五等分の花嫁と七色の奇術師(マジシャン)   作:葉陽

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ホロライブネタが入っています。
久しぶりの一万字越え。

 最初は上杉視点、次に武田視点、そして最後に雪斗視点です。




第75話 チーター死すべし慈悲はないby雪斗

 

 今日はマルオさんと白羽、武田と話し合うため、俺は公園に来ている。流石日曜日といったところか、所狭しとまでは行かないが、子供や家族連れなど多くの人が公園で思い思いに過ごしている。

 かつて四葉とブランコで遊んだなと、もはや遠い昔の出来事の様に感じる。懐かしい。といっても、まだ半年ほど前なのだが……。いや半年経っているから懐かしいで合っているのか?

 などと考えながら緑豊かで綺麗に整備された公園を歩いていく。天気は良好。丁度いい暖かさで穏やかな風が吹いている。出不精の俺でもこの天気だと外で遊びたくなる。

 

「ladies and gentlemen! 本日集まってくださった、紳士淑女の皆様……おっと今日の観客は小さなレディとボーイ達でしたね!」

 

 不意に聞き覚えのある声が耳に入ってきたので、声の出どころに視線を移すと、白羽が意気揚々とマジック行おうとしていた。

 

 これからマルオさんに会うというのに、あいつ何やってんだよ……。緊張感がまるでねぇ。と思わず頭を抱えそうになるが、そういえばこういう奴だったと思い直す。

 

 きゃあきゃあと子供特有の甲高い声が公園に響くため、遠くにいた人も何か面白そうなことをしていると感じたのか事らへと寄ってくる。

 

「よーしボウズども、しっかり見とけよ! ほっ……どーよ!」

 

「わー! 魔法みたーい!」

 

「どうやってんのー!」

 

 そこらへんで見るマジックとは明らかにレベルが違う、素晴らしいショーを繰り広げる白羽雪斗は子供たちと大人たちに盛大の拍手と歓声を集めていた。

 

「これほどのマジックを無料で見れたのは嬉しいね」

 

 俺は近くの大人が話した言葉に内心頷く。少なくとも公園で披露するクオリティーではないそれを見れたのは僥倖だった。

 

 ひと通りのマジックが済んだのか白羽が終わりを告げると、名残惜しみつつ、興奮が冷めない様子で子供たちは遊びへと戻っていく。

 

「すごかったよお兄ちゃん!」

 

「兎さんまた見せてね!」

 

「おう! またなー! チビッコども!」

 

 白羽は足元でじゃれつく子供たちをあしらいつつ、白羽は最後にぽつりとこう言った。

 

そして兎言うな―

 

 あいつは兎と言われるのに何か癪に障るのだろうか? こちらに背中を向ける白羽の表情は見えないが、きっといつものように人の好い顔で笑ってるのだろう。そもそも兎と揶揄われるのが本当に嫌なのなら、得意の変装でもすればいい話だ。なのにそれをしないということはあいつもそれを良しとしているのだろうな。

 

 去っていく子供たちをお見届けた白羽は、マジック道具を片付けようとした時、ぱっ、とこちらを向きバチリと目があった。

 

「「あ」」

 

「うい~っす。見てたん? どうよ! これはもうラスベガスでも通用すんじゃねぇの?」

 

 そう言って胸を張る白羽にそうだなと短く返す。

 

「だろ!」

 

「何はともかく、そろそろ武田も来るだろう「呼んだかい?」……うおっ!」

 

 そう言って武田は背中から声を掛けてきた。

 

「二人ともおはよう、いやこんにちはかな? まぁどっちでもいいね。それより君たちに話そうではないか、僕の夢を!」

 

 そして語りだす武田の夢。

 

 僕は宇宙飛行士になりたい。

 

 その言葉をきっかけに、武田の口から流れ出る秘めた思い。

 

 始まりは中学生の時、ISS(宇宙ステーション)から放送される宇宙の生中継を勉強の合間に見た。

 

 最初は気晴らしにでも見ようと思いテレビをつけた。そこで僕の運命は大きく変わった。

 

 ISSの窓から覗く僕らが住む地球に、何万光年も先にある星々。上も下も、右も左も分からない未知の世界。宇宙は何者にも縛られない自由な世界だ。

 

 人間が踏み込むには覚悟が必要となるその世界に僕は憧れた。

 

 何のために生まれて来たのか答えの定まらない人生の中で、宇宙に行くことが僕の生まれてきた意味だと悟った。真っ暗な漆黒な世界は僕にとっては輝いて見えた。

 

 親に不審がられるも誤魔化し、天体望遠鏡を購入して毎夜宇宙を眺めている。眺めている時は嫌なことも忘れられる至福な時間だ。

 

 今まで退屈に思えた授業が、僕の夢を叶える道具だと思えば少しは楽になれた。

 

 

 僕は狭き門を潜り抜け、夢を叶える。

 

 

 

 短くとも、熱意の伝わる武田のその思いはしっかりと雪斗と上杉に伝わった。

 

「……なるほどね。良い夢じゃないか。何か力になれることがあったら遠慮なく言ってくれ。手伝うよ」

 

 宇宙飛行士になりたい。世間では無理だと一蹴されそうな夢を真剣に掲げ口にする武田はかっこよかった。

 

 前回募集されてから10年以上経っているからもしかしたらそろそろ募集が来るかもしれんな。

 

