「「で、出来たあ……」」
美竹と共に数学の問題を始めてから十数分、何とか回答までたどりつくことができた。本当、なんでこう言う応用問題ってこんなめんどくさいんだ。美竹と一緒にやって正解だったな…1人じゃ確実に詰んでた。
「疲れたし、なんか頼むか?」
「うん。あたしコーヒーで……」
「んじゃ俺も。すいませーん。」
店員を呼び注文を済ませる。一旦勉強道具を片付け、スマホを取り出しLet's 休憩た〜イム。
「またゲーム?」
「いや、Twitter見てる。ゲームは1回やりだすとやめらんなくなるからテスト終わるまで封印してんだよ。」
「へぇ、意外。」
まぁそうでもしないと数学赤点取って永久に小遣いが貰えない生活が始まってしまうからな。
「まぁ色々あるんだよ…」
「お待たせしました。こちらコーヒーになります。」
そうこうしてたら頼んだコーヒーが来た。どれどれお味は。
「…美味いな。」
「うん、いつも通り美味しい。」
さすが常連様。ていうかほんと美味い。俺も今日からここの常連になっちゃおうかしら。
感動しつつコーヒーを飲み、疲れた脳を癒していると、
「お〜い蘭〜、来たよ〜♪」
唐突に後ろから声が聞こえた。美竹の知り合いっぽいな。えらくほわほわした口調だ。
「え、、、なんでモカたちがいるの?……」
俺も後ろを振り向くとそこには3人ほどの女子達が、、、よし、コーヒー飲んだら早く帰宅するかぁ…
「いやぁさっきつぐから蘭が男の人と楽しそうにテスト勉強してるって聞いてねぇ〜。」
なるほど、つぐってのはさっきの店員さんか?チラッと本人の方を見てみると「あはは…」と少し申し訳なさそうに苦笑している。
「そうそう!前蘭が話してた『渡辺くん』だと思ってみんなで来たんだよ〜!」
何を話したんですか?美竹さん?まさかゲーセンでの事じゃないですよネ???
「ひまりはここに来るまでずっとわくわくしてたもんなぁ」
「だってあの蘭がまともに話せる男子だよ!?気にならないわけないじゃん!」
おーい美竹さん?あのピンクの人少し失礼なこと言ったような気がするけど大丈夫ですか?、、ダメだ、相当驚いているのか、固まっちゃってるよ。
「それでそこにいるのが噂の渡辺くんかなぁ〜?蘭と仲良さそ〜に勉強してたよね〜?」
「は、はぁ」
いかにも、私が噂の渡辺くんです。なんだその見てたような言い草は。
「え?ちょっと待って、モカたちっていつからいたの?…」
「え〜?蘭たちが勉強終わる数分前ぐらい?かな。」
まじか、全然気づかなかった。
ん〜これは、めんどくさくなる前に帰った方がいいパターンだな。
「スー、、あ〜、そんじゃ美竹、コーヒーも飲み終わったし俺そろそろ帰るわ。また学校でな。そんなわけで失礼。」
帰る以外の選択肢なし。速攻荷物をまとめ家へ帰還しようとするが…
「待ちたまえよぉ〜。今からあたし達も勉強会やるからもう少しやっていかないか〜い?」
ガシッとふわふわ女子にカバンを掴まれる。
「蘭とどんな関係なのか聞かせてよー!」
元気なピンク女子がたたみかけてくる。
「あたしも少し気になるな!」
長身女子もかかってくる。
…美竹、次は俺、どうすればいい?、、、
「…渡辺、もう少しいたら?」
「大丈夫なのか?」
「さすがにこうなったらもう無理…」
あれはもう諦めた表情だな。
「…りょーかい、」
じゃ、俺も諦めますか。
「んじゃあらためて、渡辺蓮です。え〜好きなものはアニメとかゲームとか漫画とか。美竹とはクラスメイトでたまたま席が隣になっただけです。…こんな感じでいい?」
現在は席に座り直し自己紹介をしています。どうやらこの女子達は美竹の幼馴染らしい。さっきのほわほわ女子は青葉モカ、ピンク女子が上原ひまり、長身女子が宇田川巴、そんで店内で接客をしていた女子が羽沢つぐみと言うらしい。ちなみに席は何故か俺が美竹の隣に座らされ、残り3人が正面に座っている。
「えー普通すぎるよー。」
上原は何を求めてたんだよ。
「てか俺数学やんねぇといけないんだけど…」
「おや〜?それならこの天才美少女モカちゃんが教えてしんぜよ〜う。」
え?こいつ人に教えられんのか?
