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第3章
ー風の聖痕ー
第4話
ー共同戦線ー
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「総司。神凪本家に行くぞ」
「「「は?」」」
父親がホテルに戻って早々に言ったセリフである。なお、敵に叔父が拐われたらしい。
叔父が拐われたことで、父親も神凪と接触せざる終えないと覚悟を決めたらしい。
…なぜ俺までとは思わんでもないが、叔父の危機であるため付き添うことに決めた。
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○神凪本家○
「ほうほう。これは中々のお屋敷で…」
「さっさと行くぞ」
ルフで神凪本家前に降りた俺は、不機嫌そうな父親に促されて、本家の中に進む。
「八神 和麻‼︎」
やはりというべきか。瞬時に神凪の術者に囲まれる。
「どけ分家の雑魚ども」
「和麻‼︎ お前をこれ以上先に行かせるわけにはいかない‼︎」
分家の術者達が炎術を発動しようとする。
「≪裁きの雷光≫」
「「「「ぐぁあああ⁉︎」」」」
しかしそれは許さず。俺は魔法スキルを放つ。雷が分家の術者を貫くが、このスキルは決して敵を殺さない不殺のスキルである…まあ、動けない程度のダメージは入るが、死ぬよりはいいだろう。
「総司、お前は手を出さなくていい」
「え?あ、そう?」
俺は父親の後ろに戻る。父親は相当機嫌が悪いようである。
「もうよい…久しぶりだな和麻」
倒れる分家の術者の奥から、和服姿の中年男性が現れる。一言で言うならダンディーなおじさんって感じであろうか?
「宗主…」
「宗主?宗主⁉︎」
俺は思わず構える。神凪のラスボスやんけ⁉︎
「蓮が拐われた」
「蓮が?」
宗主が眉を顰める。
「風術を使うやつにな。多分あんたんところの術者を殺した奴だ。心当たりはないか?」
「…うむ」
そういえば、神凪の術者が殺されて犯人は風術師って話だった筈。
「(話が繋がってきたな)」
どうやら宗主と父親とで話がまとまったらしく、屋敷の奥へと進む。
「懐かしいか?」
「別に」
父親が肩をすくめる。
「総司はどうする?鯉でも見てるか?」
父親が俺に問う。
「その子がお前の息子か?」
「ああ、総司だ。分家2人を同時に倒せるくらいには強いから連れてきた」
「ほう、それは将来有望だな」
宗主が俺の頭を優しく撫でる。暖かな優しい手つきである。
「(下はともかくこの人は信用できそうだな) 父親、俺は外で待ってるよ」
「分かった。一応警戒はしておけよ」
「了解」
父親達が襖の奥に消える。俺はその襖の正面で座り込み、いつでも戦えるようにケータイを手に持って空を見上げる。
「(さて、今回の敵は俺達八神一家と神凪一族を敵に回している。目的は何だ?)」
叔父を誘拐してこちらに手を出してこないところを見るに、本来の目的は神凪一族にも見えるが、父親のチカラを考慮に入れると損害を恐れて深追いをしなかったとも取れる。
「(敵の正体が見えない。目的は何だ?)」
しばらく空を見ていると、ドタバタと学生服姿の少女が炎を纏った剣を片手に、怒気を振りまきながらこちらへと突進してくる。
「かぁあああずぅうううまぁあああ‼︎」
「神凪の術者⁉︎ ≪裁きのーーー」
「かぁああああつ‼︎」
俺がスキルを放とうとした瞬間に凄まじいまでの気が周囲に放たれ、俺のスキルがキャンセルされ、剣の炎も消え失せる。
「お、俺のスキルが」
「お、お父様?」
「この、馬鹿者が‼︎」
襖を開けた宗主が、少女に拳骨を落とす。
「い、いたぁ〜」
「客に、それどころか子供に刃を向けるとはなんたることか‼︎」
「でもお父様」
そこから宗主の説教が始まる。
「…宗主、やべぇ」
「現時点で足さえ無事なら神凪最強でもおかしくない人間だからな」
父親がお茶を飲みながら答える。
「すまなかったな総司君」
「い、いえ…」
「話を戻すが…犯人は誰だ?」
「犯人?」
「あなたは途中から来たので話もよく分からないでしょうし、無理に会話に入らないで、俺とこっちにいましょう」
「え?あ、うん」
俺と少女は少し離れたところに正座で座る。
「犯人は【風牙衆】だ」
「風牙衆?」
「神凪一族に従っている風術師集団だ」
俺の疑問に父親が簡単に説明する。それって下剋上じゃ…。
しかし、そこから語られたのは悪の組織として暗躍していた風牙衆が、神凪一族にチカラの元を奪われ、従属を強制させられ、チカラが無いからと貶められてきた歴史であった。
…ただの復讐やんけ‼︎ 俺ら八神一家関係ないやん‼︎
つか、この家系、追放やら弾圧やら復讐やらが多いな‼︎
「蓮は彼らのチカラの元であり、神と崇める妖魔復活のための生贄に選ばれたのだろう」
「生贄だと?」
父親の視線が鋭くなる。その瞳の中には怒りが滲み出ていた。
「そんなの間違ってる‼︎蓮は…蓮は悪魔に食われるために生まれたんじゃないわ‼︎」
「ッ⁉︎」
父親が顔を顰める。何か刺さる言葉でもあったのだろうか?
「封印の場所は?教えてお父様‼︎」
「(神凪と風牙衆のいざこざに俺達が巻き込まれたということは分かった。さて、父親はどう動く?)」
「待て。お前1人じゃ確かに無理だ。行けば妖魔の依代となっている【竜也】が現れる。バックアップが必要だ」
父親が事実を言う。父親がそう言うということは、この少女はその程度の実力なのだろうか?
「俺がやってもいい」
「あんたが?」
「和麻…」
おやっと俺は内心驚く。父親の神凪嫌いは中々だったはずだ。それがバックアップというか協力するとはとても考えずらい。
「お前に頼もう」
「お父様⁉︎」
父親と少女の言い争いの後、宗主が決定を下す。
「で?いくら出す?」
「「「は?」」」
俺少女宗主の3人が父親の言葉に固まる。いや、やっぱりかよこの父親‼︎ タダで受けないだろうなとは思ったけれども‼︎
「やってはいいとは確かに言ったが、タダでやるとは言ってない」
「お金取ろうっての⁉︎ 自分の家の一大事に‼︎」
「神凪はもう俺の家じゃない。今の俺は八神 和麻だ。今の俺には妻も息子も娘もいるしな」
「あ、あんたね…‼︎」
「ふっ、いいだろう」
宗主は苦笑すると、父親の提案を受け入れる。
「言い値で払おう」
「お、お父様?」
「場所は?」
「場所はーーー」
場所を聞いた父親はさっさと部屋を出る。
「総司、あれ呼べるか?」
「上空に待機させてる」
「降ろせ」
「了解」
空から巨大な鳥、霊鳥:ルフが降り立つ。
「な、妖魔⁉︎」
「総司の使い魔だ。さっさと行くぞ」
俺達は戦場へと飛んだ。
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エンド
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気付けば第3章も終わりが近付いてきました。
もうそろそろヒロイン決めないとまずいですかね?(汗)