席替えから数日、例の消しゴム事件からもう美竹とのコミュニケーションを諦めている男、渡辺です。
本日も一切口を開くこと無く黙々と授業を受けております。無駄口叩かず真面目に受けれて偉いね!俺☆
まぁなんだ、たまにはこんな隣人が居ても良いだろう。無理に話そうとしてもどうせキョドって変な人のレッテルを貼られるのがオチだし。いやそれならキョドってる俺に問題があるみたいだな…。いや、俺は悪くない。隣のちょっと目付きがきつい隣人が全部悪い。異論は認めない。
あの時の俺は世界一ビビり散らかしてた自信がある。どうせ次同じ事をしようとしても同じ結果になるだけだ。このは現状維持決めとこ。
「……。」
「…?」
そんなこと思ってたら隣の美竹が何やら難しい表情をし始めた。そして時折チラチラとこちらにも視線を飛ばしてくる…。な、なんなんですかね?言っとくけど俺は話しかけないからな?俺はもう前回の経験から学んだんだよ。同じ過ちを繰り返さないのが渡辺という男なんだ。
「ねぇ………」
と、無視を続けていたのだがここでまさかの向こうから接触してくるパターン。
「…何か?」
さすがにもうビビらないからな?
「プリントのこの問題なんだけど…」
どうやら分からない問題があるらしいな。あぁ今は現代文の授業で課題としてプリントを2枚ほどやらされてます。なんでもこの時間に終わらせないと宿題にするとか何とか。ちなみに俺は終わしてプリ〇ネやってますた。意外とこの席でもバレないもんだ。
「ねえ、聞いてる?」
「あぁ、うん、どこの問題?」
「これ」
「ああこれはね……」
なるべく分かりやすく説明する。「この時の心情を〇字以内で表せ」とか
「この表現はこの場面においてどのような効果があるか」とか一見面倒くさそうだが慣れてしまえばどうということはない。文系は得意なんだ、任せて欲しい。
「こんなもんかな。」
「なるほど…じゃあこの問題も同じような考えで解ける?」
「ん、大丈夫だとおも、、ゥ」
いや、今気付いたけどこんな距離近かったっけ?また変な口調になったんじゃが……?まぁ人に教える時ってこうなるよね……なるよね?
「?そっか…ありがと。」
「いや、全然、」
それから美竹はプリントに集中した。じゃあ俺もプリ〇ネの続きをやりますかね。もうちょいでペ〇リーヌ星6なんだよ。
しばらくして
「終わった…」
どうやら美竹がプリントを終わらせる事ができたようだ。ちなみにこっちも星6まであげることができますた。
「ねぇ、プリントもう提出した?」
「ん?いや、俺は授業の終わりに出すよ。」
「最後だと混みそうだから今出しに行かない?」
まぁ確かにまだ他の奴らは終わって無さそうだし最後だと混みそうだな。
「んじゃ行きますか、」
……あれ?なんか普通に会話できてるくない?
「…どうしたの?」
「あぁいや、なんでも。」
席をたち彼女と共に担任の元へ向かう。
「なんだお前ら早いな。んじゃ確認するから残りの時間は自習してなさい。」
隣でちっちゃくガッツポーズ決めないでもろて、バレバレだからね?
席へ戻りスマホをいじると
「あのさ…」
謎にまた話しかけてきた。課題はもう無いはずだが…
「今更かもしれないけど…名前聞いても良い?」
おっと、、そう来たか、
「……渡辺蓮だ、まぁ何だ…これからよろしくってことで、」
最初の自己紹介の時何してたんでしょうかね……
「うん、、、よろしく」
最初の消しゴム事件から始まり1度はコミュニケーション取るのも放棄してたが、、案外悪いやつではないのかもしれない。もし仮に美竹が本当に不良なら分からないところを聞くだけ聞いて礼も言わず提出しに行くだろうし…さっきのガッツポーズとか本気で嬉しそうにしてたしなぁ。実は素直になれないだけで本当は良いやつna「ごめん、そんな見られると少しキモイかも…」
……すみませんやっぱそんなことないかも☆
無意識にガン見してたのは謝るが、面と向かって「キモイ」とか言うな…最近の男子はデリケートなんだ。
渡辺蓮
文系は大得意だが理系はオワコン
美竹蘭
初めて蓮とまともな会話をした。最初はキョドってて変な人だと思っていたが分かりやすく丁寧に問題を教えてくれたことから悪い人ではないかもと思い始めている。でも最後のガン見はキモかったらしい。ちなみにクラスで最初に行われた自己紹介ではほとんど寝てた。