五等分の花嫁と七色の奇術師(マジシャン)   作:葉陽

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来週からテストにも関わらず執筆している今日この頃。
勉強しなきゃいけないのに体が勝手にパソコンの前に陣取るんだ。これは書けっていう神様からの御告げなのでは? といってもそんなに多くは書けないんですけどね。


第29話 7人の林間学校

 

 今日は林間学校で着る服やら何やらを買いにイオンモ◯ルにやって来た。どこに行くか決めるために案内板の前で陣取れば、姉妹たちの指が一斉に服屋に集まる。てな訳で服屋へレッツゴー! 

 

 道中上杉にどんな私服を持っているかと訊いてみたら、服をあまり持ってない上に選び方がよく分からないそうだ。そんな僕たちの話しが聞こえたのか、二乃が上杉を試着室に放り込んだ。

 

「ほらアンタ達、上杉の服を選んでやりなさい」

 

 顔をぶつけたのか呻き声が漏れてきたが二乃の耳には入ってこなかったようだ。

 

 二乃がなんか凄いやる気満々だ。上杉のために二乃が動くなんてもしやこの二乃は偽物か!?

 

 そんなことを思いながらも10分後、それぞれの片手に服をかけて、試着室の前に集まった。

 

 みんなが選んだ服を見て確信。やはりそう来たか。

 

 

 四葉チョイス

 

「地味な顔をしているので派手な服をチョイスしました」 

 

「多分だけど四葉ふざけているな」

 

 動物のイラストがたくさんプリントされた服を着ている上杉。

 

 そう、みんなふざけることにした。

 

 

 五月チョイス

 

 

「私は男の人の服がよくわからないので男らしい服装を選ばさせてもらいました」 

 

「五月の男らしい像はどんななんだ」

 

 ドクロや黒多めのパンクな格好をした上杉。DJの人が着てそう。ちなみに偏見。

 

 ヘーイ! ノッてるかーい! 

 

 

 

 三玖チョイス

 

「フータローは和服が似合うと思ったから和のテイストを入れてみた」

 

「和そのものですけど!」

 

 千利休が着ていそうな和服を着ている。これも偏見。

 

 

 

 二乃チョイス 

 

「あ、二乃が本気で選んでる」「ガチだね」「二乃ボケないとだめだぞ」

 

「あんたたち真面目にやりなさいよ!」

 

 いたって普通な格好をした上杉。

 

 全くもって面白みがない。

 

 

 

 

 雪斗チョイス

 

「僕がこの前五月を上杉の家まで送ったときの服」 

 

「なにこの真っ白衣装。もはや何に使うかも見当つかないんだけど」 

 

 怪盗キ〇ドが着ているあの衣装を着させた。意外と売ってるもんだね。白のシルクハットやらマントやらモノクルなんて売ってないかと思ったけど。マジックコーナーの所に足を運んだら『これで気分はマジシャン!』と謳い文句と共に売られていた。まぁ、僕のを着させても良かったんだけどね。 

 

「……ぷっ…アハハハハハ! 似合わねーな!」 

 

 我慢できなかったわ。まって腹筋が攣るーー!

 

 

 からかいながらも進んだ上杉のコーディネートの会計は、なんと2万円強になった。

 服屋を出たときには既に18:17になっていた。 

 

「林間学校もいよいよ明日ですね」

 

「まだ買うものあるわよ」 

 

 なるべく早く決めてほしいな。疲れてきたよ。

 

「うーん男の人と一緒に買い物するってなんだかデートみたいですね!」 

 

(デート……) 

 

「これはただの買い物です。学生の間で交際なんて不純です」 

 

「上杉さんみたいなこと言ってる~」 

 

 女性版上杉だ。 

 

「ほらさっさと残りの買い物終わらせるわよ」 

 

「そうですね、あなたたちはここで待っていてください」 

 

「は? なんでだよ」

 

「いいから待ってなさい!」 

 

 待っててって言われたんだから素直に待とうぜ。足疲れたよ。

 しかし上杉がそのまま五月たちについていこうとするが、 

 