「渡辺、モカはこう見えてこの中で1番頭良いから大丈夫だよ。」
まじかよ。そんな風には見えんのだが。
「も〜、れー君は失礼だなぁ。」
「まて、そんな名前のやつはここにいないはずだが、」
「ま〜ま〜そう言わずに〜」
いきなりよく分からんあだ名を頂きました。渡辺れー君です。どうぞよろしく。
「まぁ、もう何でもいいや。そんじゃ青葉、ここの問題おしえてくれ。」
「モカ、あたしにも教えて。」
「もちろ〜ん。」
「あたし達もやるか!」
「巴〜!ここわかんな〜い!」
そんなこんなで勉強再開しやす。
結論から言います。青葉さんまじパネーっす。説明丁寧すぎて俺でも簡単に理解出来てしまった。数学教わるなら青葉しか勝たんすわ!!
「みんなお疲れ様ー」
「わーつぐありがとー!」
しばらく勉強していると羽沢さんが差し入れとしてコーヒーを持ってきてくれた。
「どうも…」
俺も1つ頂く。本日2杯目だがほんとに美味いと思う。ふと、時計を見ると16時をすぎていた。
「ぼちぼちいい時間だし、そろそろ終わんないか?さすがに疲れた。」
「あたしも、ちょっと限界かも…」
「じゃー今日はここまでにしよっか!蓮くんとも知り合えたし!」
よく会って初日なのに下の名前で呼べるよなぁコミュ力ありすぎでは。
「そうだな!」
「さんせ〜い。」
各々帰る準備をし、会計をすませ店を後にする。
「つぐ〜ばいば〜い、」
「うん!またねー!」
羽沢さんとは全く話せなかったけどまぁ、いつか話せるだろう。
「蘭〜明日もここで勉強会やるでしょ〜?」
「うん。」
ほーん、明日もやんのか。まぁ美竹はほんとに急いで詰め込まないとやばそうだしな…俺も明日ここでやりたかったけどどうしたもんかなぁ…
「ねぇ、…渡辺?」
「ん〜?」
「えっと…明日って空いてる?」
「まぁ特に予定はない。明日も勉強するだけだが…」
「ラン~ガンバレ~」
なんか3人とも応援しとる…保護者??
「う、うるさい,,!…その、もし良かったら明日もみんなと一緒に勉強しない?」
「え?俺居てもいいのか?」
「う、うん、その、ほら、また現代文とか教えて欲しぃ…っていうか,,//」
その顔は反則なんじゃないですか?断れるはずねーだろそんな表情で頼まれたら!
「あぁ、お、おうそういう事なら、まぁ、任せろ…//」
俺の顔赤くなってないよね?大丈夫だよね?
「う、うん、ありがと…」
「ら〜ん〜♪やればできるじゃ〜ん♪」
「ちょっとモカ!//…もう!あたし先帰る!!///」
「あ!蘭ー待ってよー!」
「あははは…」
美竹が先に歩いていき、上原、宇田川が追いかける。
俺も帰りますか…
「ねー、れー君。」
「ん?」
青葉のやつ急にどうした?
「蘭のこと、これからもよろしくね。」
「いや、いきなりだな…」
「蘭はね?あたし達とクラスが別になってからすごく寂しそうだったんだ〜。でもれー君のおかげで前よりも楽しそうに見えるから。」
「いや、俺は特に何もしてねぇよ。」
「れー君はそうでも蘭からしたら、れー君の存在って結構大きいのかもしれないよ〜?」
「ははっ、それは大袈裟だな。」
「でも現にさっきれー君が明日も行くって行った時蘭すっごく嬉しそうな顔してたじゃ〜ん。」
「……」
「だから、これからも蘭のこと、よろしくね〜?」
「お前は美竹の保護者か…、まあ、なんだ、いつも通りにやっていくわ。」
「うむ、それでよろし〜。」
こうして俺達も帰路に着くのであった。
翌日、つぐみを加えた6人で勉強会が行われた。
そして、この土日の勉強会のおかげで蓮は数学の赤点回避に成功し、蘭も無事に乗り越えることが出来きたのだった。
渡辺蓮(れー君)
モカに数学を教えてもらったおかげで何とか数学の赤点を回避した。しかも今までで1番点数が良かったとか。ちなみに現代文だけ100点だった。
美竹蘭
土日の勉強会のおかげで何とかテストを乗り越えた。蓮に教えてもらった現代文の点数の伸びがとんでもなく幼馴染全員からは「蓮くん補正」と言われたらしい。蓮が次の日も参加してくれた時はものすごく嬉しかった模様。