隣には反骨メッシュ   作:外道堕落

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暇だ、かまえ。


テスト勉強①

 

 

 

 

 

「それでは来週からはテスト期間になりますので、各自しっかり勉強しておくように。以上。」

 

担任からの話が終わり、本日の全日程が終了する。今日は全人類が愛してやまない金曜日。本来なら明日明後日の土日をどう過ごすか胸をはずませ様々な計画を立てるところだが、残念ながら今回はそうとも行かない。

 

先程あの担任が言っていた通り…中間テストが来週に控えているからだ。したがって今までゲームに費やしていた時間のほとんどを勉強と言うある種拷問じみた物に回さなければいけないわけだ…。

 

俺の得意教科である現代文や暗記ゲーの社会、歴史…その辺だけ受けるならまだいい。

だが苦手教科である数学やら化学やらを受けるのがホントに憂鬱で仕方がない。特に数学。中学の時から苦手なんだよ。なんであんな将来微塵も役に立たん数式を覚えにゃならんのだ。なんで点Pは動くんだ、止まってくれ。問題に出てくるAさん、急に走り出すんじゃない。そのまま歩いててくれ。

 

 

 

 

そんなこんなでテスト当日まではゲームを封印し、コントローラーの代わりにシャーペンを握りしめて生活しなければならない。まずは苦手教科である数学の復習から始めるか…。最低でも赤点回避レベルまで仕上げなければ…。

 

「はぁ〜、、鬱だ…。」

 

今後の予定を決めたので荷物をまとめ帰宅の準備をする。

 

ふと、隣の席に視線を移す。

 

そこにはテストが相当嫌なのか、机に突っ伏しうなだれている美竹の姿が…。

 

 

 

「美竹、お前帰んねーの?」

 

「…」

 

無言…。し、死んでないよね?まさかこのタイミングで永眠に入った訳じゃないよね?

 

「……渡辺は来週テストって知ってた?」

 

と思っていたら息はしていたようだ…。良かった良かった…。

 

…て、今なんて??

 

「その口ぶり…まさか美竹、テストの存在忘れてた?」

 

恐る恐るそう聞くと俯いたまま器用にこくん、と小さく頷いた。

 

「…えぇ、まじかよ。嘘だろ今まで先生達も散々言ってたじゃねぇか…」

 

「うぐっ」グサッ

 

「初めて見たわ、テストの存在忘れる人なんて…」

 

「ぐっ、うぅ」グサッ

 

おっと、いけない…無意識の内に言葉のナイフで刺してしまった…。普段は威圧感半端ないあの美竹がこんな弱々しく…、、

 

しかし変だな…。授業中の美竹はたまにすごい勢いでシャーペン動かしてるのに…。あれが勉強と関係してないなら一体なんだったんだ??

 

「…どうしよう…」

 

また1段階絶望感が増してきた…。現実は残酷なもんだな。南無三…。

 

「まぁ、なんだ…。時間はまだあるし詰め込めば何とかなるんじゃないか??」

 

「……」

 

 

無言…。まぁこればっかりは美竹が頑張るしかないだろう…。俺も他人の心配してるほど余裕ないし…。

 

「じゃ、じゃあ俺も勉強しないとなんで…そろそろ帰るからな?」

 

「……」

 

「か、帰る…。からね?頑張れよ?強く生きろよ?」

 

 

そんじゃな!と未だに机に突っ伏してる美竹を放置し俺は足早に帰宅するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「たで〜ま〜。」

 

「おかり〜。」

 

 

帰宅するとだらしのない声が俺を出迎えた。その声の主はソファーの上でゴロゴロとゲームをしている弟からであった。名前は渡辺翔。年は1個下で俺と同じくゲームを生き甲斐としている廃人予備軍である。今年受験を控えていると言うのになんと怠惰な弟だろう…。

 

「そういやお前も中間近いんじゃないのか?随分余裕ぶっこいてるけど大丈夫なのか?」

 

「…は?何言ってんの?うちの中学一学期の中間テストなんてありませんけど??」

 

「…あっ」

 

「母校のシステムを忘れるとは酷い卒業生もいたもんだ〜。」

 

そう言えばそうだった…。どういう訳か俺が通っていた中学は一学期の中間テストがなく期末テストのみと言う仕様だった…。

 

という事はこいつはいつもと変わらずゲームやり放題…対して俺はテストが終わるまでお預け…、という事か…。

 

こんな不平等がこの世に存在して良いのか?いや、ダメに決まってるだろう、て言うか許せない…、こいつも俺と同じくテストと言う絶望のどん底に落ちてもらわないと俺の気が済まない!!

