先日自分は過去の出来事をいくつか思い出すことができた。
…それでも、未だ人の形をした白い影でしか人間を思い出せないのはあまり考えてもしかたないのだろう。
今は
…考えているのは自分が死んだときの事だ。
別に事故にあったとかそういうのではない。
あれは…どう言ったらいいのだろうか?
とにかく、あの日の出来事を思い出してみる事にした。
あれは夏が終わり秋になり始めていた頃。
自分はとある知り合いに会うために出かけていた。
…知り合ったきっかけは同じ学校の同級生で学校の行事で同じ班になっただけなのだが。
知り合いに会いに行く途中の道で昨夜奇妙な殺され方をした殺人現場があり道を変えて知り合いの所に向かうことにしたのだ。
…この時は何かの事件があったのかなと思っていたので後になって知った事ではあるのだが、この事件こそが自分の死因にかかわってくることになるのだ。
とはいえ、今思い出すべきはそこではない為後に回そう。
知り合いと待ち合わせている喫茶店に行くとそこには本日休業日と書かれた看板が置かれていたが、自分は事前にこの日は休みだと聞いていたので知り合いに今着いたことを連絡した。
少しすると今日会う約束をしていた『彼女』が姿を見せた。
…確か相手は女だったと思うがそこは思い出せない為とりあえず『彼女』と言っておこう。
『彼女』と話した事は最近噂になっている殺人事件についてだった。
誰かが起こした事ならそこまで噂になるだろうかと思ったのだが、どうやら犯人について奇妙な噂があるらしい。
『彼女』から聞いた内容は犯人は黒い影の怪物だという事だ。
黒い影の怪物は夜出歩いていると突然後ろに現れその腕で胸を刺し貫いてくるらしい。
その現場を目撃した人がいたらしいが、こんな話を信じる事など到底できないわけだ。
…この時は本当に信じることなどできない内容だったのだ。
とは言え、本来の目的は別にある為話はすぐに本来の目的についての事になった。
何でもこの近くで『彼女』の幼馴染が何かイベントをやるらしく知り合いも誘っていいかと聞いた所許可をもらえたので自分を誘ったらしい。
自分も特に用事などは無かったので誘いに乗ったのだが、未だどんな内容なのかは聞いていない。
…と言っても『彼女』も詳しい内容は知らないらしいのだが。
『彼女』の幼馴染が決めた集合場所に行くとそこには既に六人ほど来ていた。
どうやら『彼女』の幼馴染の知り合いらしく互いに自己紹介を済ませた。
時刻は午後八時三十分。
何故こんな時間にと思ったがどうでもいいかとこの時は思ってしまっていた。
…今になってみればもう少し考えてみるべきだったと思っている。
集合場所についてから五分が過ぎた頃、二人ほど走ってきた人影が見えた。
どうやら自分達が集まった理由であるイベントの主催者である『彼女』の幼馴染である『彼』とその恋人の事だ。
…『彼』は少し遅れた事について謝罪してきたが集合は午後八時四十分なため問題は無いと先に来ていたメンバーが答えたので後で来た自分達も問題無いと答えた。
そして一体どんなイベントなのかについて聞くと、どうやら最近噂になっている出来事を確かめようとの事だった。
…最近の噂と聞いて黒い影の怪物の事かと思ったが、どうやら『彼』はそちらについては知らなかったらしく驚いた様子を見せた。
黒い影の怪物についてでは無いのならどんな内容なのかと聞くと何でも自分の望んだ夢を見せてくれる不思議な生き物がいるとの事だった。
そんな生き物が本当にいるのかどうか『彼』も興味があるらしく事前に調べた内容によると既に何人もの経験者がいるとの事だ。
誰もが自分の望んだ夢を見れたらしくならば自分達もと『彼』は考えたらしい。
結論から言うと不思議な生物については見つける事はできず、こんな遅い時間まで学生である自分達が出歩いているのはまずいだろうと帰る事になった。
時刻は午後九時四十分。
自分は『彼女』と共に夜道を歩いていた。
『彼女』は不思議な生き物についてとても興味を持っていたらしく、見つける事が出来なかった事についてとても悔しく感じていたらしい。
…そして、その時は訪れた。
帰り道にの途中でのどが渇いたと『彼女』は自販機で飲み物を買っていた時の事だ。
少し離れて待っていた自分の方に向いた途端『彼女』は目を見開きこちらを指さして何かを言った。
…確か後ろと言われた気がする。
その事について自分が疑問に思っていると胸の辺りに軽い衝撃が走った。
それと同時にのどの奥からナニカが込み上げてきた。
ソレを吐き出すと何処か鉄臭さが感じられた。
それを見た『彼女』は口元を押さえて後ずさった。
自分は何が起こったのかと胸のあたりを見てみるとそこには…
自分の胸を貫く黒い影の様な腕が見えた
そこで自分の状態に気が付き驚いていると自分の胸を貫いていた腕が引き抜かれ、自分は地面へとうつ伏せに倒れこんだ。
不思議な事に胸を貫かれたのに、驚くほど痛みを感じないのだ。
その状況を見ていた『彼女』は青ざめた顔で地面に座り込んでいた。
『彼女』は声を上げる事も憎いできず只々目の前で起きた出来事に怯えているようだった。
自分はふと視界の中に映りこんだ黒い影を見上げるとそこには赤く光るような右目の部分と三日月の様な笑みをもった怪物がいた。
怪物は次の獲物へと向かおうとしているのだと理解した瞬間、自分でも驚く事に自分は怪物の足を掴んでいた。
怪物は自身の足を掴んだ自分の事をどう思ったのか知らないが一瞬動きを止めた後自分に顔を向けてきた。
そして掴んだ手を振り払うと怪物は自分を仰向けに転がすと強い力で自分の首を絞めてきた。
抵抗する力すら残っていない自分はここで死ぬのだと現状を受け入れる事が出来た。
死の間際で思った事は今の人生はとても退屈だったなといった事だけだった。
…だが、そこで不思議な声を自分は聞いたのだ。
…いや、それは本当に声だったのだろうか?
それは自分にこう聞こえた。
憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い
まるで意味が分からなかった。
多分この怪物の思いなのだろうとは思ったが。
何をそんなに憎んでいるのか全く分からなかった。
…ただこの憎しみは自分にだけ向けられたものではない事だけが分かった。
薄れゆく意識の中、自分の顔の横に不思議な生き物の姿が見えた気がした。
そして、気が付けば自分は今のこの黒猫になっていたのだ。
…あの後何があったのか、今の自分には何も分からないのである。
今回出た黒い影の怪物はある意味終盤に大きくかかわる感じです。
…と言っても細かい内容はその時に考えるタイプですのでどうなるかは作者も分かりません。
物語も終盤に近付いてきましたが完結まで後どれくらいかかるかな…