「……俺には宇宙飛行士になるのがどれだけ難しいのかよく分からないが、人類の一握りだけが行けることは理解している……。月並みな言葉になるが頑張れよ。応援している」

 

「ああ! 僕が宇宙飛行士になったら生中継してあげるよ。ちゃんと見てくれよ」

 

 そう言った武田はどこか調子良さげな様子でブランコに乗った。

 

 どうやら話はこれで終わりらしい。いつもより口角が上がっている武田は僕たちに向かって口を開く。

 

「今こそ童心に帰ろうではないか! ほら上杉君も乗りたまえ!」

 

「童心がブランコって……」

 

「二つしかないからどっちか二人乗りでもするか? 僕は立つ方が良いな~」

 

 そして、模試の解答が返却される日に遡る。

 

 帰りのSHR。斜陽が教室に降り注ぐ中、教室は緊張に包まれていた。

 

 武田、上杉から溢れ出る真剣な雰囲気に当てられ、クラスメイトの誰もが口を噤み、異様な雰囲気となっている。

 

 武田は両手を組み、上杉は机に突っ伏し、雪斗はそれどんな気持ちからなる表情? と訊きたくなるような顔(・_・)をしている。

 

 五月がその訳を訊けば、どうやら緊張のキャパシティを超えたらしい。

 それを聞いた姉妹たちは苦笑いを浮かべる。

 

 担任が教室へと入り、腕に抱えている紙の束、模試の結果を教壇に置けば、武田は眉を顰め、上杉は顔を青くし、雪斗は顔色が緑と黄色の縞々模様になった。どうやら緊張が臨界突破して、ネタに走る事にしたらしい。

 

 クラス中が雪斗への顔色にツッコみたい気持ちに陥っていたが、訊く前に先生が話そうとしていたため何度か雪斗に目を送りつつ、先生が訊いてくれるだろうと気持ちを託す。

 

 勝手にクラスの総意を託された当人は、雪斗の顔色に気づいたが何も見なかったことにし、深いため息と共に生徒に労いの言葉を述べ、早速答案用紙の返却を始めた。

 

 出席番号順に受け取りに行き、上杉、雪斗、武田の番になる。 

 

「上杉風太郎」 

 

「……はい」 

 

 一拍間をおいて返事をした上杉は、緊張なのかぎこちない動作で模試の結果を受け取り、中身を確認した彼は小さくガッツポーズを取る。 

 

「おめでとう」 

 

「ありがとうございます。先生」 

 

 上杉風太郎

 全国学力模試 総合点数5科目合計1000点 順位一位

 

 どうなったのか気になっている五つ子たちは上杉に視線を向ける。

 それに気づいた上杉は小さく頷いた。

 無事10位以内になれたんだと察した姉妹たちは、そっと安堵の息を漏らした。

 

 そして何人か挟んで次に呼ばれた雪斗も教卓まで向かう。

 

 いつの間にか縞々模様から菩薩のような顔になっている雪斗は、恭しい手つきで結果を貰う。

 どうやら吹っ切れて悟ったらしい。顔色と表情が渋滞を起こしているのは如何に……。

 

「俺の教師時代でこんなことが起こったのは後にも先にもお前たちだけだろう…」

 

 結果を見た雪斗の顔から菩薩の顔は無くなり、死人も顔負けな程白い顔になった。

 その表情の変化を見た姉妹たちは残念な結果だったと悟り、歯を食いしばる。

 

「白羽……お前はよくやったよ…」

 

 普段はデリカシーの欠片もない発言をする上杉が、珍しく労りの言葉を雪斗に投げる。

 白い顔をして固まったままの雪斗はプルプルと震えだした後、天高く拳を突き上げた。

 

「やったー! けど負けたー!」

 

 白羽雪斗

 全国学力模試 総合点数5科目合計998点 順位二位

 

『紛らわしい表情すんじゃねぇ!』

 

 クラス全員のツッコミが雪斗に投げられる中、呆れる上杉と雪斗はハイタッチした。

 

「へっ、この前の試験ではお前に負けたが今回は勝ったな。どうだ、散々煽ってきた奴に上をいかれる気持ちは」

 

「いえ別に何も思わなけど……僕はこの結果に満足してるし上杉の努力が報われただけだろ? 賞賛はすれど嫉妬や妬みはしないさ」

 

 そう言えば上杉はつまんねえなみたいな顔をした。どうやら自尊心が満たされなかったらしい。

 

 

 

 そして時は戻り公園

 

 ギコギコ

 

「君たちが十位以内に入ったとしても勝つつもりで挑んだ、全国統一模試、三位というのは僕にとって願ってもない順位だ。まさかその上をいかれるとは……。一位、二位おめでとう……。さて、もうすぐ修学旅行だけど」

 

「ちょっと待て」

 

「どうした上杉……。まさかブランコ恐怖症でも発症したのか?」

 

「そうじゃない。何故俺らはこんな時間から公園でブランコを漕いでいるんだ」

 

「僕は漕いではないけどね」

 

 結局二人乗りは諦め、僕はブランコの周囲にある小さい柵(?)に乗って綱渡りみたいなことをして暇を潰している。 

 

「ははっ昨日の敵は今日の友。これが青春なのかもしれないね」

 

「帰る!」

 

