ひと葉 ~壱の巻~   作:亜空@UZUHA

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それぞれの戦い/想い・リー編

「木の葉烈風!!!」

 

 彼がようやく()()()()()のは、サスケを追おうとしたナルトと、彼に引っ張られたナナの背後に、君麻呂の刃が襲いかかろうとした時だった。

 完全に後ろをとられていた二人に、彼は言う。

 

「行ってください、ナルトくん、ナナ!!! この人の相手はこのボクです!!」

 

 間に合ってよかった……。

 そう思いながら。

 

「で、でも……お前ってば……!!」

 

 ナナの腕を引いたまま、気遣うナルトに彼は言った。

 

「ナルトくんも、サクラさんにナイスガイなポーズで言ったでしょう?」

 

 そして、ナナにも。

 

「ナナ、進んでください!」

「リーさん……」

「前へ!!!」

 

 

 

 

 中忍試験の時のことをガイから聞いたのは、ツナデの診察を受ける前のこと。

 ナナに出会ったのは、つい先日の中忍試験。

 時間や機会で考えれば、互いに詳しく知った仲ではない。

 だが、リーにはナナという人がどういう人間かわかったような気がした。

 初めは、サクラの少し後ろに隠れるようにして、穏やかな顔で立っていた。

 それくらいしか覚えていない。

 死の森で、音の忍との戦いで自分が力尽きた後、何があったかはテンテンに聞いた。

 それで少し、印象派変わった。

 身体を張って仲間を守ったと聞いて、第一印象とのギャップに驚くとともに、胸が熱くなった。

 そして、ガイから聞いた第三試験の予選でのナナ。

 聞き終えて無性に泣きたくなった。話してくれたガイの目にも涙が光っていた。

 胸は熱いどころか焦げ付きそうで……。

 だから単純に思った。

 今度はナナに誇れる忍になろうと。

 自分の誇りをかけて戦ってくれたナナに恥じぬ忍になろう……と。

 

 でも、告げられたのは『再起不能宣告』。

 それからは、もう自分のことしか考えられなくて、周りで起こっていた悲しい出来事には気づかなかった。

 サクラがあれほど傷ついたというのに。

 好きだから、憧れだから、サクラがサスケのことをどれだけ思っているかは知っている。

 でも、きっと自分よりも、ナルトの方がそれを知っている。

 ナルトもサクラが好きだから。

 ナナだって、側にいたから知っていたはず。

 そして、ナナ自身も傷を負った。

 それを、口にもした。 

 

『私は、私たちの存在を無意味なものにしたサスケの目を見るのが……怖かった』

 

 『怖かった』と口にすることさえ怖いのだと、リーはわかっていた。

 怪我をして、再起を断たれて、自身の弱さを認める怖さを知ったから。

 だから、それを告げることができたナナを誇りに思った。

 そして、機会は得た。

 それでも自分がまだ本調子じゃないことは、十分わかっている。

 だが、今こそナナの決意を守るために戦う時。

 

『私は、木の葉の忍として、命がけで“仲間”を救いに行って来る』

 

 自分もその決意を……。

 誇りを守ってくれたナナに報いるために、木ノ葉隠れの里の忍として戦うのだ。

 だから、師のように力強く言った。

 

「ナナ、進んでくださいっ!!!」

 

 少しでも、力になれるのなら。

 

「先へ!!!」

 

 

 

 

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