ブラッククローバー with 聖刃   作:競馬好き

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ページ3 伝説の剣士、王都へ

ブォン!ブォン!!

魔神の頭蓋骨の中にある森で、何かを振る音が聞こえる。その音の正体は、火炎剣烈火を振るトウマだ。

「フッ!ハァッ!」

時折炎を刀身から吹き出させる烈火。この剣の正体を今だ知らないトウマ。それはなぜか、火炎剣烈火や剣士に関することは、なぜだか知らないが、歴史から抹消されているのだ。知っているのは、限られた貴族と魔法騎士団団長、魔法帝、そして国王のみ。そのため、市民に伝えられているのは、魔法帝が魔神を倒し、魔法帝となった部分のみである。

「少しはわかってきたぞ、烈火の使い方」

(最初はただの剣だと思ってたけど、炎を纏うごとに、力が強くなっている感じがする。これが烈火の性質か)

烈火の刀身を撫で、鞘に納める。

「さて、もうそろそろ帰ろうか」

グリモワールとブレイブドラゴンのワンダーライドブックを持ち、教会へと向かうトウマ。その途中、ガンッ!ガンッ!と、何かを打ち付ける音が響いてきた。

見ると、アスタがあの黒い大剣で岩を切りつけていた。

「アスタ!」

「オオー!!トウマじゃないか!どうしたんだ?」

「烈火の使い方を覚えてたんだ」

「そうなのか!それにしても、その剣すげぇよなぁ!!あの変な怪物倒しちまうし」

「うん、まだよくわからないけど、この剣のことをもっと知っていきたい」

烈火を鞘から取り出し、眺めながら言うトウマ。

「そうか、頑張れよ」

「ああ!!」

烈火を鞘に納め、ベルトを取って袋に入れるトウマ。

「アスタは何してたんだ?」

「お?俺は魔法騎士団入団試験のために特訓してたんだ!!」

「そうなんだ、アスタ、じゃあ王都に行くんだな」

「え?トウマは行かないのか?」

「ああ、俺は教会に残ってみんなの手伝いをするよ」

(本当は、この剣とグリモワールの正体を知るために旅に出たいんだけどね、この小さな本のことも調べたいし)

「じゃあ、ここでお別れなのか」

「まぁね」

帰り道を進みながら、雑談をする二人。すると、前の方では、大量の薪を魔力で運ぶユノがいた。

「オオー!ユノ-!!」

「ユノ、こんなところでどうしたの?」

「薪を運んでいたんだ」

「そうなのか、そうだ!教会まで競争しようぜ!!」

「えっ」

「行くぞ!よーいスタート!!」

ものすごいスピードで走り出すアスタ。負けじとユノがそのあとを追う。その後ろをあわててトウマが追う。

「うおおおおおお!!!」

ほぼ同時にゴールする三人。

「ゴール!!」

「はぁ、はぁ、だ、誰が一番早かった?」

「うーん、ユノ兄の方が、ほんのちょっとだけ速かったな」

「マジで!?ちゃんと見てたのか?くぅー、ならば、教会に入るまでが競争でーす!!」

そう言ってドタドタと教会へ入ろうとするアスタ。しかし、ユノの魔法で足止めされ、空高く放り投げられる。そして、悠々とユノが教会へ入っていき、勝利を納めた。その後ろをトウマが入っていき、結局アスタがビリとなった。以外と大人げなかったユノであった。

 

 

翌日

 

「なれっこねぇよ!!俺たちみたいな捨て子で、貧しい奴らは、夢なんて見ちゃ行けねぇんだよ・・・」

ナッシュの悲痛な叫びが、森に響いた。それを聞いたトウマは、声が聞こえてきた方へ向かった。

「ナッシュとアスタ、何してるんだ?」

そばの茂みにかくれながら、アスタ達の会話を聞くトウマ。

「ナッシュ・・・」

肩を振るわせるナッシュ。いつもやる気無さげな表情をしていたナッシュが、こんな感情的になるのは、小さい時以来であった。

そんなナッシュの肩に手を置くアスタ。励ますのかと思いきや。

「最初から諦めるな!!可能性は誰にでもあるわー!!」

耳のそばで叫ぶアスタ。先ほどまでのシリアスな雰囲気が一気にぶっ壊れる。

「うっせぇーなぁー!んなもんねぇよ!!」

「いや、ある!俺は夢を追い続ける!!」

黒い大剣を持ちながら、宣言するかのようにナッシュへ教える。

「貧しかろうが捨て子だろうが、誰だってこの世ですごくなれるって、何でも出きるって、夢を叶えられる、みんなを幸せに出きるって」

大剣を振りかぶり、こう叫ぶ。

「俺が証明して見せる!」

「証明・・・」

「魔法騎士団に入って、魔法帝に・・・なるっ!!」

そして振り下ろし、岩を粉々にぶった斬る。そして、その砕いて岩の上に乗り、ナッシュの方を見た。まるでヒーローのように。

(誰だって、夢を叶えられるか、俺も、叶えられるかな?)