 上杉はその一言と共にブランコからジャンプし前に着地する。……が、着地をしても何処か納得のいかない様子で首を傾げた。

 上杉がブランコでジャンプするなんて柄じゃない気がする……それにしてもいつの間にブランコでジャンプする楽しさを見出したんだろ……四葉の御蔭? ワンチャン有りそう。

 

「上杉が乗らないなら僕が乗る~」

 

 人が居なくなってガシャガシャ音を鳴らすブランコを捕まえて漕ぎだす。

 上杉ったら模試が終わって目の上のたんこぶが取れたんだから少しくらい勉強から離れても良いと思うのにね。

 

「おっと僕らを呼び出した張本人が到着したみたいだよ」

 

 その声と共に公園の入り口に目を向ければ、この場には似つかわしくない高級車が停まりマルオさんが顔を出す。相変わらずの無表情……やっぱり表情筋死んでんのかな。

 マルオさんは車から降りると、こちらに近づき、ブランコ近くのベンチに座った。それを見て僕らもベンチに近づく。

 

「まずは武田君。全国3位おめでとう……出来の良い息子を持ててお父さんも鼻が高いだろう。医師を目指していると聞いた。どうだろうか君のような優秀な人材ならば僕の病院に……」

 

 武田は理事長とこの男の板挟みに遭ってたんだ……実は一番にプレッシャーと戦っていたのはこの人だったか……ドンマイ何時か良い事あるって!

 

 普通の人なら一も二もなく頷くだろうが、武田はマルオさんに深々と頭を下げて断った。

 

「申し訳ございません……大変光栄なお話ではありますが……僕の進路についてはもう少し考えたいと思っています」

 

「そうかい……良い返事を期待しているよ」

 

 武田の宇宙飛行士になるという夢がある以上、マルオさんの誘いに乗ることは無いと思うが、いずれ自身の夢について話さなければならない時が来るだろう……その時武田はどう動くのか……。

 

 マルオさんは武田との話が終われば、僕たちの方に視線を移した。

 

「上杉君に白羽君」

 

「「はい」」

 

「君たちに家庭教師の仕事を再度頼みたい。報酬は相場の5倍でアットホームな楽しい現場だ」

 

 マルオさんの口からアットホームなんて言葉が出るのは不思議でしょうがない。アットホームを謳うのなら推す人もそうであってほしい。無表情な顔で言われても説得力がないぞ。

 

「よーく知ってます」

 

「また君たちに依頼するのは正直不本意だ……本来プロですら手に余る。だが君たちにしかできないらしい。やれるかい?」

 

「勿論! 言われなくてもやるつもりだったんだ。給料が貰えるなら願ったり叶ったりですよ」

 

「やっと僕も正規雇用か。長かったな」

 

 アルバイトから社員になった気持ちが若干しなくもない。

 

「では当初の予定通り卒業まで……」

 

「そのことで一つお伝えしたいことがあります。成績だけでいえばあいつらはもう卒業までの力を身につけています」

 

「それは頼もしいね」

 

「それでいいと思ってた、だけど五月や武田の話を聞いて思い直しました、次の道をみつけてこその卒業。俺はあいつらの夢を見つけてやりたい」

 

「上杉君……」

 

 夢を応援し、サポートしようとするのは僕だけではないらしい。

 

 一花はすでに自分のしたい事を見つけ、行動を起こしている。五月もまた教師になるという夢を掲げ行動を開始した。残りの二乃も、三玖も四葉もこの先夢を持つだろう。

 

 だから上杉も五つ子たちがやりたい事をするまで見守って見るのも悪く無いと思い至ったんだろう。……僕の方が先に思い至ったけどなぁ! でも四葉にしか話してないけどなぁ!

 

 他人との交流を嫌っていた上杉がここまで考えるようになり、行動を起こすと宣言するようになるなんてこれが成長か! と一人心の中で涙ぐんでいると、マルオさんは圧を掛けながら上杉に詰め寄っていた。 

 

「どのような方針を取ろうが自由だ…間違っているとも思わないしね。だが忘れないでほしい。君たちはあくまで家庭教師だ。娘たちには紳士的に接してくれると信じているよ」

 

「も……勿論です。一線を引いています! 俺は! 俺はね!」

 

「それについては問題ないですね。紳士的に接してるとお天道様に顔向けできます」

 

 まぁ僕がそう思ってるだけかもしれないけど……。

 

「そうか……とにかく君たちへの話はこれで終わりだ。武田君送って行こうかい?」

 

「いえ僕はこの後寄る所があるので大丈夫です」

 

 僕らに軽く手を振った武田は軽やかに去っていく。

 バイバーイ。手を振り返し、僕たちもこの場から立ち去ろうとすればマルオさんから声が掛かった。五つ子の所まで送ってくれるそうだ。でも有難迷惑である。密閉空間である車の中で、重々しい空気を味わいたくない。でも断るのも失礼だし、「お邪魔します」と車に乗り込んだ。

 

 予想通りの特に会話もない冷えた空気の中、目的地の姉妹たちのアパート前に着いた。

 

 上杉と共に頭を下げれば、特に何も言われないまま車は発進し見えなくなった。

 

「「はぁ~」」

 

 溜息をついた後、深呼吸すれば新鮮な空気が胸一杯に膨らむ……ああ~空気が美味し!