 

 

「ただいま〜。」

 

 

ギチギチと拳を握こみながら殺意の眼差しを向けていると玄関の扉が開き母さんのが聞こえてきた。

 

 

「おかえり…。」

 

「ウェーイ」

 

どうやら弟はだらけすぎて日本語を忘れたようだ。

 

「あーそういえば蓮。」

 

「ん?」

 

荷物を置いた母さんは何かを思い出したのか、くるりと俺の方に振り向く。

 

「来週テストでしょ?」

 

「まぁ、そうだけど。」

 

「また数学赤点取ってきたら小遣い永久に渡さないからそのつもりでよろしく。」

 

……なんか唐突に訳分からんこと言い出したんだけど、、何言ってんのこの人。

 

「…ま?」

 

「まじで。ちなみにお父さんからそう言われてるの。」

 

親父の差し金か…。

 

「いやいやいや、高校生にその条件はきついだろ、一旦考え直して貰っても良いか?」

 

「頑張れ渡辺蓮〜お前ならできるはずだ渡辺蓮〜。」

 

こんの愚弟がぁ…、今すぐその指へし折って物理的にゲーム出来なくさせてやろうか??

 

「まぁ、そういう事だからー。死ぬ気で頑張んなさい。」

 

「ま、まじかよ…。」

 

これは本格的に数学何とかしないとまずい。

 

 

 

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そんなこんなあって翌日の土曜日。俺は午前中から机と向かい合い訳の分からない計算式とガチ戦を繰り広げていたのだが…、今のところ勝率は0%である。よく考えたら中学レベルですらまともに歯が立たなかったと言うのに高校の問題とか解けるはずなくないか?…あれ?これ、そこそこ詰み?

 

「はあぁあぁあぁ…」(ビブラート)

 

とうとうなんちゃら方程式に心がすり潰されてしまった。それと同時に襲いかかってくるゲーム欲…まずい、禁断症状がぁ

 

「ゲームしたい、、けどこのままだと赤点とるのは目に見えてるし…」

 

頭を抱えベットの上でうずくまり、誘惑に耐える。

 

「兄貴勉ky、、うわきも、何してんだよ、」

 

しばらく悶絶していると突然翔が部屋に侵入してきた。そしてなんの躊躇いもなく暴言を吐かれた、、そろそろ兄の威厳のために一発ぐらい殴ってもいいかな??

 

「うるせえ、今自分と戦ってんだよ。」

 

「はいはい、厨二乙〜。そんな集中出来ないなら場所変えたら?その辺のカフェとか。そしたら誘惑する物も無くなって勉強捗るんじゃないの?」

 

「……」

 

突然降り掛かってくるナイスなアイデア…。て言うかなんで俺はこんな簡単な事も思い付かなかったんだ…?

 

「お前はたまにいいことを言うな、褒めて遣わす。」

 

「おー、そんじゃ兄貴がどっか行ってる間ゲーム借りるぞ。」

 

 

 

それが目的だったか…。まぁ、いいか…。どうせテストが終わるまでお預けだった訳だし。

 

 

翔にゲーム機を放り投げた後、勉強道具一式を適当な手提げに放り込んで俺は家から飛び出した。

 

 

 

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「どっかにいい感じのカフェねぇかな。」

 

家を出てからしばらくブラブラと歩く。今頃弟は楽しくゲームしてんのかねぇ、なんか気に食わないから今度あいつのセーブデータでも消してやるか。

と、密かに嫌がらせを計画しながら歩いているとある店を発見した。

 

「羽沢珈琲店?…もうここでいいか。歩くのも疲れるし。」

 

即決した俺は店の扉に手をかけた。カランカランと心地よい鈴の音が店内に響き渡る。

 

「いらっしゃいませ!お一人様ですか?」

 

「…!は、はい。」

 

……天使が現れた。いや、違う落ち着け。天使の様な笑みを浮かべた店員さんがこちらに駆け寄って来てお決まりの質問をしてきた。若干声が上擦ってしまったが全く気にする素振りもなく「では、こちらの席へどうぞ!」と1番奥のテーブル席へと案内してくれた。

 

ほんと…綺麗な笑顔だこと。どっかの目付きの鋭い赤メッシュ女子も見習って欲しいもんだね全く。

 

 

「さて、そんじゃやりますかね。」

 

 

席に着くと早速ノートを開きシャーペンを握る。リベンジマッチと行こうか…こっちは今後の小遣いかかってんだ、本気でやらせてもらう。

 

