隣には反骨メッシュ   作:外道堕落

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糖尿病




詰め合わせpart3

 

 

 

 

 

 

 

――冷えピタ――

 

 

 

「はぁ〜、1限目しゅーりょ〜…。」ガタガタ

 

揺り椅子をしながらめいっぱい体を伸ばす。関節から鈍い音が鳴り、体がほぐれたのを感じる。

 

やれやれ…、どうも朝イチの授業は苦手だな…。何もかもがだるく感じる。ノート開くのもだるい、シャーペン握るのもだるい、黒板を見るために視線を上げるのもだるい…、かと言って寝るにしても教員が目を光らせているので机に突っ伏そうものなら名前呼ばれて軽く怒られてトドメの『お前後で職員室な?』コース。

 

お前ら生徒に対する慈悲は持ち合わせていないのか?眠いんだから寝かせてくださいよまったく…。

 

あんたらだって正直眠いだろ?黒板に字書くのだるいだろ?袖にチョークの粉がついてはたいたら今度はそっちの手の方に粉が移る煩わしいことこの上ない現象に会うのも嫌だろ?だったらもういっそ一緒に寝てやろうぜ!?」

 

 

「…蓮、さっきからうるさい…。あと文字数が多い。」

 

口に出ててわろたァ〜。

 

「すまん、あまりにもだるかったのでついな…。」

 

隣の蘭から苦情が入る。まぁ今のは俺がうるさかったな…。

 

軽く反省をしつつ次の授業の確認をする。

 

「…、次移動教室じゃん…。」

 

『だっる〜』っと言いそうになったがまた苦情が来かねないのでグッと飲み込んだ。

 

「蘭ー、次移動教室だから早めに行ってようぜ〜。」

 

そう蘭に声をかけるが…

 

「…、、」ボー

 

(……え、無視?)

 

「蘭ー?」

 

「…ん?何…?」

 

「いや、ボーッとしてたもんだから…。大丈夫か?」

 

心做しか若干顔が赤いような気が…、

 

「…なんでもないしいつも通りだよ…。それよりさっきの現文のプリントで分かんないところあったから教えて…。」

 

そう言ってさっきの授業で貰ったプリントを見せてくるが…。

 

「…蘭、」

 

「…何?」

 

「さっきの授業は''数学''だ。そしてそれ、数学のプリントな?」

 

「…、、」

 

これはあきらかに蘭の様子がおかしい。

 

「…ちょっと失礼するぞ?」

 

「ンン、」

 

そっと蘭のおでこに手のひらを置き、熱がないか確認する。すると案の定、平熱とは思えない程の熱を感じた。

 

「…おま、めちゃくちゃ熱いじゃん…。風邪確定だぞ…」

 

「…別に、普通でしょ…」

 

蘭はそう言っているが顔も赤いしあきらかに風邪を引いている様子だ。日頃のバンド活動はもちろん、最近では華道の方も忙しくなってきてるし…、疲労が溜まってたんだろうな…。

 

「蘭、保健室行くぞ。」

 

今日のところは帰ってしっかり休むべきだ。そう思い、俺は蘭を保健室へ連れて行こうと立ち上がる。

 

が、中々俺の手を離してくれない…。おでこに置いていた手をずっと両手でふにふにしている。

 

「おい、何してんだよ…」

 

すると蘭は俺の声を無視し、掴んでいる手をそっと自分の顔に持ってくる。そしてピタッ、と自分頬に密着させた。

 

「…ッ!?///おま、本当になにしてんの//!?」

 

柔らかい、肌がぷにぷにしてる、すりすりと俺の手に擦り寄ってくる様がめちゃくちゃ可愛い…。

 

 

いやそんなことより!!!何してはるんですかこの人ォ!!!