 

「白羽君に上杉君! 何故お父さんの車から……」

 

 声が聞こえたほうに顔を向ければ、買い物の帰りだったのか、五月が手提げ袋を持っていた。

 

「まー……なんだ。あれだ。僕らは家庭教師として正式に認められた」

 

 そう言えば余程嬉しいのか五月はにっこりと笑顔を浮かべ、喜色を表している。

 

「おめでとうございます! ……ってあれ? どうして私を避けるんですか上杉君!」

 

 上杉はマルオさんに釘を刺されたからか、五月から一定の距離を保ちつつ前を歩いている。そこまで心配する必要はないと思うけどね。五月と男女の仲になるのなら話は別だろうけど、その可能性があるのは二乃と四葉だしね。

 

 まぁ僕が思うことはただ一つ。はよくっつけ。そして振り回されるところを見せてくれ。恋に落ちた人がどんな行動をとるのかは予測できないからな。

 

 五月に釘を刺されていることを説明しつつ、上杉の後ろをついていきながら階段を上って行けば、上杉が部屋の前まで来ると躊躇いなく扉を開けた。……少しは躊躇えよ。いくら勝手知ったる姉妹の家とは言え、図々しいにも程があるぞ。

 

「なんだこれ……」

「どうしたん?」

 

 そう呟く上杉の後ろから顔を出せば、物で溢れた廊下とリビングが目についた。とうとう一花の汚部屋が進化して汚家にでもなったのかと通りかかった一花を見れば、他にも荷物を運ぶ姉妹がいた。……まさか姉妹全員が汚部屋の才能を開花してしまったのか!? 絶対に咲かせてはならない禁断の種を成長させたのかと思い至る前に、聞こえてきた四葉の大掃除の声に冷静な心を取り戻す。思い違いで良かった。

 ほっとしながらリビングに行けば、二乃が上杉に先日の誕生日プレゼントの感想を求めている。

 

「あー……アロマな! 良いよな~アロマ。ふんふんアロマね、人を選ぶが俺はうまいと思うぜアロマ!!」

 

「絶対分かってないでしょ……もう! ちゃんと教えるから使いなさいよね」

 

「おう……頼むわ。それと一花もありがとな。らいはが喜ぶ」

 

「それで買い物でもしてねー」

 

 アロマの使い方を知らなかった様子の上杉だが、中に取扱説明書でもなかったのだろうか……。

 

「そう言えば三玖は?」

 

 廊下に集まる姉妹たちに欠けている三女の居場所を問えば、バイトに行っていると言う。

 

「そっかー」

 

 大掃除がめんどくさくてバイトに行ったという可能性も無くはないな……。

 

「うーん三玖もいないし……。勉強は無理そうだな……今日は帰るわ」

 

 この部屋を勉強できるだけの状態に戻すのはまだしばらくかかりそうだし、上杉の言う通りにここは帰宅の一手を打とう。

 

 二人してそそくさと家を出ようとするも、もう少しゆっくりしていくよう言われるが、マルオさんから一線引くように言われている旨を伝え外に出る。

 

 そのまま五つ子姉妹たちの部屋の前で黄昏ていると、上杉が口をもごもごさせながら僕に訊いてくる。

 

「あいつらの誕生日に何かをしてあげたいんだが……何か良い案ないか? お金がないからお手軽な奴で」

 

「そうだな……なら修学旅行での姉妹たちの写真を撮ってアルバムにでもしたらどうだ? 姉妹揃って写真に写ることは少ないんじゃないかな?」

 

 二乃は自撮り棒とか持っていそうだけど、やっぱり全体を映したい時とかあると思うし……。

 

「なるほど……値段は写真の量にはよるが、それ位だったら俺にもできそうだな」

 

 どうやらこの提案は上杉の納得のいくものだったらしく、満足気に上杉は頷いている。

 

「その写真を僕に頂戴。それを加工したいからさ。んでもって2人で渡そう」

 

 既にアイデアはあるから、今のうちに準備しておこう。

 

 五つ子たちへのプレゼントを考えていると玄関に人の気配を感じた。上杉に誰か来ることを伝えれば、

 

「二人から隠し事の匂いがします」

 

 そう言って五月が扉の隙間から顔を覗かせた。

 

「「いや別に無い」」

 

「二人揃って同じことを言うとは……尚更怪しいですね」

 

 隠し事は何なのかと雪斗と上杉に問い詰めるが、のらりくらりとかわされ一向に内容を話そうとしない二人に五月は一つ提案を口にする。

 

「ではこうしましょう……。あなたたちの隠し事を話してくれたら私も一つお話ししましょう」

 

「お前の隠し事って……別に興味なんてないが」

 

 僕はちょっと気になるけどね。

 

「こうでもしないと言えません……もう黙っていられないのです……」

 

「? ……まぁ何でもいいさ。これもいい機会だし俺の隠し事を言ってやろう。でも引くなよ」

 

「えぇ!」

 

「もちロン!」

 

 姉妹への誕生日プレゼントの事じゃないだろうし一体何かな?

