要は本作レベルが下がります。
かしこ。
~オリ主side~
今日は家庭教師の日で上杉がやって来る。僕はエントランスで、上杉が来るのを柱の陰で隠れ待つ。
……お! 来た来た
「ん!? なんだこれ!? センサー反応しろ! くそぉぉ……あの五人だけでなくお前も俺の邪魔をするのか!」
おもしろ! 上杉のやつドアにぴったりとくっついてるからパントマイムみたーい。あとドアにめちゃくちゃ指紋ついてる。怒られるぞ。
(……!、なんだよ防犯カメラあるじゃねぇか)
「あのー30階の中野さんの家庭教師をしている上杉と申します。そこのドア壊れてますよ」
………
返事がないまるで屍のようだ。ってか? そもそもマイクなんてついてないだろ。っと、三玖が買い物から帰って来たみたいだな。
「独りで何やってるの? あっなるほど、今時オートロックも知らないんだ」
買い物袋を持ったまま三玖は慣れた手つきで操作する。
「ここで私たちの部屋番入れてくれたら繋がるから」
「まぁ知ってたけどな……三玖」
嘘つけ! 声震えてるし、耳まで顔真っ赤じゃねぇか!
(スタートから躓いちまった……前途多難だぜ)
「何してるの? 家庭教師するんでしょ?」
なんだ、ちゃんと上杉のことを認めてるじゃん。
~中野の部屋~
僕は途中で合流しました。
「おはようございまーす、準備万端です!」
あっ、五月団子食ってる。
「私もまぁ見てよっかな」
一花が来るのは嬉しいね。
「私は白羽君に教えてもらうので勘違いしないでください」
「約束通り日本史教えてね」
おけまる。
(なんだ今日は従順じゃないか。こいつらだって人の子、優しく接すれば理解し合えるんだ)
四葉はやる気満々、一花は傍観、五月は僕と勉強。でもまぁ、前と比べれば部屋に籠ってないだけましだろう。
「よーしやるかー!!」
「おー!」
あれ? なんで誰もノッてくれないんだよ~つまんねぇの。と、二乃が階段を降りてきた。
「あ、なーに? また懲りずに来たの? 先週みたいに途中で寝ちゃわなきゃいいけど」
「ど、どうだ二乃も一緒に」
「それは死んでもお断り」
にべもなく断られてしまったな。
(しょうがない、四人でやろうか)
「まぁ待て二乃。ここは上杉の笑い話で手を打とうではないか」
ここで僕がまったをかける。
ただ僕が上杉をからかいたいだけだけど。これでくるならラッキーと思お。
「いいわよ、面白くなかったら勉強しないからね」
よし!
「では早速、今日の玄関でのことなんだけど……」
柱の陰に一瞬隠れ、上杉に変装。
『ん!? なんだこれ!? センサー反応しろ! くそぉぉ……あの五人だけでなくドアも俺の邪魔をするのか!』
ちゃんとパントマイムでドアがまるであるかのように見せる。そして防犯カメラを見つけ、話しかける動作を行う。
『あのー30階の中野さんの家庭教師をしている上杉と申します。そこのドア壊れてますよ』
2~3秒ほど動きを止めた後、今度は三玖の後ろに隠れ一瞬で三玖に変装する。
『独りで何やってるの? あっなるほど、今時オートロックも知らないんだ。この機械で私たちの部屋番入れてくれたら繋がるから』
そしてまた柱の陰に入り一瞬で上杉に再び変装。
『まぁ知ってたけどな……三玖』
「どう? 面白かった?」
そう言いながらまた柱の陰に入り、また出る。出た頃には今日着ていた服に着替えて、返事を待つ。
「あんたの面白いと思うツボおかしくない? 別にそこまで面白くはなかったわよ。だけど上杉の滑稽なシーンを見れたから良しとするわ。あなたって変装すごいわね。ちょっと五月に変装してみてよ」
「了解」
そう言い今度は五月の後ろに隠れ一瞬で五月に変装。
『これでいいですか?』
「ホントに良く似てるわね」
そんなにジロジロ見ないでくれ。
「なんかしゃべってよ」
うーーん………じゃあこれにしよう。
『お腹空きました~! 二乃! 今日のお昼ご飯は何ですか? 私はカレーが食べたいです!』
「「「「「お~!」」」」」
「私はそこまで食い意地は張ってません! 確かにお腹は空きましたが……」
((((((お腹は空いてるんだ………))))))
再び私服に着替えて二乃に話しかける。
「これにて終了~! 良かったね上杉! 二乃が参加してくれるって! 僕に感謝しなさい!」
「あぁありがとう。二乃が参加することに免じて俺を馬鹿にしたことは許してやる」
あっ、バレてた。
「よし、じゃあやるか」
「はーい!」
早速始めようとする………………が。
「…………そうだ四葉。バスケ部の知り合いが大会の臨時メンバーを探してるんだけど、あんた運動出来るんだし今から行ってあげれば?」
「い、今から……!? で、でも………」
「5人しかいない部員の一人が骨折しちゃったらしくて、このままだと大会に出られないらしいのよ。頑張って練習してきたのに、かわいそう」
四葉が居なくなるのは残念だが、ここで行かない四葉は四葉ではない気がするので背中を押そう。
「人助けなら咎めはしないよ」
「……………お二人ともすみません! 困ってる人を放ってはおけません!」
「嘘だろ…………」
許せ! 上杉! 今度飯おごるから!
