隣には反骨メッシュ   作:外道堕落

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我ながらテキトーだと思う。


思いを歌に。

「会場到着っと。」

 

今日はガールズバンドジャムと言うライブがある。このライブで美竹の親父さんを認めさせることが出来ればいいのだが…

 

「ぶっちゃけあいつらのレベルなら余裕だと思ってしまう俺。」

 

美竹いわく今日のライブでは新曲も披露するらしいしな。はぁ〜。佐藤とのカラオケブッチしてきて正解だったな。

 

 

会場に入るとどこを見ても人、人、人。

 

「…多すぎだろ。」

 

席もそんなに空いていない。

 

「こりゃ後ろで見た方が良いな。」

 

控えめに言ってちょっと気持ち悪い。

 

「お、いい感じのポジション発見。」

 

後ろの方で少し空いている所を発見し早速向かった。ステージ全体を見れるしなかなかいいところだ。

 

「まだ少し時間あるな、」

 

始まりまでしばらくあるのでしスマホをいじり時間をつぶす。

 

「すみません。」

 

「…はい?」

 

突然声をかけられた。

 

「隣、よろしいですか?」

 

声のした方を見るとそこに居たのは和服を着た目つきの鋭い中年ぐらいの男性だった。

いや、この会場で和服ってどうなんでしょうね?おじさん。

 

「隣っすか…」

 

他に空いてる席は…なし。仕方ない。

 

「別に大丈夫ですよ。他に席も空いてないですし。」

 

「ありがとうございます。」

 

一言お礼を言い隣へ座った和服おじさん。

 

「……」

 

「……」

 

 

いや、何?この空気。どうしてくれんのおっさん?え?ライブ始まるまでこの空気なの?軽く地獄なんすけど。

え?スマホゲーしてればいいって?

じゃあ聞くけど、目付きの鋭い和服を着た中年のおじさんの隣で『うまぴょい伝説』の画面開く勇気ありますか?どうぞお答えください。

てか俺の隣に来る人ってなんで変な人ばっかなんだよ…

 

「あ、あの〜…」

 

「なにか?」

 

「イヤ、アゥエ…ッスー、ン''ン''」

 

「?」

 

何故だろうか…すごくデジャブを感じるのは。

 

「その…、ライブに来るのは今回が初めてだったりしますか?…」

 

「そうですね。たまたまライブのチケットを貰ったので1度来てみようよと思いまして。あなたもですか?」

 

「あー、いえ。俺はこれで2回目です。クラスメイトがこのライブに出るからってチケットくれたんですよ。」

 

「ほう、そうだったんですか。」

 

「はい。この『Afterglow』ってバンドの…あ、真ん中のメッシュを入れてるやつから貰ったんすよ。」

 

パンフレットに載っているバンドの説明欄を見せながら説明する。

 

「…ほう。」

 

?なんだ今の妙な間は。

 

「…その人とはいったい、どう言った関係で?」

 

「?ただの友達ですよ。まぁ最初は見た目派手だし目つきも悪いし授業もたまにサボってたから不良にしか見えなかったんですよねぇ〜。」

 

「そ、そうだったんですか…」

 

「でも話して見ると全然悪いやつじゃなくてむしろ普通に良い奴だったんですよ。ただ素直になれないだけで。話してて面白いし楽しいですよ。」

 

「なるほど…」

 

…というかなんで俺はこんな事を初対面のおじさんに話してんだ?話したところでこの人には関係ないだろうに…

 

「あー、すみません。なんかどうでもいいこと語っちゃって…」

 

「ははは。いえいえ、そんなことないですよ。」

 

「…そうですか。」

 

「…いい友人を持ったなボソ」

 

「え?、今なんて…?」

 

「いえ、なんでもないですよ。おっ、そろそろ始まるみたいですよ?」

 

「あ、そうですね…」

 

周りの照明が消え観客がざわめく。そして、ステージに照明が集まり最初のバンドの演奏が始まった。

 

「…ほう。こんな感じなんですね。」

 

「まだまだこれからっすよ。それに、『Afterglow』はもっとすごいですよ?」

 

「…それは楽しみですね。」

 

 

 

 

それからしばらくして、いよいよ美竹達の出番がやってきた。

 

「Afterglowです!それじゃ早速1曲目!!」

 

そして、演奏が始まった。前のライブとは比べ物にならないぐらい力強い歌声が会場に響き、観客もかなり盛り上がっていた。

 

「すっげぇ…」

 

ちなみに俺は圧倒されていた。前よりも格段にレベルが上がっていると素人目で見てもわかる。

 

そして数曲後…

 

「次で最後の曲です!あたしが今、ここにたっていられるのは、道に迷った時助けてくれた5人のおかげ。もうどんなに迷っても、絶対逃げたりしない!…この気持ちを、歌にして届けたい!」

 

最後の曲で新曲を披露した。その曲には美竹の思いと決意が込められていたと俺は思った。

 

 

 

ライブ後…

俺はと言うと謎の虚無感に襲われていた。あれだ、アニメ1作品見た後に襲ってくるやつ。あれと似たような感じた。

 

「はぁ〜。なんか、あっという間だったな…。これで美竹の親父さんも認めてくれるといんだがなぁ。」

 

と言うかこれだけのライブを披露してなおごっこ遊びとか言うのなら割と本気で殴っても俺はいいと思うぞ。

 

「さて、ぼちぼち帰りますかね…」

 

席を立ち会場を後にしようとすると…

 

「ああ、すまないが少しいいかい?」

 

「?はい?」

 

また和服おじさんに声をかけられた。てかいるの忘れてました。ひとりごと絶対聞かれてたなこりゃ。

 