 

「俺さ、モテ期来たかも」

 

「うわぁ……」

 

「あ~、それ知ってる」

 

「おい五月引くなと言ったろ」

 

 上杉の隠し事は僕にとっては既知のものだったが、この際どういう風に思っているのか耳を傾けることにしよう。

 

「白羽は知っていたのか……だがまだ驚くのは早いぞ五月。相手はなんとあの二乃だ……それともしかしたら四葉も」

 

「四葉もなんですか?」

 

 まじか……まさか四葉が僕の居ないところでアタックし始めていたとは知らなんだ。基本僕は四葉と上杉が一緒になるように動いているから二人の会話とか知らないんだよね。

 

「ああ、俺の思い違いかもしれないけどな……」

 

「なら自意識過剰なだけでは?」

 

 五月の言葉が辛辣だ。……しかし上杉が四葉の好意に気づくとは意外だ……。鈍感な野郎だと思っていたんだけどな。 

 

「おい、俺はめちゃくちゃ恥ずかしいこと言ったんだぞ。お前らもそれ相応の物をよこせ」

 

「分かりました。……実は私にはもう一つの顔があるのです」

 

「は?」

 

 M・A・Yの事かな。

 

「誰にも明かせない……そう思ってずっと秘密にしてましたがもう我慢できません」

 

「ま、まさか……」

 

「私が!」

 

「お前が…」

 

「そうこの私が!」

 

「……」

 

「この私こそが!」

 

「………」

 

「私が!!」

 

「……はよ言えや」

 

 たかが自身のもう一つの顔について言うだけでそんなに引っ張らないでくれよ。スッと言え。スっと…。

 

「私がれ「私五月探してくる―!」」

 

「「あっ」」

 

 間の悪いことに、玄関から四葉が五月を捜しに現れたことで、五月は咄嗟に口を閉ざしてしまった。

 

「あ、五月こんなところにいたんだー、早く戻って来て! あと上杉さんたちも是非手伝ってください!」

 

「四葉、こいつが今……」

 

 もう話を聞ける雰囲気じゃなくなってしまったな……。それにしても『れ』ね……。M・A・Yの事かと思っていたけど、どうやら違うみたいだ。にしても『れ』から始まる名称なんてあっただろうか? 強いて言えば五つ子たちのお母さんの名前が零奈位だが……。あとはレム?

 

 内心首を傾げつつ、上杉の腕を引いて再び家の中に入る。上杉が抵抗せずについてくるということは手伝うということかな? 四葉が望んできたのなら手伝うってか? アラヤダ。若いってすごいわね。

 

 二乃には決して見せない積極性を上杉が発揮している。これは四葉に脈アリか…?

 

 一花たちに手伝うことを伝え、ハタキと雑巾とバケツを持って部屋を駆けずり回る。荷物の整理とかは流石に手伝えないからね。

 

 

 

 埃を叩いてぶっ潰せ~♪

 

 塵も芥も残さないー♪

 

 消し飛べ消し飛べふんふふーん♪

 

 滅べ~世界~今こそすべてをお掃除お掃除ランララーン♪

 

「すごい不穏な鼻歌だな……」

 

「ちなみにこの鼻歌はその界隈で名を馳せたメイドが歌っていたものだ。……あ! ゴキブリ見っけ! ……もしかして一花のペット?」

 

 鼻歌の起源を話すと、視界の隅に黒光りする虫を見つけた。

 

「な訳ないでしょ。駆除してほしいな~」

 

 ゴキブリを指さして一花に訊けば、呆れた顔をしながら否定された。

 

「えぇ~、水1滴で3日持つんだぞコイツ。それに散歩する必要ないし、これほど手のかからないペットはいねえぞ。ホントにいいの? しかもコイツ雌だよ。知らんけど」

 

 段ボールの上にいた雌雄不明のゴキブリが逃げようとしていたため、トランプを4枚投げて逃げ道を塞ぎ話かける。

 

「ねぇゴキちゃん、捨てられたく(殺されたく)ないよね?」

 

 みょんみょんみょんと触覚を動かすゴキちゃん。命乞い? はたまた電波でも受け取ってんの? それとも仲間を呼んでるの? ブリちゃん呼んでるの? 

 

「早く駆除しなさいよ!」

 

 遊んでいたら二乃が急かしてくるのでキンチョール片手にゴキちゃんに詰め寄る。

 

「………うっ、ごめんなぁゴキちゃん。殺したくないのに、殺さなきゃいけないなんて………こんな世の中おかしいよなぁ。せめて苦しみを感じないように一息で殺すから………ごめんなぁ。本当にごめんなぁ」

 

 二乃と一花の重いと言う声を背中で聞きつつ、キンチョールを発射。ゴキちゃんは空を飛んで逃げることなく、その身に毒を受け、散っていった。

 

「………最後までコイツを好きになることはなかったけれど、たまにスリルを味合わせてくるところは好きだったよ………もうこの言葉は届かなくなっちまったが………生まれ変わったらこんなとこ来ちゃだめだぞ」

 

 そう締めくくり人間の科学力に敗北した亡きペットゴキちゃんをティッシュで包みゴミ箱へ。ゴミはゴミ箱へこれ鉄則。

 流石にがぶりんにあげるのは気が引ける。それに毒喰らってるからがぶりんにも影響が出るかもしれないし。

 

「ただいま……あれ? ユキト? なんで?」

 

「三玖お帰りー」

 

 バイトを終えて帰って来た三玖が、部屋で掃除をしていた僕を見つけて目を丸くした。

 

「掃除の手伝いだよ……ところで四葉。口の端にパン屑がついているぞ。五月にバレる前に拭い取っとけ」

 

 三玖が作ったパンを四葉に食べさせていたのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この箱五月ちゃんの?」

 

「そうです。もう着ないだろう服を入れてあります……おっと」

 

「五月ちゃん……。これ……この写真の子……。まさか…………」

 

 五月は服が入った段ボールを持って倉庫に向かうが、移動する最中に五月の持っていた段ボールから一枚の紙が落ちる。

 