上杉は呆然としているが、二乃が言い出した時点でこうなるだろうと思っていた。四葉はお人好しだからなぁ……………これで4人に減っ───
「そうだ、一花。あんた、2時からバイトじゃなかった?」
(ふふっあんたたちのの思い通りにはさせないわよ。やるとは言ったけど、妨害はするから)
「あー、忘れてた」
……………3人に減った。
「五月も、こんなうるさいとこより図書館とかに行ったほうがいいんじゃない?」
「………それもそうですが、白羽君に教えてもらうのでここにいます」
いいぞ五月! 僕は信じていたぞ!
(くっ………! こんな筈じゃ………次よ!)
「………そうだ、三玖。あんた、間違えて飲んだアタシのジュース、買ってきなさいよ」
「もう買ってきた」
そう言って二乃に飲み物を手渡す三玖。
「え………って、何これ!?」
それは抹茶ソーダですね。それではそろそろ始めようかね。
「僕、今日の授業の為に日本史を一通り勉強してきたんだよねー」
頑張って徳川家の人達を覚えたぞ!
「そうなんだ。流石はユキト。フータローとは大違いだね」
疑いの目を上杉に向ける三玖。
「お、俺だって勉強したわ! 図書館にある歴史の本を全て読破したのは俺だけだろう!」
「えー? ほんとでござるかぁ? それが嘘だったら切腹でござるよぉ! ですよねぇ三玖殿」
にんにん! と三玖に賛同を求める。
「うん、切腹」
「その会話残酷過ぎる!」
そんな会話をしていると、またも二乃が口を開く。
「へー…………三玖。いつの間に仲良くなってたんだ。特に白羽と」
ん? なんやなんや。急にどないしたん?
「こう言う顔の男が好みだったんだ。ま、上杉よりは良い方だとは思うけど」
「…………ユキトの顔は悪くない。悪いのはフータローの方。二乃は相変わらずのメンクイだね」
「………お前ら、俺に酷い事言ってる自覚ある?」
「ドンマイ上杉! いつかいいことあるって!」(ペ○ーナボイス)
「誰だよ?」
「ゴーストプリンセス」
「あっそ」
最近上杉が冷たい。あたしの柔肌が霜焼けになっちゃう。
「メンクイで何が悪いかしら? イケメンに越した事はないでしょ? なーるほど、外見を気にしないからそんなダサい服で出掛けられるんだ」
「この尖った爪がおしゃれなの?」
「あんたにはわかんないかなー」
「わかりたくもない」
険悪な雰囲気になってきたな。
「お前ら姉妹なんだから仲良くしろよ。外見とか中身とかそんなの今はいいだろ」
ホントそれ。
「そうだね。もう邪魔しないで」
やっと始められそうだ。
「キミら、お昼食べた?」
突然二乃がそんな事を訊いてきた。
「僕は食べたよー」
「そういや俺はまだ食ってない…………グゥ」
タイミング良く上杉の腹から空腹の音が鳴る。
「じゃあ三玖の言う通り中身で勝負しようじゃない。どっちが家庭的か料理で勝負よ! 私が勝ったら今日は勉強なし!」
そこまでやるぅ? と言いつつ楽しみながら待つ。
「すぐ終わらせるから座って待ってて」
「美味しいのよろしく!」
「お前らが座ってろ! んでお前は止めろよ!」
上杉の叫びも虚しく、2人の料理対決はスタートした。
「お昼まだでしたから丁度良かったです!」
ブレないな五月。
「ことごとくうまくいかない……」
「これは上手く乗せられちゃったな。しょうがない諦めてご飯を待とう」
ゴッハン~ゴッハン~♪
「そうさせて貰うぜ」
(昼飯代が浮いたのは正直助かるぜ)
「………………ん?」
ふと、後ろを向くと五月が口の端から涎を少し垂らしながらキッチンの方を見ていた。
あぁ、……我慢できないのか。
「………………!」
僕の呆れの視線に気付いたのか、五月は前を向いて再び勉強を再開した。
「じゃーん! 旬の野菜と生ハムのタッチベイビー!」
随分本気なの出して来やがった。だがうまそー!
