倉田柊
倉田ましろ
以上2名
「お兄ちゃん、ごめんってぇ……」
お兄ちゃんは口を聞いてくれなかった。お兄ちゃんはいつもより早歩きでスタスタと歩く。
「ましろ、しちゃいけないことはある」
「ごめん……」
お兄ちゃんは自分の部屋に入って閉じ籠ってしまった。
「お兄ちゃん……出てきてよ~」
お兄ちゃんは静にしていて、まったく出てこなかった。お兄ちゃんに嫌われちゃったかな……
「お兄ちゃん!」
「どうした?俺はここにいる」
「え?」
私が振り返ると、部屋に閉じ籠ったはずのお兄ちゃんが私の後ろに立っていた。
「え?じゃあ、中入ったのは?」
「へ?誰も入ってないじゃないか。ずっと後ろにいたけど」
後ろにいたなんて、気付かなかったし……え?じゃあ、幻覚?
「とりあえず、部屋の中入ってみる?」
「……うん……」
私はお兄ちゃんと一緒に部屋の中に入った。言われた通り、中には誰もいなかった。
「誰と話してたの、私……」
「ましろ……」
私は鳥肌が立った。謎の寒気がして、ますます怖くなっていく。
「大丈夫、俺はずっとましろの近くにいるから」
私はお兄ちゃんからかけられた、安心するような言葉と、今の状況が入り交じって複雑だった。
「お兄ちゃん……なんか、気持ち悪い……複雑……」
「……」
お兄ちゃんは考えているのか、なにも言わなかった。
「寝よっか、自分の部屋で」
お兄ちゃんは急にそう言い出した。確かに夜っていえば夜だけど、まだ20:00にもなっていない。
「どうして……?」
「気分転換」
お兄ちゃんは私をお姫様抱っこで、私の部屋まで連れていく。
私の部屋に着くと、私をベットの上に寝かせて言った。
「俺は外に出てるから、自分のしたいことしてていい」
「あ、うん……」
お兄ちゃんは部屋から出ていった。
(幻覚なんて……本当にあるのかな……?)
私は目を擦ってみた。なにも起こるはずない。
(ここ、私の部屋。そう、幻じゃない)
私は枕に顔を埋める。ふかっと柔らかいものが私の顔を包む。
(なんか物足りない……)
私は自分の股を触ってみた。
「ん……」
自分で触ってるのに、くすぐったいような感触が伝わってくる。
「なんか、ネチョネチョしてる……」
手に糸のような何かが指と指の間に垂れる。私は引き続き弄った。
「ひゃうぅっ!」
刺激が来た気分になる。それにしても、この液体、なんだろう。もしかして、愛液とかいうやつ?
(え?あの、イった時に出る?)
あの刺激って、イったってこと?自分だけで?えっと……こういうの、何て言うんだっけ……?お……おな……おな……なんだっけ、思い出せない。
(自慰ってことだよね?)
あぁ、なんでしちゃったの……現実逃避したかったの?
「寝よ……」
私は自分に後悔して眠りについた。