隣には反骨メッシュ   作:外道堕落

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今回はまだ蘭と蓮君が付き合っていない時の話です。


蘭は自分の気持ちに気づいていますが、蓮はまださっぱりの状態で、時系列的に文化祭の前ぐらいですかね〜?






美竹が欲しい!!!

 

 

とある日の学校帰り、久々に俺は1人でゲーセンへと向かっていた。たまに1人で出かけるのも悪くないだろうと思い、行きつけのゲーセンにたどり着く。さて、今日は何をやろうか…、そんな事を思いながらふわふわとした足取りで店内へと入っていった。

 

 

 

ドアをくぐった瞬間ガヤガヤとゲーム音が鳴り響く。とりあえず初回は久々のガ〇ダムあたりから攻めるか。そう思い俺はクロ〇ブーストという名の動物園に向かおうと歩き出した。

 

 

しかしその動物園に入る途中、クレーンゲームのそばを通ったのだが…そこである物が目に止まる。

 

 

 

 

 

「…こいつは、、Afterglowのグッズか…?」

 

 

目に止まったものとはAfterglowのグッズが並べてある1台のクレーンゲーム。

 

 

「…なに…、『寝そべり』……だと、、、」

 

しかも中身はメンバー各々の寝そべりのぬいぐるみであった…。ちなみにサイズは小さめ。

 

「…心無しか美竹のぬいぐるみだけ表情がふてぶてしいような…。」

 

気のせいかな?……気のせいだな。うん、美竹って意外とこんな顔する時あるし…。

 

 

「…え〜…、良くないよ〜それは…。」ゴソゴソ

 

 

口ではそういうが手はしっかりと財布を開け100円を取り出し、それをなんの躊躇いもなくチャリン!と入れてしまっていた。

 

「…、なんか始めちゃったんだけど…。ま、まぁあれだ。1ファンとしてこういうグッズは持っておくべきだと思うんだ?うん。」

 

自分を説得するかのように言い聞かせる。よし、路線変更。今日はこのクレーンゲームを攻略する事にしよう。とっとと5人分全部取って写真撮って美竹に見せたろ。…とか思ったけどやっぱり本人には見せるの若干恥ずいのでTwitterにあげるだけにしよ…。

 

 

「さて、最初は青葉から行きますかと、、」

 

 

ボタンを押しアームを操作する。完璧な位置にアームを配置し、あとは降下するボタンを押して持ち上げるだけだ。

 

「ははは、ちょろいちょろい。」

 

早くも脳みそパン野郎青葉をゲット。今度ゲームする時はスマブラでボコボコにするので対戦よろしくお願いしますと。

 

「さて、どんどん行こ〜。」

 

次に狙いを定めたのは羽沢だ。また今度羽沢珈琲店にお邪魔します。新作メニュー楽しみにしてます。はい、無事1発で取らせていただきやしたと。

 

「まだまだ行くよ〜?」

 

続いて宇田川。この前紹介してもらったラーメン屋めっちゃ美味かったです。またおすすめの店教えてくださいっと。はい、こちらも無事1発ゲッツ!

 

我ながらなんてセンスなんだろうなぁ〜。さて、次は上原だな。お前は……え〜っと…。特に何も無いわ。

 

 

 

 

 

 

 

さて、残るは美竹ただ1人…。100円を入れてアームを動かす。

 

……この位置、頃合い…、この角度で…!

 

「ドン…!ピシャリ…!」ポチ…(`・ω・´)ノ凸

 

ウィーン、ストン…。

 

「…あれ?」

 

残念なことにぬいぐるみが持ち上がったように見えたが途中でストンと落ちてしまった…。

 

「…まぁまぁまぁ、そんな時もあるよね…!てかこれこそクレーンゲームの醍醐味だよね!」

 

仕切り直し再び100円を入れる。

 

「むしろ今までが簡単すぎたんだよな〜うん、はい、チュートリアル終わり!次でいただきますと!」

 

アームを動かし勢いよくボタンを押す。

 

ウィーン、グググ、ストン…、

 

「…あるぇ?」

 

また途中で落ちてしまう。

 

「…ちょっと待って?1000円崩すわww」

 

ここで100円を切らしてしまう。財布に入っている1000円を崩し、再び挑戦するが…またしても失敗。

 

「…おかしいな…。」

 

なぜ美竹だけが取れない…?まさか緊張しているのか…?この俺が?いや、そんなはずはない…。なんかさっきからボタン押す方の手がカタカタ震え始めてるけど絶対そんなはずはない…。

 

なんだ?今の俺には何が足りていない…?『想い』か?美竹の寝そべりグッズを絶対に手に入れたいという強固な想いが足りていないのか…?