「おっ………オムライス………」
確かにオムライスだが………猟奇殺人の現場かな? と思えるようなぐちゃぐちゃしたオムライス。…………おっと休日の昼に失礼しました。
「さっ! どっちが美味しいかジャッジしてよね」
(まっアタシが勝つのは目に見えているけどね)
「やっぱりいい! 自分で食べる!」
(やっぱり二乃のと比べたら見劣りするよ)
「せっかく作ったんだから食べて貰いなよ」
「食べないのなら私が……じゅるり」
駄目だ。僕が食う。 そして話が進まないので実食といこう。僕はそれぞれの料理を一口づつ口に入れる。
「ふむ……どちらも美味しいよ?」
「「え?」」
「だからどちらも美味しいよ」
「はぁ!? そんな訳………!」
「いや本当だって。三玖の作ったオムライスは形こそ崩れていて見た目も悪いが卵の柔らかさは程良く、ライスの味の濃さは丁度良かった。ニ乃の料理はレストランや料亭とかで出る料理と比較しても大差は無いだろう。それ位美味しかったし、見た目も良かった。とまぁ外見等も含めるとやっぱり二乃の方が優れてるのでこの勝負は二乃の勝ちかな?」
まぁ僕も疑ったけど一瞬舌がおかしくなったのかなって思ったからね。ここまで見た目と味が合わない料理はそうそうないんじゃないか?
「何それつまんない!」
機嫌を損ねてしまったのか二乃は自分の部屋に戻ってしまった。
あれ? 勉強するはずでは?
ちらっと五月の方を見てみるとスプーンを咥えた五月と目が合う。
「美味しそうだったのでつい………」
だそうだ。二乃、ここにも僕と同じ意見の人がいたよ。
「それにしても彼女から信頼を得るにはまだかかりそうだな」
「でもそれがユキトとフータローの仕事でしょ?」
それはそうなんだが………簡単に言ってくれるな全く。あれないの? あれ、取扱説明書。二乃の取説。あれば簡単にいけると思うけど。………まぁあるわけないか。
そして後片付けをしてるとすっかり時間が経っていた。
「うーむ、結果的に二乃の目論み通りになっちまったな。今回は出直しとするか」
「ごめん…………」
「三玖は悪くないぞ。罪悪感を感じてるのなら今度はもっと美味し料理をご馳走してくれ! もちろん、三玖の手料理でな!」
「……! うん!」
僕的にはご飯を食べられたから満足。来た甲斐があった。またご飯を食べられる約束したしね。では上杉を送りに行きますか!
エントランスを出ていざ帰ろうとした時、上杉が忘れ物に気付いた。
「しまった、財布を忘れていた……」
「おいおい」
どうせ中身は大したことないんだろ? 風通しが抜群なんだろ?
「じゃあ僕が取って来るよ。学校で渡すね!」
「あぁ悪い。頼んだ」
任せんしゃ~いと言い、中野姉妹の部屋番を押す。
「上杉が財布を忘れ物していったみたいだから、取りに行っても大丈夫?」
誰が出る? さっき家に居たのは、二乃と三玖と五月だけだ。だが、正直言って二乃には通話を出ないで欲しい。ちょっと気まずいので。
「忘れ物……?」
よし、三玖の声だ……。
僕は心の中で”勝訴“と書かれた半紙を掲げ、万歳三唱を行う。
「シャワー浴びてるから勝手に取ってていいよ」
「……それ入っちゃ駄目じゃね」
いいのかよ三玖。
「良いよ、入って。ユキトのこと信用してるから」
信用してくれてるのは有難いけど……。うーん、しょうがねぇ。入るしかねぇか。僕は頬を掻きながらドアを通過する。
30階につき中野の部屋のドアに手をかけるとなんの抵抗もなくガチャっとドアが開く。
「お邪魔しまぁ~す。泥棒でぇ~す」(ルパン○世ボイス)
ちゃんと鍵は掛けたほうがいいと思うぞ。
三玖は流石にまだシャワー浴びてるよな。流石にもうあがってるなんてことはないだろう。空気読んで僕が帰るまで出てくるのを待ってくれることを期待するしかないか。が、此処で僕にとんでもない試練が出された。
「誰?」
突如として人の声が聞こえてきた。僕は滑り込むようにソファーの後ろに隠れる。
僕が居た時点でさっき家にいたのは二乃と三玖と五月だけだ。そして、さっきシャワー入っていたと言う情報を得ているのは三玖。まさか、今いるのは二乃か五月だと言うのか……。くそっ、せめて1時間くらい後に風呂に入っていてほしかった……!