 五月はそれに気づく事無く倉庫まで向かってしまい、残された一花が代わりにそれを拾い上げた。

 拾った紙を見ればそれは写真で色褪せていたが、目つきの悪い金髪少年と幼い頃の四葉が映っていた。

 

「これ……京都の……そっか、もうあれから6年たったんだねフータロー君」

 

 懐かしそうに写真を手に持つ一花は京都の思い出を振り返る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんなこと、いつまでも黙っているわけにはいきませんし……あぁどうすればいいのでしょうか……」

 

 物置に運んだ段ボールを覗き込めば、その中には一着の服とカツラに加え白い帽子。

 それは上杉風太郎がかつて出会い、再会した零奈と同じもの。

 

 五月が抱えるこの秘密はこの先どう転がっていくのか…。

 

 

 

 

 雪斗と上杉が掃除を手伝い始めて4時間。二乃の手料理に舌鼓を打った後四葉がリモコン片手に口を開く。

 

「掃除も終わったし息抜きにゲームしよー!」

 

 四葉の提案に難癖付けると思っていた上杉がたまになら問題ないだろうと許可を頂いたので、早速ゲームを始める。

 

「みんなで出来るものと言ったらスマブ〇ですよね!」

 

「異議なし」 

 

「懐かしいな~」

 

「……戦国ゲームをお勧めする」

 

「アタシのクラウ〇にひれ伏しなさい」

 

「オンライン対戦にして全国の人とも戦いましょう」

 

 姉妹たちが火花を飛ばし始める中、僕のリモコンのポインターがうまく表示されない。

 ミーアキャットのように背筋を伸ばし、リモコンを天高く掲げてテレビに向ける。

 

 いけっ!

 

 ……だめか。

 椅子の上に立ってもう一度トライ。

 

 ……これもだめか……。なら持ち方変えるか。

 

 エクスペ〇ア―ムス!

 

 だめか……。

 

 イン〇リオ! ク〇ーシオ! ……っく、これだけはやりたくなかったが……アバダケダブ〇!!

 

 ………魔法界から追放されるな……。にしてもだめだな……最後に駄目押しで、

 

 蜘蛛の巣ゴーゴー!!

 

 はい出ない。

 あ、電池切れてた……。恥ずかし! 恥ずか死!

 

 一人羞恥に悶えつつ、電池を入れ替えて早速、キャラクター選択画面でポインターを動かす。

 

「ハァイハハァイハハハァハァイ……」

 

「…………」

 

「ハハハハハハァイハァ――」

 

「ちょっとぉ!! キャラ選択画面でBA連打して、キャラボイス連発させるのやめなさいよ!!」

 

 カー〇ィのキャラボイスを鳴らして遊んでいると、二乃からの苦情が入った。

 

「だが断る。なぜなら、キャラ選択から勝負は始まってるから」

 

 二乃に精神攻撃を仕掛けつつ、ク〇パを選ぶ。

 

「名前どうするか……」

 

 腕を組んで名前をどうするか悩んでいれば上杉がそのままキャラの名前で良いだろうと言ってきた。

 

「ふっ、分かってないな上杉よ。頭が良いと言っても所詮は勉強だけか……片腹痛し、笑止千万!」

 

「笑いたいのか笑いたくないのかどっちですか……?」

 

「それでどういう事だ?」

 

「例えば名前を”自分高校生の彼女持ちっス”とすれば自分への攻撃は過激となるだろう。逆に、”私の借金1千万円で保証人は貴方です”にすれば被害は少ないだろう。それだけ名前というものは真剣に考えなければいけない。戦いは既に始まっているのだよ!」

 

 どれ位違うかというと、努力値をしっかり割り振ったポ〇モンとふしぎなアメだけで育てたポケ〇ンぐらい差が付くだろう。いや、付いてほしい……(願望含めた偏見)

 

「へー」

 

 折角人が名前の重要性を説いてやったというのに冷たい奴め。まぁいい。それよりも僕の名前だ。

 

「……よし! この名前にしよう」

 

 思いついた名前は”5歳の子供持ちのシングルファーザーです”にした。これで僕を攻撃してくる奴はモラルが欠けていると言うことだ。因みにレースゲームだったら”赤ちゃん乗ってます”をお勧めする。

 

「白羽さんがゲスイ顔を浮かべてます…」

 

 名前が決まったところでバトル開始。

 ……が問題が発生。敵の一人のぶっ飛び率がなぜか変わらない。

 

「この人チーターですぅ! ずるいですよ!」

 

 意外と戦闘意欲が溢れている五月が野次を挙げた。五月に続いて僕が野次を飛ばすために喉を鳴らす。

 

「ホント、これほどつまらない試合はないですね~! このゴミカス。見てくださいぶっ飛び率が変わりません! 勝ち誇っているようですが負けている! すべてにおいて負けている! 人生に負け、家族に嫌われ、友だちにも相手にされず行きついた先がこのゲームのチーター! 悲しいです。悲しいです。何がそんなに楽しいのでしょうか。いや一切楽しくはないでしょう。顔も知らない奴らに勝ち誇って画面の前で微笑んでいるのが、この画面を透けて見えます。おそらく10代~20代、20代~30代。もしくは30代~50代の男性と言ったところでしょうか。ん~もしくは女性の可能性もありますね~。どれだけ悲しい思いをしたら人生の中でチートをするという選択肢をしてしまうのか! 残念! 残念すぎる! こいつは悲しい! 何のために生きているのか分からないがチートをしている! そしてその下で頑張っている上杉!」

