話の内容はこうだった。
美竹の家はもともと美竹流と言う華道の家元であり、その当主である親父さんは後継である美竹にもっと華道に触れるべきだと言い、一方の美竹はバンドに集中したいし華道も継ぐ気もないと対立しているとのこと。
「なるほど…美竹の親父さんとそんな事が、、」
と言うか美竹流って結構有名だよな?華道全く知らん俺でも名前ぐらいは聞いたことあるし、んで、今の当主が美竹の親父さんと。そんなびっくらパパだったとは予想つかなかったわ…
「…昨日バンドの事、ごっこ遊びみたいだって言われた。ごっこ遊び程度のものなら辞めろって」
「ごっこ遊び…か」
「あたしはバンドのことごっこ遊びだなんて思ってない。バンドを辞めるつもりもないし、華道だって継ぐ気もない…!そう言ってるのに……」
「……その件はみんなに言ったのか?」
「…モカには伝えたけど、」
「多分これは青葉だけじゃなくてみんなで話し合った方がいいと思うぞ。」
「でも、みんなに迷惑はかけたくないし、」
「いや、迷惑だなんて思うやつはいないと思うぞ。ましてや幼馴染だ、逆に美竹から話してくれるのを待ってるかもしれない。」
「そう…なのかな、」
鈴木と佐藤でさえそうだったんだ。それが幼馴染と言う友達よりワンランク上の関係だったらなおさら大丈夫なはずだ。
「ああ。」
「……うん、わかった、みんなに言ってみる。」
どうやら気持ちが決まったらしい。
「じゃああたし練習あるから」
「りょーかい、じゃあまたな。」
「うん。」
そうして美竹は屋上を後にした。
俺は美竹が少しでもいい方向に進めれば良いなと、夕焼けを見ながらそう思った。
翌日、
「美竹のやつ上手く行ってりゃ良いんだかなぁ〜、」
そんな事を呟きながら学校に到着し教室に向かった。
ドアを開けると既に美竹は席に座っていた。
「うっす、どうだった、昨日は?」
「……」
「美竹?」
これはまさか…
「…ごめん、昨日はちょっと、」
どうやら上手く行かなかったらしい。
「そうか…まぁまだ次があるし、その、切りかえて行こうって言うか…」
いや、励ますの下手すぎんか我、何?『切りかえていこう』って?スポーツちゃいますけど?
再び気まずい中今日と言う学校生活が始まった。
放課後…
(美竹のやつ、また屋上いたりすんのかな?)
ふと、そう思い再び屋上へ向かった。仮にいたとして、俺に何ができるか分からないが。
屋上のドアをそっと開けて見ると案の定美竹の姿があり、さらにもう1人一緒にいる人がいた。
「あれは青葉か?」
昨日と違い、2人で夕焼けを見ながら話しているようだ。
これなら俺がいる必要はないと思い屋上を後にしようとすると、
「お、れー君ではないか〜。どしたの〜?覗き?」
青葉の索敵能力怖すぎわろた。
「誤解を生むようなこと言うんじゃない。」
諦めて2人の所へ向かう。さて、どう言い訳いてやろうか。
「渡辺…、今日も来たんだ。」
「ほ〜う?今日もということは昨日も来て話してたってことかな〜?」
「いや//ちがう、事も…ない、けど/」
美竹〜余計なことを言うんじゃあないよ〜
「まぁ、昨日俺も話を聞いてな、ぶっちゃけ、今日も来てるんじゃないかと思って来たらいたってだけだ。」
「お〜、いいとこありますな〜。」
「はいはい、。…昨日は何があったんだ?」
「昨日はその、相談する前に巴と喧嘩みたいになっちゃって…」
「そうだったのか…」
そりゃあんなに落ち込むわ…
「昨日、渡辺と巴に言われて気づいたんだ。あたし、父さんから、華道から逃げてたんだって。知らないうちに、バンドを逃げ道にしてた。」
「なるほど、その辺を宇田川につつかれたと、、」
「うん。ほんと、鋭いやつ。だから今度巴には謝らないとね。もちろんひまりにもつぐみにも、それから…父さんにも。」
「うん」
「…2人の前ならこんなふうに言えるのにね。なんでいざってなると言えないんだろう。」
「もしかしてあたし達のこと、じゃがいもとかだと思ってない〜?」
「いや、そこはかぼちゃだろw」
「あははっ、そうかも。」
「も〜、ひどいなぁ〜。」
「そーかー俺らはかぼちゃとじゃがいもだったのか〜。いつ収穫されんのかな〜。」
「冗談だから。渡辺も変なこと言わないで。…ありがとう。その、隣にいてくれて。」
「いやぁ〜あんまり褒めないでよ〜。照れちゃうなぁ〜。」
「じゃあもうモカは一切褒めない。」
「え〜、あたしは褒められて伸びるタイプなのに〜。」
「俺の場合は席が隣なだけなんだよな〜。」
「…そんなことない、渡辺にだってその、色々助けて貰ってるし/」
「お、おう。そうか/」
シンプルに照れるからやめてもろて…。顔赤くなってないよね?
「ヒューヒュー、いい感じじゃ〜ん♪」
「「茶化すな!(さないで!)」」
「さっせ〜ん♪」
ほんとにこいつは…
「まったく。…ねぇ、明日つぐみのお見舞い行こうよ。つぐみとも話、したい。」
「うん。い〜よ。」
「渡辺もその、どう?」
「え?いいのか?」
「うん、来てくれると…嬉しい…かな//」
「おう、んじゃまぁ、邪魔にならないなら行きたい…かな。」
あんな顔で誘われて断れる男は男じゃない。トカゲだ。イグアナ野郎に違いない。冬眠して二度と目覚めるんじゃないぞ。(錯乱中)
(いい感じですな〜(⸝⸝⸝´ꇴ`⸝⸝⸝))
青葉よ、なんだその顔は。
「ん、じゃあ約束。」
「オッケ〜。ん〜、それにしてもでっかい夕日だなぁ〜。」
「確かにな。」
「うん、綺麗。」
「今思い出したんだけどさ、夕焼けの次の日って晴れやすいんだって〜。」
そうなのか、知らなかったな。
「だから、明日はきっと、いいことあるよ〜蘭。」
「…うん。」
さすが幼馴染だな。そう思いながらでかく綺麗な夕焼けを3人で眺めていた。