【P5Rその後】地獄の女神は笑う【二次創作】   作:KOMOREBI

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 遅くなって申し訳ない。

 本作品には以下の注意事項がございます。


・ATLAS様の「ペルソナ5ザ・ロイヤル」の二次創作作品です

・無印版ではなく、完全版の方のその後ですので、本編のネタバレが含まれています

・よく言えばスピーディー、悪く言えば展開が早すぎる

・稚拙な文章

 以上のことが許せる方はどうぞ楽しんでいってください。


 この作品はフィクションです。実在する人物、団体、事象、宗教とは一切関係ありません。


第5話 改心みたいな

 段々と暖かくなり始め、天気の良い日は上着がいらなくなってきたある日。

 良い陽気の休日だと言うのに「CLOSED」の札がかけられた喫茶店の中で、その店のマスターは静かに新聞を読んでいた。

 1年ぶりに帰ってきた息子とその飼い猫を一時的に店から追い出し、そろそろ始めるかと独り言をつぶやいて新聞を雑にたたんで立ち上がる。

 

 ちらりと店内の時計を見ると時刻は10時半。やはり今から作り始めれば問題ないだろう。

 冷蔵庫を開けて今日のために買っておいた食材たちを眺める。

 顎に蓄えた髭を撫でながら、頭の中で計画を練る。

 

 と、考えがまとまってきたところで、それを崩すようにドアベルが鳴った。

 振り返りながら、入ってきた客と思われるその人物に言った。

「悪いね、今日は休み……って、芳澤さんだったか。あいつならいねぇぞ」

「あ、いえ、今日はパーティーのお手伝いに来ました!」

 

 すみれは黒を基調とした動きやすそうな服に、手提げバッグを身体の前に持ち、入り口の前に立っていた。

「今日マスターがお料理作ってくださるんですよね。お手伝いできたらと思ったんですが……迷惑でしたか?」

 もちろん建前である。一年間保護者を務めた惣治郎に、自分の知らない蓮を聞こうという魂胆だ。

「いや迷惑なんてこたぁねぇよ。ちょうど始めるところだったから手伝い頼むぜ」

 

 数分後。自宅から持参したエプロンを身に付けたすみれは惣治郎と共にキッチンに並び、料理を始めていた。

「芳澤さん、こっち頼む」

「は、はい」

 惣治郎に声を掛けられ、慌てて返事をする。

 すみれ自身、そこそこ料理の腕に自信はあったがやはり職業にしている人とは比べ物にならない。

 

「おぉ、すげぇじゃねぇか、完璧だ。芳澤さんは将来いい奥さんになりそうだな」

 料理中、そんな台詞が惣治郎の口から飛び出した。

 褒められた喜びよりも先に、『奥さん』という言葉がすみれを戸惑わせた。

 

「いやでも最近はそうでもねぇか。男が専業主夫とかも普通だしな」

 後頭部に手を当てて、ポリポリとかきながら言う。

「そ、そうですね! 私よりも蓮先輩の方が器用ですし!!」

 

「ん?」

「…………えっ?………………あ! いや、そのっ、違くて…………! えっと……!」

 思わず出た言葉に少し間を置いてから気づいた。恥ずかしさにおどおどして挙動不審になりながら、何とか弁解をしようとする。

 

「へぇ……仲良くやってるみたいだな」

 顎髭を撫でてにやにやと笑いながら、惣治郎が言った。

「うぅ……」

 すみれは顔を真っ赤にして俯いていた。

 

 それから数十分の間、すみれと惣治郎の2人は料理をしながら蓮の話をしていた。

 約一時間ぶりに店内にベルの音が鳴り響いた。

「ちわーっす!」

 

「竜司声でかい! お邪魔しますマスター」

 2人の若者の声が聞こえ惣治郎が顔を上げた。

「おぉ、いらっしゃい」

 

「竜司先輩! 杏先輩! こんにちは!!」

 2人の声を聞いたすみれがエプロンを付けたまま奥から顔を出した。

 明るく元気な笑顔を浮かべてカウンター越しに2人に近寄る。

 