 

 

再び数学との格闘が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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「……ふ〜っ、」

 

 

 

どれくらい時間が経ったか、グッと軽く背伸びをして時計を確認すると開始してから約1時間半ほどが経過していた。

 

誘惑してくるものがないとここまで捗る物なのか…。

 

この店の落ち着いた雰囲気も相まっていつもなら数分で切れてしまう集中力がかなり長く続いた。おかげで苦手な数学も少しではあるが分かるようになってきた。このままのペースで行けば赤点回避も夢じゃないかもしれない。

 

「だとしてもさすがに少し疲れたな…。何か甘いものでも頼むか…。」

 

そう思い、俺は店員さんを呼ぼうと「すみません、」と言いかけたが後ろから聞き覚えのある声がしたため発する事無く飲み込んだ。

 

 

「あ、蘭ちゃん、いらっしゃい。」

 

「ねぇつぐみ、少しここで勉強させてもらってもいい?」

 

「うん!大丈夫だよ!」

 

 

俺の記憶が間違ってなければこの声は美竹か…あの店員さんと知り合いっぽいな…。少し羨ましい、、

 

「え…なんで渡辺がいんの?」

 

?????????

 

突然の出来事に思わず混乱してしまう。ちらりと声のする方に顔を向けると、、案の定美竹が怪訝な顔でこちらを見下ろしていた…。いやいやいや、なぜ数ある席の中からドンピシャでこの席をチョイスしたんだよ…。

 

 

 

「…家だと集中できねぇから場所を変えようと思ってその辺歩いてたらこの店を見つけてな…。」

 

「あたしもだいたいそんな感じ、、いつもの席で勉強しようとしてたら渡辺がいた。」

 

常連さんですかそうですか。て言うかこの席美竹のテリトリーかよ…そりゃ自然と来るのも納得だわ…

 

「でもちょうど良いかも。」

 

「???」

 

そう言い美竹は向かいの席に座る。

 

「渡辺勉強得意でしょ?また教えてよ。」

 

テーブルに勉強道具を広げた美竹はどこか期待したような顔をして頼み込んでくる…。まぁ休憩がてら教えるのも良いか。

 

「ああ、ちょうど休憩中だしいいぞ。」

 

「…!ありがと。それじゃ、ここの問題なんだけど…」

 

今一瞬すげぇ嬉しそうな顔したような…?なんつーか,,グッと来ないこともないですね、はい。……やりゃ出来んじゃねぇか。

そして美竹の言う問題に目を向けると、そこにはたった今苦戦している数学の問題が、、、

 

「…すまん、やっぱ、無理かも、」

 

「え?…なんで?」

 

「美竹には言ってなかったが、俺は文系なら大得意だが数学は壊滅的なんだ。中学レベルですらままならん。何とか方程式ですら解くのに一苦労だ。」

 

「え、えぇ…」

 

美竹のテンションが一気に落ちたのを感じる…本当に、申し訳ない(博士)

 

「そうなんだ,,じ、じゃあ一緒にやんない?」

 

「え?」

 

「いや、その、ほ、ほら一緒にやったらその、解けるかもしれないし…」

 

「…俺、ほぼ戦力外みたいなもんだけど…」

 

「…でも、あたし一人でやるよりマシって言うか…」

 

こんなあたふたしてる姿は見たことない…。なぜ俺なんかと話すだけでこんなにテンパっているのだろうか…。

 

「ま、どの道俺も一人じゃ限界あるだろうし、やりますか…。」

 

「う、うん。じゃ、早速…。この前渡されてた対策問題のこれなんだけど…」

 

「あー、それ俺もめっちゃ苦戦してたやつ…」

 

 

お互い分からないなりに意見を出し合い、勉強を始めた。その光景をつぐみは穏やかな笑顔で見守っていたことは知る由もない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




渡辺蓮
数学とかやる意味あるん?あと今日の美竹どしたん?

美竹蘭
店に蓮がいた事に驚いていたが勉強するには心強いと思いまた教えてもらおうとするが数学ができないことにまた驚く。
蓮に一緒にやろうと気がついたら提案していた。自分でもなぜそういったのかわからず少し焦った模様。




渡辺家の設定

家族4人暮し
両親は共働き、父親は他県に単身赴任

渡辺翔
蓮の弟。ゲーム好きは兄譲り。特にソシャゲが好き。家でダラダラしているが、基本的に礼儀正しく大人しい性格。兄同様ゲーム中は小学生。









最後にこんな作品に評価してくださった方、ありがとうございます。

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