 

 上杉はゲーム自体が初めてなようでキャラコンに苦戦している。

 

「ホントつまんねぇ真似しやがってこのチーター如きが! 消滅しろお前の人生家族ごと! ちきしょうがぁ! そんなのして何が楽しいんだ! ………あぁなるほどな! 生きてて楽しくないからこんなところでチートするぐらいしかお前の人生豊かにする方法が無いんだな! 憐れ、憐れ、憐れよのぉお前の人生! 憐れすぎて涙がちょちょ切れちゃうぜぇ! 見とけよ見とけよチーターに慈悲は無ぇからな!」

 

 ク〇パで掛かればふっとび率は関係ない。抱き込んで自分諸共撃墜させてやる。

 

「家族は許してやれよ。罪はないだろ」 

 

「ユキト君はゲームをすると人格が変わるタイプ……?」

 

 一花に冗談だよと言ってヤバい奴認定回避をしたいが、まだ足りない。

 

「クソなんなんだこのチーター! つまらねぇことしやがって! 不愉快極まりない」

 

 二回叩き落としてやれば、明らかにこちらを敵視して執拗に攻撃してくる。

 

「もっと優しい言葉に言い換えろよ」

 

「……お前の母ちゃんでべそ! 先生に言いつけてやる! う(ピー)こうん(ピー)!×n」

 

 IQが著しく低下した雪斗の口から語彙力の乏しい小学生の口並みに実に小汚い罵声がほとばしった。

 

「お前小学生か」

 

「……てめぇの風呂場に塩素ぶちまけたろか!!? それとも液体窒素の方がいいか!!? チート使うほど人生疲れてるもんな!!? 一瞬で気持ちよく寝れるぜもう目覚めないけどなぁ!!? 永遠の夢に囚われてろ!!」

 

「洗剤混んな。窒息死狙うな」

 

 上杉からのツッコミを頂き、ふぅ、と息を整える。

 

「よし!」

 

「何がよしなんだ?」

 

「言いたいこと言い切ったから。それよりも僕も楽しも」

 

 この戦闘は中断し、カービ〇を選んで新たに始める。

 始まって早速二乃のキャラクターにちょっかいをかけ始めた。

 

「だからぁ!! B上連打、やめてくれないかしら!? そういうのやられるとブチ切れちゃうわ!?」

 

「だが断る。なぜなら、精神攻撃で勝負を左右することを知ってるから」

 

 二乃を煽り、またある時は追剥として二乃を揶揄う。

 

「折角集めたジェネシスパ〇ツ奪わないでよ!」

 

「フハハハ! ここまで集めてくれてありがとう。僕が有効活用させてもらおう」

 

 奪ったパーツでジェネシスを完成させ、二乃を撃墜。イェーイ!

 ……そうそう、追い剥ぎプレイをするときは、テレビから離れて、人の心からも離れて楽しみましょうね。お兄さんとの約束だぞ!

 

 二乃にえげつない精神攻撃と追剥プレイをして撃墜したので、三玖の所に向かい、キャラクターの右側から攻撃を仕掛ける。

 

「……右から攻撃してくるのヒドイ」

 

「弱点を効率よくついているだけなので、勘違いしないでよね」

 

「なんで右側からの攻撃が卑怯なんだ?」

 

 とっくに撃沈され、手持無沙汰になっていた上杉が訊いてきた。

 

「あぁそれはね、三玖は髪の毛で右側が見えづらくなってるからだよ」

 

 雪斗の言う通り、上杉が三玖の顔も視線を向ければ、三玖の髪は自身の右目に掛かっており、実際そちら側から攻撃されたら困るだろうと思う。

 

「……それってゲームに関係なくね?」

 

「うん関係ない」

 

「……」

 

 結局三玖には勝ったが四葉に負けた。四葉は意外とゲーマだったな。

 

 さて、我々は生きている以上、欲とは断ち切ることが出来ない。

 

 満たされても満たされても、その都度それ以上を望んでしまい、常に飢えることになる。まるで動かないと死んでしまうマグロのように。もしくは東京トガリネズミでも可。

 

 これは生き物の咎であり、宿命なのだ。

 

 生きるという行為は、砂漠と砂漠に降る雨に似ている。

 

 渇き続ける砂漠に、天は気まぐれに雨を降らして渇きを癒す。

 

 けれど雨は滅多に降らない上に長く続くことはない。

 

 気が狂う程の渇きを耐え忍び、ほんのひと時の雨を望む。

 

 そのひと時の為に足掻き続けて藻掻き続ける。

 

 それが生きるということなのではないだろうか。

 

 足掻いて藻搔き続けてその果てに、ひと時の雨を享受する。この瞬間を幸せと呼ぶのではないだろうか。

 

 少し難解なたとえ話であったかもしれない、つまりは何がいいたいかというと。

 

 スマ〇ラに飽きたので違うゲームがしたい。

 

 そんなわけで、スマブラから迷路系ゲームに変更。

 

「なんか画面ラグくね?」

 

「いや、ラグいのは僕の方」 

 

 視界に制限があるので自分が今どこにいるのかさっぱり分からないため、キャラをカクカク動かしていたら上杉に馬鹿にされた。

 

「実際の道とかだったら迷子になることは滅多に無いんだが、こうも視点が固定されていると自分が今どこにいるかよく分からんな」

 

 ……もしかしたら僕は道を間違えているのではないか?