「下着! 買うんです!」 

 

 の一言で撃沈した。アホだなー。呆れた視線を送っておく。

 

「デリカシーのない男ってホントサイテー」 

 

「そういうことなら俺は帰る」

 

 時間がかかると思ったのか帰ると言い出した。そんな上杉に四葉が詰め寄り、怒涛のラッシュで言いたいことを伝えた。

 

「あーわかった。わかった」

 

「うん偉い! 最高の思い出を作りましょうね!」

 

「…………」

 

 黙っている上杉の携帯に着信が、

 

「はい上杉です………え? らいはが熱をだした……?」

 

 何やら緊急事態の様子。

 

「ほら上杉、急ぐんだろ。タクシーで帰れ」

 

 そう言い財布から5千円を取り出し上杉に押し付ける。

 

「だが……」

 

「いいから、らいはちゃんが風邪ひいたんだろ? 側にいてやれ。あと釣りは要らん。余ったお金でポカ〇とか薬とか買っとけ」

 

 僕が引かないことがわかったのか分かったと頷き走っていく上杉。

 今日も良いことしたわー。釣りは要らんって一度言ってみたかったんだよねー。

 

 

 

 

 

 

 案内図を見たり、行き交う人たちの表情や歩き方、服装を見たりしてあの人達は家族か或いは恋人同士なのか、はたまた友人か、といったくだらないことを考えながら時間をつぶしていると、どうやら買い物が終わったらしく、お店から出てきた五月たちを発見。 

 

「もう終わり? ほかに買うものとかはある? 今日の晩御飯の食材とか」 

 

「いえもう大丈夫です! 明日に備えて早く寝ましょう!」  

 

 チラッと二乃を見ても不満そうな顔していなかったので、じゃあ帰りますかと伝える。 

 

「白羽さんは何か買わないんですか?」

 

 そう四葉に聞かれたが、買う物は特に無い。

 

「既に必要なものは買ってあるから大丈夫。早く帰ろ!」

 

 イオンモ〇ルを出てマンションへの帰り道を歩いていく。

 

 街頭によって伸びた6つの人影は一つの塊のように重なっていた。

 

 

 

 

 

 

 

~翌日~

 

 

「1組の生徒の皆さんのバスはこちらになりまーす!」

 

 バスに乗ろうとする人のたちの列に並んでいると、いつぞやの新任教師がやって来た。

 

「白羽君! 大変だよ! 上杉君が来ていないから肝試しの実行委員が足りないよ! おかしいでしょ! 人生に一度の林間学校なんだからふつう来るでしょ! 私なんて楽しみでそこまで寝てないんだから! それなのに来ないって何!? 連絡もないし、どうしよう白羽君ー!」

 

 朝っぱらからテンション高いな。遠足前の子供か! 

 

「分かりました。何とかしますので先に行ってて下さい。あとから合流します」 

 

「え! いいの! ありがとう白羽君! いい生徒を持って先生嬉しいよ! じゃっ、あとよろしくね!」 

 

 そこまで言うとピューッという感じに先生の集まりに戻っていった。慌ただしい人だこと。

 

「おーい五月、上杉が来てないみたいなんだけど車で送ることってできるかな?」 

 

「え! そうなんですか? 車でしたら大丈夫ですけど……仕方ありませんね。みんなで迎えに行きましょう」

 

 

 

 

 

 上杉の家に着くとちょうどリュックを持った上杉が出てきた。

 

「お、お前たちどうして…………」

 

 驚いている上杉に声をかける僕たち。

 

「ほらー行こうぜー」

 

「フータロー」

 

「おそよー」

 

「上杉さん!こっちこっちー!」

 

「ったくなにしてんのよ」

 

「ほら早く乗ってください」

 

「あ、ああ」 

 

 みんなが車に乗り込んだのを確認して五月が口を開いた。

 

「では皆さん乗りましたか? それでは…………」

 

『しゅっぱーつ!』

 

 

 




釣りは要らんと言ったことは無いけど、お金を払って商品を持って帰らなかったことがあります。店員さんが持ってきてくれなかったら損するところでした。

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