これからも続けて行けるかどうか不明ですができるところまで行ってみたいと思います。
楽しんでいただけるかどうかわかりませんがどうぞ。
猫と薬屋
吾輩は猫である。
…いやまぁ、そんなことを言ってもつまんないだけなんだが。
深いまどろみの中そんな考えが浮かぶ今日この頃。
自分がなぜこんな状況になったのか一切分からないまま日々を過ごしてきた。
「……い………きろ」
ん?なんぞ?
「お……か……ろ」
あぁなるほど、もう朝なのか。
「おい、……おきろ」
はいはい、今おきますよ。
『ふぁ~ぁ』
「お、やっとおきたか寝坊助」
寝坊助って…
『そんなに遅くまで寝てたか?』
「あぁ私がおきてから
まじですか、それは確かに寝坊助と言われても仕方ない。
そして出された朝食はしっかりと食べました。
『ごちそうさま』
さてと、今日はこれからどうするか…
「私はこれから調薬するけどお前はどうするんだ?」
『考え中だ』
そうそう、先程から話している相手は
……うん、知っているっちゃ知っているんだよ。
初めて出会ったとき自分は傷だらけになって倒れていた所を助けられたらしい。
それ以前の記憶はほとんど覚えていない。
けど此処がどんな所なのかだけは知っている。
この世界は【薬屋のひとりごと】と呼ばれている世界だ。
……なんでそんなことを知っているのかと聞かれたら。
…うん……気が付いたら猫になっていたんだ。
猫になる前の記憶は殆ど無い。
どんな人生を過ごしていたのか。
自分は死んでしまったのか。
それすら分からない。
それでも、自分が人間だったことは覚えている。
……覚えていると言っても細かい所まで覚えているわけでは無い。
この世界【薬屋のひとりごと】の出来事は殆ど記憶にないのだ。
と言っても、それで困ったことは今まで一度も無かったりするわけなので。
自由気ままに日々を過ごしている。
「そうか、とりあえず調薬の邪魔さえしなければ好きにしていればいい」
『了解』
……けれど今一つ理解できないことがある。
先程からも彼女はこちらが何を言っているのか分かっている様なところがあるように感じるだろうか?
……実は彼女にだけ自分の言葉が届いているらしい。
彼女も何故なのか理解できていないらしい。
彼女と共に過ごしている自分の恩人のおやじさんは何を言っているのかは理解できていないらしい。
そのことについて
それでもおやじさんは自分が普通の猫ではないにもかかわらず、それらを考慮して深く触れないようにしているらしい。
……猫猫が可笑しくなったんじゃないかと疑われたのは仕方なかったが、何度かやり取りをして自分がただの猫にしては異質だと思われるようになり、今度は
そんなこんなで特に何かできるわけでもない自分の面倒を見てくれている二人には感謝しかないのである。
……まあ、他の猫たちから仕入れた噂話などは役立つかもしれないと集めては自分で確かめに行ったりはしているけれど。
『そういえばおやじさんはどこにいるんだ?』
「ん?…おやじは畑の様子を見てくるってさ」
『そっか』
おやじさんは畑に行っているのか。
おやじさんこと
まあ、自分には何が何だかさっぱりなわけだが。
猫猫は調薬で忙しくなりそうだし、おやじさんは畑に行っているしで何かできそうなことってないかね。
「そういえば」
『ん?』
どうしたよ?
「
『あ~またか?』
「かもな」
なしてまたそうなったんかね。
…白鈴さんは猫猫の姉のような人の一人でよく自分の事を構いたがる。
……その理由が理由なだけによくもまあ……いや、これ以上は考えない様にしよう。
『わかった、それじゃ向こうに行って暇をつぶしてくるわ』
「そうか」
…さて行きますか。
「気をつけてな
『あいよ』
そうそう、まだ自分の名を言っていなかったな。
自分の名は黒翠、名前の由来は瞳が翡翠色をした黒猫だからだそうだ。
自分の事を覚えていなかったこともあり、不安になっていた日々もあったけど。
今は何とかやっていけているのかなと思いながら日々を過ごしている。
そうして自分は白鈴さんのいる所へと向かって行った。
……後ろから微かに聞こえる笑い声を聞かなかったふりをしながら。
…………大丈夫だよな?また毒とか試したりしないよな猫猫?
