平成の転生者(改訂版)   作:初任者

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第三章ー風の聖痕ー
・第一話 ー遭遇ー


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第3章

ー風の聖痕ー

第1話

ー遭遇ー

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父親の仕事は妖魔専門の対魔処理人のような仕事だ。まあ、簡単に言えばオカルト専門の揉め事処理人だ。

 

基本的に危険だがハイリターンの仕事がこの仕事だ。

 

んで、精霊術師の修行の一環として父親の仕事を見ていたのだが…。

 

 

*********

○豪邸の一室○

 

 

「いい加減起きろ」

ーーーガスッ‼︎

「うわぁ…」

 

 

俺は思わずドン引きしていた。焼け焦げた部屋の中で、丸焦げの人間を足蹴にしてればドン引きするのもわかるだろう。

 

…まあ、丸焦げの人間の素性からすると、問題は無いはずではあるが。

 

 

「き、きみ、いくらなんでも…」

 

 

父親と丸焦げの人間の不仲さを見ていた依頼人が口を挟む。

 

 

「問題ねーよ」

 

 

その言葉の通り、丸焦げの人間…いや、男がむくりと起き上がる。その体には火傷の跡などはなさそうだ。

 

 

「これが神凪の加護か…」

 

 

起き上がった男は、火属性の妖魔に炎を放つも反撃されて真っ黒に焼けたはずだった。しかし、起き上がってみれば多少火傷した程度のようだ。

 

 

「正確には炎の精霊の加護だ。神凪一族の人間には炎の精霊の加護がある。生半可な火力じゃあ、怪我もさせられん」

「ふーん」

 

 

俺は神凪一族の男に近づく。

 

 

「おにーさん、名前からすると神凪の分家だろ?」

「あ、ああ」

 

 

俺はニヤリと笑みを浮かべる。

 

 

「なら遭遇した以上はぶち殺し案件だよね〜」

「なッ⁉︎」

 

 

俺は男の首を右手だけで締め上げる。

 

 

「くっ、かっ…」

「抵抗してみろよ。ほら。ハーリーハーリーハァアアアリィいいいい‼︎」

 

 

男の両腕に炎が宿り、その炎が俺に向けられる。

 

 

「かはっ⁉︎ ゴホゴホ」

 

 

俺が手を離したため、男が慌てて呼吸を行う。

 

 

「ふむ…」

 

 

そんな男の放った炎。今だに俺を燃やす炎を見つめながら、俺は軽く落胆していた。

 

 

「はぁ、炎の一族神凪も、分家程度じゃこのくらいか。残念だ」

 

 

俺は炎を右手に集め、握り消す。

 

 

「なんだと⁉︎」

「火傷くらいするかと思ったのに」

「お前に与えられている加護は生半可じゃ無いからな。下手したら宗家でも火傷くらいが手一杯って可能性もあるからな」

「ふーん」

 

 

俺は手を開いたり閉じたりして加減を確認する。そう、俺はコイツの実力を確かめるために挑発したのだ。

 

 

「ほ、炎の精霊の加護だと? あの出来損ないの和麻の息子が…?」

 

 

あ、こいつ俺の家族をバカにしたな?殺そう。

 

 

「挨拶はまた今度にするとして、コイツにはそれなりのお灸が必要なようだ」

「やめろ、総司。神凪とモメる気はない」

「…ちっ、父親だってさっきは散々悪口の言い合いしてたじゃないか」

「あれくらいじゃあ"戦争"にはならない」

 

 

俺は父親の言葉に、両肩をすくめながらため息を吐き出す。

 

 

「さっさと帰るぞ。飯の時間だ」

「っと、今日は母親お手製の水餃子の日だった」

「え?焼き餃子じゃなかったか?」

「母親に確認したから間違いない」

「ま、どっちにしても美味いのは間違いないか」

 

 

俺達は帰宅するために車に乗り込む。

 

 

「まさかこんなに早く遭遇するとは思ってなかったな」

「どうする?」

「様子見だな。相手の出方を見る」

「ふーん…ま、そこまで言うなら、任せるけど」

「言うまでもないことだが」

「もちろん敵対してきたら潰すから」

「…なんでお前そんなに戦意高いんだ?」

「さあ?」

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

○語りside○

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

神凪一族は、火炎を自在に操る炎術師の中でも、最強と目される一族である。

 

単にチカラが強力なだけではなく、一族の血に宿る特殊能力こそが、最強と目されるその由縁であった。

 

彼らの炎は物理的な炎だけではなく、不浄を祓い清める破邪のチカラ…【浄化の炎】なのだ。

 

しかし、そのチカラは血が薄れていくと共に薄れていった。本家はともかく分家から能力の最高位である【黄金】が失われて久しい。

 

それゆえに、場合によっては妖魔に吸収された上に反撃されるという失態を犯すこともあった。

 

 

*********

○神凪家○

 

 

重苦しい空気がその部屋に流れていた。

 

 

「そうか…和麻は風術師として大成し、息子までいるとは」

 

 

妖魔相手に失態を犯した分家の男に謹慎を申し渡した宗主【神凪 重悟】は深いため息と共に言葉を発する。

 

 

「…」

 

 

その言葉に両目を閉じたまま無言でいるのは、和麻の父親であり総司の祖父にあたる【神凪 厳馬】であった。

 

 

「しかし、分家とはいえ神凪の炎を握りつぶすほどの炎の精霊の加護か…チカラのコントロールは和麻がいるから大丈夫だとは思うが」

 

 

和麻は"出奔"したとはいえ神凪一族として生を受け修行を受けていた。精霊術のコントロールに関しては問題ないと重悟は判断していた。

 

 

[…明日にでも私が実力を見てきましょう。和麻の息子も、和麻自身も」

 

 

厳馬が立ち上がる。

 

 

「(…不器用な男だ)」

 

 

重悟は深いため息を吐き出した。

 

その晩のこと。神凪の術者3人が殺されることになるなど…この時は誰も予想していなかった。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

○語りsideEND○

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

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エンド

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