 

 他のみんなは既にゴールしているため、雪斗は愚痴をこぼしつつ、そう不安に思ったのでコントローラーを動かす指を止めた。

 

 そして腕を組み、考えた。

 

 行くべきか、行かざるべきか。

 

 つまり引き返した方がいいのかどうかを、考えた。

 

 ここで方向音痴に関する豆知識をお届けすると、彼ら彼女らはおおむね二つのタイプに分かれると言われている。

 

 一つめのタイプ。とにかく疑うことを知らないソイツは、頭お花畑なので間違った道を進んでいようがなんだろうが、「こっちいこ~!」と関係なくとっとこ進んで、ありえないほど明後日の方向へ爆速で進んで行く。そして最後にこう溢すのだ。「あれ? ここどこだ?」と。

 

 二つめのタイプ。とにかくメンタルがバチクソに弱いので、ひょっとすると自分は今迷ってしまっているのではないか……という不安に負けてしまい、本来あっているはずの道ですらあっちへフラフラこっちへフラフラと、さながら光に誘われる蛾のような行動を繰り返し、訳の分からない道へと迷い込んで行く。そして最後にこう溢すのだ。「あれ? ここなんか見覚えがある………」と。

 

「…………いや、読み切った!」

 

 そのことを、雪斗はよく知っていた。

 

 そしてこうも思っていた――おそらく自分は二番目のタイプ。なぜならば自分には考え込む癖があり、そのせいで電車に乗り遅れたという過去を持っているからだ。

 

 そう、自分は二番目のタイプ。

 

 だとするなら、ここで心の弱さに負けてしまえば、さらに迷う!

 

 つまりこのよく分からない入り組んだ道は――臆せず進み切るのが、ゴールへの道!

 

「ふっ……。口ほどにもないな!」

 

 自分は完全に目的地への道を歩んでいると――そんな勝ち誇った笑みとともに、次の一歩を自信満々に踏み出した。

 

 ちなみにその道は最初のスタート地点と続いているので、雪斗は盛大にゴールから背を向けたことになる。

 

 あと、彼は手に入れた情報をもとに道筋を予測しゴールを目指すが、そもそも選択した道筋が異なるためゴールから離れるという三番目の新しいタイプである。そのせいで電車に乗り遅れたことに彼はまだ気づいていない。

 

 




 上杉は雪斗に零奈に会って池に落ちたとかいう話はしていませんので、五月の正体に気づけませんでした。
 
 原作では武田は5位でしたが、ライバルが二人ということでさらに勉学に励み3位という結果ということにしました。

 茨城県つくば市にある「筑波宇宙センター」では、一般には馴染みの薄い宇宙飛行士の実務に触れてもらうため、「宇宙飛行士模擬訓練体験」という予約制の訓練体験イベントを実施しています。
 具体的な模擬訓練の内容は、「宇宙ローバー」という無人探査車の遠隔操作、緊急時の対処方法、船外活動、閉鎖環境における適性検査などです。

 そう言えばNASAが宇宙飛行士の選考を行っていましたね。0次選考ってなんぞや。1次選考じゃないんかい。と思いましたが、無重力(ゼログラビティ)のゼロと掛けているんでしょうかね。




 四葉は多分ゲーマー。アニメが好きだからその手のものを網羅していそうだが、友人に勧められたゲームもやると思われる。なのでホラゲーとかもきちんとやってそう。ただ、愚直に進んで行くので死角の向こう側からお化けが飛び込んできたら、その場で飛び上がるくらいビックリしそう。イヤイヤ言いながら進み、五月とか他の姉妹を巻き込んでゲームをしてそう。

 雪斗の場合、リアルな作風になり、自由度が高ければ高いほど嬉々としてゲームやってそう。自由に動けないゲームほど怖い。なんでこの上に乗れないんだよぉ! テメェの脚は老骨かぁ!? 現実世界だったら負けねぇからぁ! とかいって愚痴ってそう。尚、雪斗はGTAなどリアルすぎるとそこら辺の人に喧嘩を売ったり、犯罪を犯すのに最初は躊躇う模様。え、ホラーゲーム? あぁ、怖いですよね、僕追いかけられるのは好きじゃないので尚更です。パシュッパシュッ。(敵に向かって銃を放つ)

 ちなみに作者はスマブラでは使い勝手を気にせず、気に入った技を放つキャラを使い続けるタイプ。カウンター技があるなら尚良し。カムイ最高。

 豆知識

 液体窒素。沸点約マイナス196℃。熱したフライパンに水を垂らすと一瞬で蒸発するように、常温でも簡単に気体となる。皆さんご存知の通り、液体と気体の体積を比べると、気体の方が遥かに大きい。そのため、部屋の中で液体窒素が気体になると、一瞬で部屋の中が窒素で満たされ呼吸困難となり、死に至る。割とこういう事故が多いので注意。ちなみに手で触っても、まぁ大丈夫っちゃ大丈夫by弟の体験談。

 東京トガリネズミ。名前からにして東京に生息していそうだが、実は北海道に生息している。更に、ネズミとついてるのに実際はモグラの仲間。言うなれば、北海道トガリモグラ。
 また、2時間を目安に食事をしないと死ぬ。また、毒を持っている。
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