 

「…美竹さんの寝そべりが欲しいです…!お願いします!」チャリン

 

ダメ元でそう唱えながら100円を入れアームを動かす。するとどうだろうか…、手の震えが弱まり完璧な位置にアームを持ってくることに成功したのだ。

 

「お!?これあるんじゃないか!?」

 

そしてそのままアームはぬいぐるみをしっかりつかみ…

 

グググ!…ストン…、

 

「だはぁああ!惜しいなぁああ!!!?」

 

あと少しのところで惜しくもアームから外れてしまう。

 

「いやでもこういう事なのか!?強い想いを持つ事が重要って事なのか!?」

 

再び財布から100円を取る。

 

「ちくしょう…、てかなんで俺こんな必死に美竹のグッズ取ろうとしてんの…?なんで、なんでこんな…。…いや『こんな』って言っちゃ失礼かさすがに…。あぁ…欲しい!美竹ェ!美竹が欲しい!!!大丈夫だ!あいつならきっと想いに答えてくれるはずだァ!」

 

なんか色々大変な事を言っちゃってるような気がしなくもないけどとりあえず100円を入れる。

 

 

……が、その時、急に方をぽんぽんと叩かれる。おそらく店員さんだろう。はしゃぎすぎて多分注意しに来たんだな。まぁいつもの事だから言いけども。

 

「サッセーン、ちょっとはしゃぎ過ぎました……、、か…?」

 

そんな軽い気持ちで振り返った自分を助走をつけてぶん殴りたいものだ。なぜなら目の前にいたのは店員などではなく……。

 

「やっほ〜れー君〜♪」

 

「奇遇だねー♪」

 

「おっすー蓮♪」

 

「どーも♪」

 

「ッ…///」

 

 

本人達だったのだから……。

 

 

「…ッスー、、えぇ????」

 

「いや〜、なんかね〜?聞こえてきちゃったね〜♪」

 

「な、何が…?」

 

「『美竹が欲しい!』って…ね〜♪」

 

1番嫌なところ聞かれちゃっちゃあ!!!(゜∀。)

 

「え?な、なんてなんてェ??」

 

「とぼけないでよ〜、『美竹が欲しい!』って言ってたじゃ〜ん♪」

 

「いやあのちょ…、違うんすよ…!?いやまぁ違くはないけど違うんすよ!!」

 

全力で誤解を解こうとするが、、

 

「いや、あたし達見ちゃったんだよ?蓮くんが必死にそう言ってるところ!『欲しい!』って言ってたじゃん!」

 

「『美竹ェ!美竹ェ!!』って!」

 

上原と宇田川も続いて言ってくる。なにこれ、助けて(´;ω;`)

 

「違っ、欲しい…ってか…、欲しくないことは無いんです!欲しくないことは無い…。って言うのも誤解になるんだけども違うんだよ…!」

 

「じゃあやっぱり蘭のことが欲しいってことなんだよつまり!!!」

 

なんで今日に限ってお前らはそんなにテンション高いんだよ!?

 

「いやその…、なんだろうな…?グッズだ!グッズだぞ?グッズの事だからな!?」

 

これ言えばもう勝ちっしょ??

 

「あー、なるほど?」

 

「つまりグッズが欲しくなるくらい蘭の事が欲しいってこと〜?」

 

「ちがうwちがうwちがうwちがうw」

 

※負けました

 

まじでどういう変換してんだこいつらァ…。てか美竹もなんか言えよ!おかしい事ぐらい分かってるだろお前なら!頼む!この流れをどうにかしてくれ!

 

「ッ…ェ、えと…//そ、そう…なの…?//」

 

なんで本気で捉えてんだよもう…!

 

「『そう…なの?』じゃねぇよ!ちげーんだよ!」

 

美竹なら分かってくれると思ったのに…。

 

「でも確かにそう聞こえたんだけどなー?」

 

「いやそのー、別に美竹が嫌いとかじゃないぞ?別にな?」

 

「え、好きじゃないってこと?」

 

「いや好きじゃなくはないよ?」

 

「じゃあ好きなんじゃん!」

 

「ッ…///ッェ!?」

 

「ちょっと待て頼む…」

 

「いやいや蓮くん!それは『好き』ってことなんだよきっと!!」

 

言葉の綾だろそんなもんは!あと美竹はいい加減おかしいことに気づけ!!

 

「1回落ち着こう…、別に好きじゃ無くはないよ…。でも好き…?まぁうん、それはでも、いや俺は美竹の事は好きだよ?普通に?」

 

「ッえ///」

 

「おや〜?」

 

「…………いや違いますよ!?違いますよ!!!?」

 

自分が落ち着いていなかった事件

 

「いや〜ほら、『好き』にも色々あんのはわかるでしょ?さすがに、」

 

さすがにこれは伝わるよね??

 

「あ〜、まだ''付き合いたて''の『好き』って言うこと〜?」

 

「ち!が!う!おま、、はぁ!?命知らずなのかお前はァ!!本人の目の前でぇ!!!」

 

「ん〜、なんか難しい話してない?」

 

「ね〜?」

 

「蓮、1回落ち着けって」

 

おかしい、なぜ俺が間違っている見たいな認識をされているんだ?