……今一つ不安が絶えないが、とりあえずやってきたのは此処。
普段此処にはあまり来ないのだが、白鈴さんをはじめ緑青館の方々に呼ばれることがまれにあるのだ。
…最初に此処へ来たときは色々あったが、今ではお客の中にも自分との触れ合いを望んでいるのがいるとかいないとか。
まあ、自分には関係の無い事らしいので気にしないことにしているのだが。
「ん?また来たのかいこの猫は」
おっとこの声は。
「また白鈴あたりが呼んだんかい」
『みたいだな』
やってきた自分に声をかけてきたのはこの緑青館の店主の婆さんである。
猫猫が毒を食った時なんかはみぞおちに一発かましたりしているので少し苦手意識があるが、特に何かやらかさなければそれなりに厳しめの婆さんでしかないのだが。
苦手意識っつても猫猫については彼女が悪いので何とも言えないのだが。
「まあ、なんだかんだお前さんにはあの子たちの不満をぶつける相手をしてもらってることだからね」
『自分は不満をぶつける相手なのか…』
別に気にしていないと言うか、何となくそんな気はしてた。
この緑青館には三姫と呼ばれる
というか白鈴さんもその一人である。
他の二人は
「あの子たちも何だかんだお前さんを気に入っているようだしね、せっかくなら役に立ってもらうさね」
そう言って笑う婆さんは何を考えているのか自分には分からないが、とにかく自分は白鈴さんの所に向かうことにした。
………その後何があったのかはあまり語りたくはない。
…まさか白鈴さん他に梅梅さんもいたとは。
あの人少し苦手なんだよな。
前に芸を仕込むとかで大変な目にあったし。
…いやほんと、後方三回転とか無茶言わないでほしい。
そんなこんなで
あちこちにいる猫達から何か面白いうわさなどがないか聞いて回り、これといったものも無く世間話をしてちょうどいい時間になるまで過ごした。
空が夕暮れ時に近づき始めたあたり、自分は物乞いなどがいる道を通り軒先に薬草がつるされた小屋に戻ってきた。
小屋の入り口は自分が出入りしやすいようにと少しだけ開けられておりその隙間を通り中へ入った。
『ただいま』
「おや、おかえり」
「お~おかえり」
おっと、おやじさんも帰って来ていたみたいだ。
「何か面白いはなしとかあったか?」
『いや、ほとんど人間にとってどうでもいい話ばっかりだ』
どこどこの夫婦猫がまた喧嘩してただのあっちの狩場が荒らされただの、二人には役に立ちそうにない事ばかりだ。
「そっか」
かつてそんなどうでもいい話をしてからは何もなければ話さないと知っているので特に聞かれる事も無くこの話は終わりを迎えた。
それからは
ほどなくして寝ることになり、土間に
「なあ黒翠」
『ん?どうした猫猫』
「お前は他の所に行ったりしないのか?」
『…ふむ』
他の所…おそらく裕福な所や他の猫達のたまり場などの事だろうか?
だとすれば。
『いかないな』
「そうか」
『此処が自分にとっての帰る場所、それでもいいと言ってくれた時から自分は此処にいたいと思ったんだ』
「…そうか」
ふと彼女が笑った気がしたが既に半分ほどまどろみの中にいる自分には分からない。
「おやすみ二人とも」
「おやすみおやじ、黒翠」
『おやすみ猫猫、おやじさん』
それは、運命とも言えるあの日から少し前の日の話。
それから数日後、猫猫が帰ってこない日々が続いた。
……そう、おそらくきっと。
物語の始まりである舞台。
この王都の中にあるものの、自分達には縁のない場所だと二人で語ったこともある場所。
………後宮に彼女はいるのだろう。
とりあえずキャラ紹介的なのを。
黒翠(ヘイツェイ)
元人間だが人間の頃の記憶をほとんど覚えていない。
気が付けば猫として羅門と猫猫に保護されている状況で目覚め、訳も分からないまま自分の状況を理解しようとして自分の持つ記憶の情報量の少なさに驚いた。
なぜ自分は猫になっているのか人間だった頃の自分とはどうなのか。
何一つ分からないままではあるが、とりあえず生きて行こうと決めた。
この世界については【薬屋のひとりごと】という作品の世界である事は最初に出会ったのが猫猫であったことからそうなんだろうとだけ理解しているが、これから起こる出来事についてはほとんど知らない。
見た目は全体が黒い毛で瞳が翡翠色をしている。
名前については猫猫が見た目から呼びやすいようにとつけた。
一人称は自分、人間だった頃の性別は覚えていない、猫としては雌。
猫猫(マオマオ)
基本原作のまま(にしたいと思っているができるかは不明)
原作との違いは黒翠に対してはよくしゃべる方?
(原作だと必要最低限の会話以外は自分から口を開く事は殆どないらしい情報元Wikipedia)
それ以外は今の所原作からかけ離れすぎない様にといった所。
一応黒翠のことは元人間だとは知っている。(信じているかどうかは未定)
以上でキャラ紹介は終わり。
楽しんでいただけたでしょうか?
自分は余り書き手には向いていないような気がするところもあるので少し不安ですがもし楽しんでいただけたら嬉しいです。