「んじゃ今日の1限目は予定どうり席替えだ〜。順番にくじ引け〜。」
今日は羽丘に入学して初めての席替えだ。周りのクラスメイトははしゃいでいるが俺はあまり乗り気じゃない。なぜなら今座っているこの席が窓側の1番後ろというベストポジションだからだ。スマホいじり放題、ゲームし放題なこの席とお別れするのは本当に辛い…。せめて真ん中から後ろの席にしてくれ…。
「おい渡辺〜次お前の番だぞ〜諦めてくじを引け〜」
担任に呼ばれ仕方なくくじを引き自分の席を確認しに行く。
結果、扉から2列目の前から2番目、、、、
まぁうん。1番前の列にならなかっただけでも良しとするか…何だこの微妙な位置は、
周りが結果を見てぎゃいぎゃいさわぐ。煩わしいったらありゃしない。
萎えた気持ちのまま決まった席へ向かう。そう言えば隣の席の人って誰だっただろうか…確認する余裕がなかったな。
先に席に着いて待っているとようやく隣人が姿を現した。ちらりと確認してみるとショートヘアで片方の髪に赤いメッシュの入った少女が頬杖を付いて座っていた。
…なんて事だ…今日は厄日だ。
俺はこの女を知っている。
彼女の名前は美竹蘭。普段から誰とも口をきかず目つきも悪く授業をサボるのもしばしばある不良少女だ。見た目も派手だし正直近づきたくない…。
そんな奴が俺の隣なのか…。絶望だ…
こうして1限目の席替えの時間は過ぎていった。ちなみに「よろしく」とかそんな挨拶はしていない。なんなら目も合わせてない。
そのまま時間は過ぎ去り昼休みを迎えた。当然、美竹とは一言も喋らぬままだ。
「おーい蓮、食堂行こーぜ」
「はいよー」
やな事は飯を食って忘れようと仲のいいクラスメイト達と共に食堂へ向かう。
「そういや蓮、美竹とはなんか話せたか?w」
「お前知ってて聞いてるだろ!一言も話してねぇよ!なんなら目も合わせてないわ!」
「HAHAwざまぁw」
「前の席でスマホイジってた分頑張りたまえww」
「こいつらァ」
海に沈めてやりたいこの2人。
「でもいいだろなんだかんだ言って美竹可愛いし。」
「この機会に仲良くなってみろよw」
「何その無理ゲー、てかお前らも噂知ってるだろ」
「んじゃその噂が本当か蓮が確かめてくれよw」
何んでこいつはヘラヘラしながら無理ゲー押し付けてくるのかしら?
「まぁ確証もない噂を鵜呑みにしてその人を評価すんのも良くないよな」
「そんなに言うならお前ら2人でやってくれよ、気になんだろ?」
「「そんな勇気俺にはない」」
「あーそー。」
こいつらほんといい性格してんな。まぁでも、、こいつらの言うことも一理ある。噂は所詮噂…あんな見た目をしているが実はとんでもなくいい人だったりするかもしれない。
「まぁ機会があれば話してみるか…」
「お、いいねぇ」
「まぁなんか分かったら教えてくれw」
「へいへい」
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休憩後……。
はい、話してみるとか言ったけど午後の授業になっても会話出来てません。(即落ち二コマ)
美竹の怖さと俺のコミュ力の無さに涙が止まらねぇよ……。
「…、あ、あれ?」
「…?」
どうしたものかと頭を悩ませていると隣の美竹が突然そわそわし始めた。机の周りをキョロキョロと見渡して落ち着きが無い…。なにか落としたのか?
美竹に釣られるように俺も机の下を見渡す。すると俺の足元に見知らぬ消しゴムが1つ落ちていた。
もしかして美竹の探し物はこの消しゴムか?
(結構困ってるし拾ってやるか…。)
が、この時俺はある作戦を思いついた。題して、『美竹と言葉を交えよう大作戦』
作戦その1、消しゴムを拾う
2、「これ落ちてたけど美竹の?」とさりげなく聞く
3、そこから上手いこと会話を広げる
4、なんやかんや仲良くなる!
よし!!(適当)これで行こう、、、
「あ、あの〜」
「何??」
「イヤ、アウェ、ウ、スー、ン''ン''」
「…何?なんか用?」
「あ、いや、その、、けけけけ消しゴム落ちてたからこれ美竹のかなぁって、、、」
「…ほんとだ、あ、ありがと。」
「イヤ、ゼンゼン、スー、大丈夫、 」
はい、対戦ありがとうございました。これにて会話は終了です。
果たして…俺はこの席で上手くやって行けるのでしょうか…。
主人公
渡辺蓮
好きな物アニメ、ゲーム、猫 (ゲーム中は精神年齢5歳下がる)
勇気を出したけどやりきれなかった男子高校生
見た目は簡単に言えば一方通行の髪と目を黒にした感じのイメージで