隣には反骨メッシュ   作:外道堕落

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ずっと隣で

 

「美竹、俺、お前の事…、ずっと好きだった…。」

 

「……え?」

 

気がつけば俺は言葉を発していた。今更取り消す事も時間を巻き戻すこともできない。でも不思議と今は心がスッキリしていた。おそらく結果が分かりきってるからだろう。前までモヤモヤして苦しかったのが嘘のようだ。

 

「……」

 

美竹は俺の言葉を聞いて固まっていた。そりゃそうだろう、いきなりこんな告白したんだから…。

 

 

「ま、美竹からしたらすげぇ迷惑かもしれないけど、でも言わないと後悔すると思ったから…、悪い、いきなりこんな事。遠慮なくフッてくれ、その方が俺も良い。」

 

 

 

 

…おい、いつまで固まってんだよ、頼むから早くフッてくれ、終わらせてくれよ。こういうのって結構じわじわ来るんだよ…

 

 

 

 

 

 

 

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(え…?今、渡辺、なんて言った…?好き…?渡辺が…?あたしの事を??)

 

 

「…!?///////」

 

「み、美竹?」

 

「ご、ごめん////ちょっと、ちょっとだけ待って/////」

 

「お、おう。」

 

思わず渡辺と反対方向を向いてしまう。この状況に頭が追いついてこない。

 

そのせいで渡辺の後半の言葉が全然頭に入ってこなかった。

 

 

(うそ、今あたし……渡辺に告白されたの…!?)

 

 

あまりに予想外だ。不意打ちだ。こんなの混乱するに決まってる。夏祭りの時とは明らかに違う、今のは本当の告白だった…。

 

 

 

「……い、いつから、なの…?」

 

「…え?」

 

渡辺に背を向けたまま質問する。今はこれが精一杯だ…。

 

「だ、だから…いつからその、あたしの事……」

 

「…いつからだろうな…。俺もわからん。自分の気持ちに気づいたのは最近だけど、本当はもっと前から美竹に惹かれてたんだと思う。」

 

「……そ、そう、なんだ…////」

 

 

心臓が爆発しそう。嬉しいのか恥ずかしのか訳が分からない。こんなんじゃいつまでたっても渡辺の方を向けない…。

 

 

(ていうかなんで渡辺はそんなに平然としてられんの…////こっちはさっきまで立ててた計画崩されたあげくこんなになってるのに…////)

 

 

まさか渡辺がこんなに堂々と告白してくるなんて…。渡辺ってもっとモジモジする感じだったじゃん…!なんでこんな時だけ……。

 

 

 

どうしよう、どう返事をすれば良いのか分かんなくなった…、

 

 

 

 

 

 

「まぁでも、美竹は他に好きな人がいるんだし、俺の事は微塵も気にせずフッてくれ。」

 

「え?」

 

「ん?」

 

 

ああ、そっか…、渡辺は諦めてるんだ…。自分が応えて貰えないって。だからこんなに冷静でいられるんだ。

 

「…そっか、そういう事…。」

 

「み、美竹?」

 

あたしはくるりと渡辺の方を向く。

 

「…渡辺の気持ちはその、よく分かった…。ありがとね。」

 

「お、おう。」

 

 

今の渡辺はあたしが告白にこたえてくれるなんて微塵も思ってない。

 

「…少し、あたしの話し、聞いて貰ってもいいかな?」

 

「…おう。」

 

 

だったら今から、あたしの気持ちを伝えて分からせてやる…!

 

 

 

 

 

 

 

 

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「さっき渡辺はあたしに好きな人がいるって言ったよね?」

 

「あぁ、言ったな…。」

 

「その人の話になるんだけど…」

 

「いや、それこの前も聞いたような気が、」

 

「その時は言えなかった部分だから…」

 

 

なんなんだ一体、突然後ろの方を向いたと思ったら今度はやけに真剣な顔になって振り向いて…、そんで美竹の好きな人の話を聞かされる…、

 

どういうことだってばよ・・・?まるで意味がわからんぞ…!!

