「木の葉烈風!!!」
彼がようやく
完全に後ろをとられていた二人に、彼は言う。
「行ってください、ナルトくん、ナナ!!! この人の相手はこのボクです!!」
間に合ってよかった……。
そう思いながら。
「で、でも……お前ってば……!!」
ナナの腕を引いたまま、気遣うナルトに彼は言った。
「ナルトくんも、サクラさんにナイスガイなポーズで言ったでしょう?」
そして、ナナにも。
「ナナ、進んでください!」
「リーさん……」
「前へ!!!」
中忍試験の時のことをガイから聞いたのは、ツナデの診察を受ける前のこと。
ナナに出会ったのは、つい先日の中忍試験。
時間や機会で考えれば、互いに詳しく知った仲ではない。
だが、リーにはナナという人がどういう人間かわかったような気がした。
初めは、サクラの少し後ろに隠れるようにして、穏やかな顔で立っていた。
それくらいしか覚えていない。
死の森で、音の忍との戦いで自分が力尽きた後、何があったかはテンテンに聞いた。
それで少し、印象派変わった。
身体を張って仲間を守ったと聞いて、第一印象とのギャップに驚くとともに、胸が熱くなった。
そして、ガイから聞いた第三試験の予選でのナナ。
聞き終えて無性に泣きたくなった。話してくれたガイの目にも涙が光っていた。
胸は熱いどころか焦げ付きそうで……。
だから単純に思った。
今度はナナに誇れる忍になろうと。
自分の誇りをかけて戦ってくれたナナに恥じぬ忍になろう……と。
でも、告げられたのは『再起不能宣告』。
それからは、もう自分のことしか考えられなくて、周りで起こっていた悲しい出来事には気づかなかった。
サクラがあれほど傷ついたというのに。
好きだから、憧れだから、サクラがサスケのことをどれだけ思っているかは知っている。
でも、きっと自分よりも、ナルトの方がそれを知っている。
ナルトもサクラが好きだから。
ナナだって、側にいたから知っていたはず。
そして、ナナ自身も傷を負った。
それを、口にもした。
『私は、私たちの存在を無意味なものにしたサスケの目を見るのが……怖かった』
『怖かった』と口にすることさえ怖いのだと、リーはわかっていた。
怪我をして、再起を断たれて、自身の弱さを認める怖さを知ったから。
だから、それを告げることができたナナを誇りに思った。
そして、機会は得た。
それでも自分がまだ本調子じゃないことは、十分わかっている。
だが、今こそナナの決意を守るために戦う時。
『私は、木の葉の忍として、命がけで“仲間”を救いに行って来る』
自分もその決意を……。
誇りを守ってくれたナナに報いるために、木ノ葉隠れの里の忍として戦うのだ。
だから、師のように力強く言った。
「ナナ、進んでくださいっ!!!」
少しでも、力になれるのなら。
「先へ!!!」