 

「……いや、そりゃあ美竹だけに限らず俺はAfterglowの事好きだよ?曲とか普通に聴くしね?ライブの雰囲気とか最高じゃん?そう言う『好き』だよ俺が言ってるのは!」

 

巴「でも?」

 

モ「本当は〜?」

 

つ「蘭ちゃんの事が〜?」

 

ひ「1番〜?」

 

この幼馴染み共なんなの?打ち合わせでもしてきてんの?俺を陥れるために作られた罠なのかこのクレーンゲームは?

 

「1回落ち着け?考えてみろ、たしかに美竹とは大分話すようにはなったけどお前らが期待してることなんて1ミリもないからな!?」

 

「これからだよ☆れー君…!」

 

やかましいわ!肩にポンって手ェ置くな!さりげなくイケボで話しかけんな!

 

てか青葉達も分かっててからかってるだろ…。

 

これ以上ここにいるとまた厄介な事になると思い、俺は荷物をまとめその場を去ろうとする。しかし…、

 

「あ、渡辺…!」

 

そこで美竹に声をかけられる。

 

「ん〜?」

 

「えっと…まだ…その、、残ってるじゃん…。」

 

「え、」

 

「あ、あたしが…、その…。」

 

おいおいおいまさかこの状況でもう1回やれってか?大分鬼畜な要求してるって自覚ありますか?あなた方分かんないかもしれないけど周りの客もちらほらこっちの事見てるんすよ!?騒がしすぎてね!?すみませんなんか!

 

「そーだそーだー!蘭の事だけ残すなー!」

 

「まさかここで逃げるなんてしないよね〜?」

 

「欲しいんだろ?なら絶対取らないとな!」

 

「蓮くん!ファイトだよ!」

 

急に応援し始めたよこの人らも…、今日のAfterglowはテンションが変…。

 

「いや、さすがにちょっと…、厳しいものがあるって言うか…」

 

こんな状況で俺がまた再開するとでも思ってんのか?それはちょっと俺の事わかって無さすぎだね〜?

 

「…そっか……、そう、なんだ…。」シュン

 

「とかなんとか言ってたけど全部嘘です。今からやろうと思ってました。任せろってまじで、次で決めっから。」

 

本当に俺が帰るとでも思ってたの?それはちょっと俺の事分かって無さすぎだね〜????www

 

「お〜、さすがれー君〜。言うことが違うね〜」

 

「いや、まじで任せて欲しい。美竹もしっかり見てろよ?次で絶対取ってやるからな!」

 

「…ッ、うん…!」

 

そして再び財布から100円を取り出す。

 

さて、美竹があまりにも落ち込んだ表情になってしまったから勢いでついあんな事言ってしまったが…、まぁもうやるしかないよなここまで来たら…。てかもとよりそのつもりでやってたわけだし…。美竹のためもいっちょ本気でやりますかぁ!

 

 

集中力を極限まで高め、100円を入れる。後ろからは美竹達の視線だけでなく周りの客のものも感じる。

 

不思議だ…。背中に多くの人の視線が刺さって緊張もしているのに…、思考はクリアだ。手の震えもほとんどない。自分のするべき行動がはっきりと分かる!(ボタン押すだけです)

 

ターゲットはふてぶてしい表情をしている寝そべり美竹。筐体の中の空間を完全に認知し、アームを動かす。

 

完璧な位置に置かれたアームはゆっくりと下へ降下し、しっかりと目標を掴む。

 

そして…、

 

ウィーン…、ガチャン!

 

「お〜!」

 

「やったー!」

 

「すごいよ蓮くん!」

 

「宣言通りだな!」

 

青葉達から歓喜の声が…。

 

 

「ほら、 美竹、ちゃんと取ったろ?」

 

景品を持ちながら美竹の方を向く。

 

「…うん…、ありがと…//」

 

なぜ美竹がお礼を言っているのか分かんないけどもすごく嬉しそうな顔をしてるから良しとしよう!

 

…パチパチパチ!!

 

周りで見ていた客も暖かい拍手を送ってくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっべぇくそ恥ずかしい……、、、え?冷静になったらクッッッソ恥ずいんですけど????

 

 

「蓮君それ大事に飾ってよね?せっかく取ったんだから!」

 

「…、と、当然だろ…、んじゃ、俺…、そろそろ帰るわ…。」

 

「そうだね、いい時間だしあたし達も帰んないと。」

 

「さ〜んせ〜。あれ〜?蘭〜、なんでそんな幸せそうな顔してるの〜?」

 

「べ、別にそんな顔してない!」

 

「してるよ〜♪」

 

そんな俺には気づくことも無く、美竹達は楽しそうに会話をしていた。出来れば1人で帰りたかったが…、ま、いっか…。

 

 

……多分結構騒いだし店員にも顔覚えられただろうな…。いやてか元々チンパンしすぎて既に覚えられてたか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日、私の行きつけのゲーセンが1つ、無くなりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







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