 

「…ふ、ふざけてねぇで早はk「ねぇ、蓮…?」…へ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「…あんたの手…、

 

 

 

 

冷たくて気持ちいいね…」ヘニャ

 

 

「………、」カアアアアアアアア

 

 

だらしなく緩みきった笑顔で放たれた言葉は、しばらく俺の脳みそをフリーズさせた。

 

その間、蘭はたっぷりと俺の手のひらを堪能していた…。

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

保健室にて…

 

 

「じゃ、親御さん来るまでゆっくり休んでなさいね?」

 

「…はい。」

 

「あ、先生ちょっと職員室の方に用事があるから少し外すけど大丈夫?」

 

「…はい、そんなに大したことは無いので…」

 

そして保健室の先生は職員室へと行ってしまう。

 

 

 

「……、」

 

 

、、、

 

 

、、、、、

 

 

、、、、、、、

 

 

 

「明日からどんな顔して学校来れば良いの……///」

 

ぼふんっ、と枕に顔を埋め教室での愚行を激しく後悔する。

 

蓮の手が思っていたよりも気持ちよかったものだからここが学校である事を忘れていた…。しっかりと周りのクラスメイト達にも見られた。

 

 

 

「もう……、ホント、、サイアク…///」

 

 

 

 

後日死ぬほどクラスメイトからいじられた。(主に佐藤と鈴木)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――何事も練習――

 

 

 

 

ある日、俺は蘭の家に遊びに来ていた。

 

いや〜久々に来たらまさかの蘭パパが待ち構えてて早速将棋を挑まれてしまったよまったく…。どんだけ根に持ってるんすかねあの人…、まぁもちろん今回もボコボコにぶっ飛ばし奉ったんだけども?もしかしてこの行事毎回続く感じなのかな?……嫌だね〜、だとしたら。

 

そんな事を思いながら俺は蘭の部屋へと戻っていた。

 

部屋の前に立ち、ドアノブに手をかける。そしてゆっくりとドアを開こうとしたのだがその時、部屋の中からボソボソとなにか声が聞こえる。

 

それが蘭の声であることは間違いないのだが…、一体1人で何を言っているのだろうか?

 

少し気になってしまい、ドア越しにその声を聞いてみる。

 

『へぇ〜、そうなんだ…。』

 

ん?誰かと電話でもしてるのか?

 

『他にもあるの?……''クールでかっこいい所も大好き''…?ふふっ、そうなんだ…。』

 

……は?え?本当に誰と話してんだ蘭のやつ…、

 

『そっか…、''蓮''からそんなに素直に言われると…、あたしも嬉しい、かな。』

 

……(´◠ω◠`)ん〜?

 

おかしい、俺は蘭の部屋にいないはずなのに蘭は俺と話しているように振舞っている。俺はいつ影分身の術を使った?そんなチャクラ持ってなかったと思うんだけどなぁ…?一体部屋の中で何が起きているんだ?

 

そう思った俺はバレないようにゆっくりと部屋の扉を開け、中の状況を確認する。

 

最初に目に映ったのはテーブルの正面に座る蘭の姿。ちなみに向かい側には誰も座ってはいなかった。じゃあ蘭は一体何と話していたのか。

 

そして次に映ったのはテーブルの上に乗っかってる少し見た目が不気味なぬいぐるみ。あれは確か上原のお手製だっただろうか?そのぬいぐるみが蘭と向かい合うような形で置かれていた。

 

『あと''恥ずかしがったり照れてたりしてる時も可愛くて大好き''?別に照れてなんかないよ…。あたしがそんななるわけないじゃん。』

 

……話しかけてるよ…。あのぬいぐるみを俺だと見立てて話しかけてるよ…!

 

えっ?何事ッ!?

 

一体1人で何をしてるんですか蘭さん!?

 

『…''衣装に合わせてたまに髪型を変えてた時もすごく可愛いくて大好き''?…別にあたしなんて大して可愛くないのに…、ありがと。』

 

まさか、、練習してんのか…!?俺に好きって言う練習じゃなくて俺から好きって''言われた''時の練習してんのか!?

 

『ここまですれば…、顔に出なくて済むかな…』

 

確定やないかい!!

 

まぁ確かに蘭はとても照れやすい!それはもう何かしら褒めたりすればすぐ顔を赤くして『別に…//』とそっぽ向いてしまうくらい照れやすい!けど別にそこまでする事なのか!?

