソードライバーとブレイブドラゴンWRBを取り出しながら言った。
「グリモワールを構えろ!!お前ら!!」
「はいいいいい!!!」
「なら、俺は変身させてもらいます」
「変身だとぉ~?」
「はい!!変身!!」
『ブゥーレーイーブドラッゴーン!!』
俺はセイバーに変身し、烈火を構える。
「それがてめぇの魔法か、おもしれぇ」
そう言ってマグナさんはグリモワールから炎のバットを取り出した。
「準備は良いな!いくぞ!!」
「うっす!!」
「うーうらうらうらうらうらうら!!!」
高速で炎のバットを振ると、無数の炎の玉が俺達に向かってくる。
「ふっ!」
「くッ!」
俺達はそのすべての玉を避けきり、剣を構え直す。
これならいける。
そう思っていたとき、マグナさんはバットを仕舞い、グリモワールのページを進める。そして、先ほどの数倍の炎の玉を作り出し、投げの体制にはいる。
「炎魔法!!爆殺!豪炎魔球!!極大!!」
その玉を俺達は目掛けて投げ飛ばしてくるマグナさん。こんなの俺ひとりでは防ぎきることは出来ない。だけど、アスタとならできる。
俺はアスタに目配し、俺は後ろに走り出す。すると、アスタは剣の刃を上に向ける、刀身で打ち返すことにしたのである。だが、あの玉はアスタひとりでは打ち返せない。だから、俺がそこに力を加えるのだ。
『必殺読破!!ドラゴン一冊撃、ファイヤー!!』
「火龍、蹴撃破!!」
俺は烈火をドライバーに納め、トリガーを二回引く。すると、右足に炎が集まり始める。それを確認した俺は、走りだし、飛び上がりながら右足をつきだす。
つきだした右足は、マグナさんの魔法をとらえているアスタの剣の刀身に当たる。
「「うぉぉおおおおおおお、ハァア!!」」
見事、魔法を打ち返すことに成功。しかし、俺のキックは勢いそのまま、魔法を巻き込み威力が増大、マグナさんに突っ込んでいってしまった。
ドでかい爆発が起き、マグナさんが吹き飛ばされていた。
ど、どうしよう、し、死んでないよね?
「こんちくしょーがー・・・」
「「えええええ!?」」
なんと、マグナさんは燃え盛る炎の中から出てきたのである。
「とっさに打ち消した、いや、半分は食らっちまったが、何とかダメージを半分にしたからよかったものの、もうちょいで自分の魔法で死ぬとこだったじゃねぇか~。てめぇらー」
やばいやばいやばいやばい!!殺される!!!
マグナさんは俺達の肩をつかみ、睨み付けてくる。だが、その口から出てきたのは、予想外の言葉であった。
「やるじゃねぇか!!」
「「え?」」
肩を叩きながら笑いだすマグナさん。
「俺の魔法防ぐどころか、跳ね返してくるとはなぁ!!気に入ったぜお前ら!!魔力のすくねぇ田舎者ってバカにして悪かったなぁ!!ていうか、俺も田舎出身なんだわ!ハージ村の少し上のラヤカ村!」
「おおお!!マジっすか!!ラヤカ村ってすげぇド田舎なんでしょ!!」
「てめぇにだけは言われたかねぇ!!ダッハッハッハッハ!!」
「えへへ、けど俺達、魔力が少ないどころか、実は全然ないんですよ~」
「ああ!?魔力がないだぁ~、それなのに俺の攻撃を打ち返し、あの攻撃を出してきやがったのか?」
「は、はい」
「そうですけど・・・」
なに、怒られちゃう?
「余計カッケェじゃねぇか!さてはお前ら、漢だな?」
「「っ!」」
こんな風に思ってくれる人がいるんだ。ほかの場所では、いつもバカにされてばかりだったけど・・・。嬉しいなぁ。
そのとき、後ろから、複数人が走ってくる音が聞こえた。
みると、黒の暴牛のみんなが、こちらに走ってきていたのだ。
みんなバラバラでなにいってるのかわからないけど。
いの一番に、金髪の青年が俺達に話しかけてきた。
「それじゃあ、洗礼の義その2だよ!僕と殺りあおう!!」
「「え?」」
スパーリングしながらそう言ってくる金髪の人、すると耳に突如息が吹き掛けられた。
ゾワゾワとした感覚が全身を駆け巡る。みると、先ほど吐いていた下着姿の女の人がいた。
「かっこよかったわよ、坊や達」
「あ、はい」
「あ、ありがとうございます」
「はいこれ!」
次に、カップケーキを差し出してくる小さな女の子。
「美味しいから食べてみ?らぁ?」
「あ、どうも」
「ありがとうございます」
「はい!サービスで半分!」
と、半分に切ったカップケーキを差し出してくる。だが、すぐによだれをたらし、さらに半分にして渡してきた。
食べてみると、すごく美味しかった。
しかし、この騒ぎも、ひとりの男によって終わりが告げられた。
その後、ローブを受け取り、一人一人を紹介してもらってから、俺は床についた。
その時、トウマのグリモワールが黒い光を発していたことは、トウマは気付かなかった。