 

 

「まず、その人は文系の教科が得意で―」

 

 

軽く混乱してる間に美竹の話が始まった。へぇそいつも文系得意なのか。

 

 

「あと、ゲームもすごい得意。」

 

ほほう。

 

「でもゲーム中は精神年齢5歳下がってすごいやんちゃになるって言うね」フフッ

 

 

なんだよそいつもゲーム好きなのか、俺と気が合いそうだな。

 

「それに猫もすごい好き。どれくらい好きかって言うとLINEのアイコンにするぐらいかな。」

 

 

分かる〜。俺も好きすぎてアイコン猫だもんな〜。

 

 

「あと、すごい負けず嫌い。ゲームやってる時はもちろん、一緒に卓球やった時はすごい食いついて来てたかな。その後筋肉痛になって動けなくなってたけど。」

 

 

あ〜、俺も美竹と初めて卓球した時同じ目にあったな〜。

 

 

「…、一緒に夏祭りに行った時は色々あってドキドキしたけど、楽しかった…。」

 

 

うんうん、俺も美竹と行った時………………ん?待て、いつ美竹はその人と夏祭りに行ったんだ?あの祭りは2日目なんてなかったはずだし…、

 

 

「海に行った時はひまりの胸ばっかり見てたからビーチバレーでコテンパンにしてやった。」

 

 

いや、それ俺も全く同じ経験してるんすけど…、なんだったらさっきから言ってること全部身に覚えがあるって言うか…、

 

 

「……ひまりが学校に参考書忘れて取りに行った時もその人は来てくれたし、学校でみんなとはぐれた時、あたしを見つけてくれた…。」

 

 

いや、ちょっとまて…

 

 

 

「……まだ分からない?」

 

「……いや、だって、、そんな事、ありえないだろ…。」

 

「…じゃあもう直接行っちゃうね。」

 

「ッ、、、」

 

「ッフーー、あたしの好きな人は――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「渡辺……、あんただよ…。」

 

「……、」

 

 

 

信じられなかった、ありえないと思っていたから。

 

 

「…は?お、俺…?」

 

「…だからそうって言ってるじゃん…。バカ…。」

 

「だ、だっておま、あの時、好きな人いるって…」(混乱中)

 

「はぁ〜、だからそれが渡辺だって言ってるの///何度も言わせないでよ///」

 

ようやく頭の中で整理ができて来ると、突然、目頭が熱くなってきた…。

 

「…そ、そうだったのかよォ」ポロポロ

 

「ちょッ!?なんで泣いてんの!?」

 

「いや、わりぃ、だってお前、俺が自分の気持ちに気づいた時にはもう好きな人いるって言ってたから、、その時点でもう諦めてて……」グス

 

 

(…そっか、だからその時の渡辺の様子が少しおかしかったんだ…。)

 

 

「ごめん、渡辺にずっと辛い思いさせてた…。もっとあたしが早く言ってれば良かったね…。」

 

 

「○△□$☆°%#!!」

 

「…な、なんて?」

 

ごめん俺もなんて言ったかわからない。

 

 

それからしばらく俺の涙は止まらなかった。いや、ていうか泣くからこんな状況。普通に考えて。フラれると思ってたのにまさかのどんでん返し来るなんて思うわけないやろ!!

 

 

 

 

 

 

 

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「そろそろ落ち着いた?」

 

「…おう、取り乱してすまなかった…。」

 

「別に、それくらい抱え込ませたのはあたしだし…。なんとも思ってないよ。」

 

「そっか…。」

 

「それにしても、サプライズの時から思ってたけど、渡辺って意外と涙脆いよね」クスクス

 

「いや、今回に限っては美竹達が悪い…。」

 

「フフッそういうことにしとく。」

 

今日は久しぶりに渡辺の意外な部分見つけられたかな…。

 

 

 

「それじゃ、改めて…。あたしは渡辺の事が好きです…。大好きです//よ、よろしければあたしと付き合ってください…////」

 