「誰? 三玖?」
僕の気配に気づいたのか、近づいてくる。マズい、この声の主は……!?
「お風呂入るんじゃなかったの? 空いてるけど」
そいつは僕の隠れているソファーに座った。
くっ、何かの間違いで合ってくれ……。この面倒くさいタイミングでアイツかよ……。まだ三玖とか五月なら何とかなったのに……。
「なんでよりによってこいつなんだ……!!」
そう、僕の後ろのソファーに優雅に座っているのは二乃。She is 二乃である。全く、どうしてくれようか。
………やべ、振り向くな! 思わずソファーの裏から飛び出してしまった。
あ、終わった。
ああ。我が人生はここまでk「三玖。さっきからなんで何も話さないのよ」
………あれ? もしや二乃目が悪いのか? だが助かった。九死に一生を得るとはこのことだ。
「いつもの棚にコンタクト入ってるから取ってくれない?」
えっ、二乃コンタクトしてるんだ……。今知ったわ……どおりで見間違える訳だ。って違う。そんなこと気にしてる場合じゃない……!
「まだ昼のこと根に持ってんの?」
別に僕は根に持ってないよ。三玖は知らないけど……。
「あれは悪かったと思ってるわよ……」
珍しく二乃は反省を示しているようだ。いや、今はそんなことより二乃が近づいて来てることの方が問題だ。タオル一枚だから近づかれたらたまったもんじゃない。仕方ない、此処は後で三玖か五月に事情を話して持ってきてもらおう。
「……やっぱ怒ってるじゃないの」
背後にニ乃の気配を感じる。まずい、これ以上は近づかれたら流石の僕でもやばい。こうなったら三玖の声でなんとかするしかないのか!?
「全部……全部あいつのせいよ!」
その言葉に僕の思考は固まる。
「そうよ、全部あいつらのせいよ! パパに頼まれたからって好き勝手やって……!」
僕と上杉のことか……。
「そ、それにアイツだって何よ。ウサギのような見た目して好き放題やって!」
ウサギで悪かったな……。
「あいつらに私達の居場所なんて奪われたくないんだから! 私達五つ子の家にあいつらの入る余地なんてないんだから……!」
なるほどようやく分かった。
そうか、それが二乃の本心だったのか。僕は二乃の言葉を聞いて、素直に謝ろうとしたときであった。二乃が手を振り上げ、その手が後ろの棚にぶつかった。そしてその棚から花瓶が落ちて来そうになる。僕はすぐに二乃が倒れない程度に尻もちをつかせ、守るために覆いかぶされば僕の頭にはそのまま花瓶が倒れてきた。
「っ゛ぅ……!!」
花瓶が僕の頭を直撃し、割れた。
なんで棚の上に花瓶を置いてんだよ。置くならテーブルにでも置いとけ! 地震の時困るぞ!
くっ、花瓶の破片でこめかみ辺りを切ってしまったみたいだ。血がポタポタと床に落ちる。後で怒られそう。
「うわっ! なにこれ? 温かい水? いや血? あ、アンタ……!?」
やべっ!
僕の姿にようやく気付いたのか、二乃は驚いてる様子。
当然か、帰ったと思ってたんだからな。早く逃げないと………あぁ駄目だ。花瓶がぶつかった衝撃で眩暈がする。
「け、怪我はない? に、二乃……」
なんとか眩暈を抑えようとしたが……。眩暈は止まらず、僕はその場で腕をつく。
「大丈夫ですか!? なにやら割れた音がしたので見てみればどうして白羽君が血を流して倒れてるんですか!?」
五月がスマホを片手に駆け寄ってきた。
「ぼ、僕は大丈夫だから二乃を落ち着かせといてよろしく」
さっきの九死に一生を得るって思ったのがフラグだったな。
そう思ったのを最後に、意識がぶつんと途切れた。
~五月side~
白羽君が血を流して倒れてしまいました! と、とりあえず頭に包帯を巻いてベッドに横たわらせておきましょう。
つい写真を撮ってしまいましだが、まさか身内に犯罪者が出るとは思いもしませんでした。どうしましょうか。ま、まずは皆を集めて五つ子裁判を開かなくてはなりません。