平成の転生者(改訂版)   作:初任者

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これでひとまず風の聖痕編のフィナーレです。


・第5話 ー神凪の試練ー

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第3章

ー風の聖痕ー

第5話

ー神凪の試練ー

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山の中を車が駆け抜ける。山道ゆえにガタガタと車が揺れる。

 

 

「何で子供まで連れてきたのよ」

 

 

少女こと神凪宗家次期宗主【神凪 綾乃】が父親に文句を言う。

 

 

「総司はお前並みの火力の炎術を使えるし、使い魔もいる。戦力としては十分だ」

「でも…」

 

 

瞬間、風術のレーダーに禍々しい気配がひっかかる。

 

 

「父親」

「分かってる。出るぞ‼︎」

 

 

俺達は車から脱出する。河原に転がり、すぐに立ち上がる。

 

 

「お出ましのようだな」

 

 

ゆっくりと空から人形を保っているが異形と化した人間が降りてくる。なお、その背後で風に貫かれた車が爆発炎上している。

 

 

「≪火遊び・火燐三大蛇≫」

 

 

俺が炎に包まれ、さらにそこから3体の炎の大蛇が現れる。

 

 

「父親は先に救出へ行ってくれ。俺は神凪のお嬢様と一緒にこいつを抑える」

「分かった任せるぞ」

「え?」

 

 

父親が空に消え、綾乃が呆然とその光景を見る。

 

 

「こいつに足止めされて大妖魔を解放させるわけにはいかないでしょう?なら速度の出せる父親に任せるべきだ」

「ま、まあそうよね」

 

 

綾乃が炎を纏った剣を構える。

 

 

「(ちっ、手間のかかるお嬢様だ)」

「やぁあああ‼︎」

 

 

綾乃が竜也に斬りかかる。俺はその両サイドから火の蛇を走らせる。

 

 

「ファイエル‼︎」

 

 

3体の火の蛇の口から、火球が放たれる。

 

 

「はぁっ‼︎」

 

 

風にその火球が切り裂かれ、消滅する。

 

 

「(ちっ‼︎ 風の精霊が狂ってるせいで干渉できない‼︎)」

 

 

そう、竜也使う風術は通常の風術とは違い精霊が大妖魔の瘴気で狂っている。それ故に精霊王との契約者である俺の言うことも聞かないというわけだ。つまるところ、まともに大妖魔の依代とやり合わなくてはならない。

 

 

「(前衛がいるからまだいいが…)」

 

 

しかしその前衛も、斬り込み切れないでいる。

 

 

「なら…召喚‼︎デカラビア‼︎ パズス‼︎」

 

 

召喚した悪魔達が綾乃の支援に向かう。

 

 

「ッ⁉︎ 妖魔に助けられるなんて‼︎」

「(妖魔じゃなくて悪魔なんだけどなぁ)」

 

 

しばらく戦っていると、急に竜也が空に飛ぶ。しかし、それを追うことは出来なかった。

 

 

「待ちな、さ…」

「綾乃さん⁉︎」

 

 

そう、急に綾乃が倒れたのだ。駆け寄り、状態を見ると風に含まれていた瘴気に身体が侵されているようであった。

 

 

「ちっ、炎で全部浄化していると思ったのに」

 

 

状態を見るに、放置すれば死ぬのは間違いない。

 

 

「仕方ないな…」

 

 

その瞬間、父親と叔父が空から現れる。

 

 

「姉様‼︎」

 

 

叔父が綾乃に駆け寄る。

 

 

「どういう状態だ?」

「妖魔の瘴気が風に混ざり込んでたみたいで、前衛をしていたから…」

「もって後数時間ほどか」

「兄様‼︎ 姉様が‼︎」

 

 

叔父がヒステリックに叫ぶ。

 

 

「叔父、この程度なら何とかなります」

「「え?」」

 

 

叔父と父親が驚きの表情を浮かべる。

 

 

「≪常世の祈り≫」

 

 

全員が回復スキルによって癒やされる。

 

 

「これは…凄まじいな」

「姉様」

「う、うーん」

 

 

ゆっくりと綾乃が起き上がる。

 

 

「総司、帰ったら説教と使える能力全部教えろ」

「えー、俺も秘策の一つや二つ必要だと思うんだけど」

「問答無用だ」

 