「…俺も美竹の事が好きだ。こんな俺で良ければよろしくお願いします。」

 

「ッ…////」ギュッ

 

思わず渡辺に抱きついてしまった。それくらい嬉しかったから。

 

「おっと…。み、美竹さん?」

 

「ごめん、もう少しこのまま…。」

 

「…おう…。」ギュッ

 

そう言って渡辺もあたしを抱きしめてくれた。

 

「つーか、普通告白って俺からするもんじゃないの??」

 

もう、さっきまで泣いてたくせに…。

 

「それはダメ、あたしから言うって決めてたから。」

 

「そ、そっすか…。あっ!でもよく考えたら先に好きだって言ったのは俺だしな。実質俺から告白したようなもんだな。」

 

「…言われてみれば確かに。」

 

そうだあたしが言おうとしたタイミングでいきなり渡辺が告白してきたんだ…。

 

「…あたしって全部渡辺に先越されちゃうんだよね…。」

 

「え?どゆこと?」

 

「席替えした時、1番最初に話しかけてくれたのは渡辺でしょ?」

 

「…そうだっけ?」

 

「そうだったの。あとあたしが父さんとかモカ達と上手くいってなかった時もLINEの時も、全部渡辺が先に動いてくれてたじゃん。だから告白だけはあたしから言おうって思ってたのに…。」

 

「ははは、また先を越してしまったようだな。」

 

「むぅ。」

 

このままじゃなんか負けた感じがする。なんでもいい、なにか渡辺よりも先に動きたい…。

 

 

(あ!そうだ…、まだ''あれ''を言ってない!!)

 

 

「渡辺、ちょっとここで待ってて。」

 

「ん?おう。」

 

あたしは一旦渡辺から離れてプレゼントを入れていた自分のリュックのある場所に向かう。

 

 

(''これ''をずっと持ってて正解だった。)

 

あるものを手にし、渡辺のところに戻る。

 

 

「いったい何を取ってきたんだ?」

 

「…一つだけ、渡辺よりも先に言えることがあるって思いついて…。」

 

「???」

 

「はい、これ。」

 

そしてあたしは取ってきたものを渡辺に渡す。

 

「…ッ!!おま、これって///夏祭ん時のお守りじゃねぇか///」

 

そう、あたしが渡したのは夏祭りに行った時、渡辺からもらった恋結びのお守りだ。それもただの恋結びじゃない、このお守りにはある効能がある。それはこのお守りを相手に渡すということは''求婚''を意味するという事だ。つまり、あたしは今、渡辺に''プロポーズ''をしていることになる。

 

 

 

「いやいやいや、ちょっとまて!!」

 

「…?なんで?最終的には''これ''に到達するでしょ?それともあたしとは遊びで付き合うつもりだったの?」

 

「…そんなわけねぇだろ…、」

 

良かった、少しホッとした…。

 

 

「…うん、あたしも渡辺とは遊びで付き合うつもりはない。これからもずっと、あたしの''隣''にいて欲しい…!その意味をこめてこのお守りを渡すの。」

 

「…ほんとに後悔しないんだな?」

 

「…後悔させるようなことするの?」

 

「するわけねぇだろボケ。お前こそ一緒の墓にぶち込まれるのを楽しみにしとくんだな…!」

 

「フフッ何それ、変なの。」クスクス

 

 

 

 

 

 

 

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この日、俺たちはお互いの思いを知った。しかも最後には美竹から''先に''プロポーズされるというね。

 

 

 

 

これからはただ席が隣って言うわけじゃない。これから先、俺はずっと美竹の隣に立ち続ける。美竹も俺の隣に立ち続ける。それがお互いの願いなのだから………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







おわたーーー。





という訳で今回で本編は最終回となります。今まで読んでくださった方々、評価や感想を書いてくださった方々、誠にありがとうございました。

今後はafterstoryとか書くつもりなのでもし良ければそちらもご覧下さい。

それでは。
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