 

 

『…蓮の前ではちゃんと素直なあたしで居たいし…、もう少し練習しよう…!』

 

 

……、もしや蘭本人も少し気にしていたのだろうか…、せっかく褒めて貰ったり好きって言ってもらったのに照れ隠しで素っ気ない態度になってしまう自分の事を…。

 

(別にそんな事必要ないのに…。)

 

その後も蘭の高度なシュミレーションは続いた。

 

 

まさかこんな練習を密かにやっているなんて知らなかったな…。

 

 

 

「おっす〜、蘭」ガチャ

 

「あ、おかえり…。」

 

俺が部屋に入ると何事もなかったかのように振る舞う蘭。

 

「…」ジー

 

「な、何、急にそんなに見て…。」

 

「いや〜、それが…、ちょっと改めて思ったことがあって…」

 

「…何?」

 

「…俺やっぱり蘭のこと、めちゃくちゃ大好きだな〜って…」

 

「…ッえ?////」

 

※実際に好きって言ってみる。

 

「…そ、、そう///…ど、どの辺が…?///」

 

「クールでかっこいい所も大好きだし、あと恥ずかしがったり照れてたりする時も可愛くて大好きだな〜」

 

「ッ!?////ふ、ふーん?///」カアアアアアアアア

 

「あ、あとたまに衣装に合わせて髪型変わるだろ?あれもまた新鮮で好きだな〜。」

 

「ッ!?///…え?////あ、ウン///」アタフタ

 

 

本番に弱い……!

 

 

「あとさ、」

 

「…?///」

 

「自分の悪い所をちゃんと直そうと見えないところで頑張ってる蘭もめちゃくちゃかっこいいし可愛くて大好きだな…。」

 

そう言った瞬間、蘭は大きく目を見開き、驚いた表情に変わる。

 

「も、もしかして…///まさか…///、、」

 

「…すまん、だってなんか聞こえて来たからつい…、」

 

さっきまで蘭が話しかけていたぬいぐるみを片手に、そう答える。

 

「ッ〜〜〜〜///もうっ!最っ低!!信じらんない!!!」ズトン

 

耐えられなかったのか、テーブルに頭突きをするかのごとく突っ伏してしまう蘭。

 

そんな蘭の頭を軽く撫でてやる。

 

「〜〜〜〜ッ///もうっ、、バカァ//」カアアアアアアアア

 

「あははは…、まぁ確かに俺も驚いたけど…、別にそこまで蘭も気にしなくていいんじゃないか?周りの人も蘭のそういうとこはちゃんと理解してると思うし。」ナデナデ

 

もちろん俺も含めてだ。

 

「…、でも、あたしがもっと素直になれれば蓮だって変に気を使わなくて済むじゃん…。」

 

「…?」

 

「…せっかく自分の事を良く言ってもらっても…、上手く言葉を返せないのって嫌だし…。」

 

「…、」

 

「全員…、までは行かなくても、せめて蓮の前ではちゃんと素直になりたいし…、変に気も使わせたくない…。」

 

きっと今まで蘭なりに考えていたんだろうなぁ…。

 

「ありがとな、そう思ってくれて。」

 

「…、」

 

「まぁ、その…あれだな、そんな簡単に変わるような事じゃないし…、焦らずにな?」ナデナデ

 

「…うん…。」

 

 

 

 

 

……蘭が突っ伏したままで良かった…。まさか蘭がそこまで思っていたとは思わず…、話を聞いてくうちにどんどん顔の温度が高くなっていた…。

 

絶対今の俺も顔真っ赤だろうな…。

 

 

 

 

その後もしばらく顔の熱が引くことは無かった…。その間蘭にバレないようずっと頭を撫でてたことは秘密。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 








はい、今年最後の投稿です…。今までこの作品を読んでくださった方々、誠にありがとうごさいました。

来年もどうせグダグダと投稿していくと思うので、まぁ気が向いた時とか、暇を潰したい時とか、ちょっとなんでもいいからSSに低評価入れたいな〜と思った時とか、そういった時に読んでくださると幸いです。


それではまた来年。


P.S.今年からお年玉貰えないですピエン(´;ω;`)






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