「すみれ、マスターの手伝い? 早いね」

「なるほど……まずは周りから固めてくってことだな」

 腕を組んでニヤニヤと笑いながら、感心するような素振りで竜司が言う。

 

「そ、そんなんじゃないですっ!」

 竜司の言葉に早急に弁解するが、無情にも効果は無く、惣治郎、竜司、杏の3人はただ笑っているだけだった。

 

 

◇◆◇

 

 

「「「かんぱーいっ!!!」」」

 

 竜司と杏が来店してから数分が経ち、純喫茶ルブランにはかつて日本を、いや世界を震撼させた怪盗団のメンバーが集結していた。

 壁には『高校卒業&ジョーカー帰還記念パーティー』と書かれた手書きの横断幕が貼られ、テーブルの上は惣治郎とすみれが腕によりをかけて作った料理や、皆が持ってきた土産などで覆い尽くされていた。

 

 料理を食べながらワイワイと騒いで十数分。

 だんだんと気分も高揚してきたところで、竜司が席を立ち上がって言った。

「よし! じゃあ近況報告といきますか! まずはもちろん我らがリーダーれんれんから!!」

 

「え、俺?」

 突然話を振られた蓮が驚いて聞き返す。

「やっぱこういうのはリーダーからだよな!」

「うむ、俺も蓮からに賛成だ。向こうの話も聞いてみたいしな」

 

 囃し立てる双葉に、祐介が援護射撃をする。

 助けを求めるように周りを見渡すも、皆うんうんと頷き、隣に座るすみれに至っては目を輝かせて期待している様子だった。

 

 逃げ場のなくなった蓮がとうとう観念して持っていたコップを置き、ゆっくりと話し始めた。

 夏休み以降の地元での出来事、受験のこと、色々な話をまとめてさらけ出し、2Lのジュースが丸ごと無くなった頃やっと話し終わった。

 

「次は俺だな!」

 蓮の話が終わり、待ってましたと言わんばかりに立ち上がる。

「リュージお前自分が話したかっただけじゃねーか」

 呆れた様子でモルガナが言うが、竜司は全く気にしない様子で既に語り始めている。

 

 

 それからみんなで色々なことを報告し合った。

 竜司は体育大学へ進学し、杏は短大に進みモデル業の幅をさらに広げている。

 祐介は国内最難関クラスの美大に推薦で進学し、コンクールでの経歴もあり界隈ではかなり期待されているらしかった。

 

「私たちは去年と変わらずよ。ね、春」

 竜司、杏、祐介の話を聞いたところで、真がそう言った。

「うん。楽しくやってるよ。そう言えば、蓮くんはまこちゃんの大学と同じところだったよね」

 

「あぁ、でもキャンパスが違う。会えるって訳でもない」

「あ、そうなんだ。蓮くんお部屋はもう決めたの?」

 また春が尋ねる。

 近況報告という本来の目的からどんどん話がズレていたが、それを気に留める者は誰もいなかった。

「何となくな。今度内見に行って、それで決めるよ」

 

 

 

「そう言えば知ってるか?」

 パーティーが始まって約2時間、午後一時を過ぎ、そろそろお開きかと考え始めてきた頃。

 竜司が思い出したように切り出した。

「何をだ?」

 少しダルそうに蓮が聞き返す。

 

「最近あった物騒な事件だよ。なんか凄い温厚な人だったのに、急に豹変して人を殺したって」

「あー……、でもそんな奴ら沢山見てきただろ」

 やはり興味がないのか、蓮は適当にそう言った。

「いやでもなんかちげぇんだって。ちょっと改心みてぇな…………」

 

「私、調べとこうか?」

 と、竜司の言葉を聞いて双葉が提案した。

「お、マジで? じゃ頼むわ」




 お読みいただきありがとうございました。

 18禁バージョンはpixivにアップしております。許せる方はそちらもどうぞお読みください。(第4話デート回の続きがあります)

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