トウマはそう思いながら、ナッシュ達を見ていた。

 

 

 

「「「わーー!!」」」

「ハッハッハ!明日は、王都へ向けてアスタとユノが出発する日だからな!派手に送り出してやらんとな!」

「神父様が、あちこちの村を回って、ノモイモ貰ってきてくれたのよ」

「神父~!」

キラキラした目で神父を見るアスタ。

「なんじゃいその目、お前だけのためじゃない、ていうか、ほぼユノのためだ、ユノの」

「神父ー!!」

神父の言葉にご立腹のアスタ。トウマやレッカは苦笑い、ナッシュは深く頷いていた。

「そうだろう?ユノは魔法騎士団に入れるかもしれないが、お前は・・・」

「神父!!」

「アスタ、試験に落ちても、恥ずかしがることないぞ!」

「え?」

「誰も受かると思ってないから」

イラッとくる笑顔でアスタにそう言う神父。まぁ、そう思うのが必然だろう。

「励ましているのか、バカにしているのか、どっち!」

「いつでも、帰ってきていいんだ、お前の家は、この教会だ!どんなにクソぼろでも貧しくても、お前の家だ」

「そうだよ、アスタ」

「アスタがいなくなると寂しいの!ユノも」

「みんな、家族ー!!」

「そ、それユノにも言ってやれよ!いつでも帰ってきていいんだって」

「ユノは、大丈夫」

額に汗を滴しながら、アスタから目をそらす神父。

「え!何が!ていうか俺も大丈夫だって!魔法帝になるんだから!んで、シスターを迎えにくる!」

「え?」

「だからそのときは、俺と結婚してくだグああ!!」

「さぁ、食べましょう?ノモイモの煮物にノモイモの天ぷら、ノモイモ焼きにノモイモのフライ、ノモイモの炒め物、茹でノモイモ・・・」

さまざまなバリエーションのノモイモ料理を紹介するシスター。アスタの結婚してくれ騒ぎへのスルー技術が確実上がるシスター。

「「いただきまーす!」」

ノモイモの料理をたくさん食べたトウマ達、さぁ、明日は別れの日だ。

 

 

 

夜遅く

 

「ん?アスタか」

「おー、トウマか、ちょっと眠れなくて」

「そうなんだ、俺は喉が乾いちゃって」

「そうか」

水をコップに入れ、一気に飲み干す。その後、しばらく無言が続いた。そして、会話を切り出したのはアスタだった。

「なぁトウマ、お前も魔法騎士団に入らねぇか?」

「え?俺が?」

「ああ」

「ど、どうして?」

「その剣のこと、知りたいんだろ?」

そう言って火炎剣烈火を指差すアスタ。

「まぁ、そうだけど」

「村の人から聞いたんだけど、魔法騎士団って、いろんなところに行って、任務をこなすらしいんだ、だから、その剣のことを知りたいんだったら、魔法騎士団に入るのもいいんじゃないかなって」

(へー、そうなんだ、それはいいかもしれない、でも)

「でも誰かが残らないと、俺も、この剣については知りたい。だけど、放っとけないよ」

「なに言っとるんじゃトウマ」

「え?」

見ると、後ろに神父がいた。

「夢があるんだったら、言っておくれよ」

「で、でも、そんなこと話したら、神父達の負担に」

「ならんよ」

「え?」

予想外の答えに、困惑するトウマ。

「もうレッカもナッシュも大きくなった、三人がいなくなったってやっていけるわい、それに、子供の夢を叶えさせたいのが、親心なんじゃ、トウマも行ってこい」

その言葉を聞いて、トウマは決意を固めた。

「うん、わかったよ、神父」

「うむ、それでいいんじゃ、さて、トウマの分も荷造りをせんとな」

「そうですね」

「よしっ!やるぞー!!」

張り切るアスタと吹っ切れた笑顔をするトウマ。それを見て微笑む神父。三人は、トウマの分の荷造りをしたあと、朝まで起きることはなかった。

 

 

 

 

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