 

いかん、説教が長くなりそうだ。

 

 

「それはともかく、これからどうする?」

「俺と綾乃で妖魔を討つ。お前と蓮で妖魔に起こされた邪霊どもを祓え」

「了解。叔父、行きましょう」

「え?あ、うん」

 

 

俺はデカラビアに乗り込み、叔父をパズスがお姫様抱っこする。

 

 

「え、えぇえええ⁉︎」

 

 

叔父の叫び声と共に、空へと飛ぶ。

 

 

「パズスは叔父を支援しろ。デカラビアは俺と行くぞ」

「ち、ちょ、総司君⁉︎」

 

 

俺と叔父は邪霊が群れ始めている場所へと突撃していく。

 

 

「蒸滅せよ‼︎≪火遊び:爆殺波≫‼︎」

 

 

放たれた炎の津波が、森ごと邪霊達を浄化していく。

 

 

「何でことを⁉︎ これじゃ山火事に」

「ならない」

 

 

炎は邪霊のみを祓っている。目的のもの以外は燃やさないということも、高位の炎術師ならできるのだ…特に精霊王と契約している俺は。

 

 

「さて、叔父…敵は弱いが数が多いです。背中は任せても?」

「え?あ、うん」

「不安になる返事ですが…まあいいか」

 

 

俺達は邪霊を祓い続ける。

 

 

「それにしても多い」

「大妖魔の瘴気が強すぎるんだ。封印されてたのに…」

 

 

叔父の言葉の通り、封印から解放されたばかりの弱体化状態でこれということは、完全復活した時が恐ろしい。

 

 

「とはいえ、この邪霊も人里に降りたら大問題になる」

「人間2人と悪魔2体でどこまでできるか、ですね」

 

 

メタトロンなどの高位悪魔を召喚して暴れさせれば、山がどうなるか分からない。大技を使えない悪魔達は現在俺達の盾程度にしか役に立たない。

 

 

「くっ、本当に色々制限させられるな‼︎」

『ギャッ⁉︎』

 

 

俺の炎を纏った拳を受けた邪霊が、浄化の炎によって浄化される。

 

 

「はぁ‼︎」

 

 

叔父の火球が、邪霊数体を浄化する。

 

 

「大妖魔の瘴気を何とかしないと、ジリ貧だな」

「兄様姉様…」

 

 

瞬間、爆風と言えるほどの突風が吹き荒れる。

 

 

「これは⁉︎」

「まさか、"ダウンバースト"?」

「ダウンバースト?」

「今は余裕がないから後で教えるね」

「はい、分かりました」

 

 

前世じゃあ社会人だったのに、中学生の叔父に知識で負けるとは…内心それなりに恥ずかしい。帰ったら勉強しないとな。

 

この後、火柱が上がったり、また突風が吹き荒れたりしたが…妖魔は父親と綾乃の手によって討たれた。

 

こうして無事に事件は収束した…まあ、無事なのは八神一家だけであるが。

 

 

ーーー神凪家はこの事件で膨大な損害を被った。

 

分家とはいえ術者数人が死亡(風牙衆による暗殺)、宗家の護衛についていた術者の多くが重傷(俺の仕業。だがやってきたのは向こうだ)、下部組織であり調査等を一任していた風牙衆の離脱(しょうがないよね)、父親への依頼料や見舞金などの費用(父親が結構ふっかけていた。綾乃が切れてた)。

 

日本国内での神凪の地位はこの事件で大きく揺らいだ。そして、神凪の戦力も大きく低下した。

 

ここで神凪は八神 和麻と協定を結んだ。それはある種の傭兵契約であった。

 

八神 和麻は神凪から格安で依頼を受ける。その代わりに神凪は八神一家に対して様々な支援をする(俺への炎術指導や住居等の融通なども含まれる)。

 

そう、父親は神凪に傭兵として雇われる代わりに、俺達が腰を据えて育つ環境を整えたのであった。

 

 

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ーーーストーリー【風の聖痕】クリアを確認。

ーーーストーリークリアを確認。クリアボーナスの付与を決定。

ーーー転生者の魂のデータよりクリアボーナスを策定…完了。

ーーークリアボーナス【武術習得効率向上大】を付与開始…完了。

 

ーーーそれでは、良い人生を。

 

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エンド

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