「少し着いてきて欲しいところがあるんですが、この後何か予定あったりしますか?」

 

「いえ、特にありませんが…どこに行くんですか?」

 

「はは、すぐにわかりますよ。」

 

ええ、知らないおじさんにはついて行くなってママンに言われてるんですけど…

そんなことを思いながら仕方なくおじさんについて行く。

 

 

しばらく行くとバンドグループの控え室らしきものが見えてきた。

 

「えっと…ここ控え室ですよね?入ったらダメな気がするんですが…」

 

「大丈夫ですよ。許可は貰ってますから。」

 

いや誰の?とか思っている間に扉を開け中に入った。全く怒られても知らないですよ?おっさん。

 

 

 

「…蘭。」

 

「…!父さん、、それになんで渡辺も!?」

 

いやちょっとまて。

 

「………え?は?まて、誰が???誰の?????」

 

「わぁ〜''蘭の''パパだあ。お久しぶで〜す。」

 

「こんにちは、モカちゃん。みなさんも…いつも蘭がお世話になってます。」

 

「お世話してま〜す。」

 

「お、おいっ…!」

 

「いいんですよ。本当のことでしょうから。」

 

いや、ちょい待てや。

 

「ちょっと待ってください。…え?もしかして美竹の親父さんだったりします?」

 

「え〜?れー君知らないで一緒にいたの〜?」

 

「ははは、騙すような形になって申し訳ないね。」

 

いやははは〜ちゃうくてさ、え?まじなの?あぁ、まじなんですね…あははは、

 

俺が混乱している間に美竹の親父さんは5人と話していた。

 

「さて、まず、皆さんの演奏聴かせてもらいました。…正直高校生がやっているバンドなんてたかが知れていると…そう思っていました。しかし非常に感動したよ。私が忘れていた前のめりな感情を思い出させてくれたよ。……蘭。」

 

「…」

 

「お前の情熱や思いはしっかりと伝わった。これ程まで真剣にバンドに打ち込んでいたのだな。そして、一緒に作りあげてくれる仲間を大切にしなさい。」

 

「…! それじゃあ…」

 

「バンド活動を認めよう。…お前はいい仲間に恵まれたな。」

 

「…っ!ありがとう、ございます…!」

 

「それと、確か…渡辺君だったかな?」

 

「は、はい…」

 

「これからも娘と仲良くしてやってください。」

 

「は、はぁ。こ、こちらこそ?」

 

「え〜、れー君まだ混乱してるの〜?」

 

「そうね、現在進行形で混乱中なんよね。えと、すみません。なんで俺のことご存知なのか聞いてもよろしいでしょうか。」

 

「急に丁寧な口調になったね…蓮君。」

 

「なんでって、蘭が話したんじゃないのか?」

 

「いや、喋れる人ができたみたいなことしか言ってないけど…」

 

それもそれだな…

 

「ははは、実はですね…」

 

 

 

 

 

 

 

数日前…

 

 

 

美竹家リビングにて、

 

『む?これは蘭の携帯だな?』

 

リビングに来た蘭パパはテーブルに置かれている''電源の入ったまま''の携帯を発見。画面には写真のアプリが表示されていた。

表示されているものは主に幼馴染みとの写真だったが、1枚だけ違うものがそこにあった。

 

『…これは?』

 

その写真はゲーセンで子供のようにはしゃぎながらクロ〇ブーストをプレイしている蓮を撮ったものだった。

 

『話せるようになった人ができたと言っていたが、まさか男子だったとわな。』

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

「…と、いうことがあってね。」

 

「「「「………」」」」

 

「ほーう……チラ」

 

「……/////プルプル」

 

「そして今日たまたまその本人とあったものだから、話をしてみたくなったんですよ。」

 

あーもー無茶苦茶だよ…どうしてくれんだよ…もう帰っていい俺?

 

「へ〜蘭、可愛いとこあるじゃ〜ん♪」

 

「う、うるさい…!///うるさい…!////」

 

やめてやれ青葉。美竹のライフはとっくにゼロだ。しかもなんか爆発しそうになってる。

 

「では、私はそろそろ行くとするよ。皆さん、これからも頑張ってくださいね。」

 

そして美竹パピーはとんでもない爆弾を投下したのち帰宅した。え〜何この空気、さっきまでの感動の雰囲気どこに行った。

 

「ねぇ蘭〜その写真見せてよ〜」

 

「あー!あたしも見たーい!」

 

「絶っっっっ対に嫌!!!」

 

何だこのグダグダ感…

 

「はぁ〜……」

 

「え、えっと…渡、辺?」

 

「なぁ美竹。」

 

「……はい」

 

「この際隠し撮りしてたことは別にいいけど、携帯の管理とかはしっかりしててくれ…」

 

「うん、その……ごめん…」

 

ほんと、まじ恥ずかしい。

 

「お〜、この写真は消せないねぇ〜」

 

「フフ、そうだね!」

 

おい、言ってるそばからもう強奪されてんじゃねぇか。しかもロック解除されてるし。どんだけセキュリティがばがばなんだよ!

 

「ちょっ!!////勝手に見ないでってば!!てか、なんでパスワード分かんの!?」

 

 

 

 

 

無事美竹達の問題は解決し、バンドの活動も認められハッピーエンドと思いきや最後の最後に黒歴史ができてしまう始末。ははっ。もういんじゃないっすか?こんな感じで。これもいつも通り(?)なんじゃないっすか?知んないけど。

 

「渡辺もモカたち止めるの手伝って!!!」

 

「あーもー、帰りてぇぇえええ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




1章書いて見て思ったんすけどムズ過ぎたんで2章は書かないとおもいます。

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